JP2690135B2 - テレビジョン同期受信機 - Google Patents

テレビジョン同期受信機

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JP2690135B2 JP1045377A JP4537789A JP2690135B2 JP 2690135 B2 JP2690135 B2 JP 2690135B2 JP 1045377 A JP1045377 A JP 1045377A JP 4537789 A JP4537789 A JP 4537789A JP 2690135 B2 JP2690135 B2 JP 2690135B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、テレビジョン受信機に関するものであり、
特に同期搬送波再生方式の受信機に関するものである。
〔従来の技術〕 従来、テレビジョン受像機やVTRビデオチューナには
スーパーヘテロダイン方式のテレビジョンチューナが用
いられている。
第7図に従来のスーパーヘテロダイン方式のテレビジ
ョン受信機の要部ブロック図を示す。102は高周波増幅
器、104は混合器、106は局部発振器、108は中間周波増
幅器、110は検波器、112は出力端子である。
以上のように構成されたテレビジョン受信機について
その動作を説明する。高周波増幅器102に入力される希
望信号をfRF、局部発振器106の発振周波数をfLOとした
とき、混合器104から中間周波数fIF=fLO−fRFの中間周
波信号が得られる。この時、fIM=fLO+fIFのイメージ
信号は高周波増幅器102内の同調回路によって除去され
る。中間周波信号は中間周波増幅器108によって増幅さ
れ検波器110で復調され、ベースバンドビデオ信号が出
力端子112から出力される。
このような構成では原理的に(1)良好な周波数選択
度を得ることができる、(2)発振のおそれなしに検波
器以前で高い利得をとれる、(3)したがって検波器を
比較的高いレベルで動作させることができ、良好な直線
性が得られるという利点がある。
ところで、上記の構成において、高周波増幅器102の
同期素子として可変容量ダイオードを用いた電子同調チ
ューナが広く用いられているが、可変容量ダイオードの
直列抵抗成分により同調回路の損失が増えて、必要とさ
れるイメージ周波数の選択度を得ようとすると、雑音指
数が大きく劣化する。また雑音指数を良くするためには
イメージ周波数の選択度を下げなければならず、この場
合は当然イメージ信号を十分に除去できないという問題
があった。
上記の問題を解決するためにコスタスループとして知
られる位相同期ループをもつ同期搬送波再生方式の同期
受信機を応用したテレビジョン受信機がある。
従来の同期搬送波再生方式のテレビジョン同期受信機
の要部ブロック図を第8図に示す。テレビジョン映像変
調波を増幅する高周波増幅器202、その出力の同相成分
を検波する第1の同期検波器204、直交成分を同期検波
する第2の同期検波器206、これら2つの同期検波器の
出力からベースバンド信号成分のみを通すローパスフィ
ルタ208、および210、そのベースバンドビデオ信号成分
を増幅するビデオ信号増幅器212、214、これら2つの信
号増幅器の出力の位相を比較する位相検出器224、この
位相検出器224の出力の低減成分のみを通すローパスフ
ィルタ222、選局電圧を発生する選局電圧発生器226の出
力と、ローパスフィルタ222の出力電圧とを電圧加算す
る電圧加算器220、この電圧加算器220の出力で制御され
る電圧制御発振器216、この電圧制御発振器216の発振出
力を90゜移相する90゜移相器218、およびビデオ信号フ
ィルタ228から成り、検波されたベースバンドビデオ信
号は出力端子230から出力される。
ここで、テレビジョン映像変調波の同相成分を検波す
るための同期検波器204、ローパスフィルタ208、ビデオ
信号増幅器212から構成される回路ブロックをI信号ブ
ロック250、またテレビジョン映像変調波の直交成分を
検波するための同期検波器206、ローパスフィルタ210、
ビデオ信号増幅器214、90゜移相器218から構成される回
路ブロックをQ信号ブロック252とする。
次にその動作を説明する。
高周波増幅器202に入力される受信チャンネルの映像
変調波は第9図のように残留側帯波変調されている。こ
こで、この残留側帯波を第9図に示すように3つの領域
にわけて受信チャンネルの映像変調波が検波される過程
をI信号ブロックとQ信号ブロックに分けて説明する。
第9図において270をAM(Amplitude Modulation)領
域、272をDSB(Double Sideband)領域、274をSSB(Sin
gle Sideband)領域とする。またVrは映像キャリヤ、Ar
は音声キャリヤである。
まずI信号ブロックから説明する。
受信チャンネルのAM領域270の映像変調波VrAM(t)
は VrAM(t)=A(1+kcospt)cos(ωct−α) ……(1) と表わすことができる。ここでAは振幅、kは変調度、
cos ptはベースバンドビデオ信号 ωは映像キャリヤの各周波数、αは映像キャリヤの初
期位相である。
また電圧制御発振器216の発振出力信号(同期搬送
波)VLOI(t)を VLOI(t)=Bcos(ω−β) ……(2) と表わす。Bは振幅、ωは発振出力信号の角周波数、
βはその初期位相である。
高周波増幅器202の出力信号と電圧制御発振器216の発
振出力信号を同期検波器204に入力するとその出力VBAMI
(t)は式(1)、(2)より、 となり、次のローパスフィルタ208でω+ωの項は
除去されて、その出力は、 となる。
ところで、選局電圧発生器226、I信号ブロック250、
Q信号ブロック252、位相検出器224、ローパスフィルタ
222、電圧加算器220と電圧制御発振器216で構成される
コスタスループ、すなわち位相同期ループによってω
=ω、α=βとなるように制御されるので式(4)
は、 となり、ベースバンド信号が復調される。
次に受信チャンネルのDSB領域272の映像変調波につい
て述べる。DSB領域272の映像変調波はテレビジョン信号
が残留側帯波変調のため、下側帯波の一部が減衰してい
るので、その減衰係数η(1≦η≦1)を導入すると、
DSB領域の映像変調波VrDSB(t)は、 と表わすことができる。ただし である。
したがって同期検波器204の出力VBDSBI(t)は、 となり、次のローパスフィルタ208でω+ω−p、
ω+ω+pの項は除去されるので、 となる。DSB領域の信号もAM領域の場合と同様にω
ω、α=βとなるように位相同期ループによって制御
されるので式(8)は、 となり、復調信号が得られる。
次に受信チャンネルのSSB領域274の映像変調波につい
て述べる。SSB領域274の映像変調波VrSSB(t)は、 と表わすことができる。ただし である。
同期検波器204の出力VBSSBI(t)は、 となり、次のローパスフィルタ208によってω+ω
+pの項は除去されるので、その出力は、 となる。SSB領域の信号もAM領域、DSB領域の場合と同様
に、ω=ω、α=βとなるように位相同期ループに
よって制御されるので式(12)は、 となり、復調信号が得られる。
以上の結果、式(5)、(9)、(13)よりI信号ブ
ロックにおいて、ベースバンドビデオ信号cos ptが、復
調されることがわかる。
次にQ信号ブロックにおける検波の過程をI信号ブロ
ックの場合と同様の方法で説明する。
電圧制御発振器216の発信出力信号は90゜移相器218に
より90゜移相されるのでその90゜移相器218の出力VLOQ
(t)は、 と表わすことができる。したがって受信チャンネルのAM
領域270の場合は同期検波器206の出力VBAMQ(t)は式
(1)と(14)より、 となり、次のローパスフィルタ210でω+ωの項は
除去され、その出力は、 となる。ここで、ω=ω α=βとなるように位相
同期ループによって制御されるので式(16)は、 VBAMQ(t)0 ……(17) となる。
次にDSB領域272の場合についてもI信号ブロックと同
様の過程で計算し、同期検波器206の出力VBDSBQ(t)
は式(6)、(14)より、 となり、次のローパスフィルタ210でω+ω−p、
ω+ω+pの項が除去されるので式(18)は、 となる。この場合もω=ω、α=βとなるように位
相同期ループによって制御されるので式(19)は、 となる。
次にSSB領域274の場合についても同様の過程で計算し
同期検波器206の出力VBSSBQ(t)は式(10)、(14)
より、 となり、次のローパスフィルタ210でω+ω+pの
項が除去されるので、式(21)は、 となる。ここでもω=ω、α=βとなるように位相
同期ループによって制御されるので式(22)は、 となる。
以上の結果、式(17)、(20)、(23)よりQ信号ブ
ロックではDSB領域272、SSB領域274の信号は復調される
が、AM領域270のベースバンド信号が0となり存在しな
いため、完全な映像信号を得ることができない。
したがってベースバンドビデオ信号はI信号ブロック
から取り出しビデオ信号フィルタ228を通り出力端子230
から出力される。
なおスーパーヘテロダイン方式でテレビジョン信号を
受信したときは、その中間周波増幅器あるいは中間周波
フィルタがナイキストスロープの特製を持つので、総合
のベースバンド周波数特性は平坦に補償されるがこの同
期受信方式では、このような補償がされないので、これ
に代わる補償をビデオ信号フィルタ228で行なってい
る。
以上に説明した第8図の従来のテレビジョン同期受信
機では受信チャンネルの映像キャリヤ周波数と電圧制御
発振器(局部発振器)の発振周波数が等しいから、スー
パーヘテロダイン方式におけるイメージ信号は存在しな
い。したがって高周波増幅器に同調回路を必要とせず可
変容量ダイオードを同調素子とする場合の問題も存在し
ない。
さらにローパスフィルタによって良好な周波数選択特
性を得ることができる。また同期搬送波再生方式の一種
であるコスタスループを応用しているので極めて低いレ
ベルの入力信号を直接復調することができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし第8図のような構成では、特殊な情況、場所に
よって下隣接チャンネルにテレビジョン信号が存在した
場合、その信号が、受信チャンネルのベースバンド信号
に折り重なって、第10図に示すように妨害となる。
すなわち、第10図において、Vrは受信チャンネルの映
像キャリヤ、Arは受信チャンネルの音声キャリヤ、V-1
は下隣接チャンネルの映像キャリヤ、A-1は下隣接チャ
ンネルの音声キャリヤであるが、下隣接チャンネルの音
声キャリヤはベースバンドに変換されると、折り返した
形となって、受信チャンネルの1.5MHzの位置に重なって
くるため、画面に細かいビートじまがはいって、画質を
著しく劣化させる。
本出願者の実験では、良好に受信できる受信チャンネ
ルの映像キャリヤのレベルより、下隣接チャンネルの音
声キャリヤのレベルが−40dB程度以下になれば画質に問
題がないことがわかった。
従来のテレビジョン同期受信機では、下隣接チャンネ
ル妨害を防ぐためには高周波増幅器において、下隣接チ
ャンネルの信号を40dB以上抑圧しない限り、取り除くこ
とはできない。しかしながら実際上は下隣接チャンネル
を40dB以上、高周波増幅器の同調回路で選択、抑圧する
ことは著しく困難である。
すなわち高周波増幅器に同調回路を使用し、Q値を高
め、受信チャンネルの帯域を著しく狭くすることは、雑
音指数の著しい劣下のみならず、振幅特性、位相特性に
重大な悪影響を及ぼす。
本発明の目的はこのような従来のテレビジョン同期受
信機の欠点を解決し、下隣接チャンネルの妨害を打ち消
し、抑圧したテレビジョン同期受信機を提供することに
ある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は上記目的を達成するために、第8図に示され
る位相同期ループを有するテレビジョン同期受信機にお
いて、I信号ブロックとQ信号ブロックの各ビデオ信号
増幅器の出力から互いに同相のビデオ信号を得るベース
バンド90゜移相器と、同相になった両ビデオ信号を電圧
加算する加算器と、加算器の出力信号の位相ひずみを補
正する位相等化器を設けるとともに、Q信号ブロックの
構成要素である90゜移相器の動作周波数帯域を少なくと
も受信チャンネルと下隣接チャンネルを含む帯域とし、
前記位相等化器からビデオ信号を取り出すようにして、
下隣接チャンネルの妨害をうけないテレビジョン同期受
信機機を構成した事を特徴としている。
更に、下隣接チャンネルの妨害をより完全に打ち消す
ために、上記した本発明のテレビジョン同期受信機にお
いて、I信号ブロックとQ信号ブロックから出力される
それぞれのビデオ信号に含まれる下隣接チャンネルの音
声キャリヤ成分の振幅差と位相差を検出するとともに、
該振幅差と位相差が最小になるように制御する手段を設
けた事も特徴としている。
〔実施例〕
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は本発明の一実施例におけるテレビジョン同期
信号機の要部ブロック図である。同図において第8図と
同一番号、同一名称のものは、その内容、動作も同じで
ある。第1図において302はベースバンド90゜移相器
で、第8図におけるQ信号ブロック252にこのベースバ
ンド90゜移相器を接続したものをあらためてQ信号ブロ
ック352としている。加算器304によってI信号ブロック
の出力とQ信号ブロックの出力を加算し、その出力はビ
デオ信号フィルタ228、位相等化器308を通して310の出
力端子に出力される。以下その動作を詳述する。
最初に下隣接チャンネルにテレビ信号が存在した場
合、ベースバンドに変換された下隣接チャンネルの信号
について説明する。
下隣接チャンネルの映像変調波も受信チャンネルの場
合と同様に第9図のように3つの領域、すなわちAM領
域、DSB領域、SSB領域の場合に分けることができ、I信
号ブロック250のローパスフィルタ208の出力のベースバ
ンド信号は、下隣接チャンネルの映像キャリヤの角周波
数をω-1、初期位相をγとすると、式(4)、(8)、
(12)のωの代わりにω-1を代入、αの代わりにγを
代入し、ω-1<ωであることを考慮すれば、AM領域の
場合の信号V-1BAMI(t)は、 となり、DSB領域の場合の信号V-1BDSBI(t)は、 となり、SSB領域の場合の信号V-1BSSBI(t)は、 となる。
同様にQ信号ブロック352の各領域のローパスフィル
タ214の出力のベースバンド信号は、式(16)、(1
9)、(22)より、AM領域の場合の信号V-1BAMQ(t)
は、 となり、DSB領域の場合の信号V-1BDSBQ(t)は、 となり、SSB領域の場合の信号V-1BSSBQ(t)は、 となる。
次にベースバンド90゜移相器302、加算器304の動作を
説明する。
Q信号ブロックの受信チャンネルのベースバンド信号
と下隣接チャンネルのベースバンド信号は、ベースバン
ド90゜移相器302によって90゜移相される。移相された
Q信号ブロックにおける受信チャンネルのベースバンド
信号は式(17)、(20)、(23)より、 AM領域の場合の信号VBAMQ′(t)は、 VBAMQ′(t)=0 ……(30) となり、DSB領域の場合の信号VBDSBQ′(t)は、 となり、SSB領域の場合の信号VBSSBQ′(t)は、 となる。
下隣接チャンネルのベースバンド信号は式(27)、
(28)、(29)より、AM領域の場合の信号V-1BAMQ
(t)は、 となり、DSB領域の場合の信号V-1BDSBQ′(t)は、 となり、SSB領域の場合の信号V-1BSSBQ′(t)は、 となる。
次に加算器304によってI信号ブロック350とQ信号ブ
ロック352におけるベースバンド信号は加算される。受
信チャネルのベースバンド信号の加算器出力はAM領域の
場合の信号VBAM(t)は式(5)、(30)より、 DSB領域の場合の信号VBDSB(t)は式(9)、(31)
より、 SSB領域の場合の信号VBSSB(t)は式(13)、(32)よ
り、 となり、完全に復調される。
下隣接チャンネルのベースバンド信号についてはAM領
域の場合の信号V-1BAM(t)は式(24)、(33)より、 DSB領域の場合の信号V-1BDSB(t)は式(25)、(34)
より、 SSB領域の場合の信号V-1BSSB(t)は式(26)、(35)
より、 となり、下隣接チャンネルのベースバンド信号を完全に
打ち消し、抑圧することができる。
次に本発明のテレビジョン同期受信機に使用するベー
スバンド90゜移相器302の一実施例を第2図に示す。
本移相器はそれぞれ一次のオールパスフィルタ400を
直列に複数個接続したI′信号ブロック407とQ′信号
ブロック409から構成され、広帯域にわたって相対的に9
0゜の位相差が得られる。本移相器は第1図のI信号ブ
ロックのビデオ信号増幅器212の後にI′信号ブロック4
07を、Q信号ブロックのビデオ信号増幅器214の後に
Q′信号ブロック409をそれぞれ接続し、両ブロック間
の位相量を所定の帯域内で相対的に90゜を保つようにす
る。
ここで、所定の帯域幅は受信チャンネルのベースバン
ド信号帯域がDC〜4.5MHzであること、下隣接チャンネル
のベースバンドビデオ信号が1.5MHz〜7.25MHzの位置に
折り返されることを考慮すると、DC〜7.25MHzであるこ
とが本来、理想であるが、実際上そのような比帯域の広
い90゜移相器を得ることは現状では極めて困難である。
したがって、4.5MHz以上の信号はローパスフィルタ20
8、210によって減衰すること、画質に重大な妨害を与え
る折り返った下隣接チャンネルのベースバンド信号の最
低周波数が1.5MHzであることを考慮すれば少なくとも1.
5MHz〜4.5MHzにわたって90゜の位相差を保てば下隣接チ
ャンネルを十分に打ち消し抑圧することができる。しか
し受信チャンネルのベースバンドビデオ信号の完全な復
調のために、Q信号ブロック352のビデオ信号増幅器214
の出力には式(17)より750KHzより低いAM領域の信号は
存在しないものの、式(20)、(23)より750KHz以上の
信号は存在するため少なくとも750KHz以上の周波数にお
いて動作する90゜移相器が必要となる。
第2図のベースバンド90゜移相器の各オールパスフィ
ルタ400の位相特性を調整することにより、動作帯域幅7
50KHz〜4.5MHzにおいて90゜±10゜以内の移相が実現で
きる。この場合、第1図のベースバンド信号を平坦にす
るためのビデオ信号フィルタ228は不要になることはい
うまでもない。
ベースバンド90゜移相器では通常、移相ひずみが発生
し、信号を劣化させるため、位相等化器308で補正して
群遅延特性を平坦にしてやればよい。第3図に本発明の
テレビジョン同期受信機に使用する位相等化器の実施例
を示す。
すなわち2次のオールパスフィルタを位相ひずみの程
度に応じ、またその群遅延特性の平坦化の精度に応じ
て、直列に接続していけばよい。第3図において410、4
12はコイル、414、416、418はコンデンサである。
以上の構成によれば下隣接チャンネルの妨害を打ち消
すことができ、受信チャンネルのベースバンドビデオ信
号を完全に復調することができる。
なお上記実施例ではベースバンド90゜移相器をアクテ
ィブ素子を使って説明したがこれはコイルとコンデンサ
によるパッシブ素子でも構成でき、その場合は消費電力
の低減も図ることができることはいうまでもない。
第4図から第1図のテレビジョン同期受信機をさらに
高性能化するために、加算器に入力される2つの同期検
波出力の振幅差と位相誤差を検出し、最小にする手段を
備えた実施例を示すものである。以下同図に基づいて説
明する。同図において第1図と同一番号・同一名称のも
のはその内容、動作も同じである。
加算器304に入力されるI信号ブロックとQ信号ブロ
ックにおけるベースバンド信号は、90゜移相器218、ベ
ースバンド90゜位相器302、あるいは他の回路ブロック
が理想的な動作ではないので両チャンネル間のアンバラ
ンス、すなわち振幅差や位相誤差が発生する。
振幅差は、たとえば式(24)と(33)、(25)と(3
4)、(26)と(35)のI信号ブロックとQ信号ブロッ
クの下隣接チャンネルのベースバンド信号の振幅を表わ
す係数が等しくならないという事であり、このため加算
器304によって加算した場合でも、式(39)、(40)、
(41)で示したように0にはならず、十分な打ち消し、
抑圧はできない。
位相誤差についても同様で、結果的にI信号ブロック
とQ信号ブロックにおける下隣接チャンネルのベースバ
ンド信号の振幅のアンバランス、すなわち振幅差を招く
ため、前述した振幅差の影響と同様に加算器304によっ
て加算した場合でも式(39)、(40)、(41)で示した
ように0にならず十分な打ち消し、抑圧はできない。
ここで90゜からの位相誤差φ゜と下隣接チャンネルの
抑圧度Dの関係は、 のように表わされ、90゜から1゜の誤差であれば−41.2
〔dB〕の抑圧度となる。したがって加算器304の直前に
おいてI信号ブロックとQ信号ブロックの両ベースバン
ド信号の位相誤差を1゜程度以内におさめれば、下隣接
チャンネルの妨害を画質に問題がない程度に抑圧できる
ことがわかる。
本出願者の実験によれば90゜移相器218、ベースバン
ド90゜移相器302、その他の回路ブロックで発生する位
相誤差を総合すると最大10゜程度であるが、以下に詳述
する本発明の実施例で十分にその誤差の制御、補正がで
き、下隣接チャンネルのベースバンド信号の打ち消し、
抑圧ができることが明らかになっている。
以下にその動作を詳述する。
加算器304によって加算されたベースバンドビデオ信
号からと、Q信号ブロック352のベースバンド90゜移相
器302の出力から、中心周波数f0=1.5MHzのバンドパス
フィルタ504、510によって下隣接チャンネルの音声キャ
リヤをそれぞれ取り出す。502、506、508、512は増幅器
であり、取り出す下隣接チャンネルの音声キャリヤを所
定の大きさに増幅する。またバンドパスフィルタ504、5
10とのインピーダンス整合も兼ねている。
取り出された下隣接チャンネルの2つの音声キャリヤ
はそれぞれ2分配され、比較器514、アナログスイッチ5
16、ローパスフィルタ518から構成されるDAGCブロック5
32と90゜移相器520、比較器522、アナログスイッチ52
4、ローパスフィルタ526からなるDAPCブロック534にそ
れぞれ入力される。
すなわち増幅器506で増幅された加算器304からの下隣
接チャンネルの音声キャリヤは、DAGCブロック532のア
ナログスイッチ516とDAPCブロック534のアナログスイッ
チ524に入力され、増幅器512で増幅されたベースバンド
90゜位相器302からの下隣接チャンネルの音声キャリヤ
は、一方はDAGCブロック532の比較器514へ入力され、も
う一方はDAPCブロック534の90゜移相器520を介して、比
較器522に入力される。
次に第5図の信号波形図を用いて、振幅差、位相差を
制御する動作について説明する。第5図(a)〜(d)
は振幅差の制御について説明した図である。第5図
(a)は、アナログスイッチ516に入力される下隣接チ
ャンネルの音声キャリヤの波形を示す。DAGCブロック53
2に入力された、増幅器512から出力された下隣接チャン
ネルの音声キャリヤは比較器514によって方形波に変換
される。この時の波形を第5図(b)に示す。比較器51
4の出力が正の時、アナログスイッチ516がONになり、増
幅器506の出力をサンプリングする。アナログスイッチ5
16によりサンプリングされた下隣接チャンネルの音声キ
ャリヤを第5図(c)に示す。サンプリングされた信号
をローパスフィルタ518に入力しこの音声キャリヤの振
幅に対応した直流制御電圧が出力端子528から出力され
る。第5図(d)にこの直流制御電圧すなわちローパス
フィルタ518の出力波形を示す。出力端子528から出力さ
れる直流制御電圧はたとえばQ信号ブロック352のビデ
オ信号増幅器214のゲインコントロール端子に印加す
る。あるいは、同期検波器206にバイアス端子を設けて
ゲインをコントロールしてもよい。I信号ブロック250
におけるビデオ信号増幅器212の出力は、受信電波の強
弱に応じて利得を自動的に制御する通常のAGC回路によ
って、振幅が適正な大きさに保たれるようにしておけば
Q信号ブロックのみDAGCブロックによって制御、補正す
ればよい。
第5図(e)〜(h)は位相差の制御について説明し
た図である。第5図(e)はアナログスイッチ524に入
力される下隣接チャンネルの音声キャリヤの波形を示
す。DAPCブロック534に入力された増幅器512によって増
幅された下隣接チャンネルの音声キャリヤは中心周波数
を1.5MHzに設定した90゜移相器で90゜移相される。ただ
しこの90゜移相器の位相は中心周波数において厳密に90
゜に調整する。
90゜移相器520で90゜移相された下隣接チャンネルの
音声キャリヤは比較器522に入力され、方形波に変換さ
れる。この比較器522の出力波形を第5図(f)に示
す。この場合は90゜移相器520によって90゜遅れた場合
の波形を示している。90゜移相されているため、この方
形波は、DAGCブロック532の比較器514の出力の方形波に
比して位相が90゜遅れている。
DAGCブロックの場合と同様に、比較器522の出力が正
の時、アナログスイッチ524がONになり、増幅器506によ
って増幅された下隣接チャンネルの音声キャリヤをサン
プリングする。アナログスイッチ524によりサンプリン
グされた出力信号を第5図(g)に示す。
サンプリングされた信号はローパスフィルタ526に入
力される。加算器304に入力される直前のI信号ブロッ
クとQ信号ブロックにおける下隣接チャンネルの音声キ
ャリヤの位相差が完全に0゜であればローパスフィルタ
526の出力は0である。その場合のローパスフィルタ526
の出力波形を第5図(h)に示す。またその位相差が0
゜でなければそのずれの角度に対応した直流制御電圧が
出力される。出力端子530から出力される直流制御電圧
を90゜移相器218の位相コントロール端子に印加して位
相誤差を0にするように制御する。
可変移相の90゜移相器218の例を第6図に示す。第6
図において370、372、374、376、378、380、382、384、
386、388、390はコンデンサ、392、394は直流阻止用コ
ンデンサ、396はバイパスコンデンサ、352、354、356、
358、360、362はコイル、460は可変容量ダイオード、39
8は可変容量ダイオードの制御電圧印加用抵抗、458は制
御電圧印加用端子であり、450は第1端子、452は第2端
子、454は第3端子、456は第4端子である。
すなわち、コンデンサ370、372、374、コイル352、35
4、コンデンサ376、378、380で示される構成をもつ集中
定数ハイブリッドリングをとなり合う段の入出力コンデ
ンサを共用して縦続接続し、各コイル、コンデンサのリ
アクタンス値を最適化することにより広帯域化し、さら
にその広帯域集中定数ハイブリッドリングに可変容量ダ
イオードを内蔵し、可変容量ダイオードの制御電圧を変
化させることにより移相量をコントロールできるように
した移相器である。
動作としては第3端子454、第4端子456にそれぞれイ
ンピーダンスZ0の負荷を接続し、第2端子452はR=Z0
の抵抗を介してグランドに接続する。第1端子450から
信号源インピーダンスZ0をもった信号源からの信号を入
力すると、第3端子454、第4端子456に、両端子間で相
対的に90゜の位相差をもった信号が2分配されて出力さ
れる。
本実施例は下隣接チャンネルの音声キャリヤを検出信
号としているが、下隣接チャンネルが存在しない場合は
動作しない。ところで、下隣接チャンネルが存在しない
場合、妨害はないが、その場合でも受信チャンネルのビ
デオ信号の完全な復調のために、たとえば3.58MHzの位
置にある受信チャンネルのカラーキャリヤあるいは4.5M
Hzの位置にある受信チャンネルのオーディオキャリヤを
検出すればよく、この場合はバンドパスフィルタ504と5
10や、90゜移相器520の中心周波数を検出信号の周波数
に変更すればよいことはいうまでもない。
〔発明の効果〕
以上の説明で明らかなように本発明によれば、ベース
バンドにおいてI信号ブロックとQ信号ブロックの2つ
にわけられた信号をもう一度90゜移相し、同相にして加
算する手段を備える構成にすることにより、下隣接チャ
ンネルの妨害と打ち消し、受信チャンネルのベースバン
ドビデオ信号を完全に復調できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示すテレビジョン同期受信
機の要部ブロック図、第2図はベースバンド90゜移相器
の概要回路図、第3図は位相等化器を構成する2次のオ
ールパスフィルタの回路図、第4図は本発明の他の実施
例のテレビジョン同期受信機の要部ブロック図、第5図
(a)〜(d)はDAGCブロックの、また第5図(e)〜
(h)はDAPCブロックのそれぞれ各部分の動作を説明す
る概要波形図、第6図は可変移相の広帯域90゜移相器の
回路図、第7図は従来のスーパーヘテロダイン方式のテ
レビジョン受信機の要部ブロック図、第8図は従来の同
期搬送波再生方式のテレビジョン同期受信機の要部ブロ
ック図、第9図はテレビジョンの残留側帯波変調信号の
概略説明図、第10図は従来のテレビジョン同期受信機の
ベースバンドにおける下隣接チャンネルの妨害を示す説
明図である。 202……高周波増幅器、204、206……同期検波器、208、
210、222、518、526……ローパスフィルタ、216……電
圧制御発振器、218、520……90゜移相器、220……電圧
加算器、224……位相検出器、226……選局電圧発生器、
304……加算器、228……ビデオ信号フィルタ、308……
位相等化器、310、528、530……出力端子、250……I信
号ブロック、352……Q信号ブロック、400……オールパ
スフィルタ、502、506、508、512……増幅器、504、510
……バンドパスフィルタ、514、522……比較器、516、5
24……アナログスイッチ、532……DAGCブロック、534…
…DAPCブロック。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電圧制御発振器からの同期搬送波により映
    像変調波の同相成分を検波してビデオ信号を出力するI
    信号ブロックと、前記同期搬送波を90゜移相器を通して
    位相を90゜変え、該信号により前記映像変調波の直交成
    分を検波して前記I信号ブロックのビデオ信号と90゜位
    相の異なるビデオ信号を出力するQ信号ブロックと、I
    信号ブロックとQ信号ブロックのビデオ信号から前記映
    像変調波と前記同期搬送波の位相誤差を検出し、これを
    最小にするように電圧制御発振器を制御する回路とを有
    するテレビジョン同期受信機において、I信号ブロック
    とQ信号ブロックのビデオ信号から互いに同相のビデオ
    信号を得るベースバンド90゜移相器と、同相になった両
    ビデオ信号を電圧加算する加算器と、加算器の出力信号
    の位相ひずみを補正する位相等化器を設けるとともに、
    前記90゜移相器の動作周波数帯域を少なくとも受信チャ
    ンネルと下隣接チャンネルを含む帯域とし、前記位相等
    化器からビデオ信号を取り出すようにした事を特徴とす
    るテレビジョン同期受信機。
  2. 【請求項2】請求項1において、I信号ブロックとQ信
    号ブロックから出力されるそれぞれのビデオ信号に含ま
    れる下隣接チャンネルの音声キャリヤ成分の振幅差と位
    相差を検出するとともに、該振幅差と位相差が最小にな
    るように制御する手段を設けた事を特徴とするテレビジ
    ョン同期受信機。
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