JP2688601B2 - 化粧単板及びその製造方法 - Google Patents

化粧単板及びその製造方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、その木質感を損なうこ
となく不燃性を向上させることのできる化粧単板及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、建材や建築部材としても木質感を
有するものが好まれるようになってきているが、木材は
可燃性であるからその使用が限定されてしまう。特に建
築基準法の内装制限を受ける場所においては木材をその
まま用いることができない。このため、不燃材料又は凖
不燃材料である無機質板を基板とし、その表面に突板即
ち木質化粧単板を貼着した複合材料が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この複合材料におい
て、薄板状に切削されたものではあっても該木質単板自
体は何等不燃化処理されていないものであるため、その
可燃性によって複合材料としての防火性能が低下し、基
板として不燃材料を用いたものは凖不燃材料に、また凖
不燃材料を基板としたものは難燃材料に、夫々防火性能
のランクが落ちてしまう。木質単板を防火薬剤で処理す
ることでこの問題は解決され得るが、防火薬剤が高価で
あるためコスト上昇を招き、防火薬剤による処理後に異
臭や変色を来す等の問題があるため、実際上の解決手段
としては採用し難いものであった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記従来技術
の問題点に鑑みて、木質感を損なわずに防火性能を向上
させることのできる化粧単板及びその製造方法について
鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至ったもの
である。
【0005】即ち本発明による化粧単板は、春材部と秋
材部とから成る木目を有する木質単板において、該春材
部の細胞孔内及び/又は細胞孔内壁面に不燃性無機化合
物が充填又は固着されて成ると共に、前記木質単板の裏
面に裏打ち紙が貼着され、該裏打ち紙においても同様に
不燃性無機化合物が充填又は固着されて成ることを特徴
とする。春材部は好ましくは凹部として形成される。
【0006】また本発明による化粧単板の製造方法は、
原木を切削することにより春材部と秋材部とから成る木
目を有する木質単板を得、得られた木質単板を乾燥した
後、その裏面に接着剤を介して裏打ち紙を貼着し、次い
でこの裏打ちされた木質単板を無機塩の水溶液に浸漬す
ることによって該木質単板における春材部及び該裏打ち
紙に該無機塩水溶液を含浸せしめ、更にこの裏打ちされ
た木質単板を前記無機塩と反応して水不溶性の不燃性無
機化合物を生成する化合物液に浸漬して、該木質単板の
春材部における細胞孔内及び/又は細胞孔内壁面に前記
不燃性無機化合物を充填又は固着せしめると共に該裏打
ち紙においても同様に前記不燃性無機化合物を充填又は
固着せしめた後、乾燥することを特徴とする。上記薬液
による不燃化処理の前又は後に、木質単板の表面を研削
してその春材部を凹部として形成することが好ましい。
【0007】以下本発明による化粧単板の製造方法につ
いて詳述すると、まず木質単板は、杉、松、楓、栂、桧
等の樹材の原木又はフリッチを、ロータリーレース、ハ
ーフロータリーレース、スライサー等の切削装置を用い
て切削して得られるものであり、春材部と秋材部とから
成る木目を有する。一般に、春材部は細胞が大きく細胞
壁が薄く軟質であるのに対し、秋材部は細胞が小さく細
胞壁が厚く硬質である。そのため春材部は密度が低く、
火炎に対して着火し易く、その上燃焼速度が早い。逆
に、秋材部は高密度であって火炎に対して着火し難く、
燃焼速度も遅い。春材部と秋材部との密度差は樹種によ
って異なるが、一般に、秋材部は春材部に比して2〜
3.4倍の密度を有する。また、木質単板は細胞や導管
溝から成る細胞孔を有しており、その表面には該細胞孔
が開孔されている。
【0008】薄板状に切削された木質単板を乾燥してそ
の含水率を7〜15%程度の含水率に調整した後、その
裏面に、和紙、不織布、合成紙等任意の裏打ち紙を接着
して補強する。裏打ち紙を接着する際に用いられる接着
剤としては各種の合成樹脂接着剤が好適に用いられる
が、この接着剤に後記する第1液及び第2液の反応によ
って生成されるものと同種又は異種の不燃性無機化合物
を混入して用いると、化粧単板の防火性能をより向上さ
せることができるので好ましい。
【0009】次に、この裏打ちされた木質単板の表面に
ブラッシング、サンドブラスト等による研磨処理を施し
て、春材部のみを研削して凹部を形成する。
【0010】次いで、裏打ちされた木質単板を無機塩の
水溶液(以下「第1液」と称す)に浸漬し、木質単板に
おける木目の春材部及び裏打ち紙に該第1液を含浸させ
る。前記したように春材部は密度が低いので、第1液が
容易に浸透されるのに対し、密度の高い秋材部には第1
液が浸透されにくく、従って含浸方法や含浸時間を適宜
調整することによって実質的に春材部のみに第1液を含
浸させることは容易である。この段階で木質単板の裏面
には裏打ち紙が貼着されているので、第1液への浸漬に
よって裏打ち紙にも同様に第1液が含浸されることにな
る。含浸時間は木質単板の樹種、板の厚さ、含浸方法等
の条件によって適宜に調整されるが、一般に30分〜6
時間程度で充分である。
【0011】第1液の含浸の際、減圧又は加圧を加えて
含浸処理を強制的に促進させると有効である。また木質
単板を乾燥することなく高含水率状態として、或は一旦
乾燥した後に水または温水に浸漬して吸水させこれを飽
水状態とした後に、第1液中に浸漬させて拡散含浸させ
ても良い。
【0012】第1液としては、MgCl,MgB
,MgSO・HO,Mg(NO・6H
O,AlCl,AlBr,Al(SO,A
l(NO・9HO,CaCl,CaBr
Ca(NO,ZnCl,BaBr,BaCl
・2HO,Ba(NO等の水溶液が例示され
る。木質単板を第1液に浸漬含浸せしめることによって
溶質の無機塩のイオンが拡散により木質単板の春材部に
おける細胞孔内にまで入り込むと同時に、裏打ち紙の組
織内にも含浸される。
【0013】次いで余剰分の第1液を除去するために脱
液処理を行う。脱液処理は例えば遠心脱液或はシャワ
ー、どぶ漬けの水洗い等の手段によって行われ、余剰分
の第1液を除去することによって木質単板表面において
不燃性無機化合物が過剰に生成されることを抑制し、次
に含浸される水溶液の拡散含浸を良好にする。また木質
単板に付着又は固着されない遊離状態で不燃性無機化合
物が生成されることを防止する。脱液処理後、必要に応
じて、表面に析出した第1液の成分結晶を除去する。
【0014】次いで、第1液と反応して水不溶性の不燃
性無機化合物を生成するような化合物液(以下「第2
液」と称す)をブレンダー,スプレー等を用いて木質単
板に添加混合し或は浸漬せしめることによって、該第2
液を木質単板に含浸させる。第1液の場合と同様に、減
圧又は加圧処理によって木質単板に対する第2液の含浸
を促進せしめることができる。第2液としては、Na
CO,HSO,(NHCO,NaSO
,(NHSO,HPO,NaHP
,(NHHPO,HBO,NaB
,NHBO等が例示される。第2液を塗布ない
し浸漬することにより木質単板の春材部における細胞孔
内に該第2液が拡散含浸され、木質単板中で第1液と第
2液とが反応し、不燃性無機化合物が生成される。同様
に、裏打ち紙の組織内においても、第1液と第2液との
反応がなされ不燃性無機化合物が生成される。生成され
る不燃性無機化合物としては、リン酸マグネシウム,リ
ン酸カルシウム,リン酸バリウム,リン酸アルミニウ
ム,ホウ酸マグネシウム,炭酸マグネシウム,炭酸カル
シウム,リン酸亜鉛,炭酸バリウム,硝酸カルシウム,
硝酸バリウム等のカルシウム化合物、マグネシウム化合
物、アルミニウム化合物、バリウム化合物、鉛化合物、
亜鉛化合物、ケイ酸化合物等が例示される。例えば第1
液として塩化バリウムを用い、第2液としてリン酸水素
アンモニウムを用いて反応させると、バリウムのカチオ
ンとリン酸のアニオンとが反応して、リン酸バリウムと
リン酸水素バリウムとが生成される。
【0015】反応終了後、遠心脱液或はシャワー、どぶ
漬け等による水洗い等の手段によって脱液処理して余剰
分の第2液を除去する。第2液の浸漬処理及び脱液処理
は必要に応じて複数回反復して行っても良い。脱液処理
後、乾燥してその含水率を25%以下、好ましくは7〜
15%とする。この不燃性無機化合物は水不溶性である
ため、乾燥後において、木質単板の春材部における細胞
孔内又は細胞孔内壁面に充填ないし付着或は固着され
る。これにより、木質単板表面に現出される空隙孔や割
れ目を閉塞ないし充填するような形で不燃性無機化合物
が存在することとなる。化粧単板の表面に固着又は付着
された不燃性無機化合物はブラッシング、バキューム等
の手段によって任意除去される。
【0016】第1液と第2液との反応効率を高めるため
に、第2液の添加混合は加熱雰囲気下、特に40℃以上
更に好ましくは50℃以上の温度で行うことが好まし
い。また第1液と第2液を温水状態としてこれに木質単
板を浸漬せしめ、あるいは第1液及び第2液の浸漬時に
超音波やバイブレータ等によって電気的或は機械的振動
を与えるようにすると、木質単板中への処理液の拡散並
びに反応が良好に行われる。なお第1液と第2液とによ
る処理順序は問わず、先に第2液による処理を行っても
勿論良い。
【0017】このようにして、木質単板の春材部におけ
る細胞孔内及び又は細胞孔内壁面に不燃性無機化合物が
充填又は固着され、更に裏打ち紙の組織内にも同様に不
燃性無機化合物が充填又は固着され、春材部が凹部とし
て形成された、不燃性の化粧単板が得られる。
【0018】なお、上記方法では第1液及び第2液によ
る薬液処理に先立って春材部の研削を行っているが、ま
ずこれらによる薬液処理をした後に、高含水率の状態で
或は乾燥後の低含水率の状態で、その表面をブラッシン
グや荒目サンディング等によって密度の小さい春材部の
一部を研削して凹部形成を行っても良い。
【0019】
【発明の効果】本発明による化粧単板は、木質感に優れ
たうずくり調の表面化粧を有する。密度が小さいために
火炎が着火し易く又燃焼速度が早い春材部が不燃化処理
されているので、防火性能に優れた化粧単板が得られ
る。また木質単板の裏面に裏打ち紙が貼着されて補強さ
れているが、該裏打ち紙においても同様の不燃化処理が
なされているので、更に防火性能が向上される。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 春材部と秋材部とから成る木目を有す
    る木質単板において、該春材部の細胞孔内及び/又は細
    胞孔内壁面に不燃性無機化合物が充填又は固着されて成
    ると共に、前記木質単板の裏面に裏打ち紙が貼着され、
    該裏打ち紙においても同様に不燃性無機化合物が充填又
    は固着されて成ることを特徴とする化粧単板。
  2. 【請求項2】木質単板の春村部が凹部として形成される
    ことを特徴とする請求項1記載の化粧単板。
  3. 【請求項3】 原木を切削することにより春材部と秋
    材部とから成る木目を有する木質単板を得、得られた木
    質単板を乾燥した後、その裏面に接着剤を介して裏打ち
    紙を貼着し、次いでこの裏打ちされた木質単板を無機塩
    の水溶液に浸漬することによって該木質単板における春
    材部及び該裏打ち紙に該無機塩水溶液を含浸せしめ、更
    にこの裏打ちされた木質単板を前記無機塩と反応して水
    不溶性の不燃性無機化合物を生成する化合物液に浸漬し
    て、該木質単板の春材部における細胞孔内及び/又は細
    胞孔内壁面に前記不燃性無機化合物を充填又は固着せし
    めると共に該裏打ち紙においても同様に前記不燃性無機
    化合物を充填又は固着せしめた後、乾燥することを特徴
    とする、化粧単板の製造方法。
  4. 【請求項4】裏打ち紙を貼着した後、木質単板の表面を
    研削して春材部を凹部として形成することを特徴とする
    請求項3記載の化粧単板の製造方法。
  5. 【請求項5】不燃性無機化合物の生成による不燃化処理
    がなされた裏打ちされた木質単板の表面を研削して春材
    部を凹部として形成することを特徴とする請求項3記載
    の化粧単板の製造方法。
  6. 【請求項6】接着剤に不燃性無機化合物を混入して用い
    ることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか記載の化
    粧単板の製造方法。
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