JP2687053B2 - 卓子の搬送装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は卓子の搬送装置に係
り、特に面板裏面に脚を立設した机やテーブル等からな
る卓子の搬送と保管とを果たす卓子の搬送装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】一般に、机、テーブル等のいわゆる卓子
は、面板とこの面板裏面に装着される複数本の脚とによ
り構成されている。卓子には、不使用時の便宜のために
脚を折り畳み可能に構成したものが種々ある。脚を折り
畳み可能に構成した卓子においては、脚を面板裏面に蝶
番あるいはばね付蝶番によって装着し、更に脚の起立状
態及び倒伏状態を保持するために脚の起倒機構やロック
機構等を備えたものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の卓子
の搬送装置においては、卓子を搬送するキャスタ部を有
しないものやキャスタ部を有するものがある。

【０００４】例えば、キャスタ部を有しないものは、卓
子全体を持ち上げて搬送する必要があり、大型の卓子に
おいては婦女子による搬送が不可能である場合が生ずる
という不都合がある。

【０００５】また、脚の底面にキャスタ部を有するもの
は、いわゆる移動自在卓子であり、搬送は容易である
が、キャスタ部の停止機構が必要となるとともに、部品
点数が増加し、コストが大となって経済的に不利である
と共に、保管に場所を取り、また美観を損なうという不
都合がある。

【０００６】更に、面板側部にキャスタ部を設けると、
卓子の使用時にキャスタ部が邪魔になり、これを取り外
さなければならない等、使い勝手が悪いという不都合が
あった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上
述不都合を除去するために、卓子の面板裏面に脚を有す
る卓子において、面板裏面に対して平行に移動する連結
部材とこの連結部材を案内する案内レールと連結部材の
一端側に設けた把手と前記連結部材の他端側に設けたキ
ャスタ部と連結部材途中に設けた保持部材とからなると
ともに前記連結部材の移動に応じて連結部材を回転させ
面板に対して直交すべくキャスタ部を現出させる搬送機
構を設けたことを特徴とする。また、卓子の面板裏面に
脚を有する卓子において、面板裏面に対して平行に移動
する第１、第２連結部材とこれら第１、第２連結部材を
夫々案内する第１、第２案内レールと第１、第２連結部
材の一端側に設けた把手と第１、第２連結部材の他端側
に設けた第１、第２キャスタ部と第１、第２連結部材途
中に設けた第１、第２保持部材とからなるとともに第
１、第２連結部材の移動に応じて第１、第２連結部材を
夫々回転させ面板に対して直交すべく第１、第２キャス
タ部を連動させて現出させる搬送機構を設けたことを特
徴とする。

【０００８】

【作用】上述の如く発明したことにより、キャスタ部の
不使用時、つまり卓子の使用時に、卓子の面板裏面に搬
送機構を収納し、キャスタ部の使用時には、卓子外部に
キャスタ部を現出させ、搬送機構の使い勝手を向上して
いると共に、卓子面版を立てた状態で壁際などに置くこ
とができることにより、保管場所を節約できる。

【０００９】

【実施例】以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細
に説明する。

【００１０】図１〜図７はこの発明の実施例を示すもの
である。図２において、２は卓子である。この卓子２
は、面板４と卓子脚（以下単に「脚」という）６とによ
り構成されている。

【００１１】すなわち、前記面板４の裏面４ａには、４
本の脚６−１、６−２（図２において面板４の左側の脚
部分は、右側の脚部分と対称に形成されており、説明を
省略する。）が折り畳み不可能に夫々立設されている。

【００１２】前記卓子２の面板４裏面に搬送機構８を設
ける。この搬送機構８は、面板４裏面に対して平行に移
動する左右の第１、第２連結部材１０−１、１０−２
と、第１、第２連結部材１０−１、１０−２を夫々案内
する第１、第２案内レール１２−１、１２−２と、第
１、第２連結部材１０−１、１０−２の一端１０ａ−
１、１０ａ−２側に設けた把手１４と、第１、第２連結
部材１０−１、１０−２の他端１０ｂ−１、１０ｂ−２
側に設けた第１、第２キャスタ部１６−１、１６−２
と、第１、第２連結部材１０−１、１０−２途中に設け
た第１、第２保持部材１８−１、１８−２とからなる。

【００１３】詳述すれば、前記第１、第２案内レール１
２−１、１２−２は、図２に示す如く、卓子２の幅方
向、つまり図２において上下方向に且つ面板４裏面に対
して平行に２本配設される。

【００１４】そして、この第１、第２案内レール１２−
１、１２−２は、前記卓子２の幅方向、つまり図２にお
いて上下方向に配設される２本の板状第１、第２連結部
材１０−１、１０−２を面板４裏面に対して平行に夫々
移動させるものである。

【００１５】すなわち、第１、第２連結部材１０−１、
１０−２の一端１０ａ−１、１０ａ−２側を夫々連絡す
る接続部材２０を設け、この接続部材２０の面板４裏面
側に２個の第１、第２移動子２２−１、２２−２を第
１、第２固定具２４−１、２４−２により夫々固定し、
第１移動子２２−１を前記第１案内レール１２−１に係
合させるとともに、第２移動子２２−２を第２案内レー
ル１２−２に係合させている。

【００１６】また、前記第１、第２連結部材１０−１、
１０−２の一端１０ａ−１、１０ａ−２側は、図６に示
す如く、接続部材２０に形成される穴部２６に回動可能
とすべく夫々係合される。

【００１７】前記第１、第２連結部材１０−１、１０−
２の一端１０ａ−１、１０ａ−２側を連絡する接続部材
２０の略中央部位に把手１４を設けるとともに、この把
手１４の反対側面たる面板４裏面側には前記第１、第２
移動子２２−１、２２−２の移動範囲及び移動後の堅持
を果たす凹部２８が形成される。

【００１８】この凹部２８は、図２及び図５に示す如
く、面板４裏面に配設される揺動可能な第１、第２突起
３０ａ、３０ｂに係合するものである。

【００１９】また、前記第１連結部材１０−１の他端１
０ｂ−１側に第１キャスタ部１６−１を設けるととも
に、第２連結部材１０−２の他端１０ｂ−２側に第２キ
ャスタ部１６−２を設け、第１、第２連結部材１０−
１、１０−２途中には、これら第１、第２連結部材１０
−１、１０−２の他端１０ｂ−１、１０ｂ−２側を略９
０度捻った状態とする第１、第２捻り部３２−１、３２
−２を夫々形成する。

【００２０】そして、前記第１、第２キャスタ部１６−
１、１６−２の不使用時に第１、第２捻り部３２−１、
３２−２よりも他端１０ｂ−１、１０ｂ−２側を保持す
る前記第１、第２保持部材１８−１、１８−２を前記面
板４裏面に夫々配設する。

【００２１】次に作用について説明する。

【００２２】前記第１、第２キャスタ部１６−１、１６
−２の不使用時、つまり前記卓子２の使用時には、卓子
２の面板４裏面に搬送機構８を収納する。すなわち、接
続部材２０を図２において最上位置に移動させ、凹部２
８を第１突起３０ａに係合させる。

【００２３】また、第１、第２キャスタ部１６−１、１
６−２の使用時には、卓子２を起こし下側の２脚で支
え、傾斜させて把手１４を図２において下方向に押圧
し、第１突起３０ａと凹部２８との係合を解除させ、第
１、第２移動子２２−１、２２−２を第１、第２案内レ
ール１２−１、１２−２に沿って夫々移動させる。

【００２４】そして、凹部２８が第２突起３０ｂに係合
することにより、第１、第２移動子２２−１、２２−２
の移動が終了する。このとき、前記第１、第２連結部材
１０−１、１０−２も第１、第２保持部材１８−１、１
８−２内を下方向に夫々移動することとなり、第１、第
２捻り部３２−１、３２−２が第１、第２保持部材１８
−１、１８−２を通過した際に第１、第２連結部材１０
−１、１０−２が略９０度回転し、第１、第２キャスタ
部１６−１、１６−２が面板４に対して直交しつつ、面
板４外部に現出される。

【００２５】これら第１、第２キャスタ部１６−１、１
６−２を利用して前記卓子２を所望の箇所まで搬送し保
管する。

【００２６】第１、第２キャスタ部１６−１、１６−２
を前記卓子２の面板４裏面に収納する際には、現出操作
と逆の操作を行えばよい。

【００２７】つまり、卓子２を傾斜させ下側の２脚で卓
子２を支えながら把手１４を図２の上方向に押圧し、第
２突起３０ｂと凹部２８との係合を解除し、第１、第２
移動子２２−１、２２−２を第１、第２案内レール１２
−１、１２−２に沿って案内させ、凹部２８を第１突起
３０ａに係合させれば良いものである。

【００２８】なお、第２突起３０ｂと凹部２８との係合
は自動ロックで、ロック解除は把手１４を上方に引く力
を利用して行われる。

【００２９】このとき、第１、第２捻り部３２−１、３
２−２が第１、第２保持部材１８−１、１８−２を通過
した際には、第１、第２連結部材１０−１、１０−２が
略９０度逆回転し、第１、第２キャスタ部１６−１、１
６−２が面板４に対して平行となるものである。

【００３０】これにより、不使用時に前記第１、第２キ
ャスタ部１６−１、１６−２を卓子２の面板４裏面にコ
ンパクトに収納することができるとともに、使用時には
第１、第２キャスタ部１６−１、１６−２を容易に現出
させることができ、搬送機構８の使い勝手を向上させ得
る。

【００３１】また、前記第１、第２キャスタ部１６−
１、１６−２を収納可能として卓子２の外部に常時現出
されていない構成としたことにより、卓子使用時にキャ
スタ部が邪魔にならず、実用上有利である。

【００３２】なお、この発明は上述実施例に限定される
ものではなく、種々の応用改変が可能である。

【００３３】例えば、この発明の実施例においては、卓
子の脚を面板裏面に折り畳み不可能に立設する構成とし
たが、脚の折り畳み可能な卓子に搬送機構を装着する構
成とすることもできる。

【００３４】また、この発明の実施例においては、搬送
機構を手動により操作する構成としたが、移動子を電動
によって移動させることも可能であり、搬送機構を電気
式に構成し、操作性の向上を図ることもできる。

【００３５】更に、この発明の実施例においては、前記
第１、第２連結部材を板状に形成したが、丸棒やその他
の形状の部材によって形成することもできる。

【００３６】更にまた、この発明の実施例においては、
第１、第２連結部材１０−１、１０−２の一端１０ａ−
１、１０ａ−２側を接続部材２０により連絡するととも
に、この接続部材２０の略中央部位に把手１４を設けた
が、図２に１点鎖線で示す如く、第１、第２連結部材１
０−１、１０−２の中央部位から他端１０ｂ−１、１０
ｂ−２までを連絡する接続部材４０を設けるとともに、
前記第１、第２案内レール１２−１、１２−２を延設し
て設け、接続部材２０、４０を併用する構成とすること
が可能である。このとき、接続部材２０、４０のいずれ
か一方を使用する構成とすることも可能である。

【００３７】また、図２に１点鎖線で示す如く、前記接
続部材４０を足によって操作可能とすべく、接続部材４
０の中央部位にトグル機構を利用したトグルスイッチ４
２を設け、第１、第２キャスタ部の使用時や不使用時に
搬送機構の出し入れをトグルスイッチ４２の付勢力を利
用して行う構成とすることも可能である。

【００３８】更に、図８に示す如く、搬送機構を箱体５
０内に収容させ、搬送機構の取付性を向上させるととも
ら、箱体５０を長孔５２を介して支持金具５４に装着
し、卓子２の面板４裏面から接離可能に構成して搬送時
の操作性の向上と不要時の省スペースとに寄与させるこ
うも可能である。

【００３９】

【発明の効果】以上詳細に説明した如くこの発明によれ
ば、卓子の面板裏面に対して平行に移動する連結部材と
連結部材を案内する案内レールと連結部材の一端側に設
けた把手と連結部材の他端側に設けたキャスタ部と連結
部材途中に設けた保持部材とからなるとともに、連結部
材の移動に応じて連結部材を回転させ面板に対して直交
すべくキャスタ部を現出させる搬送機構を設けたので、
不使用時にキャスタ部を卓子の面板裏面にコンパクトに
収納できるとともに、使用時にはキャスタ部を容易に現
出させることができ、搬送機構の使い勝手を向上させ得
る。また、前記キャスタ部を収納可能として卓子の外部
に常時現出されない構成としたことにより、卓子使用時
にキャスタ部が邪魔にならず、実用上有利である。更
に、卓子の面板裏面に対して平行に移動する第１、第２
連結部材とこれら第１、第２連結部材を夫々案内する第
１、第２案内レールと第１、第２連結部材の一端側に設
けた把手と第１、第２連結部材の他端側に設けた第１、
第２キャスタ部と第１、第２連結部材途中に設けた第
１、第２保持部材とからなるとともに第１、第２連結部
材の移動に応じて第１、第２連結部材を夫々回転させ面
板に対して直交すべく第１、第２キャスタ部を連動させ
て現出させる搬送機構を設けたので、第１、第２キャス
タ部を連動させて現出させることができ、搬送機構の使
い勝手を向上させ得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例の卓子の搬送機構の要部拡大
斜視図である。

【図２】卓子の面板裏面を示す概略図である。

【図３】搬送機構のキャスタ部の要部拡大断面図であ
る。

【図４】搬送機構の移動子の要部拡大断面図である。

【図５】図２の〓−〓線による要部拡大断面図である。

【図６】搬送機構の連結部材の一端側の一部切欠き拡大
断面図である。

【図７】卓子使用時の概略断面図である。

【図８】この発明の他の実施例を示す卓子の面板裏面部
分の概略拡大断面図である。

【符号の説明】

２ 卓子 ４ 面板 ６ 卓子脚（以下単に「脚」という） ８ 搬送機構 １０−１ 第１連結部材 １０−２ 第２連結部材 １０ａ−１、１０ａ−２ 一端 １０ｂ−１、１０ｂ−２ 他端 １２−１ 第１案内レール １２−２ 第２案内レール １４ 把手 １６−１ 第１キャスタ部 １６−２ 第２キャスタ部 １８−１ 第１保持部材 １８−２ 第２保持部材 ２０ 接続部材 ２２−１ 第１移動子 ２２−２ 第２移動子 ２４−１ 第１固定具 ２４−２ 第２固定具 ２６ 穴部 ２８ 凹部 ３０ａ 第１突起 ３０ｂ 第２突起 ３２−１ 第１捻り部 ３２−２ 第２捻り部

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 卓子の面板裏面に脚を有する卓子におい
   て、面板裏面に対して平行に移動する連結部材とこの連
   結部材を案内する案内レールと連結部材の一端側に設け
   た把手と前記連結部材の他端側に設けたキャスタ部と連
   結部材途中に設けた保持部材とからなるとともに前記連
   結部材の移動に応じて連結部材を回転させ面板に対して
   直交すべくキャスタ部を現出させる搬送機構を設けたこ
   とを特徴とする卓子の搬送装置。
2. 【請求項２】 卓子の面板裏面に脚を有する卓子におい
   て、面板裏面に対して平行に移動する第１、第２連結部
   材とこれら第１、第２連結部材を夫々案内する第１、第
   ２案内レールと第１、第２連結部材の一端側に設けた把
   手と第１、第２連結部材の他端側に設けた第１、第２キ
   ャスタ部と第１、第２連結部材途中に設けた第１、第２
   保持部材とからなるとともに第１、第２連結部材の移動
   に応じて第１、第２連結部材を夫々回転させ面板に対し
   て直交すべく第１、第２キャスタ部を連動させて現出さ
   せる搬送機構を設けたことを特徴とする卓子の搬送装
   置。