JP2690127B2 - 正孔輸送性層形成材料および電子写真感光体 - Google Patents

正孔輸送性層形成材料および電子写真感光体

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、正孔輸送性層形成材料および電子写真感光
体に関する。
〔従来の技術〕
電子写真感光体としては、従来、セレン、酸化亜鉛、
硫化カドミウム等の無機光導電性化合物を用いて達成さ
れた無機感光層を備えてなる無機感光体が広く用いられ
ている。
しかし、斯かる無機感光体は、感度、熱安定性、耐湿
性、耐久性等の点においては、必ずしも十分に満足し得
るものではない。例えばセレンを用いて構成された無機
感光層を備えてなる無機感光体は、高温になると結晶化
して電子写真感光体としての特性が劣化しやすいため、
製造プロセスにおいて厳しい温度条件が必要とされ、ま
た取扱う際にも熱や指紋等による結晶化を避ける必要が
ある。また、硫化カドミウムや酸化亜鉛を用いて構成さ
れた無機感光層を備えてなる無機感光体は、耐湿性、耐
久性が劣る問題がある。
斯かる事情から、近年においては、有機光導電性化合
物を用いて構成された有機感光層を備えてなる有機感光
体の研究開発が盛んに行われている。
例えば特公昭50−10496号公報には、ポリ−N−ビニ
ルカルバゾールと、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレ
ノンと含有してなる有機感光層を備えてなる有機感光体
が開示されている。しかし、この有機感光体は、感度お
よび耐久性の点においていまだ不十分である。
これに対して、キャリア(正孔または電子)発生機能
とキャリア(正孔または電子)輸送機能とを異なる物質
に分担させるいわゆる機能分離型の有機感光層を備えて
なる有機感光体が開発された。斯かる有機感光体によれ
ば、感光層を構成する材料の選択範囲が格段に広がり、
種々の性能を有する有機感光体を比較的容易に作製し得
る利点がある。
しかして、キャリア発生機能を分担するキャリア発生
物質としては、各種のアゾ化合物が実用化され、キャリ
ア輸送機能を分担するキャリア輸送物質としては、例え
ば特開昭51−94829号、同52−72231号、同53−27033
号、同55−52063号、同58−65440号、同58−198425号等
の各公報に提案されている。
しかし、上記のキャリア輸送物質を用いて構成された
有機感光体は、キャリア輸送能が十分大きくはなく、特
に環境温度が低い状態で高速度の複写プロセスに供する
と感度低下を生じ、あるいは残留電位の上昇を招く、と
いう欠点を有する。
斯かる事情から、最近、キャリア(正孔)輸送物質と
して特定の構造のポリシランを用いる技術が提案された
(特開昭61−170747号公報参照)。このポリシランによ
れば、既述のキャリア輸送物質と異なり自己成膜性を有
しているため、他のバインダーと組合せることなく容易
に膜状の感光層を形成することができ、また、正孔の移
動度が約10-4cm2/V・secのオーダにあって既述のキャリ
ア輸送物質に比して約1桁以上大きく、上記したような
既述のキャリア輸送物質を用いて構成された有機感光体
の欠点は、この物質を用いることによって解消される。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、このポリシランを用いて構成された感光層は
膜強度が概して低く、そのため電子写真プロセスを繰返
して遂行すると、現像時のトナーあるいはクリーニング
時のクリーニング部材等により受ける擦過力により表面
が損傷され、あるいは膜はがれが生じ、その結果、得ら
れる複写画像には、白スジ、黒スジ等の欠陥が早期に発
生して画質が劣化する問題がある。また、ポリシランは
暗抵抗が比較的小さく、これを用いて構成した有機感光
体は帯電能が不十分であることがもう1つの問題であ
る。
これに対して、本発明者は、感光層の膜強度を高める
観点から、ポリシランと、その他のポリマーとを組合せ
て感光層を構成することを試みたが、両者を単に混合す
る手段では、ポリシランとその他のポリマーとの相溶性
が悪いために、相分離が生じて十分な性能が発揮されな
いことが判明した。
本発明は、以上の如き事情に基づいてなされたもので
あって、その目的は、次のとおりである。
(1)正孔輸送性が優れ、機械的強度が優れ、かつ暗抵
抗の大きな正孔輸送性層形成材料を提供すること。
(2)優れた帯電特性および感度特性を有し、しかも優
れた機械的耐久性を有する電子写真感光体を提供するこ
と。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明の正孔輸送性層形成
材料は、ポリシランよりなる重合体ブロックAを枝成分
とし、特定の重合体よりなる重合体ブロックBを幹成分
とするグラフト共重合体からなり、 前記重合体ブロックAに係るポリシランが下記一般式
(a)で示されるものであり、 一般式(a) (式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6は、水素、アルキル基もし
くは置換アルキル基、アリール基もしくは置換アリール
基、アルコキシ基もしくは置換アルコキシ基、シリル基
もしくは置換シリル基、シリリデン基もしくは置換シリ
リデン基、シリリディン基もしくは置換シリリディン基
を表し、互に同一でも異なっていてもよい。m,n,pは、
総ポリマー中の各モノマー単位の割合を表す。) 前記重合体ブロックBに係る特定の重合体が、エポキ
シ樹脂、ポリウレタンまたはポリスチレンであることを
特徴とする。
ここに、ポリシランの数平均重合度が10〜50,000であ
ることが好ましい。
また、特定の重合体が架橋結合を有してなることが好
ましい。
また、グラフト共重合体における重合体ブロックAと
重合体ブロックBの重量比A/Bが、1/0.2〜0.2/1である
ことが好ましい。
そして、本発明の電子写真感光体は、上記の特定の正
孔輸送性層形成材料を含有してなる有機感光層を備えて
なることを特徴とする。
〔作用〕
本発明の正孔輸送性層形成材料は、特定のポリシラン
よりなる重合体ブロックAを枝成分とし、特定の重合体
よりなる重合体ブロックBを幹成分とするグラフト共重
合体であるため、各重合体ブロックの相分離という問題
を招来せずに、ポリシランよりなる重合体ブロックAに
より優れた正孔輸送性が発揮されるとともに、特定の重
合体よりなる重合体ブロックBにより十分な機械的強度
と共に十分な暗抵抗が得られる。
そして、本発明の電子写真感光体によれば、上記特定
の正孔輸送性層形成材料を含有してなる有機感光層を備
えてなるため、優れた帯電特性および感度特性が発揮さ
れると共に、感光層の機械的強度が十分となり、電子写
真プロセスを繰返して遂行するときにも、良好な画像を
多数回にわたり安定に形成することが可能となる。
〔発明の具体的内容〕
以下、本発明の正孔輸送性層形成材料(以下において
「正孔輸送性物質」ともいう。)および電子写真感光体
について、具体的に説明する。
〔1〕正孔輸送性物質 本発明の正孔輸送性物質は、ポリシランよりなる重合
体ブロックAを枝とし、特定の重合体よりなる重合体ブ
ロックBを幹とするグラフト共重合体からなるものであ
る。
<重合体ブロックA> 重合体ブロックAは、グラフト共重合体において、い
わゆる枝を構成するものである。
重合体ブロックAを構成するポリシランは、炭素
(C)の代わりにシリコン(Si)を主骨格とした有機物
であり、具体的には下記一般式(a)で示されるホモポ
リマー、コポリマー、ターポリマーが用いられる。
一般式(a) (式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6は、水素、アルキル基もし
くは置換アルキル基、アリール基もしくは置換アリール
基、アルコキシ基もしくは置換アルコキシ基、シリル基
もしくは置換シリル基、シリリデン基もしくは置換シリ
リデン基、シリリディン基もしくは置換シリリディン基
を表し、互に同一でも異なっていてもよい。m,n,pは、
総ポリマー中の各モノマー単位の割合を表す。) 斯かるポリシランよりなる重合体ブロックAの数平均
重合度は10〜50,000が好ましい。また、ポリシランの各
モノマー単位は、重合体ブロックAの全体にランダムに
分布していてもよいし、あるいはブロック状に分布して
いてもよい。
前記一般式(a)を構成するアルキル基としては、炭
素数が1〜24、好ましくは1〜8の直鎖または枝分かれ
したアルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、ノ
ニル基、デシル基、ペンタデシル基、ステアリル基、シ
クロヘキシル基などのシクロアルキル基、アリル基を含
む不飽和アルキル基、これらの置換アルキル基等を挙げ
ることができる。特に好ましいアルキル基は、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基である。
アリール基としては、炭素数が6〜24のものが好まし
く、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基等を挙げる
ことができる。
アルコキシ基としては、炭素数が1〜約10のものが好
ましく、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基等を挙げることができる。
置換アルキル基、置換アリール基、置換アルコキシ
基、置換シリル基、置換シリリデン基、置換シリリディ
ン基における置換基としては、アルキル基、アリール
基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、アルコキシ
基、シアノ基、その他の置換基を挙げることができる。
例えば置換シリル基としては、SiH(CH3−、Si
(CH3−、Si(C2H5−、Si(C3H7−、Si(C
4H9−、Si(CH3(C2H5)−、Si(CH3)(C
2H5−、Si(CH3(C6H5)−、Si(CH3(C6H
5CH2)−等、 また、例えば置換シリリデン基としては、SiH(CH3
、Si(CH3、Si(C2H5、Si(C3H7
、Si(C4H9、Si(CH3)(C2H5)、Si(C
H3)(C6H5)、Si(CH3)(C6H5CH2)等、 また、例えば置換シリリディン基としては、SiH、S
i(CH3)、Si(C2H5)、Si(C3H7)、Si(C6H5
、Si(C6H5CH2)等、 を挙げることができ、これらシリリデン基、シリリディ
ン基は、同一の重合体ブロック、あるいは他の重合体ブ
ロックのシリリデン基、シリリディン基と結合してい
る。
斯かるポリシランの具体例としては、例えばポリシク
ロトリメチレンシラン、ポリシクロペンタメチレンシラ
ン、ポリ2−アセトキシエチルメチルシラン、ポリター
シャリーブチルメチルシラン、ポリジ−t−ブチルシラ
ン−コ−ジメチルシラン、ポリメチルフェニルシラン−
コ−ジメチルシラン、ポリシアノエチルメチルシラン、
ポリn−プロピルメチルシラン、ポリp−トリルメチル
シラン、ポリシクロヘキシルエチルシラン、ポリシクロ
テトラメチレンシラン、ポリ2−カルボメトキシエチル
メチルシラン、ポリフェニルエチルシラン、ポリジフェ
ニルシラン−コ−フェニルメチルシラン等を挙げること
ができる。
<重合体ブロックB> 重合体ブロックBは、グラフト共重合体において、い
わゆる幹を構成するものである。
重合体ブロックBを構成する特定の重合体としては、
機械的強度の大きい重合体が得られるもの、具体的に
は、エポキシ樹脂、ポリウレタンおよびポリスチレンか
ら選択されたものが用いられる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA系エポキサ
イド、フェノール系エポキサイド(ノボラック型エポキ
サイド、アルキルフェノールジグリシジルエーテル、芳
香族ポリグリシジル、フェノールフタレインエポキサイ
ド、レゾルシンエポキサイド等)、ポリグリコール系エ
ポキサイド、エステル系エポキサイド(ジグリシジルア
ジペート、ジグリシジルフタレート、ダイマー酸ジグリ
シジルエステル、メタアクリル酸メタグリシジルエステ
ルおよびその重合物等)、N−グリシジルアミン系エポ
キサイド等から得られるものを挙げることができる。
ポリウレタンとしては、線状ポリウレタン(ポリテト
ラメチレンヘキサメチレタン等)、ポリウレタンゴム、
ポリウレタン接着剤(イソシナネートゴム系接着剤、プ
レポリマー系接着剤(ポリオールイソシアネート系)、
イソシアネート変性ポリマー接着剤)、ポリウレタン塗
料(熱反応型ポリウレタン、湿気硬化型ポリウレタン、
酸素硬化型油変性ポリウレタン、ポリオール硬化型ポリ
ウレタン、触媒硬化型ポリウレタンを用いることができ
る。
また、重合体ブロックBの重合体は、架橋剤を用いて
あるいは用いないで架橋されていてもよい。架橋結合を
有することにより、正孔輸送性物質の機械的強度をさら
に高めることが可能となる。
斯かる架橋結合を形成するために用いられる架橋剤と
しては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、パラメ
チルスチレン、クロルスチレン、酢酸ビニル、メタアク
リル酸エステル、ジアリルフタレート、トリアリルシア
ヌレート、ジアリルベンゾフォスフォネート、不飽和油
脂およびこれらビニル反応性モノマー以外の種々の多官
能性物質を挙げることができる。
なお、架橋結合の形成時期は特に限定されないが、グ
ラフト共重合体を形成する反応と同時に、あるいはその
反応の後に架橋剤を添加して重合体ブロックB同士を架
橋結合させるようにするのがよい。
<グラフト共重合体> 本発明の正孔輸送性物質は、以上の重合体ブロックA
と、重合体ブロックBとのグラフト共重合体からなる
が、その合成法としては、特に限定されない。具体的に
は、以下の方法を適用することができる。
(1)重合体ブロックAあるいはその誘導体の生成反応
と同時に、あるいはその生成反応終了後の反応系で引き
続いて、重合体ブロックBの生成反応を起こさせてグラ
フト共重合体を得る方法。
(2)重合体ブロックAあるいはその誘導体の生成反応
と同時に、あるいはその生成反応終了後の反応系で引き
続いて、既に生成した重合体ブロックBへのグラフト反
応を起こさせる方法。
(3)重合体ブロックBの生成反応の終了後、その反応
系で引き続いて、重合体ブロックAの生成反応を起こさ
せてグラフト共重合体を得る方法。
(4)重合体ブロックBの生成反応と同時に、あるいは
その生成反応終了後の反応系で引き続いて、既に生成し
た重合体ブロックAあるいはその誘導体のグラフト反応
を起こさせる方法。
(5)別々に得られた重合体ブロックAあるいはその誘
導体と、重合体ブロックBとの間でグラフト反応を起こ
させる方法。
グラフト共重合体における重合体ブロックAと重合体
ブロックBの重量比A/Bは、1/0.2〜0.2/1が好ましい。
重合体ブロックAが過小であると感度特性が低下し、一
方、重合体ブロックBが過小であると、成膜性、機械的
強度および帯電特性が不十分となる。すなわち、重合体
ブロックAは、ポリシランの特長から感度特性の向上に
大きく寄与し、重合体ブロックBは、成膜性、機械的強
度、帯電特性の向上に大きく貢献する。
なお、感光層塗布液の調製においては、溶剤を添加し
てもよいし、溶剤を用いなくてもよい。また、塗布液に
は、必要に応じて架橋モノマーを添加し、さらに架橋反
応開始剤を加えて、液が硬化する前に塗布膜を形成し、
これを熱または光により乾燥硬化させて架橋構造の膜を
形成することができる。
斯かる架橋反応開始剤としては、例えば重合体ブロッ
クBが不飽和ポリエステルの場合は必要に応じてラジカ
ル重合開始剤等が用いられ、重合体ブロックBがエポキ
シ樹脂の場合はアミン、アルコールまたはその無水物等
が用いられ、重合体ブロックBがポリウレタンの場合は
第三級アミン、有機錫化合物、ナフテン酸塩等の塩基性
化合物等が用いられる。
〔2〕電子写真感光体 本発明の電子写真感光体は、上記の特定の正孔輸送性
物質を含有してなる有機感光層を備えてなるものであ
る。すなわち、本発明の電子写真感光体は、基本的に
は、当該特定の正孔輸送性物質をキャリア発生物質と組
合せて構成した機能分離型を有機感光層を有し、この有
機感光層を直接もしくは他の層を介して例えば導電性支
持体上に積層して構成したものである。
当該有機感光層の具体的構成は、特に限定されず、以
下のように種々の態様が可能である。
(1)キャリア輸送層と、キャリア発生層とを別個独立
の層とした構成(以下「構成(1)」という。)。
(2)独立したキャリア発生層を形成せずに、既述の特
定の正孔輸送性物質を含有してなる層中にキャリア発生
物質を分散含有させた構成(以下「構成(2)」とい
う。)。
斯かる機能分離型の有機感光層によれば、キャリアの
発生と、キャリアの輸送とを別個の物質に分担させるの
で、キャリア発生物質の選択範囲が広範となり、画像形
成プロセスにおいて要求される諸特性、例えば帯電させ
たときの表面電位が高く、光感度が高く、また反復使用
における安定性が大きい等の優れた特性を有する有機感
光体を構成することが可能となる。
そして、本発明の特定の正孔輸送性物質はそれ自身で
高い成膜性を有しているので、バインダーを併用せずに
構成(1)におけるキャリア輸送層あるいは構成(2)
における感光層のキャリア発生物質以外の部分を形成す
ることができる。
そして、構成(1)におけるキャリア輸送層あるいは
構成(2)における感光層のキャリア発生物質以外の部
分は、既述の特定の正孔輸送性物質のみにより形成して
もよいし、所望の特性を付与するために必要に応じてそ
の他の物質を併用してもよい。斯かるその他の物質とし
ては、例えば次のようなものがある。
(1)絶縁性を高めるためのバインダー 斯かるバインダーとしては、絶縁性を有し、かつ、既
述の特定の正孔輸送性物質と相溶性のあるものが用いら
れる。具体的には、例えばポリカーボネート、ポリエス
テル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニルア
セテート、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリアミ
ド樹脂、ポリウレタン樹脂、例えばスチレン−ブタジエ
ン共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体等
のスチレン共重合体樹脂、例えば塩化ビニリデン−アク
リロニトリル共重合体等のアクリロニトリル系共重合体
樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−
酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹
脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、ス
チレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾー
ル、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポ
リヒドロキシスチレン等を挙げることができる。これら
のバインダーは、単独でまたは2種以上を混合して用い
ることができる。斯かるバインダーの併用割合は、構成
(1)におけるキャリア輸送層および構成(2)におけ
る感光層のキャリア発生物質以外の部分の例えば5〜50
重量%程度である。
(2)残留電位の低下を図るための他のn型のキャリア
輸送物質 斯かる他のn型のキャリア輸送物質としては、例えば
テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、ジ
クロルジシアノパラベンズキノン、トリニトロフルオレ
ノン、テトラニトロフルオレノン、フルオレニリデンマ
ロノジニトリル、アニール類等を挙げることができる。
斯かるキャリア輸送物質は、構成(1)におけるキャリ
ア発生層にも追加して用いることができる。
キャリア発生物質としては、一般に可視光から赤外光
を吸収して、自由キャリアを発生するものであれば特に
限定されないが、具体的には、無機顔料および有機顔料
等から選択することができる。
斯かる無機顔料としては、例えば無定形セレン、三方
晶形セレン、セレン−ヒ素合金、セレン−テルル合金、
硫化カドミウム等を挙げることができる。
また、有機顔料としては、例えば(1)モノアゾ顔
料、ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料等のアゾ系顔料、
(2)ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミド等のペリレ
ン系顔料、(3)アンスラキノン誘導体、アンスアンス
ロン誘導体、ジベンズピレンキノン誘導体、ピランスロ
ン誘導体、ビオランスロン誘導体、イソビオランスロン
誘導体等の多環キノン系顔料、(4)インジゴイド誘導
体、チオインジゴイド誘導体等のインジゴイド系顔料、
(5)金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等の
フタロシアニン系顔料、等を挙げることができる。
斯かるキャリア発生物質は、それ自身では成膜性が乏
しいので、構成(1)のように別個独立のキャリア発生
層を形成する場合には、バインダーを併用することが好
ましい。斯かるバインダーとしては、特に限定されない
が、例えば疎水性でかつ絶縁性の膜の形成が可能な高分
子重合体を用いることが好ましい。斯かる高分子重合体
としては、絶縁性を高めるためのバインダーとして前記
した物質と同様のものを用いることができる。これらの
バインダーは、単独でまたは2種以上を混合して用いる
ことができる。斯かるバインダーは、キャリア発生物質
の1重量部に対して、5重量部以下の範囲で使用するこ
とが好ましい。
また、構成(2)のように既述の特定の正孔輸送性物
質を含有してなる層中に微粒子状のキャリア発生物質を
分散含有させて感光層を構成する場合には、キャリア発
生物質の含有割合は当該層の10〜90重量%が好ましい。
導電性支持体としては、例えば下記のものを用いるこ
とができるが、これに限定されない。
(1)アルミニウム、ステンレス等の金属よりなる板状
もしくはドラム状の導電性支持体。
(2)紙あるいはプラスチックフィルム等の支持体上
に、アルミニウム、パラジウム、金等の金属よりなる薄
層をラミネートもしくは蒸着によって設けた構成の導電
性支持体。
(3)紙あるいはプラスチックフィルム等の支持体上
に、導電性ポリマー、酸化インジウム、酸化スズ等の導
電性化合物の層を塗布もしくは蒸着によって設けた構成
の導電性支持体。
次に、本発明に係る電子写真感光体の具体的構成例を
図面を参照しながら説明する。
第1図は、導電性支持体1上に、キャリア発生層2を
積層し、さらにこの上に、既述の特定の正孔輸送性物質
を含有してなるキャリア輸送層3を積層して、電子写真
感光体を構成した例である。この例では、それぞれ独立
したキャリア発生層2とキャリア輸送層3とにより有機
感光層4が構成されている。
第2図は、第1図の例において、キャリア発生層2
と、キャリア輸送層3の積層順を逆にした構成である。
第3図は、第1図の例において、キャリア発生層2と
導電性支持体1との間に中間層5を付加した構成であ
る。この中間層5は、例えば接着層、バリア層等として
機能するものである。
第4図は、第2図の例において、キャリア輸送層3と
導電性支持体1との間に中間層5を付加し、さらにキャ
リア発生層2の上にオーバーコーティング層8を設けた
構成である。このオーバーコーティング層8は必要に応
じて設けられるものである。
第5図は、正孔輸送性物質を含有してなる層6中に、
微粒子状のキャリア発生物質7を分散含有させて構成し
た単一層からなる有機感光層4を導電性支持体1上に積
層した構成である。
第6図は、第5図の例において、有機感光層4と導電
性支持体1との間に中間層5を付加した構成である。
有機感光層4を、キャリア発生層2およびキャリア輸
送層3を含む多層構成とする場合において、キャリア発
生層2とキャリア輸送層3のいずれを上層とするかは、
有機感光層4の帯電極性に基づいて定めるのが好まし
い。すなわち、帯電極性を負とする場合には、第1図お
よび第3図に示すように、キャリア輸送層3を上層とす
るのが有利である。
中間層5は、接着層またはバリア層として機能するも
のであり、具体的には、キャリア発生層に用いられるバ
インダーとして例示した既述の物質のほか、例えばポリ
ビニルアルコール、エチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、カゼイン等により構成することができ
る。
オーバーコーティング層8には、キャリア発生層のバ
インダーに用いられる樹脂を用いることができる。ま
た、当該層中でのキャリアの走行を助けるために前記し
たn型のキャリア輸送物質、あるいはピラゾリン誘導
体、ベンチジン誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジ
アゾール誘導体、ポリフェニルアミン誘導体、スチリル
アミン誘導体、ヒドラゾン類等のp型のキャリア輸送物
質を混合して用いるのが好ましい。
キャリア輸送層3の厚さは、必要に応じて変更し得る
が、2〜50μm、好ましくは5〜30μmである。キャリ
ア発生層2の厚さは、0.01〜10μm、好ましくは0.05〜
5μmである。中間層5の厚さは、0.01〜2μm、好ま
しくは0.05〜0.5μmである。オーバーコーティング層
8の厚さは、0.1〜10μm、好ましくは0.5〜5μmであ
る。
また、既述の特定の正孔輸送性物質を含有してなる層
中にキャリア発生物質を分散含有させて構成される感光
層の厚さは、2〜50μm、好ましくは5〜40μmであ
る。
感光体を構成する以上の如き各層は、種々の手段によ
って形成される。例えばディップコーティング法、スプ
レーコーティング法、ブレードコーティング法、ロール
コーティング法、ラミネーティング法、溶融押出法を一
般に用いることが可能であるが、特に構成(1)におけ
るキャリア発生層は、以上の方法のほか、真空蒸着法、
スパッタリング法、イオンプレーティング法などによっ
て形成することも可能である。各層の設置に種々の塗布
法を用いる場合には、各層の成分の全部あるいは一部を
溶解する溶媒や、それらを全く溶解しない分散媒を用い
ることも可能である。しかしながら、特に構成(1)に
おけるキャリア輸送層や構成(2)における感光層を液
状の既述の特定の正孔輸送性物質前駆体を用いて形成す
る場合には、溶媒等を用いず、塗布法によって層を形成
した後、これを硬化せしめる等の方法を採用することも
可能である。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明
がこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1> (1)十分に精製脱水したテトラヒドロフラン100ml中
に、乾燥窒素雰囲気下で、ビフェニル30.8g(0.2モル)
を溶解し、さらに金属リチウム2.8g(0.4モル)を加え
て室温で2時間撹拌し、続いてドライアイス−メタノー
ル液により−78℃に冷却した。
次に、1,1,2,2−テトラメチル−1,2−ジクロルジシラ
ン18.7g(0.1モル)を精製乾燥したテトラヒドロフラン
50ml中に溶解して調製した溶液を、上記冷却した溶液中
に撹拌しながら徐々に滴下した。撹拌を2時間行った
後、温度を−78℃に保って、これを激しく撹拌しながら
0.1モル/のブチルリチウムヘキサン溶液1mlを徐々に
滴下した。
以上の処理により、数平均分子量が11.6万、重合度が
2000の活性末端(−Si )を有するポリジメチルシラン
よりなる重合体ブロックAを含む溶液を得た。
(2)次に、上記重合体ブロックAを含む溶液を−78℃
に冷却したまま、激しく撹拌して、m−イソプロペニル
−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート0.04g(0.2
ミリモル)を2mlの乾燥テトラヒドロフラン中に溶解し
て調製した溶液を徐々に滴下した。メタノールを加えて
得られた沈澱を再びテトラヒドロフランに溶解してメタ
ノールで沈澱し、乾燥して下記2つの構造の混合物を得
た。
(n=2、開始末端:C4H9、Mwt:116524) (3)トリレンジイソシアネート「デスモジュールT」
(Mwt:174)と、トリイソシアネート「デスモジュール
R」(Mwt:367)と、ヘキサメチレングリコール(Mwt:1
18)とを4.9:0.08:5.02のモル比で混合した混合物20g
に、上記混合物20g(0.17ミリモル)およびトルエン50m
lを混合し、さらに必要に応じてキャリア発生物質を加
えて塗布液を調製した。
<実施例2> (1)実施例1の(2)において、m−イソプロペニル
−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート溶液を滴下
した後の反応液に1.5mlの水と0.5mlのトリエチルアミン
(イソシアネートの加水分解触媒)を加え、5時間還流
加熱した。メタノールを加えて得られた沈澱を再びテト
ラヒドロフランに溶解しメタノールで沈澱し、乾燥して
下記構造の物質を得た。
(2)上記(1)で得られた物質20gに「エピコート
8」10gを加え、室温で2時間撹拌する。次いで「エピ
コート815」10gおよびトルエン20mlを混合して、さらに
必要に応じてキャリア発生物質を加えて塗布液を調製し
た。
<実施例3> (1)実施例1と同様にして、ポリジメチルシランより
なる重合体ブロックAを含む溶液を得た。
(2)次に、上記重合体ブロックAを含む溶液に、ジグ
リシジルビスフェノールA3.4g(0.01モル)を加え、十
分に撹拌して反応させた。さらに、エタノールを加えて
沈澱させ、この沈澱物をテトラヒドロフラン−エタノー
ル混合溶媒で再度沈澱精製して、未反応のジグリシジル
ビスフェノールAおよび金属リチウムを除去し、沈澱物
を単離し、乾燥した。
この乾燥物は下記の構造を有するものである。
(3)この乾燥物全量に、ビスフェノール系エポキサイ
ド「エピコート815」(エポキシ当量190)19g、ジエチ
レントリアミン2.06g(10.8PHR)、キシレン10ml、さら
に必要に応じてキャリア発生物質を加えて混合して塗布
液を調製した。
<実施例4> (1)実施例1と同様にして、ポリジメチルシランより
なる重合体ブロックAを含む溶液を得た。
(2)次に、上記重合体ブロックAを含む溶液に、数平
均分子量15万の(4−クロロメチル)スチレン−スチレ
ン共重合体(モル比=1:10)11.6gをテトラヒドロフラ
ン50mlに溶解したものを加え、50℃に加温して1時間撹
拌した後、これを大量のエタノール中に注いで沈澱させ
た。この沈澱物をテトラヒドロフランに再度溶解し、次
いでエタノール中に注いで再度沈澱させ、この沈澱物を
単離し、乾燥し、もって、ポリジメチルシランよりなる
重合体ブロックAと、ポリスチレンを主体とする重合体
ブロックBとのグラフト共重合体からなる正孔輸送性物
質を得た。なお、このグラフト共重合体は下記の構造を
有すると推定される。
(3)この正孔輸送性物質20gをテトラヒドロフラン200
mlに溶解し、さらに必要に応じてキャリア発生物質を加
えて塗布液を調製した。
<実施例5> (1)実施例1と同様にして、ポリジメチルシランより
なる重合体ブロックAを含む溶液を得た。
(2)次に、上記重合体ブロックAを含む溶液に、N,N
−ジ(トリメチルシリル)−3−クロロプロピルアミン
(分子量237.5)2.4g(0.01モル)を乾燥精製したテト
ラヒドロフラン10ml中に溶解したものを加え、40℃に加
温して1時間撹拌した後、1mlの酢酸を加えてさらに1
時間撹拌し、次いでエタノールを加えて沈澱させた。こ
の沈澱物をテトラヒドロフラン500mlに再度溶解し、次
いでエタノール中に注いで再度沈澱させ、乾燥して下記
化工物を得た。
(3)この化合物20gを、トリレンジイソシアネート
「デスモジュールT」と、トリイソシアネート「デスモ
ジュールR」と、ヘキサメチレングリコールとを4.9:0.
08:5.02のモル比で混合した混合物20gおよびキシレン20
mlに混合し、さらに必要に応じてキャリア発生物質を加
えて塗布液を調製した。
<実施例6> 実施例5の(2)で得られた乾燥物を用いて、実施例
2の(2)と同様にして塗布液を調製した。
<実施例7> 円筒型のアルミニウム製ドラムからなる導電性支持体
上に、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合
体「エスレックMF−10」(積水化学工業社製)よりなる
厚さ0.1μmの中間層を設けた。
下記の構造式で示されるジブロムアンスアンスロン
「モノライトレッド2Y」(ICI社製)1重量部と、ポリ
カーボネート樹脂「パンライトL−1250」(帝人化成社
製)0.5重量部とを、1,2−ジクロルエタン100重量部に
混合し、ボールミルで24時間分散して塗布液を調製し、
この塗布液を用いて浸漬法により、前記中間層上に、乾
燥後の膜厚が0.5μmのキャリア発生層を形成した。
次に、実施例1で得られたキャリア発生物質を含まな
い塗布液を用いて浸漬法により、前記キャリア発生層上
に、乾燥後の膜厚が20μmのキャリア輸送層を形成し、
もって本発明に係る電子写真感光体を作製した。
(評価) 上記電子写真感光体を、電子写真複写機「U−Bix709
0」(コニカ(株)製)改造機に装着し、スコロトロン
帯電器(グリッド電圧−6kV)により電子写真感光体の
表面を負の極性に帯電させた。次いで、黒と白のチャー
ト画像を用いて像様露光して当該電子写真感光体上に静
電潜像を形成した。
この静電潜像を、95重量%のスチレン−メチルメタク
リレート−n−ブチルメタクリレート共重合体と、5重
量%のカーボンブラックとよりなるトナーにより現像し
た。
次いで、現像により得られたトナー像を普通紙上に転
写し定着して複写画像を形成した。
一方、転写後に電子写真感光体上に残留したトナーを
ブレード方式のクリーニング器によりクリーニングし
た。
斯かる像形成プロセスを環境温度25℃および0℃にお
いてそれぞれ1万回繰返し、電子写真感光体の性能を評
価した。なお、電子写真感光体の表面の線速度は440mm/
secとした。結果は次のとおりである。
(1)1回目と1万回目の黒画像部および白画像部の電
位変動は、環境温度25℃でそれぞれ−20Vおよび−5V、
環境温度0℃でそれぞれ−25Vおよび−5Vときわめて小
さく、優れた帯電特性が安定して発揮されることが確認
できた。
(2)1回目と1万回目の両者とも、いずれの環境温度
においても黒画像部の反射濃度が1.3以上と十分に高
く、また、白画像部の反射濃度が0.01以下と十分に低
く、優れた帯電特性と共に優れた感度特性が安定して発
揮されることが確認できた。
(3)1回目から1万回目に至るまで、チャート画像の
再現性が優れており、電子写真感光体の損傷に起因する
白スジ、黒スジ等の欠陥も認められなかった。また、1
万回後において、電子写真感光体の表面を拡大鏡により
観察したところ、傷、膜はがれ等の損傷が認められなか
った。これは、電子写真感光体の機械的強度が大きく、
トナーやクリーニングブレード等による擦過力に十分耐
え得るからであると推察される。
<比較例1> 実施例7において、キャリア輸送層を下記のようにし
て形成したほかは同様にして比較用の電子写真感光体を
作製した。
(キャリア輸送層の形成) 実施例1において(1)のプロセスで得られた溶液に
メタノールを加えて沈澱物を取り出し、この沈澱物を再
びテトラヒドロフランに溶解させた後、再度メタノール
を加えて沈澱物を形成し、当該沈澱物を取り出した。斯
かる操作で得られたポリジメチルシランよりなる重合体
ブロックAを、テトラヒドロフランに溶解して塗布液を
調製し、この塗布液を用いて浸漬法により、乾燥後の膜
厚が20μmのキャリア輸送層を形成した。
(評価) 上記比較用の電子写真感光体を用いて環境温度25℃で
実施例7と同様の試験を行ったところ、下記の結果が得
られた。
(1)1回目と1万回目の黒画像部および白画像部の電
位変動は、それぞれ−20Vおよび−10Vと小さく、実施例
7と大差がなかった。
(2)白画像部の濃度は、実施例7とほぼ同様であった
が、黒画像部の濃度は終始0.6以下と小さく、実施例7
の電子写真感光体に比して帯電特性が劣っていた。
(3)1万回目の複写画像においては、黒スジが多く認
められた。この黒スジが生じた部分の電子写真感光体の
表面を拡大鏡で観察したところ、亀裂や膜はがれ等の損
傷が発生していた。これは、キャリア輸送層の機械的強
度が小さいために、トナーやクリーニングブレード等に
よる擦過力によって損傷しやすいためであると推察され
る。
<比較例2> 実施例7において、下記構造式で示されるキャリア輸
送物質5重量部と、バインダーとしてポリカーボネート
樹脂「パンライトL−1250」5重量部とを、1,2−ジク
ロルエタン100重量部中に溶解した溶液を用いて、浸漬
塗布法により乾燥膜厚が20μmのキャリア輸送層を形成
したほかは同様にして比較用の電子写真感光体を作製し
た。
(評価) 上記比較用の電子写真感光体を用いて実施例7と同様
の試験を行ったところ、下記の結果が得られた。
(1)1回目と1万回目の黒画像部および白画像部の電
位変動は、環境温度が25℃でそれぞれ40Vおよび70V、環
境温度0℃でそれぞれ110Vおよび200Vときわめて大きい
ことが確認された。
(2)黒画像部の反射濃度は終始1.3以上であったが、
白画像部の反射濃度は、環境温度25℃で1回目が0.2、
1万回目が0.35、環境温度0℃で1回目が0.35、1万回
目が0.45と濃度の変動が大きくカブリが発生した。
(3)1回目から1万回目に至るまで複写画像に電子写
真感光体の損傷に起因するスジ等の欠陥は認められず、
当該電子写真感光体のトナーやクリーニングブレードに
よる擦過力に対する機械的強度は実施例7とほぼ同等で
あった。
<実施例8> 実施例7において、実施例2で得られたキャリア発生
物質を含まない塗布液を用いて厚さ20μmのキャリア輸
送層を形成し100℃で30分間の加熱後処理を施したほか
は同様にして本発明の電子写真感光体を作製した。
(評価) 上記の電子写真感光体を用いて実施例7と同様の試験
を行ったところ、同様の良好な結果が得られた。
<実施例9> 実施例7において、キャリア発生層を下記のようにし
て形成し、実施例3で得られたキャリア発生物質を含ま
ない塗布液を用いてキャリア輸送層を形成したほかは同
様にして本発明の電子写真感光体を作製した。
(キャリア発生層) 下記の構造式で示されるビスアゾ顔料1重量部と、ポ
リカーボネート樹脂「パンライトK−1300」(帝人化成
社製)0.5重量部とを、テトラヒドロフラン100重量部に
混合し、ボールミルで24時間分散して塗布液を調製し、
この塗布液を用いて浸漬法により、中間層上に、乾燥後
の膜厚が0.4μmのキャリア発生層を形成した。
(評価) 上記の電子写真感光体を用いて実施例7と同様の試験
を行ったところ、下記の結果が得られた。
(1)1回目と1万回目の黒画像部および白画像部の電
位変動は、環境温度25℃でそれぞれ−35Vおよび−10V、
環境温度0℃で−45Vおよび−10Vときわめて小さく、優
れた帯電特性が安定して発揮されることが確認できた。
(2)1回目と1万回目の両者とも、いずれの環境温度
においても黒画像部の反射濃度が1.3以上と十分に高
く、また、白画像部の反射濃度が0.01以下と十分に低
く、優れた帯電特性と共に優れた感度特性が安定して発
揮されることが確認できた。
(3)1回目から1万回目に至るまで、チャート画像の
再現性が優れており、電子写真感光体の損傷に起因する
白スジ、黒スジ等の欠陥も認められなかった。また、1
万回後の電子写真感光体の表面の拡大鏡観察では、傷、
膜はがれ等の損傷は認められず、機械的強度の大きい電
子写真感光体であることが確認できた。
<実施例10> 実施例9において、実施例4で得られたキャリア発生
物質を含まない塗布液を用いてキャリア輸送層を形成し
たほかは同様にして本発明の電子写真感光体を作製し
た。
(評価) 上記の電子写真感光体を用いて実施例7と同様の試験
を行ったところ、実施例9とほぼ同様の良好な結果が得
られた。
<実施例11> ポリエステルフィルム上にアルミニウムを蒸着してな
る導電性支持体上に、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マ
レイン酸共重合体「エスレックMF−10」(積水化学工業
社製)よりなる厚さ0.1μmの中間層を設けた。
次に、実施例5で得られたキャリア発生物質を含まな
い塗布液を用いて浸漬法により、前記中間層上に、乾燥
後の膜厚が20μmのキャリア輸送層を形成した。
下記の構造式で示されるキャリア発生物質1重量部
を、トルエン180重量部に混合し、ボールミルで24時間
分散した後、実施例5で得られたキャリア発生物質を含
まない塗布液(固形分含量で2重量部となる量)を加え
て混合し、これを用いてスプレー法により、前記キャリ
ア輸送層上に、乾燥後の膜厚が5μmのキャリア発生層
を形成し、もって本発明に係る電子写真感光体を作製し
た。
(評価) 上記の電子写真感光体を用いて、帯電圧を+6kVに変
更し、トナーをポリエステルを主体とする負帯電性のト
ナーに変更したほかは実施例7と同様にして環境温度25
℃において試験を行った。結果は次のとおりである。
(1)1回目と1万回目の黒画像部および白画像部の電
位変動は、それぞれ60Vおよび10Vときわめて小さく、優
れた帯電特性が安定に発揮された。
(2)1万回に至るまで、黒画像部および白画像部の濃
度も実施例7と同様に良好であった。
(3)1万回に至るまで、チャート画像の再現性もよ
く、画像の欠陥も認められず、電子写真感光体の損傷も
なかった。
<実施例12> 実施例11において、実施例5で得られたキャリア発生
物質を含まない塗布液の代わりに実施例6で得られたキ
ャリア発生物質を含まない塗布液を用いてキャリア輸送
層およびキャリア発生層を形成したほかは同様にして本
発明の電子写真感光体を作製した。
(評価) 上記の電子写真感光体を用いて実施例7と同様の試験
を行ったところ、同様の良好な結果が得られた。
〔発明の効果〕
以上詳細に説明したように、本発明の正孔輸送性物質
によれば、特定のポリシランよりなる重合体ブロックA
を枝とし、特定の重合体よりなる重合体ブロックBを幹
とするグラフト共重合体からなるため、優れた正孔輸送
性と優れた機械的強度ならびに大きな暗抵抗を有する。
また、本発明の電子写真感光体によれば、上記特定の
正孔輸送性物質を含有してなる有機感光層を備えてなる
ため、電子写真プロセスを繰返して遂行する場合にも、
優れた帯電特性および感度特性が発揮されると共に、機
械的耐久性が優れていて再現性の優れた画像を多数回に
わたり安定に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第6図はそれぞれ本発明の電子写真感光体の具
体的構成例を示す説明用断面図である。 1……導電性支持体、2……キャリア発生層 3……キャリア輸送層、4……感光層 5……中間層 6……キャリア輸送物質を含有してなる層 7……キャリア発生物質 8……オーバーコーティング層

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリシランよりなる重合体ブロックAを枝
    成分とし、特定の重合体よりなる重合体ブロックBを幹
    成分とするグラフト共重合体からなり、 前記重合体ブロックAに係るポリシランが下記一般式
    (a)で示されるものであり、 一般式(a) (式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6は、水素、アルキル基もし
    くは置換アルキル基、アリール基もしくは置換アリール
    基、アルコキシ基もしくは置換アルコキシ基、シリル基
    もしくは置換シリル基、シリリデン基もしくは置換シリ
    リデン基、シリリディン基もしくは置換シリリディン基
    を表し、互に同一でも異なっていてもよい。m,n,pは、
    総ポリマー中の各モノマー単位の割合を表す。) 前記重合体ブロックBに係る特定の重合体が、エポキシ
    樹脂、ポリウレタンまたはポリスチレンである ことを特徴とする正孔輸送性層形成材料。
  2. 【請求項2】ポリシランの数平均重合度が10〜50,000で
    あることを特徴とする請求項1に記載の正孔輸送性層形
    成材料。
  3. 【請求項3】特定の重合体が、架橋結合を有してなるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の正孔輸送性層
    形成材料。
  4. 【請求項4】グラフト共重合体における重合体ブロック
    Aと重合体ブロックBの重量比A/Bが1/0.2〜0.2/1であ
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一に記載の
    正孔輸送性層形成材料。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか一に記載の正孔輸
    送性層形成材料を含有してなる有機感光層を備えてなる
    ことを特徴とする電子写真感光体。
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