JP2688962B2 - 賦香シートの製造方法 - Google Patents

賦香シートの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は賦香シートの製造方法に関するものであっ
て、本発明における賦香シートは長期にわたって所定の
香りを発散しつづけ以下に示す各種の製品に「匂う」と
いう性能を付与し、その結果として被識別機能、宣伝機
能、等級表示機能等を有する付加価値の高いラベル、ポ
スター、書籍、ネームプレート、切符、カード、名刺、
葉書、文房具、スポーツ用品、包装材料、履物、娯楽用
品、電機製品、運搬具、パンフレット、容器、衛生用
品、建築材料、通信用品、室内用品、写真、印刷物等を
市場に広く供給せんとするものである。したがって本発
明の産業上の利用分野というのは極めて大きく、また悪
臭をマスキングしたり、眠気を除去したり、注意を喚起
したりして吾人の集中力、活動力を向上せしめるような
効果をも発揮せしめることも可能であり、また一般に生
活空間に適度の芳香を拡散せしめて日常生活を楽しく豊
かにすることを助けるものである。
[従来の技術] 古くから良く知られている技術は紙、皮革等に香料液
をスプレーする方法、プラスチックスの場合にはプラス
チックスペレットに香料を練り込んで常法により成型し
シートとする方法、塗料または接着剤に香料を混入した
のち紙、布、皮等に付着させて拡げた後乾燥する方法の
いずれかであった。しかし、これらのいずれの方法によ
っても初めに希望した芳香を基板に安定して発現せしめ
ることは困難であり、またこのような賦香シートは保存
する間に香気に変調を来たし満足しうるような商品には
ならなかった。それで近年、シクロデキストリンに包接
させた香料を塗布用の粘着基材に加えて用いる方法(日
特公開,昭58−185372)、香料を含浸させた無機多孔質
体を含むエマルジョンを配合したインキを用いて印刷す
る方法(日特公開,昭58−162677)、シリカゲルに香料
を含浸したフィラーをインキに加えて使用する方法(日
特公開,昭59−145298)とかマイクロカプセル化香料を
含むインキを用いて印刷する方法(日特公開,昭61−24
3871)が開発された。しかしながらこれらの方法といえ
ども、出来上がった製品の香気の保持ならびに香調の良
さという面については現在のところ甚だしく不満足であ
ることが本発明者らの追試実験から確認された。このた
めより一層のすぐれた品質の賦香シートを提供できる製
造方法の開発に迫られたのである。
[問題点を解決するための手段と作用] ここにおいて本発明者らは新しい賦香シートの製造方
法について詳細な研究を行ない遂に今般刮目すべき本発
明を完成したのである。すなわちpH6〜8である無定形
ジルコニウムリンケイ酸塩の多孔性微粉体に液体香料を
含浸させた粉末100重量部と該粉末の粒度以下の大きさ
であるスペーサー粉末10〜300部とを硬化性樹脂組成物
に分散して均一なペーストとなした後、該ペーストを基
板に1〜20μmの厚さになるごとく載置後、硬化せしめ
るときには非常に品質のすぐれた賦香シートが得られる
ことを見いだした。ここにおいてスペーサー粉末とはシ
リカゲル、シリカ、アルミナ、マグネシア、チタニア、
不溶性ジルコニウム化合物、不溶性アルカリ土類金属炭
酸塩、不溶性金属硫酸塩、無機顔料、有機顔料、不溶性
金属ケイ酸塩、不溶性金属リン酸塩、不溶性鉱物、フィ
ラー用金属、繊維素、デン粉、不溶性天然高分子および
不活性合成高分子よりなる群から選ばれた少なくとも一
つの微粉体であり、また基板とは紙、合成紙、無機繊維
紙、填料高含有紙、グラシン紙、レーヨン紙、コーテッ
ド紙、中性紙、プラスチックスシート、不織布、皮革、
合成レザー、竹板、竹皮および木板よりなる群から選ば
れた少なくとも一つの材料によって構成されているもの
である。
無定形ジルコニウムリンケイ酸塩の多孔性微粉体につ
いては既に発表されており(日特公開,昭59−2691
2)、また、これに香料を含浸させた粉粒体を用いた発
香物については本発明者らによる発明がある(日特公
開,昭62−4222:日特公告.昭63−24971)。この無定形
ジルコニウムリンケイ酸塩というのは一般にZr(PO4
Zy・(SiO2・nH2Oなる組成で表される(ただし,y=
0.02〜2.00,Z=0.05〜16.00,n=0〜10を示す)。
この水溶液のpHは1〜5を示すものであるが、無定形
ジルコニウムリンケイ酸塩と香料との相互作用による香
気の変調を来さないために本発明では次のような組成式
で示される中性のものを用いている。
(ZrO2(P2O50.8〜1.0・(SiO21.0〜2.0・(A2O)0.1〜0.4 (ただし、Aはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属
を示す) この中性の化合物はpH6〜8であり多孔性の微粉体に
した場合はその比表面積は100〜1000m2/gである。そし
て本発明に適している該粉体の粒度は平均粒径0.05〜2
0.00μmである微粉体状のものである。また、本発明に
用いられる液体香料とは一般に次のように調整された調
合香料である場合が多い。すなわち、「トップノー
ト」、「ミドルノート」(モジファイヤー)、「ベース
ノート」(ラストノート)よりなる三つの香料成分が実
用に適するような割合で配合されるがこの配合にあたっ
ては香料の揮発度、蒸気圧、安定性、香気のイメージ、
香調、香気のバランス等を考慮して決定される。
無定形ジルコニウムリンケイ酸塩の多孔性微粉体に液
体香料を含浸させた粉末とは前記多孔性微粉体100部に
対し液体香料50〜400部を添加して均一に混練すること
により達成されたものである。この際、可及的室温に近
い温度で不活性ガス雰囲気で無水又はこれに近い条件下
で操作することが好ましい。なお、場合によっては液体
香料を含浸させた粉末の粒子の表面を保護する目的で適
当なワックスやオリゴマーを用いて薄くコーティング
(カプセル化)しておいてもよい。本発明ではこのよう
にして得られた粉末100部に対しスペーサー粉末10〜300
部が配合されるがこのスペーサー粉末の粒度は液体香料
を含浸させた粉末の粒度より小さくなくてはならない。
例えば液体香料を含浸させた粉末の平均粒径が5〜7μ
mであったとすると、スペーサー粉末の平均粒径は0.5
〜5.0μmの範囲のものを用いるのが好ましく場合によ
っては更に小さい粒径0.01〜1.0μmを用いることもあ
る。このスペーサー粉末は液体香料を含浸させた粉末が
後記するペースト内で二次凝集して団塊化するのを防
ぎ、賦香シートの表面からの香気の発散を賦香シートの
各部にわたって均一ならしめることを保証すると共に、
賦香シートの表面平滑度を向上せしめるような効果をも
発揮する作用を有するものである。もし、スペーサー粉
末の粒度が液体香料を含浸させた粉末の粒度よりも大き
くなる場合には、賦香シートの表面は粗雑になって触感
が悪くなり、且つ傷がつき易くなるほか剥離性とか亀裂
性あるいは不透明性が増大し、外観上の美しさが損なわ
れるものである。とくに膜厚が肥厚化したような場合に
はこれらの欠点が著しくなり、その製品には予期したよ
うな香気の発散が困難になってくる。さらに重要なこと
は、液体香料を含浸させた粉末100部に対しスペーサー
粉末10〜300部を用いることが最良の結果を得ることが
見いだされたことである。もしスペーサー粉末の使用量
が10部以下である場合とか300部以上である場合には製
品の香気の発散が予期したごとく行なわれず、また香調
も充分であるとは云い難くなる。とくに300部以上であ
る場合には均一なペーストの作製とその基板への載置と
いう操作が容易でなくなるという欠点もあった。また10
部以下である場合はペーストの塗布、流動性が悪くなり
基板への載置後の表面レベリング性も良好なものでなか
った。以上の各粉末の硬化性樹脂組成物への添加、分散
は予め各粉末を均一に混合した後行なってもよいし、あ
るいはそれぞれ別個に行なった後、混練してもよいのは
勿論であるが、非吸湿性または非酸化性の条件下で可及
的充分に行なわれることが望ましい。ここに得られたペ
ーストは特に顔料とか色素が加えられていない限り透明
〜半透明〜白色をしており、着色した香料を用いた場合
には淡黄色〜淡褐色を呈しているが、本発明は色調の如
何を問わず適用できるものである。
スペーサー粉末としてはシリカゲル(球状シリカゲ
ル,脱水コロイダルシリカ)、シリカ(エアロジルシリ
カ,ホワイトカーボン,シリカセル等)、アルミナ(工
業用アルミナ,活性アルミナ,α−アルミナ等)、マグ
ネシア、チタニア(工業用酸化チタン,ルチル型酸化チ
タン,アナターゼ型酸化チタン等)、不溶性ジルコニウ
ム化合物(ジルコニア,リン酸ジルコニウム,ケイ酸ジ
ルコニウム等)、不溶性アルカリ土類金属炭酸塩(炭酸
カルシウム,アラゴナイト,大理石,カルサイト,チョ
ーク,有孔虫含有砂,貝殻,石灰岩,サンゴ礁,石灰
石,ドロマイト,炭酸マグネシウム,塩基性炭酸マグネ
シウム等)、不溶性金属硫酸塩(硫酸カルシウム,石
膏,ギブス,硫酸バリウム,リトポン等)、無機顔料
(酸化クロム,酸化鉄,酸化亜鉛,真珠顔料,クロム酸
亜鉛,カーボンブラック等)、有機顔料(アクリジン色
素,アジン色素,アゾ色素,アゾメチン色素,アニリン
色素,アントラキノン色素,イソインドリン色素,イン
グレン色素,インジゴ色素,オキサジン色素,キサンテ
ン色素,キナクリドン色素,キノフタロン色素,キノン
イミン色素,キノン色素,金属錯体色素,クロロフィル
色素,ジアゾ色素,シアニン色素,ジフェニルメタン色
素,スチルベン色素,スピロピラン色素,インダンスレ
ン色素,トリアリルメタン色素,ニトロソ色素,ピリリ
ウム塩色素,フタロシアニン色素,フルオラン色素,ポ
リメチン色素,ナフトール色素,ロイコ色素等)、不溶
性金属ケイ酸塩(ケイ酸アルミニウム,ケイ酸カルシウ
ム,ケイ酸マグネシウム等)、不溶性金属リン酸塩(リ
ン酸カルシウム,リン酸アルミニウム等)、不溶性鉱物
(タルク,ステアタイト,セピオライト,ソープストー
ン,アスベスト,緑泥石,雲母,ゼオライト、粘土,白
土,ベントナイト,カオリン,ケイ藻土等)、フィラー
用金属(アルミニウム粉,ニッケル粉,銅粉,銀粉,金
粉等)、繊維素(アビセル,ビスコースレーヨン粉末,
アセテートレーヨン粉末等)、デン粉(コーンスター
チ,ポテトスターチ,タピオカスターチ,ライススター
チ,殻粉等)、不溶性天然高分子(木粉,花粉,胞子
粉,キチン粉末,絹粉,皮革粉等)、不溶性合成高分子
(ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリアミド,ポリエ
ステル,フェノール樹脂,尿素樹脂,メラミン樹脂等)
の一種または二種以上の微粉末が用いられる。硬化性樹
脂組成物とは熱、光、放射線またはラジカル触媒の作用
により全体が硬化して樹脂化するモノマー、オリゴマー
もしくはそれらの混合物で混合によっては粘性保持のた
めのポリマーを含む混合物でその基本的な原料成分とし
ては(メタ)アクリレート,エポキシ樹脂,ポリエステ
ル(メタ)アクリレート,ポリエポキシ(メタ)アクリ
レート,ポリウレタン(メタ)アクリレート,ポリエー
テル(メタ)アクリレート,ポリオール(メタ)アクリ
レート,エポキシ化ポリアルカジエン,不飽和ポリエス
テル,乾性油変性(メタ)アクリレート,トリ(メタ)
アリルイソシアヌレート誘導体,ジ(メタ)アリルイソ
シアヌレート誘導体,二または三官能の(メタ)アクリ
レート,ジアセトンアクリルアミド,シリコーン系(メ
タ)アクリレート,ラクトン変性(メタ)アクリレート
等である。これらは通常反応性希釈剤を含んだオリゴマ
ーの形で市場に供給されている。これらのうち本発明に
はラジアル的反応によって短時間で架橋又は重合して短
時間内に硬化物になるものが必要である。そしてこの反
応の結果として全体が樹脂化するものであるが通常の溶
剤を用いようとする場合には架橋とか重合ならびに硬化
に悪影響を及ぼさない程度に少量使用することが許容さ
れる。しかし溶剤臭の強いものとかラジカル的反応を阻
害するものは使用しない方がよいのは当然である。本発
明の硬化反応は熱、光(紫外線,赤外線を含む)、放射
線(電子線を含む)またはラジカル触媒によって達成さ
れるが、市販の配合された紫外線硬化樹脂組成物にあっ
ては紫外線と若干の赤外線熱の併用によって好都合に硬
化するものも多い。なお場合によっては本樹脂組成物中
に着色料として安定な有機色素とか、酸化防止のための
安定剤、あるいは紫外線に対する安定剤、とくに増感剤
ならびにラジカル重合触媒(酸素,オゾン,過酸化物触
媒,アゾビス系触媒等)を加えておく場合もあるが、こ
れら添加剤の多量を用いることは賦香シートの香気に関
係して来て匂いの変調を来すので少量使用するようにし
たいものである。さて上記のペーストは塗布法、印刷
法、吹き付け法、ロールコート法もしくはスピンコート
法のいずれかによって基板上に載置されるのであるが、
この際にも可及的に空気や水分との接触を避けるよう注
意して行なうのがよい。この載置は全面コーティング、
図柄印刷、文字印刷あるいは部分コーティングの何れで
もよくまた図柄や文字が印刷されている上にも容易に行
なうことができる。この基板としては紙、合成紙、無機
繊維紙(ガラスウール紙、アスベスト紙等)、填料高含
有紙、グラシン紙(高密度の液体バリヤー紙)、レーヨ
ン紙、コーテッド紙、中性紙、プラスチックスシート
(ポリエチレン,ポリプロピレン、ポリスチレン,ポリ
エチレンテレフタレート,ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビ
ニリデン,セルローズトリアセテート,セロファン,セ
ルロイド等)、不織布(ウェブシート,フェルトシート
等)、皮革、合成レザー、竹板、竹皮、木板よりなる群
から選ばれた少なくとも一つの材料が用いられる。本発
明の賦香シートには可撓性のある工業的に生産されてい
るシート材料の単独もしくは複合物が用いられるもので
あり、またこれらを主体とし他面に金属板を貼付したり
金属を蒸着したりしたラミネートシートも用いられる。
しかし、本発明の基板としての金属板または金属シート
の金属面上に直接的にコーティングしてやることは発錆
とか変色に伴う香調の変化を惹起する傾向があるので除
外される。本発明の一般的な操作法の例を示すと次の通
りである。
強熱乾燥させた無定形ジルコニウムリンケイ酸塩であ
る非表面積が200〜500m2/g、平均粒径5μmである多孔
性微粉体(pH6〜8)400部に液体香料(例えばトップノ
ート35%,ミドルノート20%,ベースノート45%の配合
物を調合したローズ香料)200部を攪拌下においてスプ
レー噴霧し香料の含浸粉末となす。ついでこれにスペー
サーとしてシリカ粉末(平均粒径1μm)50部を加えて
1時間激しく混合し、この混合物に市販の紫外線硬化用
の液状樹脂組成物(例えば東華色素K.K.製OPニス)600
部を加えて窒素気流中で数時間混練して香料インキペー
ストを作る。次にこのインキをオフセット印刷機または
シルクスクリーン印刷機を用いて、名刺または葉書の上
面にオーバーコートする。この際のオーバーコートイン
キの厚さは7〜8μmであった。このようにしてインキ
を載置した印刷物を暫時静置して表面のレベリングを行
なわせた後、強力な紫外線照射装置に送り込んで0.5〜
3秒間程度室温で紫外線照射を行なうと載置樹脂が硬化
し外観の美しい名刺または葉書を得る。この名刺または
葉書はローズ芳香を有し通常の使用条件下ではその硬化
樹脂は剥離することがなく、製品は芳香を有し且つ機械
的強度も増大しているため使用に便利である。
この方法を用いてペーストの名刺への載置厚さと製品
の品質を試験したところ次表に示す結果が得られた。
この表から分かるごとくペーストの載置厚さが8〜15
μmの場合にもっとも美しい外観と好ましい香気を有す
る賦香シート(名刺)が得られ、載置厚さが1μm以下
では香気、外観共にすぐれず、また載置厚さが20μm以
上では香気はともかく既印刷部分の損傷を来たし賦香名
刺としての実用上の性能が満足されなかったのである。
したがって本発明におけるペーストの載置厚さは1〜20
μm、特に好ましくは5〜15μmの範囲に調整すること
が肝要である。なお上記の例ではZSPの平均粒径として
5μmのものを用いたがこの平均粒径を1μm〜10μm
に変動させた実験でも載置厚さが1〜20μmである場合
が実用的であり、それ以外の載置厚さでは良好な結果は
得られなかったのである。この方法はペーストの載置厚
さは25μm以上では外観の美しいものができず、また0.
5μm以下の厚さでも均一な外観のものが取得できなか
ったのである。
[実施例] 以上に示したごとく本発明者らは多数の研究によって
本発明の優秀性を明らかにしたのであるが、さらに本発
明の技術的内容を解説するため代表的な数例を抽出して
以下に実施例として示すことにする。従って本発明の方
法は単に実施例のみに限定して解釈されるべきではなく
本発明の趣旨と精神とを逸脱せざる限り任意にその実施
態様を変更して実施しうることは当然である。
実施例1. 比表面積400m2/g、平均粒径5μmである無定形ジル
コニウムリンケイ酸塩の微粉体(第一稀元素化学工業K.
K.製,ZSP−100を粉砕したものでpHは6)100部にミュー
ゲ香料液80部をノズルより散布して激しく混合して含浸
させた粉末となす。この含浸させた粉末100部とスペー
サーとして結晶シリカ微粉末(U.S.シリカ社製,MIN−U
−SIL5,平均粒径1μm)70部を加えて均一な混合粉末
をつくる。この混合粉末120部にUVインキ(東華色素化
学工業K.K.製,UVベスト・キュアOPニス)80部とUVイン
キ(東華色素化学工業K.K.製,UV無変色メジウム)60部
を投入して充分混練して均一なペースト状のインキとす
る。次に、既印刷名刺(紙製)の表面または裏面にこの
インキを平版オフセット印刷機を用いて厚さ8μmにな
るように全面コートし、ついで紫外線照射装置(サン印
刷機械K.K.製,SAN−UV)を用いて約2秒間紫外線照射す
る。この結果、インキは紫外線硬化して、樹脂層が6μ
mの厚さになり、これは空気中で効果的なミューゲ香を
放散し、客人に対して印象強く感ぜしめる名刺が得られ
る。これは、また爾後において、通常の名刺印刷機を用
いで文字、マーク等を追加印刷することができる。この
名刺は春の水仙の花畑を想起させる香りを発し且つその
保香も通常の使用条件下で4ヶ月間、プラスチックスフ
ィルムに包んで2年間も芳香を保ち宣伝効果は抜群であ
る。
実施例2 オイゲノール25g、イソオイゲノール30g、β−フェニ
ルエチルアルコール15g、イランイラン油5g、カーネー
ション花抽出油5g、α−テルピネオール4g、ハイドロキ
シシトロネラール1g、ローズ花抽出油1g、ジャスミン花
抽出油0.5gをエタノール100mlに溶解してカーネーショ
ン香料液とする。この溶液80mlを無定形ジルコニウムリ
ンケイ酸塩の微粉体(第一稀元素化学工業K.K.製,比表
面積350m2/g,平均粒径2μm,pH7)50gに散布して激しく
混合したのち、流動させながら低温減圧下でエタノール
を蒸発させて除去したのち粉砕して微粉末とする。この
微粉末100gとスペーサーとして超微粒子酸化チタン(ア
ルミナコーティングしたもので平均粒径0.01μmのルチ
ル型粉末)50gとを窒素雰囲気中で充分混合して有香粉
末となし、これに硬化性樹脂組成物として合成樹脂イン
キ(株式会社永瀬スクリーン印刷研究所製,ビニエイ
ト,艶出メジューム)300gを加えて充分混練して均一な
ペースト状のインキとする。次に市販の三重層のプラス
チックスシートよりなる一面にアルミニウム蒸着膜を有
するミラーカードの他面側にシルクスクリーン法にて厚
さ10μmになるごとくインキを被覆し、ついで赤外線加
熱にて乾燥させ硬化させる。ここに得られたカーネーシ
ョンの芳香を有するミラーカードは各企業の販売促進用
の宣伝カードとして有用であり、またこの保香はポリエ
ステルフィルムの袋に入れられた状態で室温にて2年間
を経ても維持され、ハンドバッグ用の香りの小物商品と
しても適当である。
実施例3〜10 合成香料から作られた調合香料100部を無定形ジルコ
ニウムリンケイ酸塩の微粉体(第一稀元素化学工業K.K.
製,比表面積500〜600m2/g,平均粒経5μm,pH6.8)100
部に散布して激しく混合したのちスペーサーとして焼成
カオリン微粉末(エンゲルハード社製,サティントン#
5,平均粒径0.55μm)50部を加えてよく混合し均一な粉
末とする。このようにして得られた粉末50部を次表に示
す硬化樹脂組成物100部に分散して充分混練しペースト
状インキを作り、これをそれぞれの基板に10〜11μmの
厚さにロールコートしたのち硬化させた。ここに得られ
た賦香シートは次表に示す保香期間を有しそれぞれ香り
に応じて各基板を製品化することに成功した。
実施例11〜21 比表面積400m2/g、平均粒径8μmである無定形ジル
コニウムリンケイ酸塩の微粉体(実施例1のものと同
種)100部にローズ香料液50部を散布してはげしく混合
し均一な含浸粉末となす。この含浸粉末100部にスペー
サーとして次表の粉末を所定量加え、さらに硬化性樹脂
組成物として東華色素化学工業K.K.製のUVインキ混合物
(実施例1と同じもの)140部を加え充分混合してペー
スト状物となし未印刷の名刺用紙に10μmの厚さにコー
トし強力な紫外線照射装置を用いて3秒間90〜120℃で
硬化させ得られた名刺製品のコート面の外観と香調を検
査したところ次表のような結果が得られた。
[発明の効果] 本発明は新しい賦香シートの製造方法に関するもので
あって、本発明によって製造された賦香シートは所定の
香りを揮散しつづけることにより、各種の製品に「匂
う」という性能を付与し、而もシート自体の機能性とか
芸術性とかを阻害することなく商品価値を倍加するもの
である。したがって、本発明によって製造された賦香シ
ートは使用者の日常生活とか流通環境において賞用され
るものであり、発明の効果は絶大なものであるといいう
る。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】pH6〜8である無定形ジルコニウムリンケ
    イ酸塩の多孔性微粉体の液体香料を含浸させた粉末100
    部と該粉末の粒度以下の大きさであるスペーサー粉末10
    〜300部とを硬化性樹脂組成物に分散して均一なペース
    トとなした後、該ペーストを基板に1〜20μmの厚さに
    なるごとく載置後、硬化せしめてなることを特徴とする
    賦香シートの製造方法。
  2. 【請求項2】スペーサー粉末がシリカゲル、シリカ、ア
    ルミナ、マグネシア、チタニア、不溶性ジルコニウム化
    合物、不溶性アルカリ土類金属炭酸塩、不溶性金属硫酸
    塩、無機顔料、有機顔料、不溶性金属ケイ酸塩、不溶性
    金属リン酸塩、不溶性鉱物、フィラー用金属、繊維素、
    デン粉、不溶性天然高分子および不溶性合成高分子より
    なる群から選ばれた少なくとも一つの微粉体である請求
    項記載の賦香シートの製造方法。
  3. 【請求項3】基板が紙、合成紙、無機繊維紙、填料高含
    有紙、グラシン紙、レーヨン紙、コーテッド紙、中性
    紙、プラスチックスシート、不織布、皮革、合成レザ
    ー、竹板、竹皮および木板よりなる群から選ばれた少な
    くとも一つの材料によって構成されている請求項記載
    の賦香シートの製造方法。
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