JP2700196B2 - 防火ドア - Google Patents

防火ドア

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富泰 本多
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【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は防火ドアに関し、特に木削片板上に金属被覆
層が形成されて成る複合材料を表面板として用いる防火
ドアに関する。
〈従来技術及びその課題〉 ホテルやマンション等の居室入口のドアにおいては防
火並びに延焼防止のための防火ドアの使用が義務づけら
れている。この防火ドアとしては一般にアルミ製やスチ
ール製等金属製のものが用いられており、防火並びに延
焼防止の目的達成上の効果は極めて大きなものである。
ところがこれら金属製の防火ドアは火災による炎上、
延焼は回避されるものの、火災に伴う高熱によって歪み
が生じて変形してしまい、ドアの開閉に支障を来すとい
う重大な問題を抱えていた。
また、金属製であるためにドア開閉時の金属音がうる
さく、触感が冷たく、断熱性が悪い等の問題を有してい
た。
一方、特開昭50-129438号公報に、ハードボード、合
板、木材、スレート、陶磁器等の基材ボードの表面に90
0℃以下の融点を有する金属又は合金を溶射し、更にそ
の上に1000〜1600℃の融点を有する金属又は合金を溶射
して耐熱ボードを得る技術が開示されている。この従来
技術によるボードは2層の溶射を行うものであり、耐熱
性及び耐水性に優れたものとされているが、基材がハー
ドボード、合板、木材等の有機質である場合は、金属層
を介して伝達される熱の影響で基材自体が徐々に劣化な
いし炭化してしまい、最終的には発火する危険を有して
いる。このため、防火ドアの材料として用いることは不
可能であった。
〈課題を解決するための手段〉 そこで本発明は基本的に木質材料を用いた防火ドアに
ついて種々検討を重ね、新規な複合材料を開発し、この
複合材料を表面板とする防火ドアを提供するに至ったも
のである。
即ち本発明は、木削片の細胞孔内及び/又は細胞孔内
壁面及び/又は該木削片の外周部に不燃性無機化合物が
充填又は付着或は固着された木削片を、上記不燃性無機
化合物と同一又は異なる不燃性無機化合物が混入された
接着性物質を介して接着成形一体化して成る木削片板を
基板とし、該基板の少なくとも一表面に、溶射法による
金属被膜層が形成されて成る複合材料を、その金属被膜
層が表面となるように少なくとも片側表面板として用い
て成ることを特徴とする防火ドアである。
本発明による防火ドアの構成は一般のドアにおけると
同様であり、框組みされた心材の表裏に適宜化粧された
表面板が貼着され、或は框組み内にハニカムコアや心板
が設けられその表裏に表面板が貼着されて成る。
本発明の防火ドアの少なくとも片側における表面板
は、木削片の細胞孔内及び/又は細胞孔内壁面及び/又
は該木削片の外周部に不燃性無機化合物が充填又は付着
或は固着された木削片を、上記不燃性無機化合物と同一
又は異なる不燃性無機化合物が混入された接着性物質を
介して接着成形一体化して成る木削片板を基板とし、該
基板の少なくとも一表面に、溶射法による金属被膜層が
形成されて成る複合材料である。
この複合材料において用いられる木削片板は次のよう
にして得られる。まず、例えば松、杉、桧等の針葉樹材
又はラワン、カポール、栗、ポプラ、ヤナギ等の広葉樹
材をチッパー、フレーカー等の切削装置を用いて切削す
ることによって、チップ状、フレーク状、ストランド状
等の状態の木削片を得る。
得られた木削片は必要に応じて水洗いした後、乾燥装
置により乾燥される。
この乾燥された木削片の細胞孔、導管孔等の空隙部に
不燃性無機化合物を充填させ、或は細胞孔内壁に沿って
層状に該不燃性無機化合物を固着又は付着させ、更に木
削片の外周部に該不燃性無機化合物を固着又は付着させ
ることによって、不燃化処理を行う。この不燃化処理は
例えば下記工程によって行うことができる。即ち、木削
片を水溶性無機塩の水溶液(以下「第1液」と称す)中
に十分に浸漬させて含浸させる。この際、減圧又は加圧
を加えて含浸処理を強制的に促進させると有効である。
第1液としては、MgCl2,MgBr2,MgSO4・H2O,Mg(NO3)2・6H2
O,AlCl3,AlBr3,Al2(SO4)3,Al(NO3)3・9H2O,CaCl2,CaBr2,
Ca(NO3)2,ZnCl2,BaCl2・2H2O,BaBr2,Ba(NO3)2等の水溶液
が例示される。第1液の含浸後脱液し、木削片を乾燥さ
せてこれを表面乾燥状態若しくは絶乾状態とし、必要に
応じて表面に析出した第1液の成分結晶を除去する。次
いで、第1液と反応して水不溶性の不燃性無機化合物を
生成するような化合物液(以下「第2液」と称す)をブ
レンダー、スプレー等を用いて木削片に添加混合し或は
浸漬せしめることによって、該第2液を木削片に含浸さ
せる。第1液の場合と同様に、減圧又は加圧処理によっ
て木削片に対する第2液の含浸を促進せしめることがで
きる。第2液としては、Na2CO3,(NH4)2CO3,H2SO4,Na2SO
4,(NH4)2SO4,H2PO4,Na2HPO4,(NH4)2HPO4,H3BO3,NaBO2,N
H4BO2等が例示される。第2液を塗布含浸させることに
より、木削片中で第1液と第2液とが反応し、不燃性無
機化合物が生成される。生成される不燃性無機化合物と
しては、リン酸マグネシウム,リン酸カルシウム,リン
酸バリウム,リン酸アルミニウム,ホウ酸マグネシウ
ム,炭酸マグネシウム,炭酸カルシウム,リン酸亜鉛,
炭酸バリウム,硝酸カルシウム,硝酸バリウム等のカル
シウム化合物、マグネシウム化合物、アルミニウム化合
物、バリウム化合物、鉛化合物、亜鉛化合物、ケイ酸化
合物等が例示される。反応終了後脱液し乾燥させる。こ
の不燃性無機化合物は水不溶性であるため、乾燥後にお
いて、木削片の細胞孔内又は細胞孔内壁面及び木削片外
周部に充填又は付着或は固着される。これにより、木削
片外周部の細胞壁に裂け目や割れ目が含まれる場合に
も、これを閉塞ないし充填するような形で不燃性無機化
合物が存在することとなる。
不燃性無機化合物は、木削片に対して33重量%以上の
割合で混入されることが好ましく、これ以下では十分な
防火性能が得られない。また第1液と第2液との反応効
率を高めるために、第2液の添加混合は加熱雰囲気下、
特に40℃以上更に好ましくは50℃以上の温度で行うこと
が好ましい。また第1液と第2液を温水状態としてこれ
に木削片を浸漬せしめ、あるいは第1液及び第2液の浸
漬時に超音波や機械的振動を与えるようにすると、木削
片中への拡散及び反応が良好に行われる。なお第1液と
第2液とによる処理順序は限定的ではなく、先に第2液
による処理を行っても勿論良い。
かくして不燃化処理された木削片を混合装置に投入
し、接着剤、サイズ剤等を添加混合して付着させる。次
いで木削片を風送し、フォーミング装置にて搬送装置上
に一定厚の連続した木削片マットを形成する。不燃性木
削片を成形一体化するために用いられる接着性物質には
不燃性無機化合物が一種又は複数種混入される。接着性
物質に混入される不燃性無機化合物は上記第1液及び第
2液との反応によって生成されるものと同種であっても
異なるものであっても良いが、例えば第2液(第2液に
よる処理が先行する場合は第1液)の処理槽内に過剰に
生成された不燃性無機化合物が沈澱されるので、これを
回収して接着性物質に混入すると効率的且つ経済的であ
る。あるいは不燃化処理後の乾燥の際に脱落堆積される
余分な不燃性無機化合物を回収し、これを必要に応じて
乾燥し篩い分けした後に接着性物質に混入しても良い。
得られた木削片マットを定尺切断した後、ホットプレ
スに挿入して熱圧成形し、木削片板が得られる。この木
削片板の含水率は20%以下とすることが好ましい。この
理由は、含水率が20%以上であると、金属溶射時にその
熱の影響で溶射面側の内部水が蒸発し反対側に水分移動
されるために内部バランスが崩れ、金属溶射中において
木削片板自体に溶射面側を凹とする反りが生じ易くなる
ためである。
得られた木削片板を必要に応じてその表面(後に金属
被膜層が形成される側)をサンディングした後、溶射器
を用いて必要量の溶融金属を吹き付け溶射を行う。金属
溶射は木削片板の表面に限らず裏面、木口面等の必要箇
所、また全面を被覆するように行うことができる。金属
溶射が行われる木削片板の面の温度は40〜100℃である
ことが好ましく、この観点より、熱圧成形後の木削片板
の材温が高いうちに或は少なくとも木削片板の金属被膜
層を形成する面の温度を温めた後に、金属溶射を行うこ
とが好ましい。40℃以下であると吹き付けられた溶融金
属が直ちに冷却固化してしまうため、木削片板の被覆面
に対する投錨効果による密着力が十分に発揮されない。
また100℃以上であると溶融金属の温度影響が強く、木
削片板の表面を劣化させることとなって、密着力が低下
する。溶射される金属としては錫、鉛、亜鉛、銅、黄
銅、青銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス等
の金属合金が好適に用いられる。溶射法としては一般に
行われる電気溶線式溶射法、ガス溶線式溶射法、粉末式
溶射法のいずれを採用しても良い。溶射された金属は、
その後の冷却により固化し、木削片板の表面上に金属被
膜層が密着形成される。
〈作用〉 木削片板の表面に形成される金属被膜層によって耐熱
性が向上された複合材料を少なくとも片側表面板として
用いる防火ドアである。木削片板は、木削片の細胞孔内
又は細胞孔内壁面或は木削片外周部に不燃性無機化合物
が充填又は付着或は固着され、更に木削片を成形一体化
して木削片板とする際に用いられる接着性物質にも不燃
性無機化合物が混入されて不燃化処理されているため、
金属被膜層を介して伝達される熱によっても劣化ないし
炭化することがない。
〈実施例〉 ラジアータパイン原木をチッパーに投入して得たチッ
プ状の木削片を乾燥装置に投入して乾燥した後、塩化バ
リウムを主成分とする水溶液に減圧下で20分間浸漬し、
拡散処理の後、遠心脱液処理した。次いで、この木削片
をリン酸アンモニウムを主成分とする水溶液に減圧下で
20分間浸漬して塩化バリウムと反応させることにより、
該木削片の細胞孔等の孔内又は木削片外周部に水不溶性
のリン酸バリウムとリン酸水素バリウムから成る不燃性
無機化合物を充填ないし付着せしめるべく難燃化処理を
行い、その後遠心脱液処理した。次いで熱風乾燥処理に
よって木削片の含水率を7%に調整した。この不燃化処
理によって生成された不燃性無機化合物による重量増加
率は76%であった。
かくして不燃化処理された木削片を連続式ミキサーに
投入し、該ミキサー内において木削片量に対してワック
スサイズを1%と、リン酸バリウムを5%混入されたフ
ェノール樹脂接着剤を8%、夫々添加混合した後、風送
し、フォーミング装置にてフォーミングして一定厚の連
続した木削片マットを形成した。この木削片マットをそ
の幅、長さを所定寸法に切断した後、ホットプレスに挿
入して200℃にて5分間圧締成形し、比重0.8、12mm厚、
3′×6′サイズの木削片板を得た。
得られた木削片板を養生し、表面温度が50℃になった
ところで、粉末式溶射法により融点660℃の溶融アルミ
ニウム金属を溶射し、後冷却することにより、金属被膜
層を形成し、複合材料が得られた。
この複合材料を表面板として用いて防火ドアを製造し
た。
〈発明の効果〉 本発明による防火ドアは、木削片板の表面に金属被膜
層が形成されて耐熱性が向上された複合材料を少なくと
も片側表面板として用いるため、従来の金属製防火ドア
の不利欠点を解消することができる。複合材料は、木削
片板の表面に金属被膜層が形成されることにより耐熱性
・耐水性に優れ、しかも基材である木質片板は十分に不
燃化処理されているために、金属被膜層を介して伝達さ
れる熱によって劣化ないし炭化することがなく、長期的
にも発火する恐れがない。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】木削片の細胞孔内及び/又は細胞孔内壁面
    及び/又は該木削片の外周部に不燃性無機化合物が充填
    又は付着或は固着された木削片を、上記不燃性無機化合
    物と同一又は異なる不燃性無機化合物が混入された接着
    性物質を介して接着成形一体化して成る木削片板を基板
    とし、該基板の少なくとも一表面に、溶射法による金属
    被膜層が形成されて成る複合材料を、その金属被膜層が
    表面となるように少なくとも片側表面板として用いて成
    ることを特徴とする、防火ドア。
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