JP2687945B2 - 鋳物の製造方法及び装置 - Google Patents

鋳物の製造方法及び装置

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JP2687945B2 JP20084195A JP20084195A JP2687945B2 JP 2687945 B2 JP2687945 B2 JP 2687945B2 JP 20084195 A JP20084195 A JP 20084195A JP 20084195 A JP20084195 A JP 20084195A JP 2687945 B2 JP2687945 B2 JP 2687945B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鋳物、特に狭小なス
ロットを有する部材にスロット部とその端部にスロット
部と接続する拡大部が形成されるような形状の鋳物の製
造方法及び装置に関し、例えば回転子鉄心に溶融した金
属材料を加圧充填して回転子導体を形成する方法及び装
置に関するものである。なお、この明細書においては、
かご形回転子の回転子導体形成の場合を例に説明する。
【0002】
【従来の技術】図4(a),(b) は一般的な鋳込み前のかご
形回転子、即ち回転子鉄心を示すもので、(a)は一部切
り欠いて断面を表わす正面図、(b)は側面図である。図
中1は回転子鉄心で、円形状鋼板1aを積層して形成さ
れ、積層方向に貫通するスロット1bと回転軸挿入部1
cとを有している。従来、このかご形回転子は、スロッ
ト1bと回転軸挿入部1cとを打ち抜いた円形状鋼坂1
aを必要枚数積層して回転子鉄心を形成し、次にアルミ
ニウムダイカストにより回転子導体(スロット導体及び
エンドリングで構成される)を形成した後、回転軸を挿
入して製造される。
【0003】図5は例えば特公昭56−47555号公
報に示された従来のかご形回転子の鋳込装置を示す断面
図である。図中2は仮軸、3はカラー、4はナットで回
転子鉄心1は仮軸2及びカラー3を介してナット4で締
め付けられて一体化されている。5は成形後製品を取り
出すための押出棒、6は溶融したアルミニウムなどの導
体材料、7は溶融導体材料6を注入するスリーブ、8は
鋳込み圧力を加えるプランジャ、9は固定金型、10は
中間金型、11は移動金型である。矢印は溶融導体材料
6の流れを表わす。
【0004】従来のかご形回転子のダイカスト法は仮軸
2、カラー3及びナット4で一体化した回転子鉄心1
を、中間金型10の円筒状の空孔に挿入し、中間金型1
0及び移動金型11を固定金型9に加圧して型締めを行
う。しかる後、スリーブ7に注入された溶融導体材料6
がプランジャ8によって加圧され、回転子鉄心1のスロ
ット1bの中を流れ、スロット部及びエンドリング部に
高速で充填され、急速冷却された後、固定金型9と中間
金型10との間で金型を開き、押出棒5によりスロット
導体とエンドリングが形成された回転子鉄心1を押し出
す。
【0005】図6(a),(b) はこのようにして得られた従
来のかご形回転子を示すもので、(a)は断面図、(b)は側
面図である。図中1dはエンドリング、1eはスロット
導体、6aは収縮巣(ヒケ巣)である。ダイカスト法で
は、溶融導体材料6を高速で充填するので、空気やガス
を巻込むとともに、凝固が完了するまで高圧力を維持し
ておらず、スロット導体1e、エンドリング1dに収縮
巣(ヒケ巣)6aが生じ、密度の低下につながってい
た。例えば、純アルミニウムの密度は2.7g/cm3である
が、この従来例の回転子導体のアルミニウム密度はせい
ぜい2.6g/cm3前後と低かった。この密度低下が回転子
に誘起された二次電流の導通を妨げ、ひいては回転トル
クを低下させていた。従って、現状では密度低下(収縮
巣による導通低下)を考慮して、回転子導体の材料特性
を十二分に発揮させる設計がなされていない。そこで、
所望のモータ特性を得るために、回転子の厚さを増した
り、一次側の固定子の巻線を太くする等の手段が取られ
ている。そのため、モータ自身が大きくなり、小型軽量
化のための支障となるばかりでなく、余分な材料が必要
でコストアップにつながっていた。さらに、スロット導
体1e内に生じた巣により回転子の強度低下が生じ、高
速回転時の断線及び破壊につながる危険性があった。
【0006】上記のような問題点を解決するため、最近
ではスロット及びエンドリングが形成される空間(以下
エンドリング部と記す)内に、溶融した導体材料、例え
ば溶融アルミニウムを遅い流動速度で充填させ、上記溶
融アルミニウムを400kg/cm2 以上の高圧下で凝固さ
せる溶湯鍛造法(加圧凝固鋳造法)が導入されている。
【0007】図7は例えば特開昭62−12357号公
報に示された従来のかご形回転子の鋳込装置を示す断面
図で、図中、5は押出棒、14はノックアウトポンチ
で、押出棒5を連動して上昇させる。15はポンチ、1
6はプレス等のスライド、17は支柱、11は上型で、
支柱17によりスライド16と連結されている。9は下
型で、溶融アルミニウム6を収容する湯溜り9aが設け
られ、押出棒5を備えている。上型11と下型9とで回
転子鉄心1を嵌合挿入できるキャビティ9cとキャビテ
ィ9cへ溶融導体材料6を導入するゲート9bが構成さ
れている。20はプレスのボルスタ、21はノックアウ
ト用下板で、ノックアウトポンチ14にネジ止めされて
いる。41はキャビティ9c上端のゲート9bと対向す
る位置に設けられたガス排出口である。なお、図8は図
7におけるポンチ15が下降し、下型9の湯溜り9aに
押し込まれた充填、加圧状態を示す拡大断面図である。
【0008】まず、円周方向に均等に設けた多数のスロ
ット1b及び回転軸挿入部1cを打抜いた円形状鋼板1
aをスロット1bが積層方向に貫通するように多数積み
重ねて回転子鉄心とする。次いで、上型11及び下型9
を約250℃に予熱しておき、下型9のキャビティ9c
内に上記多数個のスロット1bを有するかご形回転子鉄
心をそのスロット1bが重力方向となるように嵌合挿入
し、スライド16を下降し、支柱17により連結した上
型11を下型9に加圧して型締めを行う。その後、上型
11の注入口11aより溶融導体材料6を下型9の湯溜
り9aにその液面がゲート9b以下であるように注入
し、速やかに上ポンチ15を下降させ、湯溜り9aに溜
った溶融導体材料6を押出し、キャビティ9c内の回転
子鉄心1のスロット1bとエンドリング部に遅い流動速
度で溶融導体材料6を流し込む。溶融導体材料6の流動
速度は、上ポンチ15のスピードを制御しながら行う。
溶融導体材料6はゲート9b近傍のスロットから順に上
方へ満たされ、ゲート9b近傍の上端エンドリング部か
らガス排出口41に到達する。溶融導体材料6充填後、
溶融または半溶融状態で約400kg/cm2以上の高圧力を
加えて凝固させる。上型11と下型9を開き、押出棒5
により回転子導体が形成された回転子鉄心を押出す。
【0009】図9(a),(b)は溶湯鍛造で得られたかご形
回転子の例を示すもので、(a)は断面図、(b) は側面図
である。このように溶湯鍛造法では溶融アルミニウムを
低速で充填するため、空気やガスの巻込みが少なく、さ
らに凝固完了まで高圧力を維持するので、収縮巣が生ず
ることなく高密度の電気導体を得ることができる。
【0010】図10は溶湯鍛造で得られたアルミニウム
密度が2.67g/cm3のかご形回転子のトルク特性及び効
率を、2.57g/cm3のダイカスト品と対比して示す特性
図である。縦軸はトルク(kg・cm)及び効率(%)をそれぞ
れ表わし、横軸は回転数(rpm)を表わしており、イは溶
湯鍛造品のトルク特性曲線、ロはダイカスト品のトルク
特性曲線、ハは溶湯鍛造品の効率特性曲線、ニはダイカ
スト品の効率特性曲線である。図から明らかなように、
溶湯鍛造によるアルミニウムが高密度のものの方がモー
タのトルク特性も効率も向上している。
【0011】このように、溶湯鍛造によればモータ特性
をダイカスト法に比べ向上させることができ、そのた
め、回転子導体の材料特性を十二分に発揮させる回転子
の限界設計がなされ、モータの小型軽量化、省資材ある
いはコストダウンが可能となる。
【0012】しかしながら、上記溶湯鍛造法による場合
でも、例えばエンドリングの断面積に比べ個々のスロッ
トの断面積が比較的小さい場合には、溶融アルミニウム
が下エンドリング部からスロット、さらに上エンドリン
グ部へと充填され、凝固する過程において、上エンドリ
ング部よりスロット部が先に凝固する。その際、加圧力
も下エンドリング部からスロット、上エンドリング部の
順に伝えられるが、スロットが先に凝固すれば、その圧
力は上エンドリング部には伝わらない。そのため上エン
ドリング部には凝固が完了するまで高圧力をかけること
ができず、収縮巣が発生する。ゲートは一般に型開き作
用だけで切断するため、断面積が小さいのが好まれる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
ダイカスト法では、かご形回転子の回転子導体全体に収
縮巣が発生する。また溶湯鍛造法では、溶融導体材料の
凝固にばらつきが生じ、例えば上エンドリング部よりス
ロット部が先に凝固する場合には上エンドリング部に収
縮巣が発生する。そのため電気導通の低下をきたして、
モータのトルク、効率に悪影響を及ぼすという問題点が
あった。
【0014】本発明は上記のような問題点を解消するた
めになされたもので、溶融金属材料全体に凝固が完了す
るまで高圧力を加えられ、収縮巣の無い健全な無欠陥鋳
物が得られる鋳物の製造方法及び装置を提供することを
目的とするものである。具体的には例えばスロット導体
及びエンドリングを形成する溶融金属材料全体に、凝固
が完了するまで高圧力を加えられ、収縮巣のない健全な
回転子導体が得られるかご形回転子の製造方法及び装置
を提供することを目的とし、結果としてモータの効率及
びトルク特性が向上し、モータの小型軽量化が図れるか
ご形回転子を得ようとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
鋳物の製造方法は、スロットを有する部材に溶融した金
属材料を加圧充填して凝固させ、上記スロット部とこれ
に接続されて上記部材の少なくとも一端部に配設される
拡大部とを上記金属で形成する際に、予め上記部材の外
周を囲む中間金型とその下に配された下型の分割面にス
ペーサを配しておき、上記溶融金属材料充填後、上記ス
ペーサを引抜くことにより、上記部材の鋳込み装置に具
備された型締め機構の圧力と上記溶融金属材料を加圧充
填する加圧機構の圧力とにより上記中間金型と下型とが
閉じて当接するようにしたものである。
【0016】また、請求項2に係る鋳物の製造方法は、
スロットを有する部材を中間金型内で軸方向に移動可能
に保持しておき、上記溶融金属材料を加圧充填して、充
填した上記溶融金属材料が凝固するに従って発生する差
圧で上記スロットを有する部材が軸方向に移動するよう
にすると共に、上記中間金型と下型との間に配されたス
ペーサを引抜くことにより、上記中間金型と下型が閉じ
るようにしたものである。
【0017】さらに、本発明の請求項3に係る鋳物の製
造装置は、スロットを有する部材に溶融した金属材料を
加圧充填して凝固させ、上記スロット部とこれに接続さ
れて上記部材の少なくとも一端部に配設される拡大部と
を上記金属で形成する際に、予め上記部材の外周を囲む
中間金型とその下に配された下型の分割面にスペーサを
配しておき、上記溶融金属材料充填後、上記スペーサを
引抜くことにより、上記部材の鋳込み装置に具備された
型締め機構の圧力と上記鋳込み装置に具備された上記溶
融金属材料を加圧充填する加圧機構の圧力により上記中
間金型と下型とが閉じて当接可能に構成したものであ
る。
【0018】そして、請求項4に係る鋳物の製造装置
は、スロットを有する部材を中間金型内で軸方向に移動
可能に保持する保持手段を使い、上記溶融金属材料を加
圧充填して、充填した上記溶融金属材料が凝固するに従
って発生する差圧で上記スロットを有する部材が軸方向
に移動するようにすると共に、上記中間金型と下型との
間に配されたスペーサを引抜くことにより、上記中間金
型と下型が閉じることを可能に構成したものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.以下、本発明の実施の形態を図について
説明する。図1は本発明の実施の形態1に係わるかご形
回転子の製造装置を示す断面構成図であり、前記従来の
ものと同一または相当部分には同一符号を付して説明を
省略する。図において、1はスロットを有する部材、こ
の場合は回転子鉄心である。11Aは上型11と中間金
型10とで形成される拡大部である上エンドリング部で
ある。中間金型10は積層された回転子鉄心の外周を覆
っており、回転子鉄心1の層間から溶融金属材料である
溶融導体材料6が飛散するのを防止している。9Aは上
下に分割された下型で、下部にはスリーブ7が一体化さ
れ、かつこのスリーブ7と嵌合摺動して溶融導体材料6
を加圧充填するための加圧機構である加圧プランジャ8
との間で湯溜り9aが形成されている。また、下型9A
の上部とスリーブ7とは摺動可能に嵌合されている。下
型9Aの上部には、拡大部である下エンドリング部10
Bと湯溜り9aとから溶融導体材料6を導入するための
ゲート9bが設けられている。また、32は中間金型1
0と下型9Aとの間にすき間を与えるための例えば円周
方向に4分割されたくさび形などのスペーサ、31はロ
ッド31aを介してスペーサ32を半径方向に引き抜く
ための油圧シリンダなどの引抜き装置であり、下型9A
の上部に固定されている。41は上型1と中間金型10
との間に放射状に多数設けられたガス排出口で、溶融導
体材料6が加圧プランジャ8により充填されるに際し、
ガスを型外に導く。
【0020】なお、スペーサ32は中間金型10と下型
9Aの上部との間に上型11と中間金型10とが一体と
なって下降し、また下型9Aの上部が上昇するための加
圧代(L)分のすき間を与えるような形状に設計されてい
る。加圧代(L)は下エンドリング部10Bに充填された
溶融導体材料6が凝固(液相から固相に相変態)すると
きの体積収縮量を予め算出することにより、その長さを
決定する。また、仮軸2の下端と下型9Aの上部にも少
なくとも(L)のすき間を与え、下型9Aの上部と中間金
型10が接近できるよう配慮している。
【0021】まず、仮軸2に回転子鉄心1をはめ込み、
さらに仮軸2を上型1の穴に挿入し、ナット4により上
型11に固定する。さらに、回転子鉄心部分を中間金型
10に嵌合挿入し、以上組み合わせた金型全体を上部可
動側金型70として、型締め機構を構成するスライド1
6に固定する。スペーサ32は予め引抜き装置31によ
り押し出されて図の位置にあり、その内周面は下エンド
リング部10Bの外周壁の一部を構成している。加圧プ
ランジャ8は予め所定の位置まで下降しており、この状
態で図示されない給湯装置により湯溜り9aに溶融導体
材料6が注がれ、次に下型9Aの上部をスリーブ7と嵌
合し、ふた締めする。次いで、上部可動金型70が下降
し、中間金型10の下端がスペーサ32に当接して型締
めがなされる。最後に加圧プランジャ8が上昇する。こ
の過程で溶融導体材料6がゲート9b、下エンドリング
部10B、スロット1bを経て上エンドリング部11A
に到達する。この際、溶融導体材料6の流速は過度にガ
スや空気を巻き込むことのないよう、比較的低速(レイ
ノルズ数が2万以下)にするのがよい。
【0022】予め、型内やスロット内にあったガスや空
気は大部分がガス排出口41で排出され、溶融導体材料
6がこのガス排出口41に達すると、この部分の溶融導
体材料6は急速に冷却されて凝固し出口をふさぐ。この
時点より加圧プランジャ8による加圧力が急速に立上が
り、湯溜り9a及びゲート9bを介して製品に400kg
/cm2以上の高圧力が加えられる。この際、ゲート9b内
及びスロット1b内に充填された溶融導体材料6が先に
凝固し、次に上下のエンドリング部11A,10Bが凝
固し始める。そして、凝固(相変態)に伴う体積収縮に
より上下エンドリング部11A,10B内の圧力が低下
する。既に述べたようにゲート9bは全体が凝固してか
ら、上部可動金型70をスライド16により引き上げる
型開き作用で切断できるようにするため、一般にはその
最上端部の径が極めて細く作られている。そのため、上
エンドリング部11Aとスロット1b及び下エンドリン
グ部10Bとゲート9b間の凝固時間の差は、後者の方
が大きいことが多い。従って、上エンドリング部11A
に比べ下エンドリング部10Bはより大きな収縮巣が発
生することが多い。
【0023】この実施の形態はこの下エンドリング部1
0Bの収縮巣を防止するためのもので、ゲート9bが凝
固して湯道がふさがれた後に、引抜き装置31によりス
ペーサ32を引抜くものである。これにより、スライド
16の加圧力により上部可動金型70が下降すると共に
加圧プランジャ8の加圧力により下型9Aの上部が浮上
して下エンドリング部10Bが強圧され、その凝固まで
加圧力が持続されるので収縮巣が防止される。この際、
加圧代(L)は下エンドリング部10Bの体積と溶融導体
材料6の固有の凝固収縮量とから予め算出しておけばよ
い。また、スペーサ32を引抜くことにより、下エンド
リング部10Bの外周上部は一瞬大気に開放されるが、
この時点では下エンドリング部10Bの外部は凝固が進
行しているので、溶融導体材料6が型外にもれることは
ない。
【0024】実施の形態2.図2は本発明の実施の形態
2に係わるかご形回転子の製造装置を示す断面構成図で
ある。構成は実施の形態1とほぼ同一であるが、回転子
鉄心1の上端と上型11の上エンドリング部11Aの内
壁を形成する部分の下端にも加圧代(L)が設けられ、さ
らにスペーサ32による上部可動金型70と下型9Aの
間の加圧代及び仮軸2の下端と下型9Aの上部とのすき
間が2Lに設定されている点が異なっている。
【0025】加工の手順も実施の形態1と全く同様であ
るが、この場合スペーサ32を引抜くことにより下エン
ドリング部10Bに強圧が加わると、回転子鉄心1の下
端にも強圧が加わり、回転子鉄心1がその圧力で浮上し
て上エンドリング部11Aを強圧する。こうして、スロ
ット1bやゲート9bが先に凝固しても、上下のエンド
リング部11A,10Bにもおのずと強圧が加わり、収
縮巣を防止する。
【0026】なお、上記実施の形態では加圧代をLまた
は2L、すなわち一方のエンドリング部につきLとした
が、エンドリング部の体積と導体材料の材質とによりお
のずと収縮量が決まるので、加圧代をLより大きくして
おいてもよい。また、引抜き装置31は油圧シリンダの
場合を示したが、モータなどでもよい。スペーサ32の
断面は大略くさび形状の場合を示したが、片側のみテー
パでもよいし、長方形などでもよい。さらに、この実施
の形態では一個取りの成形法の場合を示したが、図7に
示すような多数個取りの場合でも同じ方法が適用でき
る。
【0027】実施の形態3.図3は本発明の実施の形態
3に係わるかご形回転子の製造装置を示す断面構成図で
ある。上記各実施の形態では中間金型10の下部と下型
9Aの上部との間にスペーサ32を、両者を分断するか
たちで設けたものを示したが、この実施の形態3に示す
ように中間金型10の下部を下型9Aの上部に摺動可能
に嵌合する構造とすれば、スペーサ32を引いたときに
湯が漏れないし、スペーサ32を動かす機構31を上下
させなくてもよい。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
によれば、スロットを有する部材に溶融した金属材料を
加圧充填して凝固させ、上記スロット部とこれに接続さ
れて上記部材の少なくとも一端部に配設される拡大部と
を上記金属で形成する鋳物の製造方法において、上記部
材の外周を囲む中間金型とその下に配された下型の分割
面に予めスペーサを嵌合しておき、上記溶融金属材料充
填後、上記スペーサを引抜くことにより、上記部材の鋳
込み装置に具備された型締め機構の圧力と上記溶融金属
材料を加圧充填する加圧機構の圧力とにより上記中間金
型と下型とを閉じるようにしたので、移動する金型を介
して圧力低下をきたすおそれのある拡大部をも加圧でき
るので、収縮巣の発生を防止でき、健全な鋳物が得られ
る効果がある。例えばかご形回転子の場合は、回転子鉄
心を介して圧力低下をきたすおそれのあるエンドリング
部をも加圧できるので、収縮巣の発生を防止し健全な回
転子導体が得られ、回転子導体が強固となり遠心力など
による破損が防止できるとともに電気抵抗が減少し、モ
ータの効率及びトルク特性が向上し、モータの小型軽量
化が図れるという効果が得られる。
【0029】また、請求項2に係る鋳物の製造方法にお
いては、スロットを有する部材を中間金型内で軸方向に
移動可能に保持しておき、上記溶融金属材料を加圧充填
して、充填した上記溶融金属材料が凝固するに従って発
生する差圧で上記スロットを有する部材が軸方向に移動
するようにすると共に、上記中間金型と下型との間に配
されたスペーサを引抜くことにより、上記中間金型と下
型が閉じるようにしたので、上記部材を介して圧力低下
をきたすおそれのある上記スロット部より先、下流、他
方の拡大部をも加圧できるので、収縮巣の発生をより良
好に防止でき、健全な鋳物が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係わるかご形回転子
の製造装置を示す断面構成図である。
【図2】 本発明の実施の形態2に係わるかご形回転子
の製造装置を示す断面構成図である。
【図3】 本発明の実施の形態3に係わるかご形回転子
の製造装置を示す断面構成図である。
【図4】 一般的な回転子鉄心を一部切り欠いて断面を
表わす正面図である。
【図5】 従来のかご形回転子の鋳込装置を示す断面図
である。
【図6】 従来のかご形回転子を示す断面図である。
【図7】 従来の溶湯鍛造法によるかご形回転子の鋳込
装置を示す断面図である。
【図8】 図7の部分拡大断面図である。
【図9】 溶湯鍛造法で得られたかご形回転子を示す断
面図である。
【図10】 溶湯鍛造法によるかご形回転子のトルク特
性及び効率をダイカスト品と対比して示す特性図であ
る。
【符号の説明】
1 回転子鉄心、1b スロット、1d エンドリン
グ、1e スロット導体、2 仮軸、4 ナット、6
溶融導体材料、8 加圧プランジャ、9A 下型、9a
湯溜り、9b ゲート、10 中間型、10B 下エ
ンドリング部、11上型、11A 上エンドリング部、
L 加圧代、16 鋳込み装置のスライダ、31 引抜
き装置、31a ロッド、32 スペーサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−95948(JP,A) 特開 昭62−123941(JP,A) 特開 昭62−314152(JP,A) 特開 昭62−12357(JP,A) 特開 昭62−40039(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スロットを有する部材に溶融した金属材
    料を加圧充填して凝固させ、上記スロット部とこれに接
    続されて上記部材の少なくとも一端部に配設される拡大
    部とを上記金属で形成する鋳物の製造方法において、上
    記部材の外周を囲む中間金型とその下に配された下型の
    分割面に予めスペーサを嵌合しておき、上記溶融金属材
    料充填後、上記スペーサを引抜くことにより、上記部材
    の鋳込み装置に具備された型締め機構の圧力と上記溶融
    金属材料を加圧充填する加圧機構との圧力により上記中
    間金型と下型とを閉じるようにしたことを特徴とする鋳
    物の製造方法。
  2. 【請求項2】 スロットを有する部材は中間金型内で軸
    方向に移動可能に保持されていることを特徴とする請求
    項1記載の鋳物の製造方法。
  3. 【請求項3】 スロットを有する部材に溶融した金属材
    料を加圧充填して凝固させ、上記スロット部とこれに接
    続されて上記部材の少なくとも一端部に配設される拡大
    部とを上記金属で形成する鋳物の製造装置において、上
    記部材の外周を囲む中間金型とその下に配された下型の
    分割面に予めスペーサを嵌合しておき、上記溶融金属材
    料充填後、上記スペーサを引抜くことにより、上記部材
    の鋳込み装置に具備された型締め機構の圧力と上記溶融
    金属材料を加圧充填する加圧機構との圧力により上記中
    間金型と下型とが閉じるように構成したことを特徴とす
    る鋳物の製造装置。
  4. 【請求項4】 スロットを有する部材は中間金型内で軸
    方向に移動可能に保持する保持手段が設けられているこ
    とを特徴とする請求項3記載の鋳物の製造装置。
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