JP2689368B2 - 内燃機関の気筒別空燃比推定装置 - Google Patents

内燃機関の気筒別空燃比推定装置

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JP2689368B2 JP3320294A JP3320294A JP2689368B2 JP 2689368 B2 JP2689368 B2 JP 2689368B2 JP 3320294 A JP3320294 A JP 3320294A JP 3320294 A JP3320294 A JP 3320294A JP 2689368 B2 JP2689368 B2 JP 2689368B2
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は内燃機関の気筒別空燃
比推定装置に関し、より具体的には多気筒内燃機関の排
気系集合部に空燃比センサを設け、排気系の挙動を記述
するモデルを設定してセンサ出力を入力すると共に、そ
の内部状態を観測するオブザーバを設け、その出力から
各気筒の空燃比を推定する内燃機関の気筒別空燃比推定
装置において、オブザーバによる各気筒の空燃比の推定
精度を向上させるようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の排気系に空燃比センサを設け
て空燃比を検出することは良く行われており、その一例
として特開昭59−101562号公報記載の技術を挙
げることができる。また、本出願人も先に特願平3−3
59339号(特開平5−180059号)において、
排気系の挙動を記述するモデルを設定して排気系集合部
に設けた単一の空燃比センサの出力を入力し、オブザー
バを介して各気筒の空燃比を推定する技術を提案してい
る。尚、そこにおいて、空燃比センサは広域空燃比セン
サ、即ち、理論空燃比で出力が反転するO2 センサでは
なく、理論空燃比の前後を通じて排気ガス中の酸素濃度
に比例した出力特性を有するものを使用している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した構成によって
各気筒の空燃比を精度良く推定することができたが、運
転状態は頻繁に変化し、それに応じて演算パラメータを
変更する必要があるが、実際の制御において演算時間は
必ずしも十分に得ることができない。
【0004】従って、この発明は先に提案した技術の改
良にあり、演算を簡略化してオブザーバによる各気筒の
空燃比の推定精度を一層向上させた内燃機関の気筒別空
燃比推定装置を提供することを目的とする。
【0005】更に、前記したオブザーバにおいて、その
行列の演算に用いる係数は、機関の運転状態に応じて変
化する。
【0006】従って、この発明の第2の目的は、オブザ
ーバ行列演算に用いる係数の機関の運転状態による変化
に対応して、オブザーバ行列演算を最適に行い、オブザ
ーバの推定精度を向上させるようにした内燃機関の気筒
別空燃比推定装置を提供することにある。
【0007】更には、近時、特開平2−275043号
公報などに示されるように、内燃機関のバルブタイミン
グを機関の運転状態に応じて切り換える、いわゆる可変
バルブタイミング機構が提案されている。そのような可
変バルブタイミング機構、特に排気側のバルブタイミン
グも変更されるものにおいては、排気タイミングが変わ
ることから、それに応じて集合部の空燃比の挙動も影響
を受けることが予想される。
【0008】従って、この発明の第3の目的は、可変バ
ルブタイミング機構を備えた内燃機関においてもオブザ
ーバ行列演算を最適に行い、オブザーバの推定精度を向
上させるようにした内燃機関の気筒別空燃比推定装置を
提供することにある。更には、可変バルブタイミング機
構を備えた内燃機関において空燃比センサ出力のサンプ
リング精度を向上させてオブザーバの推定精度を向上さ
せるようにした内燃機関の気筒別空燃比推定装置を提供
することも付随的な目的とする。更には、オブザーバ推
定値に基づいて空燃比の気筒毎フィードバック制御を行
うようにした内燃機関の気筒別空燃比推定装置を提供す
ることも付随的な目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を解決するた
めに請求項1項に係る内燃機関の気筒別空燃比推定装置
は、多気筒内燃機関の排気系集合部に空燃比センサを配
置してその出力から各気筒の入力混合気の空燃比を推定
する装置であって、前記センサの出力値を各気筒の燃焼
履歴に重み係数Cnを乗じた加重平均値からなるものと
みなして排気系の挙動を記述するモデルを設定して各気
筒の空燃比を状態変数とする状態方程式を設定し、その
内部状態を観測するオブザーバを設定してその出力を求
める第1の手段、および前記オブザーバ出力から各気筒
の空燃比を推定する第2の手段を有する内燃機関の気筒
別空燃比推定装置において、前記内燃機関で考慮すべき
燃焼履歴の数を3以上とするとき、直前の2つの燃焼履
歴を除く、それ以前の燃焼履歴についての加重平均の重
み係数Cnを零にする如く構成した。
【0010】請求項2項の装置は、多気筒内燃機関の排
気系集合部に空燃比センサを配置してその出力から各気
筒の入力混合気の空燃比を推定する装置であって、前記
センサの出力値を各気筒の燃焼履歴に所定の係数を乗じ
た加重平均値からなるものとみなして排気系の挙動を記
述するモデルを設定して各気筒の空燃比を状態変数とす
る状態方程式を設定し、その内部状態を観測するオブザ
ーバ行列を設定してその出力を求める第1の手段、およ
び前記出力から各気筒の空燃比を推定する第2の手段、
を有する内燃機関の気筒別空燃比推定装置において、前
記第1の手段は、複数の運転状態に対応したオブザーバ
行列を設定してその出力をそれぞれ求め、現在の運転状
態に応じて求めた出力のいずれかを選択し、選択した出
力から各気筒の空燃比を推定する如く構成した。
【0011】請求項3項の装置は、前記第1の手段は、
機関回転数と機関負荷とから決定される運転状態に応じ
て前記オブザーバ行列を別々に設定してその出力を求め
ておき、現在の運転状態に応じて求めた出力のいずれか
を選択する如く構成した。
【0012】請求項4項の装置は、前記内燃機関のバル
ブタイミングを複数の特性の間で変更する変更手段を備
え、前記第1の手段は、前記バルブタイミングの複数の
特性に応じて前記オブザーバ行列を別々に設定してその
出力を求めておき、変更されたバルブタイミングに応じ
て求めた出力のいずれかを選択する如く構成した。
【0013】
【作用】請求項1項にあっては、加重平均の重み係数C
nは運転状態に応じて変化するが、多気筒内燃機関にお
いて直前の2つの燃焼履歴以前の燃焼履歴のそれを零に
すれば、重み係数の合計値は1であるので、その2つの
燃焼履歴のいずれかについて同定し、他方は1より減算
することで求められる。その結果、例えば4気筒である
とき、1気筒分の係数を同定すれば足り、3気筒分のそ
れを同定するのに比較すればオブザーバ行列の推定精度
が向上し、オブザーバの係数同定精度が向上するので、
各気筒空燃比の推定精度が向上する。尚、オブザーバの
次数自体は、推定気筒数の整数倍とする。
【0014】請求項2項および3項にあっては、集合部
空燃比の挙動は機関回転数や機関負荷などの運転状態に
応じて変化するため、オブザーバ行列は複数となる。し
かし、運転領域に応じてオブザーバ行列を持ち替える
と、各気筒の空燃比推定演算が収束しきれない。そこ
で、各気筒空燃比推定は異なる運転状態を想定する複数
の行列を用いて行い、その推定結果を持ち替えることで
収束回数が減少し、各気筒空燃比の推定精度が向上す
る。
【0015】請求項項にあっては、バルブタイミング
に応じて複数の行列演算を行っておくので、バルブタイ
ミングの変更にかかわらず、推定精度が向上するので、
各気筒空燃比の推定精度が向上する。ここで、バルブタ
イミングは吸気側と排気側のいずれか、またはその双方
を含む。また吸気側、排気側のバルブを複数有している
ような機関では、少なくとも1つのバルブタイミングを
変更するものを含む。これは、吸気側、排気側のバルブ
タイミングを少しでも変更すると、機関の吸気特性が変
化し、そのために機関の排気特性も変化するためであ
る。またバルブタイミングの切り換え特性は、後述の実
施例では2種であるが、3種以上であっても良い
【0016】請求項4項にあっては、従って、各気筒の
空燃比の推定は瞬時に行えるものではなく、オブザーバ
演算の収束に演算数回を要するため、バルブタイミング
変更前のオブザーバ行列を用いた演算と変更後のオブザ
ーバ行列を用いた演算とをオーバラップして同時に行う
ようにしたことで、推定結果の持ち替えが容易となり、
収束回数が減少して各気筒空燃比推定精度を一層向上さ
せることができる。
【0017】
【実施例】以下、添付図面に即してこの発明の実施例を
説明する。
【0018】図1はこの発明に係る内燃機関の気筒別空
燃比推定装置を実現するための空燃比フィードバック制
御装置を全体的に示す概略図である。図において符号1
0は4気筒の内燃機関を示しており、吸気路12の先端
に配置されたエアクリーナ14から導入された吸気は、
スロットル弁16でその流量を調節されつつインテーク
マニホルド18を経て第1ないし第4気筒に流入され
る。各気筒の吸気弁(図示せず)の付近にはインジェク
タ20が設けられて燃料を噴射する。噴射されて吸気と
一体となった混合気は、各気筒内で図示しない点火プラ
グで点火されて燃焼してピストン(図示せず)を駆動す
る。燃焼後の排気ガスは排気弁(図示せず)を介してエ
キゾーストマニホルド22に排出され、エキゾーストパ
イプ24を経て三元触媒コンバータ26で浄化されつつ
機関外に排出される。また、吸気路12には、スロット
ル弁配置位置付近に、それをバイパスするバイパス路2
8が設けられる。
【0019】内燃機関10のディストリビュータ(図示
せず)内にはピストン(図示せず)のクランク角度位置
を検出するクランク角センサ34が設けられると共に、
スロットル弁16の開度を検出するスロットル開度セン
サ36、スロットル弁16下流の吸気圧力を絶対圧力で
検出する絶対圧センサ38も設けられる。更に、排気系
においてエキゾーストマニホルド22と三元触媒コンバ
ータ26の間には酸素濃度検出素子からなる広域空燃比
センサ40が設けられ、排気ガス中の酸素濃度に比例し
た値を出力する。これらセンサ34などの出力は、制御
ユニット42に送られる。
【0020】図2は制御ユニット42の詳細を示すブロ
ック図である。広域空燃比センサ40の出力は検出回路
46に入力され、そこで適当な線形化処理が行われ、理
論空燃比を中心としてリーンからリッチにわたる広い範
囲において排気ガス中の酸素濃度に比例したリニアな特
性からなる空燃比(A/F)が検出される。その詳細は
先に本出願人が提案した別の出願(特開平4−3694
71号)に述べられているので、これ以上の説明は省略
する。尚、以下の説明において、このセンサを「LAF
センサ」(リニア・エーバイエフ・センサ)と称する。
検出回路46の出力はA/D変換回路48を介してCP
U50,ROM52,RAM54などからなるマイクロ
コンピュータに取り込まれ、RAM54に格納される。
【0021】同様に、スロットル開度センサ36などの
アナログ出力はレベル変換回路56、マルチプレクサ5
8および第2のA/D変換回路60を介して、またクラ
ンク角センサ34の出力は波形整形回路62で波形整形
された後、カウンタ64で出力値がカウントされ、カウ
ント値はマイクロ・コンピュータ内に入力される。マイ
クロコンピュータにおいてCPU50は、ROM52に
格納された命令に従って検出値から制御値を演算し、駆
動回路66を介して各気筒のインジェクタ20を駆動す
ると共に、第2の駆動回路68を介して電磁弁70を駆
動し、図1に示したバイパス路28を通る2次空気量を
制御する。
【0022】ここで、この発明の説明に入る前に、理解
の便宜上、先に提案した排気系の挙動を記述するモデル
について簡単に説明する。
【0023】先ず、1個のLAFセンサの出力から各気
筒の空燃比を精度良く分離抽出するためには、LAFセ
ンサの検出応答遅れを正確に解明する必要がある。そこ
で、とりあえずこの遅れを1次遅れ系と擬似的にモデル
化し、図3に示す如きモデルを作成した。ここでLA
F:LAFセンサ出力、A/F:入力A/F、とする
と、その状態方程式は下記の数1で示すことができる。
【0024】
【数1】
【0025】これを周期ΔTで離散化すると、数2で示
すようになる。図4は数2をブロック線図で表したもの
である。
【0026】
【数2】
【0027】従って、数2を用いることによってセンサ
出力より真の空燃比を求めることができる。即ち、数2
を変形すれば数3に示すようになるので、時刻kのとき
の値から時刻k−1のときの値を数4のように逆算する
ことができる。
【0028】
【数3】
【0029】
【数4】
【0030】具体的には数2をZ変換を用いて伝達関数
で示せば数5の如くになるので、その逆伝達関数を今回
のセンサ出力LAFに乗じることによって前回の入力空
燃比をリアルタイムに推定することができる。図5にそ
のリアルタイムのA/F推定器のブロック線図を示す。
【0031】
【数5】
【0032】続いて、上記の如く求めた真の空燃比に基
づいて各気筒の空燃比を分離抽出する手法について説明
すると、先願でも述べたように、排気系の集合部の空燃
比を各気筒の空燃比の時間的な寄与度を考慮した加重平
均であると考え、時刻kのときの値を、数6のように表
した。尚、F(燃料量)を制御量としたため、ここでは
『燃空比F/A』を用いているが、後の説明においては
理解の便宜のため、支障ない限り「空燃比」を用いる。
尚、空燃比(ないしは燃空比)は、先に数5で求めた応
答遅れを補正した真の値を意味する。
【0033】
【数6】
【0034】即ち、集合部の空燃比は、気筒ごとの過去
の燃焼履歴に重み係数Cn(例えば直近に燃焼した気筒
は40%、その前が30%...など)を乗じたものの
合算で表した。このモデルをブロック線図であらわす
と、図6のようになる。
【0035】また、その状態方程式は数7のようにな
る。
【0036】
【数7】
【0037】また集合部の空燃比をy(k)とおくと、
出力方程式は数8のように表すことができる。
【0038】
【数8】
【0039】上記において、u(k)は観測不可能のた
め、この状態方程式からオブザーバを設計してもx
(k)は観測することができない。そこで4TDC前
(即ち、同一気筒)の空燃比は急激に変化しない定常運
転状態にあると仮定してx(k+1)=x(k−3)と
すると、数9のようになる。
【0040】
【数9】
【0041】ここで、上記の如く求めたモデルについて
シミュレーション結果を示す。図7は4気筒内燃機関に
ついて3気筒の空燃比を14.7にし、1気筒だけ1
2.0にして燃料を供給した場合を示す。図8はそのと
きの集合部の空燃比を上記モデルで求めたものを示す。
同図においてはステップ状の出力が得られているが、こ
こで更にLAFセンサの応答遅れを考慮すると、センサ
出力は図9に「モデル出力値」と示すようになまされた
波形となる。図中「実測値」は同じ場合のLAFセンサ
出力の実測値であるが、これと比較し、上記モデルが多
気筒内燃機関の排気系を良くモデル化していることを検
証している。
【0042】よって、数10で示される状態方程式と出
力方程式にてx(k)を観察する通常のカルマンフィル
タの問題に帰着する。その荷重行列Q,Rを数11のよ
うにおいてリカッチの方程式を解くと、ゲイン行列Kは
数12のようになる。
【0043】
【数10】
【0044】
【数11】
【0045】
【数12】
【0046】これよりA−KCを求めると、数13のよ
うになる。
【0047】
【数13】
【0048】一般的なオブザーバの構成は図10に示さ
れるようになるが、今回のモデルでは入力u(k)がな
いので、図11に示すようにy(k)のみを入力とする
構成となり、これを数式で表すと数14のようになる。
【0049】
【数14】
【0050】ここでy(k)を入力とするオブザーバ、
即ちカルマンフィルタのシステム行列は数15のように
表される。
【0051】
【数15】
【0052】今回のモデルで、リカッチ方程式の荷重配
分Rの要素:Qの要素=1:1のとき、カルマンフィル
タのシステム行列Sは、数16で与えられる。
【0053】
【数16】
【0054】図12に上記したモデルとオブザーバを組
み合わせたものを示す。シミュレーション結果は先の出
願に示されているので省略するが、これにより集合部空
燃比より各気筒の空燃比を的確に抽出することができ
る。
【0055】オブザーバによって集合部空燃比より各気
筒空燃比を推定することができたことから、PIDなど
の制御則を用いて空燃比を気筒別に制御することが可能
となる。具体的には図13に示すように、センサ出力
(集合部A/F)と目標空燃比とからPID制御則を用
いて集合部フィードバック補正項KLAFを求めると共
に、オブザーバ推定値#nA/Fから気筒毎のフィード
バック補正項#nKLAF(n:気筒)を求める。気筒
毎のフィードバック補正項#nKLAFはより具体的に
は、集合部A/Fを気筒毎のフィードバック補正項#n
KLAFの平均値の前回演算値で除算して求めた目標値
と、オブザーバ推定値#nA/Fとの偏差を解消するよ
うにPID則を用いて求める。
【0056】これにより、各気筒の空燃比(A/F)は
集合部空燃比(A/F)に収束し、集合部空燃比(A/
F)は目標空燃比(A/F)に収束することとなって、
結果的に全ての気筒の空燃比(A/F)が目標空燃比
(A/F)に収束する。ここで、各気筒の燃料噴射量#
nTout (インジェクタ開弁時間で規定される)は、 #nTout =Tim×KCMD×KTOTAL×#nK
LAF×KLAF で求められる。上記で、Tim:基本値、KCMD:目
標空燃比、KTOTAL:その他の補正項、である。更
に、バッテリ補正などの加算項もあるが省略する。尚、
かかる制御の詳細は本出願人が先に提案した特願平5−
251138号に述べられているので、これ以上の説明
は省略する。
【0057】上記を前提としてこの発明を説明する。
【0058】図14はこの発明の第1実施例を示す。前
記した加重平均の重み係数C1 ,C2 ,C3 ,C4 につ
いて、今回排気(燃焼)気筒のそれをCn 、前回、前々
回および3TDC前の排気(燃焼)気筒のそれをそれぞ
れCn-1 ,Cn-2 ,Cn-3 とするとき、前々回および3
TDC前の排気(燃焼)気筒についての重み係数
n- 2 ,Cn-3 を零とし、図示の如く、直近(直前)の
2つの気筒について、即ち、直近(直前)の2つの燃焼
履歴についてのみ求める如くした。例えば、いま第1気
筒が排気(燃焼)気筒であるとすると、第3気筒と第4
気筒についての重み係数を零とするようにした。
【0059】これは先の出願にも述べたが、集合部空燃
比の挙動を示す重み係数Cnは運転状態に応じて変化さ
せる必要があるが、いずれにしても重み係数Cnの値を
正確に知ることは困難である。そこで、4気筒内燃機関
において、排気(燃焼)順序において直近(直前)の2
つの燃焼履歴を除く、他の燃焼履歴の重み係数を零とし
た。尚、重み係数は全体として1であるから、直近(直
前)の燃焼履歴のいずれかについて求め、他方のそれは
求めた値を1から減算することで求められる(これは先
の出願において、重み係数を全ての気筒について求める
とした場合でも同様である)。即ち、図6の構成を図1
4のように修正した。
【0060】これについて、シミュレーションで検証し
たところ、良好な結果を得た。即ち、本来的に重み係数
Cnを3個を同定するのは現実問題として極めて困難で
あり、誤った同定値を用いてしまう恐れもある。上記の
如く構成することにより、同定すべき係数は1個で足り
ることから、演算間隔も短縮し、シミュレーションでの
検証において、かえって推定精度の向上を見た。尚、こ
の問題は気筒排気ポートから集合部空燃比センサ配置ま
での距離の遠近にも関係する。その距離が比較的短い場
合には、上記の如く構成することにより、推定精度を向
上させることができる。
【0061】尚、実施例の場合は4気筒の内燃機関を例
にとったが、5気筒ないし6気筒までは重み係数は同様
に直近の2つの気筒について求めれば足ると予想され
る。それ以上の気筒数を持つ内燃機関については、重み
係数を求めるべき気筒数を増加することになる可能性が
ある。
【0062】また、V型機関にあってはバンク毎に空燃
比センサが設けられることから、それぞれのバンクで排
気順序に従って重み係数を零とする気筒を選択する。例
えば、V型6気筒(右バンクの気筒を第1、第2、第
3、左バンクの気筒を第4、第5、第6とする)で、点
火順序を1(右)−4(左)−2(右)−5(左)−3
(右)−6(左)とすると、右バンクについて今第3気
筒が燃焼したとすると、第1気筒についての重み係数を
零とする。左バンクについて今第4気筒が燃焼したとす
れば、第5気筒についての重み係数を零とする。尚、こ
こで留意されるべきことは、オブザーバの次数はあくま
でも推定気筒数の整数倍、望ましくは1倍、実施例の場
合は4であることである。
【0063】図15はこの発明の第2実施例を示す説明
図である。
【0064】オブザーバ行列は数14の式で示される。
そこで値A−KCは4×4の行列で示されるが、その中
で重み係数Cは上で述べたように機関運転状態に応じて
変化する。従って、この行列値について例えば機関回転
数と機関負荷とについて予想される変化範囲にわたって
予め解を求めておいてマップ化しておくことが考えられ
る。しかし、その場合でも、マップ値に該当する値がな
い際、補間演算で求めることは行列値として補償されて
いない故に、望ましくない。更に、数14の式は漸化式
であるので、演算の途中で係数が変化したときは演算を
やり直す必要がある。
【0065】そこで、図15に示すように、オブザーバ
行列を1からnまで複数個用意して平行的に演算させて
おき、機関運転状態に応じていずれかの行列値を選択す
るようにした。これによって演算時間を短縮することが
でき、オブザーバの各気筒空燃比の推定精度を向上させ
ることができる。尚、ここでオブザーバ行列の個数は2
個以上であればいくつでも良い。またオブザーバ行列の
演算も常に全てを同時に行う必要はなく、機関運転状態
の変化を予測して当該運転状態に対応するオブザーバ行
列についてのみ行わせても良い。
【0066】尚、先の出願ではオブザーバを設計する上
でリカッチ方程式の加重配分Q,Rを、Q/R=1/1
とした。この評価関数はオブザーバの性能上非常に重要
であるが、その後シミュレーションを通じて検証を重ね
た結果、Q/Rの値を大きくしていくと収束時間は短縮
していくが、あるレベルを超えると、ほとんど変わらな
いことが確認された。そこでその限界からQ/R≧10
0と設定したところ、良好な推定結果を得ることができ
た。即ち、評価関数は無次元数であるため、どのような
値を取ることができ、却って決定し難いものであるが、
検証を重ねた結果、Q/Rを100以上とすることで推
定精度の向上を見た。
【0067】図16はこの発明の第3実施例を示すフロ
ー・チャートである。第3実施例は、いわゆる可変バル
ブタイミング機構を備えた内燃機関について空燃比を推
定する場合に関する。
【0068】図17および図18を参照して可変バルブ
タイミング機構について簡単に説明する。
【0069】可変バルブタイミング機構60は図示例の
場合、吸気弁54と排気弁56の付近にそれぞれ設けら
れたロッカシャフト612に回転自在に配置される3個
のロッカアーム614,616,618を備える(吸気
側と排気側とで構成が同一なため、図面で符号の後に添
字i(e)を付し、以下両者を共通に説明する)。該ロ
ッカアームはそれぞれカムシャフト(図示せず)に取り
付けられた低速用の2個のカムと、低速用のカムに比し
て径方向に突出した形状を備える1個の高速用のカム
(共に図示せず)に係合する。
【0070】ロッカアーム614,616,618には
油路650、穴632,孔634,636およびピン6
40,642,644などからなる連結機構630を備
え、油路650と油圧源(図示せず)との間に介挿され
た油圧切り換え機構660は電磁弁680を介して油路
650に圧油を供給/停止し、それによって前記ピンが
前進/後退してロッカアームが連結/解放される。ロッ
カアームが連結されるときは高速カムの動きに基づい
て、解放されたときは低速カムの動きに基づいてバルブ
タイミングとリフト量とが決定される。尚、可変バルブ
タイミング機構の詳細は前記した従来技術に述べられて
いるので、説明はこの程度に止める。
【0071】この連結/解放は具体的には図18に示す
如く、機関回転数Neと吸気圧力Pbとから決定され
る。以下、高速カムによる場合を『HiV/T』、低速
カムによる場合を『LoV/T』と言うが、HiV/T
においては、LoV/Tに比して、バルブタイミングが
早まって結果的にそのオーバラップ量が増加すると共
に、リフト量も増加する。尚、油圧切り換え機構660
には油圧スイッチからなるV/Tセンサ600が設けら
れ、油路650の油圧を通じてロッカアームの連結/解
放、即ち、バルブタイミングがLoV/TとHiV/T
のいずれに制御されているか検出する。図2に想像線で
示す如く、V/Tセンサ600の出力は、制御ユニット
42に入力される。
【0072】集合部空燃比(A/F)の時間的な挙動を
捉えるためには、各気筒空燃比(A/F)推定オブザー
バ演算において空燃比(A/F)のサンプルタイミング
の適正化を図る必要がある。即ち、LAFセンサ出力は
明らかに機関回転数に同期した特性を示すが、制御ユニ
ット側はデジタルサンプリングであるため、タイミング
によってその挙動を捉えることができない場合が生じ
る。適正なサンプルタイミングは機関回転数や機関負荷
によって変化するが、特にバルブタイミングによる影響
が大きいと思われる。そこで、上記のごとき可変バルブ
タイミング機構を備えた内燃機関にあっては、機関回転
数、機関負荷、およびバルブタイミングとからサンプル
タイミングを決定するようにした。
【0073】同様に、バルブタイミングにより集合部空
燃比(A/F)の挙動も変化するため、バルブタイミン
グの切り換えに同期してオブザーバ行列を変更する必要
がある。しかし、各気筒空燃比(A/F)の推定は瞬時
に行えるものではなく、オブザーバ演算の収束に演算数
回を要するため、バルブタイミング変更前のオブザーバ
行列を用いた演算と変更後のオブザーバ行列を用いた演
算とをオーバーラップして同時に行い、オブザーバ演算
が収束したと判断された後、即ち、バルブタイミング変
更動作が終了してから、各気筒空燃比(A/F)推定結
果を持ち替える。
【0074】図16フロー・チャートを参照して説明す
ると、先ずS100において機関回転数Ne、吸気圧力
Pb、バルブタイミングV/Tを読み出し、S102に
進んでバルブタイミングがHiV/TかLoV/Tか判
断し、判断結果に従ってS104,106に進んでHi
ないしLoバルブタイミング用のタイミングマップを検
索する。図19にその特性を示す。
【0075】LAFセンサ出力は実際の変局点に近い位
置でサンプリングするのが望ましいが、その変局点(ピ
ーク値)はセンサの反応時間を一定とすれば、機関回転
数が低くなるほど早いクランク角度で生じる。また機関
負荷が高いほど排気ガス圧力やボリュームが増加し、排
気ガスの流速が増してセンサへの到達時間が早まると予
想される。従って、マップの特性は、機関回転数Neが
低く、ないしは吸気圧力Pbが高いほど、早いクランク
角でサンプリングされた値を選択するように設定する。
ここで、「早い」とは、前のTDCにより近い位置でサ
ンプリングされた比較的古い値を意味する。
【0076】更に、バルブタイミングとの関連について
触れると、機関回転数の任意の値Ne1をLo側につい
てNe1−Lo、Hi側についてNe−HIとし、吸気
圧力についてもその任意の値をLo側についてPb1−
Lo、Hi側についてPb1−Hiとすると、マップの
特性は、Pb1−Lo>Pb1−Hi、Ne1−Lo>
Ne1−Hiとする。即ち、HiV/Tにあっては排気
弁の開き時点がLoV/Tのそれより早いため、機関回
転数ないし吸気圧力の値が同一であれば、早期のサンプ
リング値を選択するように、設定する。
【0077】続いてS108に進んで検索したマップ値
からセンサ出力のサンプリングを行い、S110に進ん
でサンプリング値から数14に示すオブザーバ行列の演
算をHiV/Tについて行い、続いてS112に進んで
同様の演算をLoV/Tについて行う。続いてS114
に進んで再びバルブタイミングを判断し、判断結果に応
じてS116,118に進んで演算結果を選択して終わ
る。この演算結果に基づいて図13で説明した如き気筒
毎の空燃比フィードバック制御が行われる。
【0078】第3実施例は上記の如く構成したので、機
関回転数、吸気圧力およびバルブタイミングを考慮して
空燃比センサ出力のサンプリング値を選択するので、検
出精度を向上すると共に、バルブタイミングに応じてオ
ブザーバ行列を持ち替えるようにしたので、各気筒の空
燃比の推定精度が向上する。
【0079】図20はこの発明の第4実施例を示す、図
16と同様のフロー・チャートである。
【0080】第4実施例は第3実施例の変形例であり、
以下説明すると、S200において機関回転数Neなど
を読み出した後S202に進んでLoV/T用のタイミ
ングマップを検索し、S204に進んでLoV/T用に
センサ出力のサンプリング値を選択し、S206に進ん
でLoV/T用にオブザーバ行列演算を行う。続いてS
208から212に進んでHiV/T側について同様の
処理を行う。
【0081】続いてS214に進んでバルブタイミング
を判断し、判断結果に応じてS216,218のいずれ
かに進んで演算結果を選択する。即ち、オブザーバ行列
演算において第3実施例では選択されたLoないしHi
V/Tいずれかのサンプリング値を共通に使用して演算
を行っていたのに対し、第4実施例ではLoおよびHi
V/Tで別々のサンプリング値を用いて演算を行う点で
相違する。残余の構成および効果は第3実施例と同様で
ある。
【0082】尚、第3および第4実施例において、排気
弁と吸気弁とが共に変更される可変バルブタイミング機
構を例にとったが、それに限られるものではなく、既述
の如く一方についてのみ変更される機構にも妥当する。
また吸気弁の休止が可能な機構にも妥当する。更に、バ
ルブタイミングを検出する手段として油圧スイッチを例
に上げたが、それに止まるものではなく、前記したピン
640,642,644の位置を検出しても良く、ある
いは可変バルブタイミング機構の制御ユニットのバルブ
タイミング切り換え指令信号を参照して検出しても良
い。
【0083】尚、上記した第1ないし第4の実施例は、
排気系の挙動を記述するモデルを設定し、その内部状態
を観測するオブザーバを使用して空燃比制御を行う場合
を例にとって説明してきたが、この発明に係る空燃比検
出技術はそれに限定されるものではなく、空燃比センサ
の実測値に基づいて空燃比を制御する技術に全て妥当す
る。
【0084】更に、運転状態を機関回転数と吸気圧力な
どから検出したが、これに限られるものでなく、その他
のパラメータを追加しても良い。また機関負荷を示すパ
ラメータは吸気圧力に限られるものではなく、吸入空気
量、スロットル開度などでも良い。また大気圧で修正し
ても良い。
【0085】更に、上記実施例において、広域空燃比セ
ンサの応答遅れを解析して真の空燃比を求め、それに基
づいて1個のセンサの集合部出力から空燃比を検出する
例を示したが、それに限られるものではなく、多気筒内
燃機関の排気系に気筒数と同数のセンサを配置し、その
出力から空燃比を検出する場合にも妥当する。
【0086】更には、空燃比センサとして広域空燃比セ
ンサを使用する場合を例にとって説明したが、いわゆる
2 センサを用いて空燃比を制御する場合にも妥当す
る。
【0087】
【発明の効果】請求項1項にあっては、同定すべきパラ
メータの個数が減少してオブザーバ行列の推定精度が向
上し、オブザーバの係数同定精度が向上するので、各気
筒空燃比を一層精度良く推定することができる。
【0088】請求項2項および3項にあっては、収束回
数が減少するので、オブザーバの推定精度が向上して各
気筒空燃比を一層精度良く推定することができる。
【0089】請求項項にあっては、バルブタイミング
の変更にかかわらず、推定精度が向上して各気筒空燃比
を精度良く推定することができる。
【0090】請求項4項にあっては、従って、推定結果
の持ち替えが容易となり、収束回数が減少して各気筒空
燃比を一層精度良く推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る内燃機関の気筒別空燃比推定装
置を実現する、内燃機関の空燃比フィードバック制御装
置を全体的に示すブロック図である。
【図2】図1中の制御ユニットの詳細を示すブロック図
である。
【図3】先の出願で述べた空燃比センサの検出動作をモ
デル化した例を示すブロック図である。
【図4】図3に示すモデルを周期ΔTで離散化したモデ
ルである。
【図5】空燃比センサの検出挙動をモデル化した真の空
燃比推定器を示すブロック線図である。
【図6】内燃機関の排気系の挙動を示すモデルを表すブ
ロック線図である。
【図7】図6に示すモデルを用いて4気筒内燃機関につ
いて3気筒の空燃比を14.7に、1気筒の空燃比を1
2.0にして燃料を供給する場合を示すデータ図であ
る。
【図8】図7に示す入力を与えたときの図6モデルの集
合部の空燃比を表すデータ図である。
【図9】図7に示す入力を与えたときの図6モデルの集
合部の空燃比をLAFセンサの応答遅れを考慮して表し
たデータと、同じ場合のLAFセンサ出力の実測値を比
較するグラフ図である。
【図10】一般的なオブザーバの構成を示すブロック線
図である。
【図11】先の出願で用いるオブザーバの構成を示すブ
ロック線図である。
【図12】図6に示すモデルと図11に示すオブザーバ
を組み合わせた構成を示す説明ブロック図である。
【図13】この発明で予定する空燃比の気筒別フィード
バック制御を示すブロック図である。
【図14】この発明の第1実施例を示す図6に部分的に
類似するモデルのブロック図である。
【図15】この発明の第2実施例を示すオブザーバ行列
を複数個設けた構成を示す説明図である。
【図16】この発明の第3実施例を示すフロー・チャー
トである。
【図17】第3実施例で予定する可変バルブタイミング
機構を説明する、油圧回路図を含む部分断面図である。
【図18】バルブタイミングの切り換え特性を示す説明
図である。
【図19】図16フロー・チャートで使用する空燃比セ
ンサ出力のサンプルタイミング用のマップの特性を示す
説明図である。
【図20】この発明の第4実施例を示す図16と同様の
フロー・チャートである。
【符号の説明】
10 内燃機関 18 インテークマニホルド 20 インジェクタ 22 エキゾーストマニホルド 40 空燃比センサ(LAFセンサ) 42 制御ユニット 60 可変バルブタイミング機構 600 V/Tセンサ
フロントページの続き (72)発明者 赤崎 修介 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 西村 要一 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 平5−180040(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多気筒内燃機関の排気系集合部に空燃比
    センサを配置してその出力から各気筒の入力混合気の空
    燃比を推定する装置であって、 a.前記センサの出力値を各気筒の燃焼履歴に重み係数
    Cnを乗じた加重平均値からなるものとみなして排気系
    の挙動を記述するモデルを設定して各気筒の空燃比を状
    態変数とする状態方程式を設定し、その内部状態を観測
    するオブザーバを設定してその出力を求める第1の手
    段、および b.前記オブザーバ出力から各気筒の空燃比を推定する
    第2の手段、を有する内燃機関の気筒別空燃比推定装置
    において、前記内燃機関で考慮すべき燃焼履歴の数を3
    以上とするとき、直前の2つの燃焼履歴を除く、それ以
    前の燃焼履歴についての加重平均の重み係数Cnを零に
    することを特徴とする内燃機関の気筒別空燃比推定装
    置。
  2. 【請求項2】 多気筒内燃機関の排気系集合部に空燃比
    センサを配置してその出力から各気筒の入力混合気の空
    燃比を推定する装置であって、 a.前記センサの出力値を各気筒の燃焼履歴に所定の係
    数を乗じた加重平均値からなるものとみなして排気系の
    挙動を記述するモデルを設定して各気筒の空燃比を状態
    変数とする状態方程式を設定し、その内部状態を観測す
    るオブザーバ行列を設定してその出力を求める第1の手
    段、および b.前記出力から各気筒の空燃比を推定する第2の手
    段、を有する内燃機関の気筒別空燃比推定装置におい
    て、前記第1の手段は、複数の運転状態に対応したオブ
    ザーバ行列を設定してその出力をそれぞれ求め、現在の
    運転状態に応じて求めた出力のいずれかを選択し、選択
    した出力から各気筒の空燃比を推定することを特徴とす
    る内燃機関の気筒別空燃比推定装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の手段は、機関回転数と機関負
    荷とから決定される運転状態に応じて前記オブザーバ行
    列を別々に設定してその出力を求めておき、現在の運転
    状態に応じて求めた出力のいずれかを選択することを特
    徴とする請求項2項記載の内燃機関の気筒別空燃比推定
    装置。
  4. 【請求項4】 前記内燃機関のバルブタイミングを複数
    の特性の間で変更する変更手段を備え、前記第1の手段
    は、前記バルブタイミングの複数の特性に応じて前記オ
    ブザーバ行列を別々に設定してその出力を求めておき、
    変更されたバルブタイミングに応じて求めた出力のいず
    れかを選択することを特徴とする請求項項記載の内燃
    機関の気筒別空燃比推定装置。
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