JP2686508B2 - 高密度粒状石けんの製造方法 - Google Patents
高密度粒状石けんの製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は高密度粒状石けんの製造方法に関し、更に詳
しくは界面活性剤成分中に70重量%以上の脂肪酸石けん
を含有する粒状石けんであって、水への溶解性が高く、
少量で優れた洗濯効果を有する高密度粒状石けんの製造
方法に関する。 〔従来の技術〕 従来、家庭における洗濯用として溶解性が良く、取扱
い易いことから、噴霧乾燥法による粒状(又は粉末)石
けん、粒状(又は粉末)合成洗剤が広く用いられてい
る。しかしながら従来のこの種の粒状石けん、粒状合成
洗剤は嵩密度(以下、単に密度という。)が0.2〜0.4g/
cm3と比較的低密度であるため嵩張り、製品の運搬(持
ち運び)に不便を伴うとい問題があった。このため近
年、より高密度化した粒状石けん、粒状合成洗剤が開発
されており、この種の高密度の粒状石けん、粒状合成洗
剤の製造方法として、例えば特定の構造の翼を有する横
型混合造粒装置内に脂肪酸石けん、合成界面活性剤及び
ビルダーを投入して解砕、混合、造粒化を行なう方法
(特開昭62−86099号公報)、界面活性剤とビルダーを
含有する洗剤の噴霧乾燥生成物を、アルミノ珪酸塩、二
酸化珪素、タルク、クレイ、金属石けん等の表面改質剤
の存在下に造粒する方法(特開昭61−64798号公報 )
等が提案されている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら前者の方法は針状、フレーク状、ブロッ
ク状の石けんを解砕してから造粒するものであるため石
けんの解砕工程に時間を要し、製造効率が悪く、大量生
産にも不向きであるとともに、得られた粒状石けんは水
への溶解性が悪いという欠点を有している。また後者の
方法で表面改質剤として用いるアルミノ珪酸塩、二酸化
珪素、タルク、クレイ、金属石けん等は水不溶性であ
り、このため吸湿によってケーキングし易い合成洗剤の
場合に吸湿を防止するためにはこのような表面改質剤を
用いる必要があっても、表面改質剤が不溶性であるため
に、洗濯後の衣類等に表面改質剤が付着して衣類等を汚
染するという問題がある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らは上記の点に鑑み鋭意研究した結果、界面
活性剤成分中に70重量%以上の脂肪酸石けんを含有する
スラリーの噴霧乾燥物を粉砕するとともに、特定量の水
溶性無機ビルダー粉末を添加して再造粒することによ
り、従来の粒状石けんに比して高密度で嵩張らず、取扱
い易さが向上し、少量で充分な洗濯効果が得られ、しか
も驚くべきことに、従来の粒状石けんよりも水への溶解
性に優れた造粒石けんを効率よく製造できることを見出
し本発明を完成するに至った。 即ち本発明は、界面活性剤成分中に70重量%以上の脂
肪酸石けんを含む石けんスラリーを噴霧乾燥した後、噴
霧乾燥して得た粒状石けんを粉砕し、次いで該粉砕物に
粉砕物100重量部当たり1〜20重量部の水溶性無機ビル
ダー粉末を添加して再造粒して元の粒子の密度より高密
度の粒状石けんとすることを特徴とする高密度粒状石け
んの製造方法を要旨とするものである。 本発明において石けんスラリーとは脂肪酸石けんを70
重量%以上含む界面活性剤とビルダーを主成分とし、更
に水を含有する混合物であり、界面活性剤として脂肪酸
石けんのみを用いる場合も含まれる。脂肪酸石けんとし
てはアルキル基及び/又はアルケニル基の炭素数7〜21
程度の脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩等が用いられ
る。上記脂肪酸としては例えばカプリル酸、カプリン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、ベヘン酸、カプロレイン酸、ラウロレン酸、オ
レイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸やヤ
シ油、パーム核油、大豆油、豚脂、牛脂の動植物油脂の
脂肪酸、あるいはこれら動植物油脂の硬化油、魚油硬化
油等の硬化油の脂肪酸、更には上記動植物油脂のエステ
ル交換油、分別油の脂肪酸等が挙げられる。これら脂肪
酸石けんは界面活性剤成分中の70重量%以上であること
が必要である。 石けん以外の界面活性剤としては例えば直鎖アルキル
サルフェート塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級ア
ルコールエトキシサルフェート塩、アルキルスルホン酸
塩等のアニオン係界面活性剤、ポリオキシアルキレンア
ルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニ
ルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エーテル、脂
肪酸アルキロールアミド等のノニオン系界面活性剤ある
いはアルキルベタイン型、アミノ酸型、スルホベタイン
型等の両性界面活性剤が用いられる。 石けんスラリーを構成する他方の成分であるビルダー
としては炭酸ナトリウム(ソーダ灰)、セスキ炭酸ナト
リウム、珪酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、トリポリリ
ン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、アルミノ珪酸
塩等が挙げられる。また必要に応じてEDTA等の金属イオ
ン捕集剤、ポリエチレングリコール等の汚垢分散剤、CM
C等の再汚染防止剤あるいは着色剤、螢光染料等を添加
することもできる。 本発明においてはまず上記スラリーを噴霧乾燥するが
(以下、この噴霧乾燥によって得た粒状石けんを一次粒
子と称する)、噴霧乾燥を効率良く行うために、スラリ
ー中の水分は25〜50重量%が好ましい。またスラリー中
の界面活性剤とビルダーとの比率は重量比で界面活性
剤:ビルダー=1:0〜1:4が好ましい。得られた一次粒子
は密度が通常0.2〜0.4g/cm3程度である。また一次粒子
は、水分含有量が5〜15重量%となるように噴霧乾燥す
ることが好ましい。 次いで上記一次粒子を粉砕し、該粉砕物に水溶性無機
ビルダーを添加して再造粒するが(以下、この再造粒に
よって得た粒状石けんを二次粒子と称する。)、上記水
溶性無機ビルダーとしては特に珪酸ナトリウム、炭酸ナ
トリウム、硫酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウ
ム、メタリン酸ナトリウムが好ましく、これらは単独又
は2種以上混合して用いることができる。水溶性無機ビ
ルダーの添加量は一次粒子(一次粒子の粉砕物)100重
量部当たり1〜20重量部であるが、特に5〜15重量部が
好ましい。一次粒子の粉砕、再造粒にはハイスピードミ
キサー、ヘンシェルミキサー、バーチカルミキサー、バ
ーチカルグラニュレーター等や、各種粉砕機と造粒機
(例えばトラム型等)とを組合せて用いることができ、
粉砕、再造粒時間は2〜15分程度である。再造粒工程に
おいては必要に応じて前記EDTAの如き金属イオン捕集剤
や香料等を添加することもできる。また一次粒子中の水
分含有量が前記範囲より少ない場合には、再造粒時に水
を添加してもよい。更に必要に応じて再造粒時にポリビ
ニルアルコール(PVA)、カルボキシメチルセルロース
(CMC)等の他のバインダーを添加することもできる
が、これらのバインダーはスラリー中に予め添加してお
いてもよい。これらのバインダーの添加量は二次粒子10
0重量部当り0.5〜5重量部含まれるように添加すること
が好ましい。再造粒によって一次粒子より高密度の粒状
石けん(二次粒子)が得られるが、この二次粒子の密度
は通常0.5〜0.9g/cm3である。 〔実施例〕 以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。 実施例1〜7 第1表の組成のスラリーを噴霧乾燥(熱風温度150〜2
00℃)し、第2表に示す密度、平均粒径の一次粒子を得
た。次いでこの一次粒子をハイスピードミキサー(深江
工業(株)製、FS−GS10型)により2〜3分粉砕した
後、一次粒子100重量部当り第2表に示す水溶性無機ビ
ルダーを添加して4〜6分間再造粒した。尚、実施例1
〜2に関しては造粒の際に水2重量部を加えた。得られ
た二次粒子の性状を第2表に示す。また得られた二次粒
子の水溶解性試験、洗濯試験を以下の条件で試験した結
果を第2表にあわせて示す。 水溶解性試験 容量50の洗濯機に水道水30を入れて25℃にした
後、撹拌しながら試料(石けん)40gを投入し、15秒お
きにビーカーで洗濯液をすくい上げ、不溶性の粒子が認
められなくなるまでの時間を測定した。 洗濯試験 30の水道水に試料40gを使用してJISK3303 5・7に
基き試験した。 またかき混ぜ式試験機としてはターゴトメーターを使
用した。 比較例1 実施例1と同様にして得た一次粒子を実施例1と同様
のハイスピードミキサーで同様の条件で粉砕した後、一
次粒子100重量部当り10重量部のアルミノ珪酸塩を添加
して実施例1と同様の条件で再造粒を行なった。得られ
た二次粒子の性状を第2表に示す。またこの二次粒子を
用いて実施例と同様の条件で水溶解性試験、洗濯試験を
行った結果を第2表に示す。 比較例2 押出し成形後、粉砕し、次いで再造粒して製造された
市販の粒状石けん(複合石けん)を用いて上記と同様の
水溶解性試験、洗濯試験を行なった結果を第2表に示
す。 〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明方法は界面活性剤成分中
に70重量%以上の脂肪酸石けんを含む石けんスラリーを
噴霧乾燥して得た一次粒子を粉砕し、該粉砕物100重量
部当たり1〜20重量部の水溶性無機ビルダー粉末を添加
して再造粒する方法を採用したことにより、元の粒子の
密度より高密度を有し、従来のものに比して持ち運び等
の運搬時の取扱い性を向上でき、少量で優れた洗濯性を
有する高密度粒状石けんを効率よく製造でき、大量生産
性にも優れている。また本発明方法では界面活性剤成分
中に脂肪酸石けんを70重量%以上含む石けんスラリーを
用いているため、石けん以外の合成界面活性剤を界面活
性剤成分中に多量に含む合成洗剤の場合のように、再造
粒の際に不溶性のアルミノ珪酸塩等によって粒子表面を
被覆せずとも吸湿によってケーキングを生じる虞れが少
ないから、不溶性のアルミノ珪酸塩等を使用せずにす
み、この結果、本発明により得られる粒状石けんは水へ
の溶解性を低下させる虞れがないばかりか、従来の、噴
霧乾燥しないで造粒した粒状石けんよりも更に優れた水
溶解性を有するとともに、少量で優れた洗濯性を有する
等の種々の効果を有する。
しくは界面活性剤成分中に70重量%以上の脂肪酸石けん
を含有する粒状石けんであって、水への溶解性が高く、
少量で優れた洗濯効果を有する高密度粒状石けんの製造
方法に関する。 〔従来の技術〕 従来、家庭における洗濯用として溶解性が良く、取扱
い易いことから、噴霧乾燥法による粒状(又は粉末)石
けん、粒状(又は粉末)合成洗剤が広く用いられてい
る。しかしながら従来のこの種の粒状石けん、粒状合成
洗剤は嵩密度(以下、単に密度という。)が0.2〜0.4g/
cm3と比較的低密度であるため嵩張り、製品の運搬(持
ち運び)に不便を伴うとい問題があった。このため近
年、より高密度化した粒状石けん、粒状合成洗剤が開発
されており、この種の高密度の粒状石けん、粒状合成洗
剤の製造方法として、例えば特定の構造の翼を有する横
型混合造粒装置内に脂肪酸石けん、合成界面活性剤及び
ビルダーを投入して解砕、混合、造粒化を行なう方法
(特開昭62−86099号公報)、界面活性剤とビルダーを
含有する洗剤の噴霧乾燥生成物を、アルミノ珪酸塩、二
酸化珪素、タルク、クレイ、金属石けん等の表面改質剤
の存在下に造粒する方法(特開昭61−64798号公報 )
等が提案されている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら前者の方法は針状、フレーク状、ブロッ
ク状の石けんを解砕してから造粒するものであるため石
けんの解砕工程に時間を要し、製造効率が悪く、大量生
産にも不向きであるとともに、得られた粒状石けんは水
への溶解性が悪いという欠点を有している。また後者の
方法で表面改質剤として用いるアルミノ珪酸塩、二酸化
珪素、タルク、クレイ、金属石けん等は水不溶性であ
り、このため吸湿によってケーキングし易い合成洗剤の
場合に吸湿を防止するためにはこのような表面改質剤を
用いる必要があっても、表面改質剤が不溶性であるため
に、洗濯後の衣類等に表面改質剤が付着して衣類等を汚
染するという問題がある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らは上記の点に鑑み鋭意研究した結果、界面
活性剤成分中に70重量%以上の脂肪酸石けんを含有する
スラリーの噴霧乾燥物を粉砕するとともに、特定量の水
溶性無機ビルダー粉末を添加して再造粒することによ
り、従来の粒状石けんに比して高密度で嵩張らず、取扱
い易さが向上し、少量で充分な洗濯効果が得られ、しか
も驚くべきことに、従来の粒状石けんよりも水への溶解
性に優れた造粒石けんを効率よく製造できることを見出
し本発明を完成するに至った。 即ち本発明は、界面活性剤成分中に70重量%以上の脂
肪酸石けんを含む石けんスラリーを噴霧乾燥した後、噴
霧乾燥して得た粒状石けんを粉砕し、次いで該粉砕物に
粉砕物100重量部当たり1〜20重量部の水溶性無機ビル
ダー粉末を添加して再造粒して元の粒子の密度より高密
度の粒状石けんとすることを特徴とする高密度粒状石け
んの製造方法を要旨とするものである。 本発明において石けんスラリーとは脂肪酸石けんを70
重量%以上含む界面活性剤とビルダーを主成分とし、更
に水を含有する混合物であり、界面活性剤として脂肪酸
石けんのみを用いる場合も含まれる。脂肪酸石けんとし
てはアルキル基及び/又はアルケニル基の炭素数7〜21
程度の脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩等が用いられ
る。上記脂肪酸としては例えばカプリル酸、カプリン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、ベヘン酸、カプロレイン酸、ラウロレン酸、オ
レイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸やヤ
シ油、パーム核油、大豆油、豚脂、牛脂の動植物油脂の
脂肪酸、あるいはこれら動植物油脂の硬化油、魚油硬化
油等の硬化油の脂肪酸、更には上記動植物油脂のエステ
ル交換油、分別油の脂肪酸等が挙げられる。これら脂肪
酸石けんは界面活性剤成分中の70重量%以上であること
が必要である。 石けん以外の界面活性剤としては例えば直鎖アルキル
サルフェート塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級ア
ルコールエトキシサルフェート塩、アルキルスルホン酸
塩等のアニオン係界面活性剤、ポリオキシアルキレンア
ルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニ
ルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エーテル、脂
肪酸アルキロールアミド等のノニオン系界面活性剤ある
いはアルキルベタイン型、アミノ酸型、スルホベタイン
型等の両性界面活性剤が用いられる。 石けんスラリーを構成する他方の成分であるビルダー
としては炭酸ナトリウム(ソーダ灰)、セスキ炭酸ナト
リウム、珪酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、トリポリリ
ン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、アルミノ珪酸
塩等が挙げられる。また必要に応じてEDTA等の金属イオ
ン捕集剤、ポリエチレングリコール等の汚垢分散剤、CM
C等の再汚染防止剤あるいは着色剤、螢光染料等を添加
することもできる。 本発明においてはまず上記スラリーを噴霧乾燥するが
(以下、この噴霧乾燥によって得た粒状石けんを一次粒
子と称する)、噴霧乾燥を効率良く行うために、スラリ
ー中の水分は25〜50重量%が好ましい。またスラリー中
の界面活性剤とビルダーとの比率は重量比で界面活性
剤:ビルダー=1:0〜1:4が好ましい。得られた一次粒子
は密度が通常0.2〜0.4g/cm3程度である。また一次粒子
は、水分含有量が5〜15重量%となるように噴霧乾燥す
ることが好ましい。 次いで上記一次粒子を粉砕し、該粉砕物に水溶性無機
ビルダーを添加して再造粒するが(以下、この再造粒に
よって得た粒状石けんを二次粒子と称する。)、上記水
溶性無機ビルダーとしては特に珪酸ナトリウム、炭酸ナ
トリウム、硫酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウ
ム、メタリン酸ナトリウムが好ましく、これらは単独又
は2種以上混合して用いることができる。水溶性無機ビ
ルダーの添加量は一次粒子(一次粒子の粉砕物)100重
量部当たり1〜20重量部であるが、特に5〜15重量部が
好ましい。一次粒子の粉砕、再造粒にはハイスピードミ
キサー、ヘンシェルミキサー、バーチカルミキサー、バ
ーチカルグラニュレーター等や、各種粉砕機と造粒機
(例えばトラム型等)とを組合せて用いることができ、
粉砕、再造粒時間は2〜15分程度である。再造粒工程に
おいては必要に応じて前記EDTAの如き金属イオン捕集剤
や香料等を添加することもできる。また一次粒子中の水
分含有量が前記範囲より少ない場合には、再造粒時に水
を添加してもよい。更に必要に応じて再造粒時にポリビ
ニルアルコール(PVA)、カルボキシメチルセルロース
(CMC)等の他のバインダーを添加することもできる
が、これらのバインダーはスラリー中に予め添加してお
いてもよい。これらのバインダーの添加量は二次粒子10
0重量部当り0.5〜5重量部含まれるように添加すること
が好ましい。再造粒によって一次粒子より高密度の粒状
石けん(二次粒子)が得られるが、この二次粒子の密度
は通常0.5〜0.9g/cm3である。 〔実施例〕 以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。 実施例1〜7 第1表の組成のスラリーを噴霧乾燥(熱風温度150〜2
00℃)し、第2表に示す密度、平均粒径の一次粒子を得
た。次いでこの一次粒子をハイスピードミキサー(深江
工業(株)製、FS−GS10型)により2〜3分粉砕した
後、一次粒子100重量部当り第2表に示す水溶性無機ビ
ルダーを添加して4〜6分間再造粒した。尚、実施例1
〜2に関しては造粒の際に水2重量部を加えた。得られ
た二次粒子の性状を第2表に示す。また得られた二次粒
子の水溶解性試験、洗濯試験を以下の条件で試験した結
果を第2表にあわせて示す。 水溶解性試験 容量50の洗濯機に水道水30を入れて25℃にした
後、撹拌しながら試料(石けん)40gを投入し、15秒お
きにビーカーで洗濯液をすくい上げ、不溶性の粒子が認
められなくなるまでの時間を測定した。 洗濯試験 30の水道水に試料40gを使用してJISK3303 5・7に
基き試験した。 またかき混ぜ式試験機としてはターゴトメーターを使
用した。 比較例1 実施例1と同様にして得た一次粒子を実施例1と同様
のハイスピードミキサーで同様の条件で粉砕した後、一
次粒子100重量部当り10重量部のアルミノ珪酸塩を添加
して実施例1と同様の条件で再造粒を行なった。得られ
た二次粒子の性状を第2表に示す。またこの二次粒子を
用いて実施例と同様の条件で水溶解性試験、洗濯試験を
行った結果を第2表に示す。 比較例2 押出し成形後、粉砕し、次いで再造粒して製造された
市販の粒状石けん(複合石けん)を用いて上記と同様の
水溶解性試験、洗濯試験を行なった結果を第2表に示
す。 〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明方法は界面活性剤成分中
に70重量%以上の脂肪酸石けんを含む石けんスラリーを
噴霧乾燥して得た一次粒子を粉砕し、該粉砕物100重量
部当たり1〜20重量部の水溶性無機ビルダー粉末を添加
して再造粒する方法を採用したことにより、元の粒子の
密度より高密度を有し、従来のものに比して持ち運び等
の運搬時の取扱い性を向上でき、少量で優れた洗濯性を
有する高密度粒状石けんを効率よく製造でき、大量生産
性にも優れている。また本発明方法では界面活性剤成分
中に脂肪酸石けんを70重量%以上含む石けんスラリーを
用いているため、石けん以外の合成界面活性剤を界面活
性剤成分中に多量に含む合成洗剤の場合のように、再造
粒の際に不溶性のアルミノ珪酸塩等によって粒子表面を
被覆せずとも吸湿によってケーキングを生じる虞れが少
ないから、不溶性のアルミノ珪酸塩等を使用せずにす
み、この結果、本発明により得られる粒状石けんは水へ
の溶解性を低下させる虞れがないばかりか、従来の、噴
霧乾燥しないで造粒した粒状石けんよりも更に優れた水
溶解性を有するとともに、少量で優れた洗濯性を有する
等の種々の効果を有する。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 伊藤 文雄
兵庫県神戸市長田区苅藻通7丁目1番4
号 ミヨシ油脂株式会社神戸工場内
(72)発明者 中野 秀樹
兵庫県神戸市長田区苅藻通7丁目1番4
号 ミヨシ油脂株式会社神戸工場内
(72)発明者 井上 大祐
兵庫県神戸市長田区苅藻通7丁目1番4
号 ミヨシ油脂株式会社神戸工場内
(72)発明者 粂川 三男
兵庫県神戸市長田区苅藻通7丁目1番4
号 ミヨシ油脂株式会社神戸工場内
(56)参考文献 特開 昭61−69898(JP,A)
特開 昭62−86099(JP,A)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.界面活性剤成分中に70重量%以上の脂肪酸石けんを
含む石けんスラリーを噴霧乾燥した後、噴霧乾燥して得
た粒状石けんを粉砕し、次いで該粉砕物に粉砕物100重
量部当たり1〜20重量部の水溶性無機ビルダー粉末を添
加して再造粒して元の粒子の密度よりも高密度の粒状石
けんとすることを特徴とする高密度粒状石けんの製造方
法。 2.水溶性無機ビルダー粉末が珪酸ナトリウム、炭酸ナ
トリウム、硫酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウ
ム、メタリン酸ナトリウムよりなる群から選ばれた一種
又は二種以上である特許請求の範囲第1項記載の高密度
粒状石けんの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62332780A JP2686508B2 (ja) | 1987-12-28 | 1987-12-28 | 高密度粒状石けんの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62332780A JP2686508B2 (ja) | 1987-12-28 | 1987-12-28 | 高密度粒状石けんの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01172500A JPH01172500A (ja) | 1989-07-07 |
JP2686508B2 true JP2686508B2 (ja) | 1997-12-08 |
Family
ID=18258743
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62332780A Expired - Lifetime JP2686508B2 (ja) | 1987-12-28 | 1987-12-28 | 高密度粒状石けんの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2686508B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB9012613D0 (en) * | 1990-06-06 | 1990-07-25 | Unilever Plc | Soap powder compositions |
JP2530800B2 (ja) * | 1992-05-29 | 1996-09-04 | 澁谷油脂株式会社 | 粒状石けんの製法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07122079B2 (ja) * | 1984-09-14 | 1995-12-25 | 花王株式会社 | 流動性の改良された高密度の粒状洗剤の製法 |
JPS6286099A (ja) * | 1985-10-12 | 1987-04-20 | 日本油脂株式会社 | 顆粒状複合石けんの製造法 |
-
1987
- 1987-12-28 JP JP62332780A patent/JP2686508B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01172500A (ja) | 1989-07-07 |
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