JP2688390B2 - 熱間圧延方法 - Google Patents
熱間圧延方法Info
- Publication number
- JP2688390B2 JP2688390B2 JP3266165A JP26616591A JP2688390B2 JP 2688390 B2 JP2688390 B2 JP 2688390B2 JP 3266165 A JP3266165 A JP 3266165A JP 26616591 A JP26616591 A JP 26616591A JP 2688390 B2 JP2688390 B2 JP 2688390B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- width
- rolling
- slab
- hot
- sheet bar
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Metal Rolling (AREA)
- Control Of Metal Rolling (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、鋼スラブを熱延する
に際し、熱延コイル幅端部に発生する線状の表面疵(以
下単にエッジシームという)に起因する製品の幅不足を
解消するための熱間圧延方法を提案しようとするもので
ある。
に際し、熱延コイル幅端部に発生する線状の表面疵(以
下単にエッジシームという)に起因する製品の幅不足を
解消するための熱間圧延方法を提案しようとするもので
ある。
【0002】一般に、鋼スラブの熱延は、たとえば図3
に示すような熱延ラインにより行われる。すなわち、連
鋳工場で鋳造された鋼スラブ1は熱延工場へ送られ、ス
ラブ温度が低い場合には加熱炉2に挿入し所定温度に加
熱したのち、またスラブ温度が適温の場合にはそのま
ま、熱延ラインに供し、粗圧延機群3及び仕上げ圧延機
群6でそれぞれ粗圧延および仕上げ圧延を施した後熱延
コイル7(以下、単にコイルという)として巻き取られ
る。この粗圧延機群3は、竪ロール圧延機4と水平ロー
ル圧延機5とをそれぞれ一基以上配列し、200 〜300mm
程度の厚みのスラブを複数回圧延して20〜40mm程度のシ
ートバーに減厚し、その幅については、竪ロール圧延機
4を用いて水平ロール圧延機5での圧延による幅広がり
を調整して製品コイル幅から設定される目標シートバー
幅に圧延する。
に示すような熱延ラインにより行われる。すなわち、連
鋳工場で鋳造された鋼スラブ1は熱延工場へ送られ、ス
ラブ温度が低い場合には加熱炉2に挿入し所定温度に加
熱したのち、またスラブ温度が適温の場合にはそのま
ま、熱延ラインに供し、粗圧延機群3及び仕上げ圧延機
群6でそれぞれ粗圧延および仕上げ圧延を施した後熱延
コイル7(以下、単にコイルという)として巻き取られ
る。この粗圧延機群3は、竪ロール圧延機4と水平ロー
ル圧延機5とをそれぞれ一基以上配列し、200 〜300mm
程度の厚みのスラブを複数回圧延して20〜40mm程度のシ
ートバーに減厚し、その幅については、竪ロール圧延機
4を用いて水平ロール圧延機5での圧延による幅広がり
を調整して製品コイル幅から設定される目標シートバー
幅に圧延する。
【0003】ここで、水平圧延時には圧延材側面は自由
表面として変形するため、この部分に割れやしわが発生
し、この割れやしわが製品厚まで圧延される間に、製品
コイル7の両側の板面に回り込んで図4に示すような圧
延方向に平行に延びた線状疵すなわちエッジシーム8と
なる。
表面として変形するため、この部分に割れやしわが発生
し、この割れやしわが製品厚まで圧延される間に、製品
コイル7の両側の板面に回り込んで図4に示すような圧
延方向に平行に延びた線状疵すなわちエッジシーム8と
なる。
【0004】このエッジシーム発生部分は製品とならな
いのでこの部分を切り捨てる必要があるが、このエッジ
シーム発生部分の板幅方向の幅(以下、単にエッジシー
ム入り込み量という)が広いと製品の幅不足が生じる。
また、このようなコイルを救済するためには研削加工手
入れが必要になり工程が大きく攪乱する。したがって、
歩止り向上、手入れ工数の削減などのため、エッジシー
ム入り込み量を安定して減少させることが望まれてい
る。
いのでこの部分を切り捨てる必要があるが、このエッジ
シーム発生部分の板幅方向の幅(以下、単にエッジシー
ム入り込み量という)が広いと製品の幅不足が生じる。
また、このようなコイルを救済するためには研削加工手
入れが必要になり工程が大きく攪乱する。したがって、
歩止り向上、手入れ工数の削減などのため、エッジシー
ム入り込み量を安定して減少させることが望まれてい
る。
【0005】
【従来の技術】エッジシーム入り込み量を低減する方法
としては、例えば、特公昭50−14632号公報にはスラブ
片の熱間圧延法並びにそれに用いるエッヂャーとして、
スラブを竪ロールで圧延するに際し、スラブ側面の厚み
方向中央部を凹ませる手段が、また、特開昭58−138502
号公報にはエッジ部表面欠陥の少ない熱延鋼板の製造方
法として、連鋳工程でスラブ側面形状を厚み方向中央部
を凹ませて鋳造し、このスラブを熱間圧延する手段が、
さらに、特開昭64−71503 号公報にはステンレス鋼の熱
間圧延方法として、粗圧延の際、竪ロールの圧延スケジ
ュールを最適に設定する手段がそれぞれ開示されてい
る。
としては、例えば、特公昭50−14632号公報にはスラブ
片の熱間圧延法並びにそれに用いるエッヂャーとして、
スラブを竪ロールで圧延するに際し、スラブ側面の厚み
方向中央部を凹ませる手段が、また、特開昭58−138502
号公報にはエッジ部表面欠陥の少ない熱延鋼板の製造方
法として、連鋳工程でスラブ側面形状を厚み方向中央部
を凹ませて鋳造し、このスラブを熱間圧延する手段が、
さらに、特開昭64−71503 号公報にはステンレス鋼の熱
間圧延方法として、粗圧延の際、竪ロールの圧延スケジ
ュールを最適に設定する手段がそれぞれ開示されてい
る。
【0006】しかしながら、上記のような手段を用いて
も、エッジシーム入り込み量が予想以上に大きくなる場
合があり、これがトリミング代として従来の実績から定
められているコイルの余幅を超えてしまい、この部分を
剪断除去すると製品の幅不足を生じたり、あるいはコイ
ルの全面を研削加工する必要が生じたりするなどの問題
があった。
も、エッジシーム入り込み量が予想以上に大きくなる場
合があり、これがトリミング代として従来の実績から定
められているコイルの余幅を超えてしまい、この部分を
剪断除去すると製品の幅不足を生じたり、あるいはコイ
ルの全面を研削加工する必要が生じたりするなどの問題
があった。
【0007】ここに、コイル幅は、スタンド間の張力変
動などにより長さ方向で変化すること、コイル側部は種
々の欠陥が発生しやすいことなどから、鋼種、製品の幅
及び厚みに応じるトリミング代として経済的な余幅を従
来の実績から定め、製品幅にこの余幅を上乗せした値と
し、また、目標シートバー幅は、上記コイル幅を基にし
てこれと対応してほぼ等しく定めているのが一般的であ
る。
動などにより長さ方向で変化すること、コイル側部は種
々の欠陥が発生しやすいことなどから、鋼種、製品の幅
及び厚みに応じるトリミング代として経済的な余幅を従
来の実績から定め、製品幅にこの余幅を上乗せした値と
し、また、目標シートバー幅は、上記コイル幅を基にし
てこれと対応してほぼ等しく定めているのが一般的であ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、前記した
問題点を有利に解決しようとするものであり、エッジシ
ーム入り込み量を安定して減少させ製品の幅不足の発生
を解消する圧延方法を提案することを目的とするもので
ある。
問題点を有利に解決しようとするものであり、エッジシ
ーム入り込み量を安定して減少させ製品の幅不足の発生
を解消する圧延方法を提案することを目的とするもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、鋭意研究の
結果、エッジシーム入り込み量が、粗圧延前スラブ幅に
対する粗圧延における目標シートバー幅の差により変化
することを見出したことによるものである。
結果、エッジシーム入り込み量が、粗圧延前スラブ幅に
対する粗圧延における目標シートバー幅の差により変化
することを見出したことによるものである。
【0010】すなわち、この発明の要旨は、鋼スラブを
熱延し、その仕上げ段階で鋼種、製品の幅及び厚みに応
じてあらかじめ定められている余幅を付した熱延コイル
として巻取る熱延に際し、該スラブの粗圧延に当って、
鋼種、製品の幅及び厚みに応じるエッジシーム入り込み
量と、粗圧延前のスラブ幅に対する目標シートバー幅の
差との関係をあらかじめ関数又はテーブルで定めてお
き、粗圧延前に計測又は計算して求めたスラブ幅に基づ
いて、エッジシーム入り込み量が上記熱延コイルの余幅
を超えない範囲で目標シートバー幅を選定し、この選定
した目標シートバー幅に竪ロール開度を設定することを
特徴とする熱間粗圧延方法であり、この選定した目標シ
ートバー幅に基づいて、竪ロール開度を設定して熱間粗
圧延を施し、得られたシートバー幅を計測し、この計測
したシートバー幅に基づく仕上げ竪ロール開度の調整及
びスタンド間張力の調整を、単独又は併用で行うことに
より余幅を付した熱延コイル幅に制御することを特徴と
する熱間圧延方法である。
熱延し、その仕上げ段階で鋼種、製品の幅及び厚みに応
じてあらかじめ定められている余幅を付した熱延コイル
として巻取る熱延に際し、該スラブの粗圧延に当って、
鋼種、製品の幅及び厚みに応じるエッジシーム入り込み
量と、粗圧延前のスラブ幅に対する目標シートバー幅の
差との関係をあらかじめ関数又はテーブルで定めてお
き、粗圧延前に計測又は計算して求めたスラブ幅に基づ
いて、エッジシーム入り込み量が上記熱延コイルの余幅
を超えない範囲で目標シートバー幅を選定し、この選定
した目標シートバー幅に竪ロール開度を設定することを
特徴とする熱間粗圧延方法であり、この選定した目標シ
ートバー幅に基づいて、竪ロール開度を設定して熱間粗
圧延を施し、得られたシートバー幅を計測し、この計測
したシートバー幅に基づく仕上げ竪ロール開度の調整及
びスタンド間張力の調整を、単独又は併用で行うことに
より余幅を付した熱延コイル幅に制御することを特徴と
する熱間圧延方法である。
【0011】つぎに、この発明の実施態様を図1により
説明する。まず、鋼種、製品の幅及び厚みに応じて、エ
ッジシーム入り込み量dSEAMと、粗圧延前スラブ幅W0に
対する目標シートバー幅WBAR の差(W0 −WBAR ) と
の関係を実験により求めておく。また、余幅dEDGEは、
鋼種、製品の幅及び厚みに応じてあらかじめ定められて
いる。
説明する。まず、鋼種、製品の幅及び厚みに応じて、エ
ッジシーム入り込み量dSEAMと、粗圧延前スラブ幅W0に
対する目標シートバー幅WBAR の差(W0 −WBAR ) と
の関係を実験により求めておく。また、余幅dEDGEは、
鋼種、製品の幅及び厚みに応じてあらかじめ定められて
いる。
【0012】一方、連鋳工場で鋳造されたスラブ1 は、
そのまま、又は、加熱炉2で加熱された後粗圧延される
ことになるが、粗圧延前スラブ幅W0を幅計9で計測す
るか、又は加熱前にあらかじめ計測してあったスラブ幅
から熱膨脹分を考慮して算出した値を基にして、上記d
SEAMとW0 −WBAR との関係から、dEDGE≧dSEAMとな
るWBAR を選定する。つぎに、この選定したWBAR とす
るための竪ロール開度を計算し、その計算値に竪ロール
4の開度を設定して粗圧延機群3で粗圧延を施し、W
BAR 幅のシートバーとし、引き続いて仕上げ圧延機群6
で仕上げ圧延したのちコイル7として巻取る。
そのまま、又は、加熱炉2で加熱された後粗圧延される
ことになるが、粗圧延前スラブ幅W0を幅計9で計測す
るか、又は加熱前にあらかじめ計測してあったスラブ幅
から熱膨脹分を考慮して算出した値を基にして、上記d
SEAMとW0 −WBAR との関係から、dEDGE≧dSEAMとな
るWBAR を選定する。つぎに、この選定したWBAR とす
るための竪ロール開度を計算し、その計算値に竪ロール
4の開度を設定して粗圧延機群3で粗圧延を施し、W
BAR 幅のシートバーとし、引き続いて仕上げ圧延機群6
で仕上げ圧延したのちコイル7として巻取る。
【0013】かくして得られるコイル7は、余幅dEDGE
以下のエッジシーム入り込み量となり、製品の幅不足を
生じることがない。しかしながら、この方法では製品コ
イル幅が過大になる場合があるので、粗圧延出側幅計10
でシートバー幅を測定し、仕上げ竪ロール11の開度調整
や張力を大きめに設定して圧延することにより、適正な
コイル幅にまで仕上圧延機内で幅制御する。なお、仕上
圧延機群6内の圧延ではエッジシーム入り込み量はほと
んど変化しないことがわかっている。
以下のエッジシーム入り込み量となり、製品の幅不足を
生じることがない。しかしながら、この方法では製品コ
イル幅が過大になる場合があるので、粗圧延出側幅計10
でシートバー幅を測定し、仕上げ竪ロール11の開度調整
や張力を大きめに設定して圧延することにより、適正な
コイル幅にまで仕上圧延機内で幅制御する。なお、仕上
圧延機群6内の圧延ではエッジシーム入り込み量はほと
んど変化しないことがわかっている。
【0014】
【作用】これまで、エッジシーム入り込み量について
は、これを低減するために種々対策をとって最新の配慮
をつくして圧延しているにもかかわらず、エッジシーム
入り込み量が余幅を超える場合があり、当初は、エッジ
シーム入り込み量のバラツキとして止むを得ないものと
考えていた。
は、これを低減するために種々対策をとって最新の配慮
をつくして圧延しているにもかかわらず、エッジシーム
入り込み量が余幅を超える場合があり、当初は、エッジ
シーム入り込み量のバラツキとして止むを得ないものと
考えていた。
【0015】しかし、歩止りの低下、研削などによる費
用が膨大になるため、前記したように鋭意研究の結果、
圧延前スラブ幅に対する目標シートバー幅の差によって
エッジシーム入り込み量が変化することを見出し、圧延
前スラブ幅に応じて目標シートバー幅を選定することに
よりエッジシーム入り込み量を安定して減少できること
が明らかになった。
用が膨大になるため、前記したように鋭意研究の結果、
圧延前スラブ幅に対する目標シートバー幅の差によって
エッジシーム入り込み量が変化することを見出し、圧延
前スラブ幅に応じて目標シートバー幅を選定することに
よりエッジシーム入り込み量を安定して減少できること
が明らかになった。
【0016】ここに、連鋳スラブにおいて、そのスラブ
幅は、ロット、ストランド、あるいは冷却速度などによ
り、設定値に対し、−5〜+15mm程度のバラツキがある
のが通常である。
幅は、ロット、ストランド、あるいは冷却速度などによ
り、設定値に対し、−5〜+15mm程度のバラツキがある
のが通常である。
【0017】以下に、研究結果の代表例として、フェラ
イト系ステンレス鋼についての調査結果について述べ
る。スラブ厚:200m、長さ:6m で、粗圧延前スラブ幅
WO が1245〜1225mmの範囲の5mm間隔、5水準(各5
枚)のフェライト系ステンレス鋼連鋳スラブを、それぞ
れ1220℃に加熱し、4スタンドの粗圧延機群で25mm厚の
シートバーに圧延した。
イト系ステンレス鋼についての調査結果について述べ
る。スラブ厚:200m、長さ:6m で、粗圧延前スラブ幅
WO が1245〜1225mmの範囲の5mm間隔、5水準(各5
枚)のフェライト系ステンレス鋼連鋳スラブを、それぞ
れ1220℃に加熱し、4スタンドの粗圧延機群で25mm厚の
シートバーに圧延した。
【0018】ここで、製品幅WAIM :1200mm、製品板
厚:4mmに対し、余幅(片側)dEDGE:15mmであること
が従来の実績から定められている。したがって、目標シ
ートバー幅WBAR (コイル幅に等しい)は、 WBAR =WAIM +2×dEDGE=1200+2×15=1230(mm) として圧延した。これらのシートバーをさらに7スタン
ドの仕上げ圧延機群で板厚:4mmに圧延し、コイルのエ
ッジシーム入り込み量dSEAMを測定した。
厚:4mmに対し、余幅(片側)dEDGE:15mmであること
が従来の実績から定められている。したがって、目標シ
ートバー幅WBAR (コイル幅に等しい)は、 WBAR =WAIM +2×dEDGE=1200+2×15=1230(mm) として圧延した。これらのシートバーをさらに7スタン
ドの仕上げ圧延機群で板厚:4mmに圧延し、コイルのエ
ッジシーム入り込み量dSEAMを測定した。
【0019】これらの結果をまとめて表1及び図2に示
す。なお、図2は、スラブ幅WO に対する目標シートバ
ー幅WBAR の差(WO −WBAR )とエッジシーム入り込
み量(片側最大値)dSEAMとの関係を示したものであ
る。
す。なお、図2は、スラブ幅WO に対する目標シートバ
ー幅WBAR の差(WO −WBAR )とエッジシーム入り込
み量(片側最大値)dSEAMとの関係を示したものであ
る。
【0020】
【表1】
【0021】上記結果より、エッジシーム入り込み量d
SEAMは、圧延前スラブ幅WO が広すぎても狭すぎても、
すなわち、WO −WBAR が大きすぎても小さすぎても増
大することが明らかとなった。
SEAMは、圧延前スラブ幅WO が広すぎても狭すぎても、
すなわち、WO −WBAR が大きすぎても小さすぎても増
大することが明らかとなった。
【0022】
【実施例】実施例1 C:0.05wt%、Si : 0.3wt%、Mn : 0.1wt%、Cr : 17
wt%を含有するスラブ厚:200mm 、長さ:6m のフェラ
イト系ステンレス鋼スラブを1220℃に加熱し、前掲図1
に示した4スタンドの粗圧延機群で板厚:25mmのシート
バーに圧延し、引き続いて仕上げ圧延を施し板厚:4mm
のコイルとした。
wt%を含有するスラブ厚:200mm 、長さ:6m のフェラ
イト系ステンレス鋼スラブを1220℃に加熱し、前掲図1
に示した4スタンドの粗圧延機群で板厚:25mmのシート
バーに圧延し、引き続いて仕上げ圧延を施し板厚:4mm
のコイルとした。
【0023】ここで、粗圧延前スラブ幅WO は加熱炉か
ら抽出したスラブを粗圧延機第1スタンド入側に設置し
たレーザー式幅計で測定した。
ら抽出したスラブを粗圧延機第1スタンド入側に設置し
たレーザー式幅計で測定した。
【0024】目標シートバー幅WBAR については、製品
幅:1200mm、製品板厚:4mmに対し、あらかじめ定めら
れている余幅(片側)dEDGE:15mmとし、この発明の適
合例は、エッジシーム入り込み量(片側最大値)dSEAM
を上記d EDGE以下、すなわち15mm以下にするために、上
記で測定した粗圧延前スラブ幅W O を基にして、あらか
じめ求めたdSEAMとWO −WBAR との関係、すなわち前
掲図2からWO −WBAR が−3〜+7mmの範囲内に入る
目標シートバー幅WBAR を選定し、比較例は、WO −W
BAR が上記範囲を外れる目標シートバー幅WBAR とし、
それぞれの目標シートバー幅WBAR に竪ロール開度を設
定して圧延した。
幅:1200mm、製品板厚:4mmに対し、あらかじめ定めら
れている余幅(片側)dEDGE:15mmとし、この発明の適
合例は、エッジシーム入り込み量(片側最大値)dSEAM
を上記d EDGE以下、すなわち15mm以下にするために、上
記で測定した粗圧延前スラブ幅W O を基にして、あらか
じめ求めたdSEAMとWO −WBAR との関係、すなわち前
掲図2からWO −WBAR が−3〜+7mmの範囲内に入る
目標シートバー幅WBAR を選定し、比較例は、WO −W
BAR が上記範囲を外れる目標シートバー幅WBAR とし、
それぞれの目標シートバー幅WBAR に竪ロール開度を設
定して圧延した。
【0025】かくして得られたコイルについて、エッジ
シーム入り込み量dSEAMを測定した。これらの結果を表
2にまとめて示す。
シーム入り込み量dSEAMを測定した。これらの結果を表
2にまとめて示す。
【0026】
【表2】
【0027】表2から明らかなように、適合例のエッジ
シーム入り込み量(片側最大値)d SEAMは余幅(片側)
dEDGE:15mm以内にあり、良好な結果が得られている。
これらに対し、比較例はエッジシーム入り込み量(片側
最大値)dSEAMが余幅(片側)dEDGEを超えてしまい、
製品幅WAIM を確保するためには研削加工手入れが必要
になった。
シーム入り込み量(片側最大値)d SEAMは余幅(片側)
dEDGE:15mm以内にあり、良好な結果が得られている。
これらに対し、比較例はエッジシーム入り込み量(片側
最大値)dSEAMが余幅(片側)dEDGEを超えてしまい、
製品幅WAIM を確保するためには研削加工手入れが必要
になった。
【0028】実施例2 表2の試料記号1〜4では目標シートバー幅は余幅を付
した熱延コイル幅に対し、9〜2mm広くなっている。そ
して、通常シートバー幅と熱延コイル幅はほぼ等しく圧
延されるため、上記の場合歩止り損となる。そこで、表
2試料記号1〜4と同様のスラブについて、実施例1と
同様の粗圧延を行った後、粗圧延出側幅計10でシートバ
ー幅を測定し、試料記号2〜4については、それらの測
定値に基づいて仕上げ竪ロール開度を1230mmに調整して
仕上げ圧延を行い、試料記号1のスラブ幅:1245mmのス
ラブについては、竪ロール開度調整だけでは幅が広すぎ
座屈現象など不具合が生じるので、仕上げ圧延入側竪ロ
ール11の開度:1225mm、仕上げ圧延中間竪ロール(N06
スタンド入側)の開度:1230mmとし、ミル間張力を上記
の場合(通常の1kgf/mm2 )よりも2kgf/mm2多くして
圧延した。この結果全て、幅1230mmの熱延コイルを支障
なく製造することができた。なお、この実施例は図1に
示す熱延ラインにより行ったものであり、この実施例で
は仕上げ竪ロール圧延機11を仕上げ圧延入側及び仕上げ
圧延N06スタンド入側に設置しこれを用いているが、熱
延コイルの幅調整ができればよいので竪ロール圧延機の
設置位置は上記に限るものではない。
した熱延コイル幅に対し、9〜2mm広くなっている。そ
して、通常シートバー幅と熱延コイル幅はほぼ等しく圧
延されるため、上記の場合歩止り損となる。そこで、表
2試料記号1〜4と同様のスラブについて、実施例1と
同様の粗圧延を行った後、粗圧延出側幅計10でシートバ
ー幅を測定し、試料記号2〜4については、それらの測
定値に基づいて仕上げ竪ロール開度を1230mmに調整して
仕上げ圧延を行い、試料記号1のスラブ幅:1245mmのス
ラブについては、竪ロール開度調整だけでは幅が広すぎ
座屈現象など不具合が生じるので、仕上げ圧延入側竪ロ
ール11の開度:1225mm、仕上げ圧延中間竪ロール(N06
スタンド入側)の開度:1230mmとし、ミル間張力を上記
の場合(通常の1kgf/mm2 )よりも2kgf/mm2多くして
圧延した。この結果全て、幅1230mmの熱延コイルを支障
なく製造することができた。なお、この実施例は図1に
示す熱延ラインにより行ったものであり、この実施例で
は仕上げ竪ロール圧延機11を仕上げ圧延入側及び仕上げ
圧延N06スタンド入側に設置しこれを用いているが、熱
延コイルの幅調整ができればよいので竪ロール圧延機の
設置位置は上記に限るものではない。
【0029】以上は、製品幅WAIM :1200mm、製品板
厚:4mmのフェライト系ステンレス鋼を例にあげて示し
たが、他の製品幅及び厚みについても同様であった。ま
た、同様な調査をオーステナイト系ステンレス鋼につい
ても行ったが、エッジシーム入り込み量は相対的に小さ
いものの前掲図2と同様の曲線が得られ、この発明が適
用できることが判明した。
厚:4mmのフェライト系ステンレス鋼を例にあげて示し
たが、他の製品幅及び厚みについても同様であった。ま
た、同様な調査をオーステナイト系ステンレス鋼につい
ても行ったが、エッジシーム入り込み量は相対的に小さ
いものの前掲図2と同様の曲線が得られ、この発明が適
用できることが判明した。
【0030】
【発明の効果】この発明は、鋼スラブを熱延するに際
し、エッジシーム入り込み量と、熱圧延前スラブ幅に対
する目標シートバー幅の差との関係から目標シートバー
幅を適当に選定することにより、エッジシーム入り込み
量をあらかじめ定めている余幅以内に押えるものであ
り、この発明により、エッジシーム部の剪断除去による
製品幅不足の問題がなくなるとともに、幅不足を救済す
るために工程を攪乱して全面を研削加工することもなく
なり、製造コストの大幅な低減ができる。
し、エッジシーム入り込み量と、熱圧延前スラブ幅に対
する目標シートバー幅の差との関係から目標シートバー
幅を適当に選定することにより、エッジシーム入り込み
量をあらかじめ定めている余幅以内に押えるものであ
り、この発明により、エッジシーム部の剪断除去による
製品幅不足の問題がなくなるとともに、幅不足を救済す
るために工程を攪乱して全面を研削加工することもなく
なり、製造コストの大幅な低減ができる。
【図1】この発明の実施態様を示す説明図である。
【図2】エッジシーム入り込み量と、粗圧延前のスラブ
幅に対する目標シートバー幅の差との関係を示すグラフ
である。
幅に対する目標シートバー幅の差との関係を示すグラフ
である。
【図3】熱延ラインの配置図である。
【図4】コイルのエッジシームの説明図である。
1 スラブ 2 加熱炉 3 粗圧延機群 4 竪ロール圧延機 5 水平ロール圧延機 6 仕上げ圧延機群 7 コイル 8 エッジシーム 9 幅計 10 粗圧延出側幅計 11 仕上げ竪ロール圧延機
Claims (2)
- 【請求項1】 鋼スラブを熱延し、その仕上げ段階で鋼
種、製品の幅及び厚みに応じてあらかじめ定められてい
る余幅を付した熱延コイルとして巻取る熱延に際し、 該スラブの粗圧延に当って、鋼種、製品の幅及び厚みに
応じるエッジシーム入り込み量と、粗圧延前のスラブ幅
に対する目標シートバー幅の差との関係をあらかじめ関
数又はテーブルで定めておき、 粗圧延前に計測又は計算して求めたスラブ幅に基づい
て、エッジシーム入り込み量が上記熱延コイルの余幅を
超えない範囲で目標シートバー幅を選定し、 この選定した目標シートバー幅に竪ロール開度を設定す
ることを特徴とする熱間圧延方法。 - 【請求項2】 鋼スラブを熱延し、その仕上げ段階で鋼
種、製品の幅及び厚みに応じてあらかじめ定められてい
る余幅を付した熱延コイルとして巻取る熱延に際し、 該スラブの粗圧延に当って、鋼種、製品の幅及び厚みに
応じるエッジシーム入り込み量と、粗圧延前のスラブ幅
に対する目標シートバー幅の差との関係をあらかじめ関
数又はテーブルで定めておき、 粗圧延前に計測又は計算して求めたスラブ幅に基づい
て、エッジシーム入り込み量が上記熱延コイルの余幅を
超えない範囲で目標シートバー幅を選定し、 この選定した目標シートバー幅に基づいて、竪ロール開
度を設定して熱間粗圧延を施し、 得られたシートバー幅を計測し、この計測したシートバ
ー幅に基づく仕上げ竪ロール開度の調整及びスタンド間
張力の調整を、単独又は併用で行うことにより余幅を付
した熱延コイル幅に制御することを特徴とする熱間圧延
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3266165A JP2688390B2 (ja) | 1991-10-15 | 1991-10-15 | 熱間圧延方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3266165A JP2688390B2 (ja) | 1991-10-15 | 1991-10-15 | 熱間圧延方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05104121A JPH05104121A (ja) | 1993-04-27 |
JP2688390B2 true JP2688390B2 (ja) | 1997-12-10 |
Family
ID=17427181
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3266165A Expired - Lifetime JP2688390B2 (ja) | 1991-10-15 | 1991-10-15 | 熱間圧延方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2688390B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113695391B (zh) * | 2021-09-15 | 2023-01-17 | 鞍钢股份有限公司 | 一种热轧集装箱用钢宽度超极限的生产方法 |
-
1991
- 1991-10-15 JP JP3266165A patent/JP2688390B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05104121A (ja) | 1993-04-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7491276B2 (en) | Production method and installation for producing thin flat products | |
UA55414C2 (uk) | Спосіб і пристрій для виробництва сталевої смуги | |
US20130263634A1 (en) | Rolling mill for producing steel for tubes and thin strip | |
KR101802898B1 (ko) | 연속 압연 또는 반 연속 압연에 의한 강 스트립들의 제조 방법 | |
EP0320846A1 (en) | Apparatus and method for hot-rolling slab into sheets | |
AU738658B2 (en) | Super thin strip hot rolling | |
US4782683A (en) | Hot strip mill shape processor and method | |
JP2688390B2 (ja) | 熱間圧延方法 | |
JP2005296973A (ja) | 熱延鋼板の製造方法とその装置 | |
JPH0716683B2 (ja) | ステンレス鋼帯用連続温間圧延設備 | |
JP3684942B2 (ja) | 冷延鋼帯の製造方法 | |
JP3265972B2 (ja) | 薄物熱延鋼板の製造方法およびその設備 | |
JP3215332B2 (ja) | 板材の熱間圧延方法 | |
JP2004290990A (ja) | 熱延鋼帯の製造方法および製造装置 | |
JP3504425B2 (ja) | エッジシーム疵を低減できるステンレス鋼板の製造方法 | |
JP3380472B2 (ja) | フェライト系ステンレス熱延鋼帯の製造方法 | |
JPH06102202B2 (ja) | U形鋼矢板の圧延方法 | |
JPH0714526B2 (ja) | 板圧延のエッジドロップ制御におけるセットアップ方法 | |
KR100887080B1 (ko) | 열연 강판의 권취순간장력에 의한 폭변동량 보상압연방법 | |
JPH0970602A (ja) | 方向性電磁鋼板の製造方法 | |
JP3951410B2 (ja) | 厚鋼板製造設備 | |
KR950001934B1 (ko) | 폭방향으로 기계적 성질이 균일한 열연강판의 제조방법 | |
JP2000061501A (ja) | U形鋼矢板の製造方法 | |
JP3496531B2 (ja) | 溝形鋼の製造方法 | |
KR19980050633A (ko) | 단면형상이 개선되는 극저탄소강의 열간압연방법 |