JP2688861B2 - 枝作り酵素遺伝子及び該遺伝子を保有する微生物並びに該微生物を用いる枝作り酵素の製造法 - Google Patents

枝作り酵素遺伝子及び該遺伝子を保有する微生物並びに該微生物を用いる枝作り酵素の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、新規枝作り酵素、該枝作り酵素遺伝子情報
を担うDNA、該DNAを組み込んだ新規プラスミド、該プラ
スミドを導入した新規な微生物、並びに該微生物を用い
て枝作り酵素を製造する方法に関する。
(従来の技術) 枝作り酵素は、1943年Cori等によってウサギ肝臓組織
中に初めて発見され、現在では、動物、植物、微生物
等、幅広い生物種でその存在が確認されている。本酵素
は、アミロースやアミロペクチン等のα−グルカンに作
用し、α−1,4結合を切断し、α−1,6結合による枝分か
れを形成させる酵素である。
現在、澱粉を含む食品の加工において、澱粉の老化
は、保存性の低下や消化率の減少をもたらすなど大きな
問題となっている。澱粉の老化の最も大きな原因は、ア
ミロースの老化に起因している。すなわち、澱粉の老化
は、直鎖成分のアミロースの方が、分枝成分のアミロペ
クチンに比して著しいのである(桜井芳人編「総合食品
事典(新訂版)東京同文書院(昭和46-3-15)p.444〜44
5)。
従って、枝作り酵素を利用し、食品中に澱粉分子に枝
分かれを付加できれば、澱粉の老化は抑制され、食品の
保存性は向上すると考えられる。
このようなことから、食品業界での枝作り酵素の需要
は高まり、大量生産が強く望まれているのが現状であ
る。
(発明が解決しようとする問題点) 現在知られている枝作り酵素をその生産生物から得る
方法では、微生物あるいは動植物から抽出する方法で
も、いずれの方法でも枝作り酵素の生産量が低く、業界
の必要量を満たすには程遠いのが現状である。
(問題点を解決するための手段) このような技術の現状に鑑み、枝作り酵素の効率的製
造法を開発するために各方面から検討の結果、遺伝子工
学的手法による方法が最適であるとの知見を得た。
そして本発明は、上記知見に基き更に研究を行ってな
されたものであって、新規枝作り酵素及び該枝作り酵素
をコードする遺伝子を含むDNA、更には、枝作り酵素遺
伝子を種々のベクターに組み込んで宿主微生物に導入し
た新規組換え体微生物、及び新規に創製された新規組換
え体微生物を培養して枝作り酵素を製造する方法を開発
する目的でなされたものである。
本発明者らは、上記の目的を達成するため、動物、植
物、微生物から広く枝作り酵素を探し、種々起源から該
酵素を抽出した。その一例としてトウモロコシの枝作り
酵素を抽出し、該枝作り酵素遺伝子をクローン化した。
さらに該遺伝子を種々のベクターに組み込んで宿主微生
物に導入し、得られた組換え体微生物に枝作り酵素を生
産させることに成功し、本発明を完成した。
以下に、本発明を具体的に説明する。
(1)枝作り酵素遺伝子のクローン化 枝作り酵素産生能を有する供与体植物よりそのmRNAを
分離精製した後、例えば、逆転写酵素、DNAポリメラー
ゼなどでcDNAを調製する。得られたcDNAを、適当な制限
酵素で切断して得たDNA断片と、同様にしてベクターを
切断して得られたベクター断片とを、例えば、DNAリガ
ーゼなどより結合させ、枝作り酵素遺伝子を含む組換え
DNAを形成する。
具体的には例えば、トウモロコシ粒から全RNAを分離
した後、ポリ(A)含有mRNAを単離し、ファージベクタ
ー(例えばλgt11)を用いインビトロパッケイジング法
にて、cDNAライブラリーを作成する。
これをエシェリヒア・コリに感染せしめ、出現したプ
ラークを抗トウモロコシ枝作り酵素抗体によってスクリ
ーニングして免疫陽性クローンを分離する。更にファー
ジ粒子を分離し、枝作り酵素遺伝子を含有するDNAを得
る。
得られたDNAを制限酵素で分解し、DNA断片をプラスミ
ド又はファージベクターを用いてサブクローニングす
る。サブクローニング用のベクターとしては、例えば多
コピー・プラスミド系のプラスミドベクターpBR322やpU
Cシリーズのほか、1本鎖DNAファージであるM13ファー
ジのようなファージベクター等、サブクローニングに常
用される各種ベクターが適宜使用される。その結果得ら
れたプラスミドについて、ヌクレオチド シークエンシ
ングを行う。再スクリーニングは、cDNAをプローブとし
てあるいは免疫法等によって行い、他は常法にしたがっ
て組換えDNAが導入された形質転換微生物を得るのであ
る。
なお、枝作り酵素遺伝子の供与体としては、上記した
供与体植物のほか、枝作り酵素生産能を遺伝子組換えに
より導入した形質転換微生物を供与体微生物として利用
することもできる。
本発明を実施するに際し、供与体植物由来のDNAは、
枝作り酵素遺伝子を導入した微生物を、例えば、液体培
地で約1〜3日間通気撹拌培養し、得られる培養物を遠
心分離して集菌し、次いでこれを溶菌させることによっ
て調製することができる。溶菌方法は、例えば、リゾチ
ームやβ−グルカナーゼなどの細胞壁溶解酵素による処
理や超音波処理などが用いられる。また、必要によりプ
ロテアーゼ、リボヌクレアーゼなどの他の酵素剤やラウ
リル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤が併用される。ま
た凍結融解処理を施すこともある。このようにして得ら
れる溶菌物からDNAを分離、精製するには、常法にした
がって、例えばフェノール抽出、除蛋白処理、プロテア
ーゼ処理、リボヌクレアーゼ処理、アルコール沈殿、遠
心分離などの方法を適宜組み合わせることによって行う
ことができる。
DNAを切断する方法は、例えば、超音波処理、制限酵
素処理などにより行うことができる。切断後、必要に応
じてホスファターゼやDNAポリメラーゼ等の修飾酵素が
用いられる。また種々のリンカーやアダプターを用いる
ことによりDNA断片末端の塩基配列を変えることができ
る。
切断されたDNA断片から、蔗糖密度勾配遠心法や電気
泳動したゲルからの抽出等によって最適な長さの断片の
みを得られる。
ベクターとしては、宿主微生物で自律的に増殖し得る
ファージまたはプラスミドが適している。
ファージとしては、例えば、エシェリヒア コリ(Es
cherichia coli)を宿主微生物とする場合には、λファ
ージやM13ファージなどが使用できる。また、プラスミ
ドとしては、例えば、エシェリヒア コリを宿主微生物
とする場合には、pBR322、pUC18やそれらの派生体など
が使用できる。更に、例えば、エシェリヒア コリ、バ
チルス ズブチリスなどの二種以上の宿主微生物で自律
的増殖の可能な、例えば、pHY300PLK、YIp5、YEp13など
のベクターを利用することも可能である。このようなベ
クターを、先に述べたDNAと同様に制限酵素などで切断
し、ベクター断片を得る。
DNA断片とベクター断片とを結合させる方法は、公知
のDNAリガーゼを用いる方法であればよく、例えば、DNA
断片とベクター断片とをアニーリングの後、生体外で適
当なDNAリガーゼの作用により組換えDNAを作成する。必
要ならば、アニーリングの後、宿主微生物に導入して、
生体内のDNAリガーゼを利用して組換えDNAにすることも
できる。
宿主微生物としては、組換えDNAが安定かつ自律的増
殖が可能でその形質発現のできるものであればよい。
宿主微生物に組替えDNAを導入する方法は、公知の方
法、例えば、宿主微生物がエシェリヒア コリの場合に
はカルシウム法(Lederberg,E.M.andCohen,S.N.,J.Bact
eriol.,119,1072,(1974))などを採用することができ
る。
λファージDNAであれば、イン ビトロ パッケイジ
ング法(Horn,B.,Methods in Enzymology,68,299,(197
9))によりλファージ粒子を形成し、このλファージ
粒子をエシェリヒア コリの培養菌懸濁液に添加して、
枝作り酵素生産能を保有する特殊形質導入ファージを得
ることができる。
組換えDNAが導入された形質転換微生物の選択方法
は、液体選択培地で培養し、培養液中の枝作り酵素活性
を測定する。液体選択培地にはベクター上のマーカーに
よって、最小培地や、抗生物質添加培地が適宜用いられ
る。
酵素活性の測定は、ヨウ素複合体の吸光度変化を測定
する方法(岡田ら、澱粉科学、30、223、(1983))や
ホスホリラーゼとグルコース−1−リン酸を用い、遊離
した無機リン酸を測定する方法(Satoh,K.and Sato,K.A
nal.Biochem.,108,16,(1980))などを用いて行なわれ
る。
得られた枝作り酵素生産菌を液体選択培地にて37℃で
培養し、公知の方法、例えば、アルカリ抽出法(Birnbo
im,H.C.and Doly,J.,Nucleic Acids Res.,7,1513,(197
9))によってプラスミドを得ることができる。
枝作り酵素遺伝子を含む組換えDNAは、上記の方法
で、適宜制限酵素で切断し、他のベクターに組み込んだ
り、他の宿主に導入することができる。
(2)枝作り酵素の調製 枝作り酵素は枝作り酵素生産能を獲得した形質転換微
生物を液体培養することで調製することが出来る。形質
転換微生物を培養する培地としては、微生物の通常の培
養に用いられるものであればいずれでもよいが、例え
ば、炭素源としては澱粉、液化澱粉、グルコース、グリ
セリン、糖蜜、廃糖蜜などがあり、窒素源としては各種
蛋白分解物、大豆粉、肉エキス、ペプトン、尿素、硝酸
塩、アンモニウム塩、酵母エキス、コーンスティープリ
カーなどがある。その他ビオチンなどの栄養素や微量金
属などが適宜使用される。
培養後、酵素が菌体内にある場合には、培養液を遠心
分離して菌体を得、超音波や細胞壁溶解酵素等で処理
し、破砕菌体を遠心分離して除き、粗酵素液とする。ま
た、酵素が培地中にある場合には、培養液を遠心分離し
て菌体を除き、以後の精製を行なう。
得られた粗酵素液から、塩析、透析、イオン交換樹
脂、アフィニティクロマトグラフ処理等一般的酵素精製
法により枝作り酵素を単離することができる。
次に本発明を実施例により詳しく説明する。
実施例1 枝作り酵素遺伝子のクローン化 トウモロコシ(Zea maize)種実から、LiCl法で全RNA
を分離する (Chirgwinら、Biochemistry,18,5294-5299,1979)。つ
いで、常法によりこれをオリゴ(dT)セルロースカラム
クロマトグラフィーにより精製し、ポリ(A)含有mRNA
を単離する。
このmRNAを用いて、Young & Davisの方法(Proc.N
atl.Acad.Sci.USA,80:1194-1198、1983)で、cDNAライ
ブラリーを作成する。すなわち、mRNAのポリ(A)残基
を利用し、オリゴ(dT)をプライマーとしてAMV逆転写
酵素(東洋紡社製)で、相補性1本鎖DNA(ss-cDNA)を
合成する。ついで、アルカリ処理等によりmRNAを分解
し、DNAポリメラーゼで2本鎖DNAを合成する。5′末端
に形成されるヘアピン構造をS1ヌクレアーゼで削除し、
cDNAとする。
ベクターにはファージλgt11(東洋紡社製)を用い、
Eco RI(宝酒造社製)で切断したλgt11DNAと、前記のc
DNAの両末端にEco RIリンカー(宝酒造社製)を付加し
たcDNA断片を混合し、T4DNAリガーゼ(宝酒造製)を添
加して連結処理した(Weiss,B.,Sablon,A.J.,Live,T.
R.,Fareed,G.C.and Richardson,C.C.,J.Biol.Chem.,24
3,4543,(1968))。処理液を、イン ビトロ パッケ
イジング キット(宝酒造社製)に添加して、イン ビ
トロ パッケイジング法(Horn,B.,Methods in Enzymol
ogy,68,299,(1979))により当該DNAをファージ粒子に
導入した。このファージ粒子をエシェリヒア コリY109
0の菌体懸濁液に添加し、1.2%の寒天を含むL培地(バ
クトトリプトン10g、酵母エキス5g、NaCl 5g、水1)
に塗抹して42℃で培養し、出現したプラークをニトロセ
ルロースフィルターにレプリカし、プラークイムノアッ
セイ法にて抗ウサギトウモロコシ枝作り酵素抗体と交差
するファージを枝作り酵素生産ファージとして分離する
ことができた。
得られた枝作り酵素生産ファージを単離し、これをエ
シェリヒア コリ Y1090とともにL培地で37℃で培養
した。培養液を遠心分離して宿主菌体を除き、ポリエチ
レングリコールを加えてファージ粒子を凝集させたの
ち、遠心分離によってファージ粒子を集め、新規なファ
ージを得た。このファージをλKE9と名づけた。このフ
ァージ粒子を、50%ホルムアミドを含むファージ懸濁用
緩衝液に対して透析し、λKE9ファージDNAを得た。ファ
ージλKE9 DNAは45.9Kbの大きさで、そのフィジカルマ
ップ(制限酵素切断地図)を第1図に示す。ここで白ぬ
きの部分はベクターλgt11由来で、黒塗りの部分はcDNA
断片部分である。各記号はすべて制限酵素である。
ここに得られたλKE9ファージDNAをトリス塩酸・EDTA
緩衝液に溶解し、制限酵素Eco RIを添加し、37℃で部分
分解した。分解物をAgarose gel電気泳動後、2.8kbのcD
NA断片を分離、取得し、プラスミドpUC19を用いて再ク
ローン化を図った。プラスミドpUC19(宝酒造社製)は
2.7Kbでアンピシリン耐性(Apr)を有し、制限酵素Eco
RIによって1箇所切断されるものである。
Eco RIで1箇所切断したpUC19をアルカリフォスファ
ターゼ(宝酒造社製)処理した後、前記のλKE9ファー
ジから得られた2.8kbのcDNA断片を混合し、T4DNAリガー
ゼを添加して連結処理した。この処理液を用い、エシェ
リヒア コリHB101株を宿主として、Lederberg,Cohen法
(Lederberg,E.M.and Cohen,S.N.,J.Bacteriol.,119,10
72,(1974))により、当該プラスミドを導入した。
得られた形質転換処理菌体を選択培地であるアンピシ
リン50μg/ml、寒天1.5%を含むL培地(バクトトリプ
トン10g、酵母エキス5g、NaCl 15g、水1、pH7.0)に
て37℃で培養し、アンピシリン耐性株を得た。このアン
ピシリン耐性株をアンピシリン50μg/mlを含むL培地に
て37℃で24時間培養し、培養液中及び菌体内の枝作り酵
素活性の有無を、ウェスタンブロッティングによる抗原
抗体反応で調べた。これにより、抗ウサギトウモロコシ
枝作り酵素抗体と交差する蛋白質を生産する菌株を枝作
り酵素生産菌として単離できた。
得られた枝作り酵素生産菌体を単離し、これをアンピ
シリン50μg/mlを含むL培地にて37℃で培養し、培養液
を遠心分離して集菌し、洗浄後、分離菌体からアルカリ
抽出法(Birnbiom,H.C.and Doly,J.,Nucleic Acids Re
s.,7,1513,(1979))によってプラスミドを分離し、新
規なプラスミドを得た。このプラスミドをプラスミドpK
E9と名づけた。
プラスミドpKE9は5.5kbの大きさで、そのフィジカル
マップを第2図に示す。ここで白ぬきの部分はベクター
pUC19由来で、黒塗りの部分はcDNA断片部分であり、各
記号は、すべて制限酵素である。
プラスミドpKE9で形質転換されたエシェリヒア コリ
HB101-pKE9(Escherichiacoli HB101-pKE9)は工業技術
院微生物工業技術研究所に寄託されている(FERM P-114
41)。
そして、枝作り酵素遺伝子を含むEco RI-Eco RI 2.8k
bのDNA断片について塩基配列の決定を行い第4図の結果
を得た。そして、同位置からの塩基配列及び、塩基配列
より予想されるアミノ酸配列についても第4図に示し
た。
図中、枝作り酵素遺伝子はアラニン(1の位置)に対
応するGCT(191の位置)より翻訳が開始され、アンチコ
ドン(2468の位置)に対応するTGAで翻訳が終了する。
第4図における1から759のアミノ酸配列について、
これを1文字法で図示したものが第5図であり、同じく
枝作り酵素遺伝子を含むEco RI-Eco RIのDNA断片(2.8k
b)のフィジカルマップを図示したものが第3図であ
る。
前記の方法により調製したトウモロコシ枝作り酵素の
N末端アミノ酸シークエンスをエドマン分解法(Hewic
k,R.M.et al J.Biol.Chem.256,7990(1981))にて行っ
た。その結果、N末端20アミノ酸の配列は次に示す通り
であった。
Ala-Thr-Val-Gln-Glu-Asp-Lys-Thr-Met-Ala-Thr-Ala-Ly
s-Gly-Asp-Val-Asp-His-Leu-Pro この結果を、DNA塩基配列より予想されるアミノ酸配列
と比較すると、第4図中、1の位置のアラニン(Ala)
から20の位置のプロリン(Pro)までの配列と完全に一
致した。
実施例2 枝作り酵素の生産 エッシェリヒア コリHB101-pKE9を、 Ampicirinを含むL液体培地(トリプトン1g、酵母エキ
ス0.5g、NaCl 0.5g、Ampicirin 50μg/ml、水100ml、pH
7.0))3mlで37℃で12時間培養し、この培養液を種培養
とした。種培養1mlをAmpicirin、IPTGを含むL液体培地
(トリプトン1g、酵母エキス0.5g、NaCl 0.5g、Ampicir
in50μg/ml、IPTG100mmole、水100ml、pH7.0)に接種
し、37℃で24時間培養後、遠心分離にて培養上清画分と
菌体画分を得た。菌体画分をトリス塩酸・酢酸カルシウ
ム緩衝液100mlに懸濁した後、超音波により菌体を破砕
し遠心分離により得た上清画分と、培養上清画分とを混
合し200mlの粗酵素液とした。4℃の低温で得られた粗
酵素液に硫酸アンモニウムを加え、0.2から0.5飽和で沈
澱する画分を集め、10mMリン酸緩衝液(pH7.5)に溶解
する。この酵素液を同緩衝液に対して一晩透析した。次
に、DEAE−トヨパール650Mによるイオン交換クロマトグ
ラフィーおよびトヨパールHW50Fによるゲルろ過クロマ
トグラフィーにより精製し、電気泳動的に単一バンドを
示す標本を得ることができた。さらに、Asahipak ES-50
2N(旭日化学工業社製)を用いた高速液体クロマトグラ
フィーによる精製を行い、精製酵素を得た。更に、活性
画分を集め凍結乾燥することにより精製酵素粉末12μg
を得た。
(発明の効果) 本発明によってはじめて枝作り酵素遺伝子の構造が解
明され、微生物で発現せしめるのに成功した。
その結果、枝作り酵素が大量に生産されることとな
り、この酵素を利用することによって例えば食品中の澱
粉分子に枝分かれを付加することができ、その結果澱粉
の老化が抑制され、食品の保存性が大幅に向上する等、
顕著な効果が奏される。
【図面の簡単な説明】 第1図はファージλKE9のフィジカルマップ(制限酵素
切断地図)、第2図はプラスミドpKE9のフィジカルマッ
プ、第3図はプラスミドpKE9に挿入されているEco RI-E
co RI 2.8kb断片のフィジカルマップをそれぞれ示して
いるが、第2図及び第3図における矢印は、トウモロコ
シ枝作り酵素遺伝子ないし同酵素のコード領域を示して
いる。 第4図はEco RI-Eco RI断片の全DNA配列及びアミノ酸配
列を図示したものであり、第5図は第4図の1から759
のアミノ酸配列を1文字法で図示したものである。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第4図の1の位置(アラニン)から759の
    位置(リジン)のアミノ酸配列で表される枝作り酵素。
  2. 【請求項2】第4図の191の位置(GCT:アラニン)から2
    467の位置(AAA:リジン)で表される塩基配列を有する
    枝作り酵素遺伝子。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の枝作り酵素遺伝子とベク
    ター断片とを結合させてなるプラスミド及び/又はファ
    ージ。
  4. 【請求項4】第1図、第2図または第3図の制限酵素切
    断地図で示されることを特徴とする請求項3に記載のプ
    ラスミド及び/又はファージ。
  5. 【請求項5】請求項3又は4に記載のプラスミド又はフ
    ァージを宿主微生物に導入してなる形質転換微生物。
  6. 【請求項6】形質転換微生物が、エシェリヒア コリ
    (Escherichia coli)であることを特徴とする請求項5
    に記載の形質転換微生物。
  7. 【請求項7】請求項5又は6に記載の形質転換微生物を
    培養し、培養物から枝作り酵素を採取することを特徴と
    する枝作り酵素の製造法。
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