JP2688461B2 - 反応性有機けい素化合物 - Google Patents

反応性有機けい素化合物

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嘉彦 伊藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、安定なシリルアニオン
を有し、ポリシランやその他の有機けい素化合物の中間
体として有用な、官能基を有するけい素化合物を容易に
合成することができる文献未載の新規な反応性有機けい
素化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】有機けい素化合物はその反応性や物性に
大きな特徴を持っており、近年ますます注目される材料
となっている。しかし、反応性有機けい素化合物として
有用と考えられる官能基を含むシリルアニオンを有する
化合物を溶液中においてさえ安定なものとして合成する
ことは極めて困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような状況から、
本発明は、官能基を含む安定なシリルアニオンを有する
新規な反応性有機けい素化合物を提供しようとしてなさ
れたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の課題
を解決するため鋭意研究の結果、けい素原子にアミノ基
とアリール基の結合したシリルリチウム化合物が課題を
解決する可能性を有すること、特にアミノ基が導入され
ることにより意外にも安定なシリルアニオンを有するシ
リルリチウム化合物が溶液として得られることを見出し
て本発明に至った。
【0005】本発明は、一般式 (R1 2N)mArnR2 3-m-nSiLi
(R1は炭素数1〜7の非置換またはフッ素置換のアルキ
ル基、ベンジル基またはシクロアルキル基を表し、R2
炭素数1〜7の非置換またはフッ素置換のアルキル基、
ベンジル基または水素原子を表し、Arは炭素数6〜10の
フェニル基またはメチル基、エチル基、プロピル基およ
びブチル基から選ばれる基で置換されたフェニル基を表
し、m,n は1または2であり、3-m-n は0または1であ
る。)で示される有機けい素化合物、を要旨とするもの
である。
【0006】前記一般式中のR1としては、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ベンジル基、3,
3,3-トリフルオロプロピル基、シクロヘキシル基等があ
げられ、このほかR1 2Nとしては、例えばピペリジル基、
モルホリル基等があげられ、R2としては、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ベンジル基、3,
3,3-トリフルオロプロピル基、水素原子等があげられ、
Arとしては、例えばフェニル基、トリル基、メシチル基
等があげられる。
【0007】本発明の化合物の合成は次の方法によれば
良いことが分かった。すなわち、けい素原子に結合した
複数個のアミノ基を有するシランを用いて塩化アセチル
で塩素置換する方法によれば1個のアミノ基のみ選択的
に塩素で置換できるが、リチウムにこの塩素置換体を反
応させれば安定なシリルアニオンを有する本発明の化合
物が得られることが判明した。この方法によればリチウ
ムとの反応はアミノ基を残して収率良く進行する。この
ような例としては、例えば、 CH3C6H5Si[N(C2H5)2]2+CH3COCl →CH3C6H5Si[N(C
2H5)2]Cl +CH3CON(C2H5)2 CH3C6H5Si[N(C2H5)2]Cl +2Li →CH3C6H5Si[N(C2H5)2]L
i +LiCl をあげることができる。
【0008】前記の合成法によれば、反応終了後に目的
物を単離することなく反応混合物をそのまますぐに次の
合成反応に用いることができるので有利である。本発明
の化合物からは、例えば≡SiLiと≡SiClの反応によりジ
シラン、トリシランを有利に合成でき、またこのジシラ
ン、トリシランの残存アミノ基を塩化アセチル等により
塩素で置換してクロロジシラン、クロロトリシランも有
利に合成することができるし、しかもこれらの化合物の
≡SiClは還元により≡SiH に誘導できるなど、ポリシラ
ンの各種反応へ展開できる。このほかハロゲン化炭化水
素との反応による≡Si-C≡の導入や、アミノ基と他種の
官能基とを有するけい素化合物の合成、遷移金属錯体の
合成も有利に行うことができる。このように本発明の化
合物は極めて有用な反応試剤である。
【0009】
【実施例】次に本発明の実施例及び参考例をあげる。 実施例1 20mlのフラスコ中に、鉱油に分散されたリチウム440mg
を入れ、乾燥テトラヒドロフラン(THF) で洗浄して鉱油
を除去した。乾燥THF8mlを加え、室温でかき混ぜながら
ジエチルアミノクロロジフェニルシラン830mg を徐々に
滴下した後 0℃に冷却して 5時間攪拌した。濃い緑色の
溶液が得られた。
【0010】参考例1 実施例1で得られた濃い緑色の溶液を窒素置換した別の
フラスコに注射器で移した。このフラスコを 0℃に冷却
してトリメチルクロロシラン0.573ml を滴下し30分攪拌
した。濾過、濃縮の後減圧蒸留により、沸点が 165℃/
1.0mmHgの液体1.11g(収率85%) を得た。核磁気共鳴ス
ペクトル、赤外吸収スペクトル、質量スペクトルより1-
ジエチルアミノ-1,1−ジフェニル-2,2,2−トリメチルジ
シランであることを確認した。
【0011】実施例2 実施例1と同様にして、分散されたリチウム400mg とビ
ス(ジエチルアミノ)クロロフェニルシラン759mg とか
ら濃い緑色の溶液を得た。
【0012】参考例2 参考例1と同様にして、実施例2で得られた濃い緑色の
溶液をトリメチルクロロシラン0.400ml と反応させた
後、濾過、減圧蒸留(160℃/2.0mmHg) することによって
1,1-ビス(ジエチルミノ)-1−フェニル-2,2,2−トリメ
チルジシラン647mg(収率77%) を得た。核磁気共鳴スペ
クトル、赤外吸収スペクトル、質量スペクトルにより確
認した。
【0013】実施例3 実施例1と同様にして、分散されたリチウム450mg とジ
エチルアミノクロロメチルフェニルシラン631mg とから
濃い緑色の溶液を得た。
【0014】参考例3 参考例1と同様にして、実施例3で得られた濃い緑色の
溶液をトリメチルクロロシラン0.386ml と反応させた
後、濾過、減圧蒸留(110℃/1.3mmHg) することによって
1-ジエチルアミノ-1−フェニル-1,2,2,2−テトラメチル
ジシラン560mg(収率76%) を得た。核磁気共鳴スペクト
ル、赤外吸収スペクトル、質量スペクトルにより確認し
た。
【0015】実施例1〜3で得られた濃い緑色の溶液、
原料のクロロシラン及び化学シフトを対照するための公
知物質について核磁気共鳴スペクトル(13C、29Si )
を測定したところ表1に示す結果を得た。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】本発明により、アミノ基とアリール基が
けい素原子に結合した安定なシリルアニオンを有する文
献未載の新規な反応性有機けい素化合物が提供された。
本発明の化合物はポリシランの合成やその反応、≡Si-C
≡の導入、アミノ基と他種の官能基とを有するけい素化
合物の合成、遷移金属錯体の合成などに有用であり、応
用範囲が広く、本発明の効果は大きい。また、リチウム
にアミノ基とアリール基がけい素原子に結合したクロロ
シランを反応させる方法では、反応終了後の混合物をそ
のまま使用できるので有利である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 (R1 2N)mArnR2 3-m-nSiLi (R1は炭
    素数1〜7の非置換またはフッ素置換のアルキル基、
    ンジル基またはシクロアルキル基を表し、R2は炭素数1
    〜7の非置換またはフッ素置換のアルキル基、ベンジル
    または水素原子を表し、Arは炭素数6〜10のフェニル
    基またはメチル基、エチル基、プロピル基およびブチル
    基から選ばれる基で置換されたフェニル基を表し、m,n
    は1または2であり、3-m-n は0または1である。)で
    示される有機けい素化合物。
  2. 【請求項2】 Arがフェニル基である請求項1記載の有
    機けい素化合物。
  3. 【請求項3】 R2がメチル基である請求項1記載の有機
    けい素化合物。
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