JP2690505B2 - 銅イオン及び/又は銀イオンを含む透湿性フイルム - Google Patents

銅イオン及び/又は銀イオンを含む透湿性フイルム

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憲幸 倉本
昭夫 森内
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は抗菌性および透湿性を有するフイルムに関す
る。
〔従来技術〕
従来から、透湿性フイルムは、生活関連資材、建築材
料、包装材料、スポーツ衣料等幅広く使用されている
が、特に靴、手袋、スポーツ衣料などは、体内からの汗
や分泌物が残存し、これに繁殖する細菌により体臭が発
生し不快感を与えたり、あるいは細菌感染により皮膚炎
症を起したりすることがある。
このため、近年、抗菌性を有するフイルムを提供する
ための種々の試みがなされている。
すなわち、従来より銅や銀などの金属が抗菌作用を有
することが知られており、この性能を利用して、水平溶
性の銅化合物又は銀化合物の微粉末を含むフイルム(特
開昭61-138658号公報)が提案されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、前述の方法では、金属微粉末を多量に添加し
なければ抗菌性が得られず、又フイルム強度が損なわれ
るという問題点を有し満足できる抗菌性フイルムを得る
ことが困難であつた。
本発明は、上記の欠点に鑑み、鋭意研究の結果長期間
安定して抗菌性能を発揮し、尚かつ、フイルム強度を損
なわないフイルムを提供するものである。
〔問題点を解決するための手段〕 すなわち、本発明は銅イオン及び/又は銀イオンを溶
出し得る化合物を溶解性ガラスに配合してなる粒子を分
散させた透湿度500g/m2/24hrs以上のフイルムである。
本発明において銅イオン及び/又は銀イオンを溶出し
得る化合物とはガラス中あるいはガラスから溶出後に金
属イオン又は金属イオン形成物(金属イオンになりやす
い物質)になるものであれば良い。具体的には、銅化合
物としては、Cu2O,Cu2S,CuO,CuS,ハロゲン化銅,Cu(O
H)2,CuSO4などの無機化合物,酢酸銅,アミノ酢酸
銅,蟻酸銅などの有機化合物を用いることができる。
又、銀化合物としては、Ag2O,Ag2S,AgNO3,ハロゲン
化銀,Ag2SO4,Ag2CO3,などの無機化合物,酢酸銀,蓚
酸銀,サリチル酸銀などの有機化合物を用いることがで
きる。
溶解性ガラスとの相容性、含有金属率の観点から、Cu
O,CuO2,あるいはAg2Oが好ましい。
本発明の溶解性ガラスとは、粒度500μmパス350μm
残のガラス粒子1gを蒸留水500ml中に投入し、40℃で空
気泡攪拌におけるガラス粒子径減少速度(μm/hr)で表
わすと、0.001〜100μm/hr、好ましくは0.005〜60μm/h
rである。減少速度が0.001以下の場合は満足できる抗菌
性能が得られない。減少速度が100μm/hrの場合は長期
に安定した抗菌性能が得られない。
本発明の溶解性ガラスは具体的にはSiO2,B2O3,P2O5
などの網目形成酸化物及びNa2O,K2O,CaO,MgO,BaO,Al2O
3,ZnO,TiO2などの網目修飾酸化物などから構成され、こ
れらの酸化物の組成比によりその溶解度を調整すること
ができる。
銅化合物あるいは銀化合物を含有する溶解性ガラスの
製造方法は溶融ガラス中に分散させるか、あるいは銅化
合物、銀化合物とガラス成分でゲルをつくり、750〜120
0℃の範囲で焼成するゲルゾル法がある。溶融する方法
では分散性が良くないので、ゲルゾル法が好ましい。
溶解性ガラスに銅化合物あるいは銀化合物を分散させ
て、通常の方法により微粒子化することが出来る。その
粒子径は、フイルムの機械的特性を損わない程度のもの
であればよく、20μm以下、好ましくは10μm以下であ
る。
溶解性ガラスに含有する銅化合物は10〜50重量%、銀
化合物は0.5〜20重量%が好ましい。
フイルムに含有する金属イオンの量は、抗菌性能から
銅イオンでは0.01〜10重量%、銀イオンでは0.0001〜0.
5重量%である。
本発明のフイルムに使用できる樹脂は透湿性を有する
ものであればすべてのものに使用できるが、主に、ポリ
ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、
ポリビニルアルコール系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、フツ素系樹
脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ
塩化ビニル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン系樹脂等が挙げられる。
フイルムに透湿性を付与させるには、発泡剤を用いて
フイルムを発泡させる方法、フイルムに微粒子を添加し
抽出する方法、樹脂溶液中の溶媒を樹脂の非溶媒で溶媒
と自由に混合する溶媒で抽出する方法等にて孔径1mm以
下、空孔率20%以上の多孔質フイルムを製造するか、気
孔を形成させず樹脂に−SO3H−,−SO3M(M:アルカリ金
属又は−NH4),−COOM,−COOH,−NH2,−CN,−OH,−NH
CONH2等の親水基を導入する方法がある。
本発明のフイルムには、フイルムに通常使用されてい
る各種添加剤を含んでもよい。例えば、熱安定剤、酸化
防止剤、光安定剤、平滑剤、撥水剤、硬化剤、可塑剤、
増粘剤、顔料、光沢付与剤、難燃剤等である。
本発明に係るフイルムの製造方法は、コーテイング
法、インフレーシヨン法、T−ダイ法、カレンダ法、流
延法等が使用できる。
本発明のフイルムの抗菌性は、白癬菌に属するトリコ
フイトン メンタダロフイテイ(Trichophyton mentagr
ophytee,IFO 5466),トリコフイトン ラブラム(Tric
hophyton rubrum,IFO 5467),アスペルギルス フラバ
ス(Aspergillus flavus,IFO 6343),アスペルギルス
ニゲル(Aspergillus niger,IFO 6341),ペニシリウ
ム シトリウム(Penicillium citrium,IFO 6352),フ
ザリウム リニ(Fusalium Lini,IFO 4468),リゾフス
ニグリカンス(Rhizopus nigricans,IFO 5781),ク
ラドスポリウム レジニー(Cladosporium resinae,IFO
8588),シユウドモナス(Pseudomonas)菌,黄色ブド
ウ状球菌,大腸菌に対して強い殺菌作用を示す。又、細
菌以外のカビ類に対しても優れたカビ抵抗性を示す。
本発明のフイルムは、フイルム単独だけでなく用途に
よつては、繊維素材との積層が可能である。積層する方
法には、ポリウレタン、アクリル、ゴム系等の接着剤を
用いて接合する方法、本発明のフイルムを押出しコーテ
イングして接合する方法等がある。
本発明は溶解性ガラスに銅イオンあるいは銀イオンを
溶出するか、イオンを形成する化合物を分散したものを
フイルムに分散させたものである。
そのため、溶解性ガラスから銅イオンおよび銀イオン
を長期に安全的に供給することが出来る。また適度の透
湿性があるため、イオンが水蒸気の透過とともに適度に
溶出し長時間安定して抗菌性能を発揮するものと考えら
れる。このように本発明は溶解性ガラスとフイルムの透
湿性との相乗効果により抗菌性を安定長期に保持するこ
とができた。
(実施例) 実施例に示す特性の測定方法は下記の通りである。
(抗菌性) (1) 使用した細菌 Staphylococcus aureus FDA 209P(スタフイロコカス
アウレウス FDA 209P) (2) 試験方法 AATCC TEST METHOD 90に準ずるハローテスト法 (透湿性) JIS L-1099 A法にて測定し、単位をg/m2/24hrに換算 (耐久性) 抗菌性能の耐久性を調べるため水に一定時間浸透(オ
ーバーフロー状態)させた。
実施例1 イソホロンジイソシアネート、ポリエチレグリコール
(分子量2000)、1,4−ブタンジオールからなるポリウ
レタンエラストマー20部に対して、B2O336重量%、SiO2
17重量%、Na2O5重量%、CuO42重量%からなる溶解性
ガラス(粒子径5ミクロン)を2部、ジメチルホルムア
ミド48部、メチルエチルケトン30部からなる樹脂溶液を
調合した。
この樹脂溶液をロールドクターコーターにて離型紙
(創研化工(株)製 工程紙EV130TP)に塗布し乾燥機
にて溶剤を除去した後、離型紙を剥離しフイルムを得
た。フイルム厚みは、30ミクロンであつた。
比較例1 実施例1で用いた溶解性ガラス2部をサラン系樹脂
(旭化成工業(株)製 KSQ−1)100部と増粘剤(日本
アクリル化学(株)製 プラマイル ASE-60)2部に配
合し、Cuがサランポリマーに対し5重量%になるように
調合した。この樹脂溶液を実施例1と同様な方法でフイ
ルムを製造した。フイルムの厚みは30ミクロンであっ
た。結果を第1表に示す。
第1表から、本発明のフイルムは、長時間安定した抗
菌性能を発揮する。
実施例2 比重0.92低密度ポリエチレン95部と核形成剤(重炭酸
ソーダ 0.5部、クエン酸 0.5重量部)とB2O329重量
%、SiO251重量%、Na2O10重量%、ZnO4重量%、Al2O3
1重量%、Ag2O5重量%からなる溶解性ガラス(粒子径
3ミクロン)4部を配合して、加熱溶解後、T−ダイ法
にて発泡ポリエチレンフイルム(厚み100ミクロン、孔
径250ミクロン空孔率80%)を得た。
結果は、第2表に示す。
比較例2 実施例2のフイルム製造の内、核形成剤を添加せずに
無孔タイプのポリエチレンフイルム(厚み50ミクロン)
を得た。結果を第2表に示す。
〔発明の効果〕 本発明のフイルムは、優れた抗菌性能を有し、尚か
つ、フイルムの透湿機能により銅イオン及び/又は銀イ
オンを適度に溶出し長期間安定した抗菌性能を発揮す
る。
その結果、抗菌性を有するフイルムは、靴、手袋、ス
ポーツ衣料をはじめ、生活関連資材、建築材料、包装材
料等に幅広く使用することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】銅イオン及び/又は銀イオンを溶出し得る
    化合物を溶解性ガラスに配合してなる粒子を分散させた
    透湿度500g/m2/24hrs以上のフイルム
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