JP2686526B2 - 高分子化合物の製造法 - Google Patents

高分子化合物の製造法

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JP2686526B2 JP60049113A JP4911385A JP2686526B2 JP 2686526 B2 JP2686526 B2 JP 2686526B2 JP 60049113 A JP60049113 A JP 60049113A JP 4911385 A JP4911385 A JP 4911385A JP 2686526 B2 JP2686526 B2 JP 2686526B2
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は高分子化合物の製造法に関する。さらに詳し
くは、オキサゾリン誘導体と、縮合反応性原子団を有す
る多官能性化合物とを反応せしめるオキサゾリン誘導体
を出発原料とする高分子化合物の製造法に関する。 [従来の技術] 近年、ニーズの多様化にともない、熱的性質、物理化
学的性質、電気的性質などの各種性能に優れた高分子化
合物、すなわち高温下で良好な機構的強度、衝撃強さ、
寸法安定性を示し、各種素材とよく接着し、かつ耐熱
性、耐薬品性に優れるとともに、それらの性能を保有し
て優れた加工性を有する高機能、高性能高分子化合物
(以下、単に高性能高分子化合物という)の開発が要望
されている。 従来より高性能高分子化合物としては、全芳香族ポリ
エステル、全芳香族ポリアミドあるいはポリイミドなど
高性能を有する各種の高分子化合物が開発されている。
しかしながら、これらは高融点を示すものが多く、加工
性が不充分であるなど特殊な製造条件を必要とする。ま
た、加工性を改良する目的でポリエステル樹脂プレポリ
マーや酸無水物を含むプレポリマーにオキサゾリン誘導
体を反応させたのち後架橋せしめることにより、耐熱
性、耐薬品性および加工性を改善する試みがなされてい
るが、出発原料であるプレポリマーの性質に大きく影響
されるため高性能化に限度があり、またプレポリマーの
選択および製造などに高度の技術的熟練度を必要とす
る。 環式イミノエーテルとして分類されるオキサゾリン化
合物は求電子試薬で容易に開環重合し、またβ−プロピ
オラクトン、無水コハク酸、プロパンサルトン、アクリ
ル酸などと交互共重合し、さらにp−トルエンスルホン
酸メチルと無触媒系でランダム共重合することができ
る。しかし、縮合反応性原子団を有するオキサゾリン化
合物においては、多価カルボン酸化合物と共重合しうう
ことは知られているが、カルボン酸以外の縮合反応性原
子団を有する多官能性化合物との共重合は困難である。
また、多価カルボン酸とオキサゾリンとの反応は、一般
に両者を単に混合し、無触媒下で加熱するだけで容易に
重合するため反応制御が困難である。したがって成形加
工品の製造時に多価カルボン酸とオキサゾリンの両者を
混合し、溶融注型を行なうと加工途中でゲル化したり、
重合が不均一に進行して成形品の性能分布が不均質にな
るなどの欠点を有する。さらに、これら多価カルボン酸
とオキサゾリンとの混合溶液を塗料として用いるばあい
は、貯蔵時に反応が進行してゲル化するなどの欠点を有
する。したがって、オキサゾリン化合物と多官能性化合
物との反応を調整する触媒の開発、とくに産業上の利用
性が高いオキサゾリン化合物と縮合反応性原子団を有す
る多官能性化合物との重合法の開発が要望されている。 [発明の概要] 本発明者らは叙上の実情に鑑み、前記諸問題が解消さ
れた高性能高分子化合物の製造法を開発する目的で鋭意
研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。 すなわち本発明は、オキサゾリン誘導体と多官能性化
合物とを触媒の存在下で反応せしめる高分子化合物の製
造法であって、オキサゾリン誘導体が一般式(I):(式中、R1はl価の脂肪族、脂環式または芳香族炭化水
素残基、R2、R3、R4およびR5は同種または異種の炭素数
1〜4のアルキル基または水素を表わし、lは1〜4の
整数である)で示され、多官能性化合物が一般式(I
I): X−A−(Y) (II) 〔式中X及びYは−OH、−NH2、−SH、 および の1種または2種以上から選ばれる縮合反応性原子団
(ただし、Yは−COOHではない)であり、Aは(m+
1)価の炭化水素残基、または−O−、−S−、−S−
S−、 の少なくとも1個含み全体で(m+1)価の炭化水素残
基を表わし、mは1〜20の整数である。〕で示されるも
のであり、且つ触媒として塩化ホスホニトリル、臭化ホ
スホニトリル、ヨウ化ホスホニトリルから選ばれるホス
ホニトリル化合物を用いることを特徴とするオキサゾリ
ン誘導体を出発原料とする高分子化合物の製造法に係
る。 本発明者らは多価カルボン酸以外の縮合反応性原子団
を有する多価官能性化合物とオキサゾリン誘導体との重
合反応に用いる触媒について種々研究を重ねた結果、含
リン化合物、とくにホスホニトトリル化合物が選択性に
富んだ触媒であることを見出し、この触媒が高性能高分
子化合物の直接合成法、予め前駆物質を製造したのち多
段階反応せしめることによる多段階合成法、溶融重合
法、溶液重合法など種々の合成法に好適に使用しうるこ
とを見出し、本発明の高性能化合物の製造法を開発する
に至ったものである。 本発明の製造法によってえられる高分子化合物は、と
くに良好な耐熱性、耐薬品性、寸法安定性、機械的強度
が要求される各種成形材料、塗料、接着剤、金属被覆
材、フィルムなどに使用するに好適な高性能高分子化合
物である。また、最近高性能品質が要求されている電子
部品またはそれらの製造工程に用いられる製造素材など
にも適用可能な高分子化合物である。 本発明の製造法の有利な点としては、 (1)従来使用することができなかったアミノ化合物、
水酸基含有化合物など多価カルボン酸化合物以外の化合
物とオキサゾリン誘導体とから高分子化合物をうること
ができるため、高分子化合物の分子設計が容易になるこ
と、 (2)従来使用することができなかった安価な化合物を
使用することができるため、産業上の利用価値が高めら
れること、 (3)重合条件の調整が容易であるため、各種用途に最
適な合成法を選択しうること、および (4)固相反応以外に溶液反応としても実施可能である
ため、成形品の製造、成形品の製造、成形前駆物質の製
造に直接適用することができ、また樹脂溶液、塗料など
各種の形態において適用しうること などであり、極めて産業上の利用性が高いものである。 [実施例] 本発明に用いられるオキサゾリン誘導体は一般式
(I):(式中、R1はl価の脂肪族、脂環式または芳香族炭化水
素残基、R2、R3、R4およびR5は同種または異種の低級ア
ルキル基または水素を表わし、lは1〜4の整数であ
る)で示される1種または2種以上のものである。 一般式(I)におけるR1としては、たとえばメタン、
エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサンなどの
炭素数1〜20個程度の飽和脂肪族炭化水素の残基;エチ
レン、プロピレン、ブテン、ペンテンなどの炭素数2〜
20個程度の不飽和脂肪族炭化水素の残基;シクロブタ
ン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘキセン
などの炭素数4〜30個程度の脂環式炭化水素の残基;ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレンなどの炭素数
6〜30個程度の芳香族炭化水素の残基などがあげられ
る。 R2、R3、R4およびR5で示される低級アルキル基として
は、たとえばメタル、エチル、プロピル、ブチルなどの
炭素数1〜4個程度のアルキル基があげられる。 lは1〜4個の整数であるが、一般には1〜2のもの
を用いる。オキサゾリン誘導体として、一般式(I)に
おいてlが相異なる2種以上の化合物を混合して用いる
ときは、混合物全体のlの平均値を1.5〜3、好ましく
は1.5〜2.5の範囲に調整して用いるのが好ましい。前記
平均値が1.5未満であるとえられる高分子化合物が熱可
塑性となり、耐熱性が低下する。一方3を超えると耐熱
性、耐薬品性は向上するがゲル化が急速に進んで反応調
整が困難なり、組成ゲルが不均一な高分子化合物が生成
しやすくなる。 一般式(I)で示されるオキサゾリン誘導体の具体例
としては、たとえば2−フェニル−Δ−オキサゾリ
ン、2−(3−シクロヘキセニル)−Δ−オキサゾリ
ン、2−メチル−Δ−オキサゾリン、2−エチル−Δ
−オキサゾリン、2−プロピル−Δ−オキサゾリ
ン、2,4,5−トリメチル−Δ−オキサゾリン、1,2−ビ
ス−(Δ−オキサゾリニル−2)ベンゼン、1,3−ビ
ス−(Δ−オキサゾリニル−2)ベンゼン、1,4−ビ
ス−(Δ−オキサゾリニル−2)ベンゼン、1,2−ビ
ス−(Δ−オキサゾリニル−2)シクロヘキサン、1,
3−ビス−(Δ−オキサゾリニル−2)シクロヘキサ
ン、1,4−ビス−(Δ−オキサゾリニル−2)シクロ
ヘキサン、1,1−ビス−(Δ−オキサゾリニル−2)
メチレン、1,2−ビス−(Δ−オキサゾリニル−2)
エチレン、1,3−ビス−(Δ−オキサゾリニル−2)
プロパン、1,4−ビス−(Δ−オキサゾリニル−2)
ブタン、1,3−ビス−(4,4,5,5−テトラメチル−Δ
オキサゾリニル−2)シクロヘキサン、1,4−ビス−
(4,4−ジメチル−3,3−ジプロピル−Δ−オキサゾリ
ニル−2)ベンゼン、1,2,4−トリス−(Δ−オキサ
ゾリニル−2)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス−(Δ
−オキサゾリニル−2)ベンゼン、1,2,4,5−テトラ
キス−(Δ−オキサゾリニル−2)シクロヘキサンな
どがあげられる。 本発明に用いられる多官能性化合物としては、一般式
(II): X−AY) (II) (式中、Xは縮合反応性原子団、Yは−COOH以外の縮合
反応性原子団、Aは(m+1)価の炭化水素残基または
−O−、−S−、−S−S−、 など、またそれらを少なくとも1個含み全体で(m+
1)価の炭化水素残基を表わし、mは1〜20の整数であ
る)で示されるものがあげられる。縮合反応性原子団と
しては、たとえば−OH、=NH、−SH、 などがあげられる。 一般式(II)においてAで表される基のうち(m+
1)価の炭化水素残基としては、脂肪族、脂環式または
芳香族炭化水素の1種または2種以上が結合した炭化水
素残基があげられ、その炭素数はとくに制限されない。
炭素数の大きなものを用いるとえられる高分子化合物は
多官能性化合物の性質を強く受け継ぎ、炭素数が小さな
ものを用いるとオキサゾリン誘導体の単独重合体に近い
性質を示す傾向にある。通常、好ましい炭素数は2〜60
個である。なお本発明の方法においては、単独では高分
子化しないような60個を超す炭素数の多官能性化合物を
も高分子化することができる。 前記炭化水素残基Aの好ましい具体例としては、メタ
ン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサンな
どの炭素数1〜20個程度の飽和脂肪族炭化水素残基:エ
チレン、プロピレン、ブテン、ペンテンなどの炭素数2
〜20個程度の不飽和脂肪族炭化水素残基:シクロブタ
ン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの炭素数4〜
30個程度の脂環炭化水素残基;ベンゼン、トルエン、キ
シレン、ナヘタレンなどの炭素数6〜30個程度の芳香族
炭化水素残基;それらの同種または異種の炭化水素残基
が2個以上直接または−O−、−S−、−S−S−、 などを介して結合したものがあげられる。縮合反応性原
子団XおよびYの個数(m+1)は、1分子中に2〜21
個程度、通常2〜5個が好ましい。mが大きすぎると、
オキサゾリン誘導体の単独重合体と同様にえられる高分
子化合物の耐熱性、体薬品性は向上するが、ゲル化が急
速に進むため反応の調整が困難となり、不均一な組成の
高分子化合物が生成しやすくなる傾向にある。 多官能性化合物の縮合反応性原子団の1つとして−CO
OHを採用するばあいは、その数を1個にすることが重要
である。すなわち、−COOHを2個以上含む多価カルボン
酸はオキサゾリン誘導体と反応しやすく、重合反応の調
整が困難であり、貯蔵安定性がわるく、また重合反応時
にゲル化したりするので適当ではない。ところが、−CO
OHを1個含む多官能性化合物は触媒の不存在下ではオキ
サゾリン誘導体と反応しても重合反応が進行したりゲル
化したりせず、安定なプレポリマーとして貯蔵安定性に
優れている。したがって、−COOHのみをオキサゾリン誘
導体と反応させてプレポリマーを調整し、該プレポリマ
ーを粉末、液状物または溶液の形で貯蔵しておき、使用
直前に触媒を加えて残りの縮合反応性原子団とオキサゾ
リン誘導体との反応を完結させるという多段階反応法を
採用することができる。この方法が採用可能になること
により、本発明でえられる高分子化合物の用途、使用形
態を大幅に拡大することができる。たとえば塗料、イン
クなどに利用でき、またシート、フィルム、各種成形品
などの種々の形に成形することができ、さらに使用また
は成形条件たとえば溶液粘度、溶融粘度、成形圧力、成
形温度などの調整も容易になる。 本発明に用いる多官能性化合物の具体例としては、た
とえば HSR6−OnR6−SH (nは1〜10000の整数、R6はC2〜6のアルキレン
基)、パラヒドロキシフェニルプロピオン酸をバルク重
合することによってえられるオリゴマー、 (R7は二価の置換または非置換の炭化水素基、−S−、
−O−、 (R7はいずれも前記と同じ)などがあげられる。 本発明で用いるオキサゾリン誘導体および多官能性化
合物は、単に混合または溶解混合して加熱しても反応し
ないかまたは増粘するだけであるが、触媒を加えること
によりすぐれた高分子化合物がえられる。 本発明にもっとも有効な触媒はホスホニトリル化合物
であり、そのうち一般式: または (式中、E1、E2、E3、Z1、Z2、Z3は同じかまたは異な
り、それぞれハロゲン原子、水素原子、アミノ基、置換
または非置換の1価の炭化水素残基、水酸基、アルコキ
シ基、グリシドキシ基を表わし、aは6〜100の整数、
bは2〜10の整数である)で示されるホスホニトリル化
合物、またはそれらの共重合体もしくは共縮合体が好ま
しい。とくに分子中に少なくとも1個のハロゲン原子を
有するものが好ましい。 好ましい触媒としては、たとえば塩化ホスホニトリ
ル、臭化ホスホニトリル、ヨウ化ホスホニトリル、アル
コキシホスホニトリル、アリールオキシホスホニトリ
ル、アミノホスホニトリル、シアン化ホスホニトリルな
どの1種または2種以上があげられ、とくに塩化ホスホ
ニトリルが好ましい。オキサゾリン環と縮合反応性原子
団との反応を助けるための助触媒を使用し、その反応を
調整してもよい。助触媒としては求電子試薬が好まし
く、たとえばヘキサプロポキシホスホニトリル、ヘキサ
ブトキシホスホニトリル、などの単量体または縮合体な
どのハロゲン原子を含まないホスホニトリル化合物;BF3
・Et2O、SbF5、SnCl4などのフリーデルクラフツ触媒;H2
SO4、HI、HClO4、P−トルエンスルホン酸またはそれら
のオキサゾリニウム塩などの水素酸またはそのオキサゾ
リニウム塩;(Me)2SO2、P−CH3 C6 H4SO3 CH3などの
硫酸エステルまたはスルホン酸エステル;CH3I、CH3 CH2
Iなどのヨウ化アルキル化合物;フェニルジクロルホス
フィン、ジフェニルクロルホスフィン、トリフェニルホ
スフィン、トリフェニルホスファイト、トリフェニルホ
スフェートなどの含リン化合物などがあげられ、それら
の1種または2種以上が使用されうる。助触媒は重合速
度の調整のほか、成形時粘度調整、溶液の貯蔵安定性の
改善などに有効である。 本発明の方法におけるオキサゾリン誘導体と多官能性
化合物との触媒存在下の反応機構は複雑であり、充分解
明されていない。したがって、使用する原料、えられる
高分子化合物の用途などによって本発明の方法の具体的
様態は異なるが、一般にオキサゾリン誘導体中に含まれ
る開環可能なオキサゾリン環1個に対し、縮合反応性原
子団が0.1〜1個、好ましくは0.3〜0.7個となるように
多官能性化合物を用いればよい。縮合反応性原子団が少
なすぎるとオキサゾリン誘導体の単独重合体の性質が強
くなり、耐熱性の面で充分なものがえられず、縮合反応
性原子団が多すぎると高分子量化しにくい傾向にある。 耐熱性および耐衝撃性に優れた高分子化合物を製造す
るには、たとえばオキサゾリン環を2個もつオキサゾリ
ン誘導体2モルと2官能性化合物1モルとを反応させて
2官能性化合物1分子にオキサゾリン誘導体が2分子結
合した前駆体を生成せしめ、ついで触媒によりオキサゾ
リン環を開環させて格子状の高分子化合物にすればよ
い。 なお、本発明においてはオキサゾリン誘導体および多
官能性化合物共、それぞれ同種のものでも異種のものを
混合して用いてもよい。混合して使用するばあいは、オ
キサゾリン誘導体中のオキサゾリン環の平均数が1.5〜
2.5多官能性化合物中の縮合反応性原子団の平均数が1.5
〜2.5となるようにするのが好ましい。 触媒の使用量は使用するオキサゾリン誘導体、多官能
性化合物の種類、高分子化合物の用途などによって異な
るが、通常オキサゾリン誘導体と多官能性化合物の混合
物100部(重量部、以下同様)に対し、0.001〜10部、好
ましくは0.01〜5部である。触媒の量が少なすぎると重
合速度が遅くなり反応時間が長くなるほか、ばあいによ
っては重合反応が進行しないこともある。逆に多すぎる
と、重合速度が速くなりすぎて注型、成形に要する可使
時間が極端に短くなり、製造加工操作が困難になるう
え、重合が均一に行なわれず、品質にバラツキが生ずる
惧れがある。助触媒を使用するばあいは、オキサゾリン
誘導体と多官能性化合物との混合物100部に対し、0.001
〜10部、好ましくは0.01〜5部用いればよい。使用量が
少なすぎると用いる効果がえられず、多すぎると助触媒
が生成した高分子化合物中に残存し、高分子化合物の物
性を劣化させることがある。 本発明においては、オキサゾリン誘導対と多官能性化
合物とを触媒の存在下に単に混合加熱するだけ優れた特
性を有する高分子化合物が容易にえられるが、高分子化
合物の使用形態や用途などにより種々の重合法を採用す
ることができる。それらの重合法の代表例をつぎにあげ
る。 (1)オキサゾリン誘導体と多官能性化合物と触媒を混
合し加熱溶融する。 (2)オキサゾリン誘導体と多官能性化合物とを混合し
加熱溶融したのち触媒を加える。 (3)オキサゾリン誘導体と多官能性化合物とを織布な
どに含浸せしめ、ついで触媒液に接触させたものを加熱
または加圧下に加熱する。 (4)オキサゾリン誘導体と多官能性化合物とを溶媒に
溶解したものを調製しておき、使用時に触媒を加えて加
熱する。 溶媒としては不活性溶媒が好ましい。なお、縮合反応
性原子団を有する化合物も溶媒として使用できるが、重
合反応に影響を与えるので、それらの溶媒を共重合させ
る目的以外では使用しないようにするのが好ましい。 えられる高分子化合物のオキサゾリン誘導体ユニット
および多官能性化合物ユニットの割合、重合度などは、
出発原料の種類や反応条件などを選定することにより容
易に調製することができる。 本発明でえられる高分子化合物は種々の成形法で各種
の成形体、シート、積層材、繊維などに成形することが
できるほか、塗料、接着剤などの成分としても利用でき
る。また、成形時などに他の添加剤、たとえば成形用充
填剤、補強剤、着色材などを配合してもよい。 つぎに本発明の方法を実施例をあげて説明するが、本
発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。 実施例1 1,3−ビス(Δ−オキサゾニル−2)ベンゼン(以
下、OZ−1という)とパラヒドロキシフェニルアセティ
ックアシッド(以下、PHPAという)を第1表に示す割合
で混合し、150℃で加熱溶融したのち塩化ホスホニトリ
ルを添加したものを150℃に余熱したフッ素樹脂ライニ
ング金型に流し込み、150℃で熟成硬化させた。ゲル化
に要した時間、えられた成形物の色調および硬度を第1
表に示す。 実施例2 オキサゾリン誘導体としてOZ−1を第2表に示す量使
用し、多官能性化合物および触媒として第2表に示すも
のを同表に示す量用いたほかは実施例1と同様にして成
形体をえた。えられた成形体の性状を実施例1と同様に
して調べた。結果を第2表に示す。 実施例3 冷却管、チッ素導入管、撹拌機および温度計が装備さ
れた四つ口フラスコにOZ−1を75g、PHPAを25g、キシレ
ンを200g、N−メチル−2−ピロリドンを200g仕込み、
チッ素を導入しながら撹拌下に120℃に加熱して溶解さ
せ、さらにプロピオキシホスホニトリルを2g加え、チッ
素を導入しながら撹拌しつつ150℃に昇温し、3時間反
応させたのち室温まで冷却し、淡黄褐色透明の溶液をえ
た。 えられた溶液の20℃における粘度は32.6cPであり、JI
S K 5400に準拠した不揮発分の測定結果は19.5%であっ
た。 この溶液100部に対し塩化ホスホニトリル0.2部を加え
て均一溶解させたのち、この溶液をスプレー塗布装置に
より銅板(純度99.99%)上に塗布後、150℃に調整した
恒温乾燥器にて30分間焼付乾燥して膜厚10μm(乾燥膜
厚)の塗膜を形成した。 この塗膜につきJIS K 5400に準拠してつぎの試験を行
なった。 硬度:8H ゴバン目テスト:10点 描画:20/20 エリクセン:5.6 衝撃試験(1/2″、500g×50時間):合格 また、200℃の恒温乾燥器中に100時間放置したのち屈
曲試験(3φ)は合格でかつゴバン目テストも10点であ
り、耐熱性にも優れていた。さらに塗布前の溶液を密閉
容器に入れて20℃の恒温室中に6カ月静置したところ粘
度は変化せず、貯蔵安定性も優れていた。 実施例4 多官能性化合物として第3表に示す化合物を50部のOZ
−1に対して50部用い、溶媒として第3表に示す化合物
を用いたほかは実施例3と同様にした銅板およびアルミ
ニウム板(純度99.9%)上に硬化塗膜を形成させた。え
られた塗膜の硬度および耐熱性(200℃、100時間)を調
べた。結果を第3表に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−90219(JP,A) 特公 昭44−29666(JP,B1) 特公 昭46−41608(JP,B1) 特公 昭47−49059(JP,B1) 特公 昭52−24080(JP,B1) 特公 昭57−10886(JP,B2) 米国特許4014880(US,A) 米国特許4430491(US,A) 米国特許4326067(US,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.オキサゾリン誘導体と多官能性化合物とを触媒の存
    在下で反応せしめる高分子の製造法であって、オキサゾ
    リン誘導体が一般式(I): (式中、R1はl価の脂肪族、脂環式または芳香族炭化水
    素残基、R2、R3、R4およびR5は同種または異種の炭素数
    1〜4のアルキル基または水素を表わし、lは1〜4の
    整数である)で示され、多官能性化合物が一般式(I
    I): X−A(Y) (II) 〔式中X及びYは−OH、−NH2、−SH、 および の1種または2種以上から選ばれる縮合反応性原子団
    (ただし、Yは−COOHではない)であり、Aは(m+
    1)価の炭化水素残基、または−O−、−S−、−S−
    S− の少なくとも1個含み全体で(m+1)価の炭化水素残
    基を表わし、mは1〜20の整数である〕で示されるもの
    であり、且つ触媒として塩化ホスホニトリル、臭化ホス
    ホニトリル、ヨウ化ホスニトリルから選ばれるホスホニ
    トリル化合物を用いることを特徴とするオキサゾリン誘
    導体を出発原料とする高分子化合物の製造方法。
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