JP2685835B2 - 含浸型陰極の製造方法 - Google Patents
含浸型陰極の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は、含浸型陰極の製造方法に関する。
(従来の技術) 陰極線管などの電子管用陰極として、従来より多孔質
タングステンの空孔部に電子放射性物質を含浸させ、か
つこの多孔質タングステンの背面にルテニウム・モリブ
デン焼結層を形成して、電子放射性物質の蒸発を防ぐよ
うにした含浸型陰極がある。
タングステンの空孔部に電子放射性物質を含浸させ、か
つこの多孔質タングステンの背面にルテニウム・モリブ
デン焼結層を形成して、電子放射性物質の蒸発を防ぐよ
うにした含浸型陰極がある。
この含浸型陰極の製造方法としては、既に各種方法が
知られているが、その一方法として、特開昭58−44643
号公報には、つぎの方法が示されている。まずタングス
テン粉末を圧縮成形したのち、還元性雰囲気中で焼結し
て大径長大な多孔質タングステンロッドを形成する。つ
ぎにこの多孔質タングステンロッドの空孔部に銅を含浸
する。そしてこの銅含浸多孔質タングステンロッドを旋
盤加工あるいはワイヤ放電加工などにより、厚さ0.5m
m、直径30mm程度の薄板にスライスする。つぎに硝酸に
よりこの薄板中の銅を溶解、あるいは還元性雰囲気中で
加熱処理して、薄板から銅を除去し、その後、この多孔
質タングステン薄板の一方の面にルテニウムとモリブデ
ンの混合粉末と有機バインダーからなる懸濁液を滴下し
乾燥し、さらに還元性雰囲気中で約2000℃に加熱して、
多孔質タングステン薄板の一方の面にルテニウムとモリ
ブデンを溶融させて電子放射性物質の蒸発を防止するた
めのルテニウム・モリブデン混合焼結層を形成する。そ
の後還元性雰囲気中でこの多孔質タングステン薄板の空
孔部に、BaO,CaO,Al2O3からなる電子放射性物質を含浸
させる。そしてこの電子放射性物質を含浸させた多孔質
タングステン薄板を放電加工あるいはレーザ加工などに
より、所定形状寸法に切抜いて陰極とする。
知られているが、その一方法として、特開昭58−44643
号公報には、つぎの方法が示されている。まずタングス
テン粉末を圧縮成形したのち、還元性雰囲気中で焼結し
て大径長大な多孔質タングステンロッドを形成する。つ
ぎにこの多孔質タングステンロッドの空孔部に銅を含浸
する。そしてこの銅含浸多孔質タングステンロッドを旋
盤加工あるいはワイヤ放電加工などにより、厚さ0.5m
m、直径30mm程度の薄板にスライスする。つぎに硝酸に
よりこの薄板中の銅を溶解、あるいは還元性雰囲気中で
加熱処理して、薄板から銅を除去し、その後、この多孔
質タングステン薄板の一方の面にルテニウムとモリブデ
ンの混合粉末と有機バインダーからなる懸濁液を滴下し
乾燥し、さらに還元性雰囲気中で約2000℃に加熱して、
多孔質タングステン薄板の一方の面にルテニウムとモリ
ブデンを溶融させて電子放射性物質の蒸発を防止するた
めのルテニウム・モリブデン混合焼結層を形成する。そ
の後還元性雰囲気中でこの多孔質タングステン薄板の空
孔部に、BaO,CaO,Al2O3からなる電子放射性物質を含浸
させる。そしてこの電子放射性物質を含浸させた多孔質
タングステン薄板を放電加工あるいはレーザ加工などに
より、所定形状寸法に切抜いて陰極とする。
しかし、こような方法により含浸型陰極を製造する
と、銅含浸大径長大な多孔質タングステンロッドから銅
含浸多孔質タングステン薄板を形成するとき、旋盤加工
については、形成する薄板の厚みが薄いために割れが発
生しやすい。また、ワイヤ放電加工については、被化合
物が比較的強度の低いタングステン粉末の焼結体であ
り、それにワイヤー放電加工固有の欠点も加わって、加
工表面に微細な亀裂が発生し、その後所定形状寸法に切
抜かれた陰極を支持体に溶接するときに割れることがあ
る。さらに、圧縮成形により多孔質タングステンロッド
を形成するため、プレスむらによりロッド中央部と周辺
部とで約0.3g/cm3程度の比重差を生じ、一定品質のもの
が得られないという問題がある。
と、銅含浸大径長大な多孔質タングステンロッドから銅
含浸多孔質タングステン薄板を形成するとき、旋盤加工
については、形成する薄板の厚みが薄いために割れが発
生しやすい。また、ワイヤ放電加工については、被化合
物が比較的強度の低いタングステン粉末の焼結体であ
り、それにワイヤー放電加工固有の欠点も加わって、加
工表面に微細な亀裂が発生し、その後所定形状寸法に切
抜かれた陰極を支持体に溶接するときに割れることがあ
る。さらに、圧縮成形により多孔質タングステンロッド
を形成するため、プレスむらによりロッド中央部と周辺
部とで約0.3g/cm3程度の比重差を生じ、一定品質のもの
が得られないという問題がある。
他の製造方法としては、特開昭61−176803号公報に
は、多孔質タングステン薄板の一方の面にルテニウムと
モリブデンの混合液を塗布したのち焼結して、ルテニウ
ム・モリブデン混合焼結層を形成し、つぎにこのルテニ
ウム・モリブデン混合焼結層の形成された多孔質タング
ステン薄板の空孔部に電子放射性物質を含浸させ、その
後この電子放射性物質を含浸させた多孔質タングステン
薄板を所定形状寸法に切抜く方法が示されている。
は、多孔質タングステン薄板の一方の面にルテニウムと
モリブデンの混合液を塗布したのち焼結して、ルテニウ
ム・モリブデン混合焼結層を形成し、つぎにこのルテニ
ウム・モリブデン混合焼結層の形成された多孔質タング
ステン薄板の空孔部に電子放射性物質を含浸させ、その
後この電子放射性物質を含浸させた多孔質タングステン
薄板を所定形状寸法に切抜く方法が示されている。
しかし、この方法では、多孔質タングステン薄板の一
方の面にルテニウム・モリブデン混合焼結層を均一厚さ
に形成することがむずかしく、そのため、その後所定形
状寸法に切抜かれた陰極を支持体に接合するとき、ルテ
ニウム・モリブデン混合焼結層全面が支持体の接合面に
密着せず、また、剥離することがある。またそのために
支持体から陰極への熱伝導が不安定となり、安定した電
子放射が得られないという問題がある。
方の面にルテニウム・モリブデン混合焼結層を均一厚さ
に形成することがむずかしく、そのため、その後所定形
状寸法に切抜かれた陰極を支持体に接合するとき、ルテ
ニウム・モリブデン混合焼結層全面が支持体の接合面に
密着せず、また、剥離することがある。またそのために
支持体から陰極への熱伝導が不安定となり、安定した電
子放射が得られないという問題がある。
さらに、特開昭58−34539号公報には、多孔質タング
ステンの内部空孔から表面へのBaの供給を速くして安定
した供給が得られるように空孔率の大きいタングステン
層を下層とし、表面からBaの不所望な蒸発を抑えるため
に空孔率の小さいタングステン層を表面層として、電子
放射特性の経時変化を少なくした長寿命の含浸型陰極が
示されており、その積層多孔質タングステンの製造方法
として、たとえば2層構造の場合、粒径の異なる2種類
のタングステン粉末を各別に圧縮成形し、還元性雰囲気
中で焼結して各別に空孔率の異なる多孔質タングステン
薄板をつくる。つぎに機械加工性をよくするために銅を
含浸し、所定寸法に加工したのち、還元性雰囲気中で加
熱して銅を除去する。その後、空孔率の大きい多孔質タ
ングステン薄板を下層とし、空孔率の小さい多孔質タン
グステン薄板を上層(表面層)として重ね、ろう付けあ
るいは溶接などの手段により側面を接合して形成してい
る。
ステンの内部空孔から表面へのBaの供給を速くして安定
した供給が得られるように空孔率の大きいタングステン
層を下層とし、表面からBaの不所望な蒸発を抑えるため
に空孔率の小さいタングステン層を表面層として、電子
放射特性の経時変化を少なくした長寿命の含浸型陰極が
示されており、その積層多孔質タングステンの製造方法
として、たとえば2層構造の場合、粒径の異なる2種類
のタングステン粉末を各別に圧縮成形し、還元性雰囲気
中で焼結して各別に空孔率の異なる多孔質タングステン
薄板をつくる。つぎに機械加工性をよくするために銅を
含浸し、所定寸法に加工したのち、還元性雰囲気中で加
熱して銅を除去する。その後、空孔率の大きい多孔質タ
ングステン薄板を下層とし、空孔率の小さい多孔質タン
グステン薄板を上層(表面層)として重ね、ろう付けあ
るいは溶接などの手段により側面を接合して形成してい
る。
しかし、この製造方法では、積層多孔質タングステン
の小径、薄板化が容易でなく、量産性に欠ける。また、
接合面を完全に密着させることがむずかしく、陰極表面
へのBaの供給が不安定となり、安定した電子放射が得ら
れない場合がある。
の小径、薄板化が容易でなく、量産性に欠ける。また、
接合面を完全に密着させることがむずかしく、陰極表面
へのBaの供給が不安定となり、安定した電子放射が得ら
れない場合がある。
(発明が解決しようとする課題) 上記のように、従来より含浸型陰極の製造方法には、
特開昭58−44643号公報または特開昭61−176803号公報
に示されている方法など各種方法があるが、そのいずれ
も量産性に問題があり、安定した品質の含浸型陰極を歩
留りよく量産することができない。また、積層多孔質タ
ングステンを基体とするものもあるが、この含浸型陰極
についても、その製造工程が複雑でコスト高となり、し
かも安定した品質の含浸型陰極を量産することがむずか
しいという問題がある。
特開昭58−44643号公報または特開昭61−176803号公報
に示されている方法など各種方法があるが、そのいずれ
も量産性に問題があり、安定した品質の含浸型陰極を歩
留りよく量産することができない。また、積層多孔質タ
ングステンを基体とするものもあるが、この含浸型陰極
についても、その製造工程が複雑でコスト高となり、し
かも安定した品質の含浸型陰極を量産することがむずか
しいという問題がある。
この発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであ
り、安定した品質の含浸型陰極を歩留りよく量産できる
含浸型陰極の製造方法を得ることを目的とする。
り、安定した品質の含浸型陰極を歩留りよく量産できる
含浸型陰極の製造方法を得ることを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 含浸型陰極の製造方法において、タングステン粉末と
有機樹脂との混合物をシートに成形したのち2000℃程度
で焼結して多孔質タングステン薄板を形成し、その一方
の面にルテニウム・モリブデン混合物を塗布したのち焼
結して、上記多孔質タングステン薄板の一方の面にルテ
ニウム・モリブデン焼結層を形成し、このルテニウム・
モリブデン焼結層の形成された多孔質タングステン薄板
の空孔部に電子放射性物質を含浸させ、その後この電子
放射性物質の含浸された多孔質タングステン薄板から切
抜いて所定形状寸法の陰極を形成するようにした。
有機樹脂との混合物をシートに成形したのち2000℃程度
で焼結して多孔質タングステン薄板を形成し、その一方
の面にルテニウム・モリブデン混合物を塗布したのち焼
結して、上記多孔質タングステン薄板の一方の面にルテ
ニウム・モリブデン焼結層を形成し、このルテニウム・
モリブデン焼結層の形成された多孔質タングステン薄板
の空孔部に電子放射性物質を含浸させ、その後この電子
放射性物質の含浸された多孔質タングステン薄板から切
抜いて所定形状寸法の陰極を形成するようにした。
また、空孔率の異なる多層構造の多孔質タングステン
薄板からなる含浸型陰極の製造方法といて、粒径および
粒度分布の異なる複数のタングステン薄板を各別に成形
し、それらを貼合せ焼結して空孔率の異なる多層構造の
多孔質タングステン薄板を形成したのち、その空孔率の
大きい面側にルテニウム・モリブデン焼結層を形成し、
その後この多孔質タングステン薄板の空孔部に電子放射
性物質を含浸するようにした。
薄板からなる含浸型陰極の製造方法といて、粒径および
粒度分布の異なる複数のタングステン薄板を各別に成形
し、それらを貼合せ焼結して空孔率の異なる多層構造の
多孔質タングステン薄板を形成したのち、その空孔率の
大きい面側にルテニウム・モリブデン焼結層を形成し、
その後この多孔質タングステン薄板の空孔部に電子放射
性物質を含浸するようにした。
(作 用) 上記のように、タングステン粉末と有機樹脂との混合
物を薄板に成形し、その成形物を焼結して多孔質タング
ステン薄板を形成すると、旋盤加工やワイヤ放電加工な
どの機械加工を施すことなく多孔質タングステン薄板を
形成することができ、安定した品質の含浸型陰極を容易
に製造することができる。
物を薄板に成形し、その成形物を焼結して多孔質タング
ステン薄板を形成すると、旋盤加工やワイヤ放電加工な
どの機械加工を施すことなく多孔質タングステン薄板を
形成することができ、安定した品質の含浸型陰極を容易
に製造することができる。
さらに、粒径および粒度分布の異なる複数のタングス
テン薄板を各別に成形し、それらを貼合せ焼結して空孔
率の異なる多層構造の多孔質タングステン薄板を形成す
ると、従来のように複雑な工程を要することなく所要の
多層構造の多孔質タングステンを容易に形成することが
できる。
テン薄板を各別に成形し、それらを貼合せ焼結して空孔
率の異なる多層構造の多孔質タングステン薄板を形成す
ると、従来のように複雑な工程を要することなく所要の
多層構造の多孔質タングステンを容易に形成することが
できる。
(実施例) 以下、図面を参照してこの発明を実施例に基づいて説
明する。
明する。
実施例1. 第1図(a)図に示すように、粒径2〜10μmのタン
グステン粉末と水溶性有機樹脂を均一に混合し、これに
水を加えてタングステンペースト(1)を作る。このペ
ースト(1)中に気泡を減圧吸引して取除いたのち、
(b)図に示すように、厚さ0.6mm、幅60mmの帯状に成
形し乾燥してタングステンシート(2)を形成する。つ
ぎに(c)図に示すように、このシート(2)から直径
50mmの円板状シートを打抜き、この円板状シートを還元
性雰囲気中で2000℃で1時間加熱して空孔率が約17%の
大径多孔質タングステン薄板(3)を形成する。
グステン粉末と水溶性有機樹脂を均一に混合し、これに
水を加えてタングステンペースト(1)を作る。このペ
ースト(1)中に気泡を減圧吸引して取除いたのち、
(b)図に示すように、厚さ0.6mm、幅60mmの帯状に成
形し乾燥してタングステンシート(2)を形成する。つ
ぎに(c)図に示すように、このシート(2)から直径
50mmの円板状シートを打抜き、この円板状シートを還元
性雰囲気中で2000℃で1時間加熱して空孔率が約17%の
大径多孔質タングステン薄板(3)を形成する。
つぎに、(d)図に示すように、この多孔質タングス
テン薄板(3)の一方の面に、ルテニウム40.9%、モリ
ブデン57.1%、残部が有機バインダーからなる懸濁液を
印刷法あるいは筆塗りなどの方法により塗布し乾燥した
のち、還元性雰囲気中でルテニウム・モリブデン共晶温
度(約1945℃)以下の温度、たとえば1900℃で10秒間加
熱して、多孔質タングステン薄板(3)の一方の面に厚
さ10〜50μmのルテニウム・モリブデン混合焼結層
(4)を形成する。
テン薄板(3)の一方の面に、ルテニウム40.9%、モリ
ブデン57.1%、残部が有機バインダーからなる懸濁液を
印刷法あるいは筆塗りなどの方法により塗布し乾燥した
のち、還元性雰囲気中でルテニウム・モリブデン共晶温
度(約1945℃)以下の温度、たとえば1900℃で10秒間加
熱して、多孔質タングステン薄板(3)の一方の面に厚
さ10〜50μmのルテニウム・モリブデン混合焼結層
(4)を形成する。
つぎに(e)図に示すように、上記ルテニウム・モリ
ブデン焼結層(4)の形成され多孔質タングステン薄板
(3)の他方の面に、BaO,CaO,Al2O3からなる電子放射
性物質(5)を積載して、これを還元性雰囲気中で加熱
して多孔質タングステン薄板(3)の空孔部に含浸さ
せ、その後ブラスト処理などにより表面に残存する余剰
の電子放射性物質(5)を除去する。
ブデン焼結層(4)の形成され多孔質タングステン薄板
(3)の他方の面に、BaO,CaO,Al2O3からなる電子放射
性物質(5)を積載して、これを還元性雰囲気中で加熱
して多孔質タングステン薄板(3)の空孔部に含浸さ
せ、その後ブラスト処理などにより表面に残存する余剰
の電子放射性物質(5)を除去する。
その後(f)図に示すように、放電加工あるいはレー
ザ加工により上記電子放射性物質を含浸させた多孔質タ
ングステン薄板(3)から、たとえば直径0.45mmの円板
を切抜き、(g)図に示すように、多孔質タングステン
の空孔部に電子放射性物質が含浸され、その他方の面す
なわち表面を電子放射面とし、その反対側の一方の面す
なわち背面に厚さ10〜50μmのルテニウム・モリブデン
焼結層(4)をもつ含浸型陰極(6)とする。
ザ加工により上記電子放射性物質を含浸させた多孔質タ
ングステン薄板(3)から、たとえば直径0.45mmの円板
を切抜き、(g)図に示すように、多孔質タングステン
の空孔部に電子放射性物質が含浸され、その他方の面す
なわち表面を電子放射面とし、その反対側の一方の面す
なわち背面に厚さ10〜50μmのルテニウム・モリブデン
焼結層(4)をもつ含浸型陰極(6)とする。
ところで、上記方法により含浸型陰極(6)を製造す
ると、タングステン粉末と水溶性有機樹脂に水を加えた
ペースト(1)を成形し焼結して多孔質タングステン薄
板(3)を形成するので、比重のばらつきが少なく(0.
1g/cm3以下)、しかも従来のように割れや亀裂を生じな
い所要の空孔部をもつ多孔質タングステン薄板(3)と
することができる。また、放電加工やレーザ加工により
陰極(6)を切抜くので、その多孔質タングステン部分
にくらべて、ルテニウム・モリブデン混合焼結層(4)
が径大となることがなく、むしろ放電加工やレーザ加工
の熱エネルギにより焼結層(4)の周縁部が溶融飛散し
て径小となり、この陰極(6)を使用して陰極構体に組
立てるとき、カップ状の支持体への挿入が円滑となるな
どの効果がある。要するに、この含浸型陰極の製造方法
は、作業性良好にして量産性にすぐれ、安定した品質の
含浸型陰極とすることができる。
ると、タングステン粉末と水溶性有機樹脂に水を加えた
ペースト(1)を成形し焼結して多孔質タングステン薄
板(3)を形成するので、比重のばらつきが少なく(0.
1g/cm3以下)、しかも従来のように割れや亀裂を生じな
い所要の空孔部をもつ多孔質タングステン薄板(3)と
することができる。また、放電加工やレーザ加工により
陰極(6)を切抜くので、その多孔質タングステン部分
にくらべて、ルテニウム・モリブデン混合焼結層(4)
が径大となることがなく、むしろ放電加工やレーザ加工
の熱エネルギにより焼結層(4)の周縁部が溶融飛散し
て径小となり、この陰極(6)を使用して陰極構体に組
立てるとき、カップ状の支持体への挿入が円滑となるな
どの効果がある。要するに、この含浸型陰極の製造方法
は、作業性良好にして量産性にすぐれ、安定した品質の
含浸型陰極とすることができる。
実施例2. 第2図(a)図に示すように、実施例1.と同様に粒径
2〜10μmのタングステン粉末と水溶性有機樹脂を均一
に混合し、これに水を加えてタングステンペースト
(1)を作り、このペースト(1)中の気泡を減圧吸引
して取除いたのち、(b)図に示すように、厚さ0.6m
m、幅60mmの帯状に成形し乾燥してタングステンシート
(2)を形成する。また、(c)図に示すように、粒径
3〜10μmのルテニウム粉末と粒径3〜5μmのモリブ
デン粉末を4:6の比で均一に混合し、これに水溶性有機
樹脂を加えてルテニウム・モリブデンペースト(8)を
作り、このペースト(8)中の気泡を減圧吸引して取除
いたのち、(d)図に示すように、厚さ0.2mm、幅60mm
の帯状に成形し乾燥してルテニウム・モリブデンシート
(9)を形成する。
2〜10μmのタングステン粉末と水溶性有機樹脂を均一
に混合し、これに水を加えてタングステンペースト
(1)を作り、このペースト(1)中の気泡を減圧吸引
して取除いたのち、(b)図に示すように、厚さ0.6m
m、幅60mmの帯状に成形し乾燥してタングステンシート
(2)を形成する。また、(c)図に示すように、粒径
3〜10μmのルテニウム粉末と粒径3〜5μmのモリブ
デン粉末を4:6の比で均一に混合し、これに水溶性有機
樹脂を加えてルテニウム・モリブデンペースト(8)を
作り、このペースト(8)中の気泡を減圧吸引して取除
いたのち、(d)図に示すように、厚さ0.2mm、幅60mm
の帯状に成形し乾燥してルテニウム・モリブデンシート
(9)を形成する。
つぎに、(e)図に示すように、タングステンシート
(2)とルテニウム・モリブデンシート(9)とを水に
より貼合せ、2層構造のシート(10)を形成する。つい
で、(f)図に示すように、このシート(10)から直径
50mmの円板状シートを打抜き、この円板状シートを還元
性雰囲気中で1900℃で1時間加熱して空孔率約20%の多
孔質タングステン薄板(3)の一方の面にルテニウム・
モリブデン混合焼結層(4)が一体に形成された大径の
薄板を形成する。
(2)とルテニウム・モリブデンシート(9)とを水に
より貼合せ、2層構造のシート(10)を形成する。つい
で、(f)図に示すように、このシート(10)から直径
50mmの円板状シートを打抜き、この円板状シートを還元
性雰囲気中で1900℃で1時間加熱して空孔率約20%の多
孔質タングステン薄板(3)の一方の面にルテニウム・
モリブデン混合焼結層(4)が一体に形成された大径の
薄板を形成する。
つぎに、(g)図に示すように、この大径薄板の多孔
質タングステン薄板(3)上にBaO,CaO,Al2O3からなる
電子放射性物質(5)を積載して、これを還元性雰囲気
中で多孔質タングステン薄板(3)の空孔部に含浸さ
せ、その後多孔質タングステン薄板(3)表面に残存す
る余剰の電子放射性物質(5)を除去する。
質タングステン薄板(3)上にBaO,CaO,Al2O3からなる
電子放射性物質(5)を積載して、これを還元性雰囲気
中で多孔質タングステン薄板(3)の空孔部に含浸さ
せ、その後多孔質タングステン薄板(3)表面に残存す
る余剰の電子放射性物質(5)を除去する。
以下(h)および(i)図に示すように、実施例1.と
同様な方法により上記電子放射性物質(5)を含浸させ
た大径の多孔質タングステン薄板(3)から含浸型陰極
(6)を切抜く。
同様な方法により上記電子放射性物質(5)を含浸させ
た大径の多孔質タングステン薄板(3)から含浸型陰極
(6)を切抜く。
ところで、この方法により含浸型陰極(6)を製造す
ると、実施例1.と同様にタングステン粉末と水溶性有機
樹脂に水を加えたペースト(1)を成形して多孔質タン
グステン薄板(3)を形成するので、比重のばらつきが
少なく、しかもその後の焼結により所要の空孔部をもつ
多孔質タングステン薄板(3)とすることができる。ま
た、あらかじめルテニウム・モリブデンシート(9)を
形成しておき、これを貼合せて多孔質タングステン薄板
(3)の一方の面にルテニウム・モリブデン混合焼結層
(4)を形成するので、その焼結層(4)の厚さを一定
にすることができ、焼結層(4)が剥離しない安定した
品質の含浸型陰極(6)とすることができる。さらに、
多孔質タングステン薄板(3)の一方の面にルテニウム
・モリブデン焼結層(4)が一体に形成された大径薄板
を1回の高温加熱により形成することができるので、作
業性が向上する。つまり、この製造方法によれば、実施
例1.と同様に作業性良好にして量産にすぐれ、安定した
品質の含浸型陰極とすることができる。
ると、実施例1.と同様にタングステン粉末と水溶性有機
樹脂に水を加えたペースト(1)を成形して多孔質タン
グステン薄板(3)を形成するので、比重のばらつきが
少なく、しかもその後の焼結により所要の空孔部をもつ
多孔質タングステン薄板(3)とすることができる。ま
た、あらかじめルテニウム・モリブデンシート(9)を
形成しておき、これを貼合せて多孔質タングステン薄板
(3)の一方の面にルテニウム・モリブデン混合焼結層
(4)を形成するので、その焼結層(4)の厚さを一定
にすることができ、焼結層(4)が剥離しない安定した
品質の含浸型陰極(6)とすることができる。さらに、
多孔質タングステン薄板(3)の一方の面にルテニウム
・モリブデン焼結層(4)が一体に形成された大径薄板
を1回の高温加熱により形成することができるので、作
業性が向上する。つまり、この製造方法によれば、実施
例1.と同様に作業性良好にして量産にすぐれ、安定した
品質の含浸型陰極とすることができる。
実施例3. 第3図(a)図に示すように、粒径4.5μmのタング
ステン粉末と水溶性有機樹脂を均一に混合し、これに水
を加えてタングステンペースト(1a)を作り、このペー
スト(1a)中の気泡を減圧吸引して取除いたのち、
(b)図に示すように、厚さ0.6mm、幅60mmの帯状に成
形し乾燥してタングステンシート(2a)を形成する。ま
た、(c)図に示すように、粒径3.0μmのタングステ
ン粉末と粒径4.5μmのタングステン粉末を混合し、こ
れに水溶性有機樹脂を加えてタングステンペースト(2
b)を作り、このペースト(2b)中の気泡減圧吸引して
取除いたのち、(d)図に示すように、厚さ0.4mm、幅6
0mmの帯状に成形し乾燥してタングステンシート(2b)
を形成する。
ステン粉末と水溶性有機樹脂を均一に混合し、これに水
を加えてタングステンペースト(1a)を作り、このペー
スト(1a)中の気泡を減圧吸引して取除いたのち、
(b)図に示すように、厚さ0.6mm、幅60mmの帯状に成
形し乾燥してタングステンシート(2a)を形成する。ま
た、(c)図に示すように、粒径3.0μmのタングステ
ン粉末と粒径4.5μmのタングステン粉末を混合し、こ
れに水溶性有機樹脂を加えてタングステンペースト(2
b)を作り、このペースト(2b)中の気泡減圧吸引して
取除いたのち、(d)図に示すように、厚さ0.4mm、幅6
0mmの帯状に成形し乾燥してタングステンシート(2b)
を形成する。
つぎに、(e)図に示すように、タングステンシート
(2a),(2b)を水により貼合せて2層構造のタングス
テンシート(12)を形成する。ついで、(f)図に示す
ように、このシート(12)から直径50mmの円板状シート
を打抜き、この円板状シートを還元性雰囲気中で2000℃
で1時間加熱して空孔率が約22%の多孔質タングステン
層(13a)と空孔率が約17%の多孔質タングステン層(1
3b)とが一体に積層された空孔率の異なる2層構造の大
径多孔質タングステン薄板(3)を形成する。
(2a),(2b)を水により貼合せて2層構造のタングス
テンシート(12)を形成する。ついで、(f)図に示す
ように、このシート(12)から直径50mmの円板状シート
を打抜き、この円板状シートを還元性雰囲気中で2000℃
で1時間加熱して空孔率が約22%の多孔質タングステン
層(13a)と空孔率が約17%の多孔質タングステン層(1
3b)とが一体に積層された空孔率の異なる2層構造の大
径多孔質タングステン薄板(3)を形成する。
つぎに、(g)図に示すように、この多孔質タングス
テン薄板(3)の空孔率の大きい多孔質タングステン層
(13a)の面に、ルテニウム40.9%、モリブデン57.1
%、残部が有機バインダーからなる懸濁液を印刷法ある
いは筆塗りなどの方法により塗布し乾燥し、その後還元
性雰囲気中でたとえば1900℃(ルテニウム・モリブデン
共晶温度以下の温度)で10秒間加熱して、多孔質タング
ステン薄板(3)の一方の面に厚さ10〜50μmのルテニ
ウム・モリブデン混合焼結層(4)を形成する。
テン薄板(3)の空孔率の大きい多孔質タングステン層
(13a)の面に、ルテニウム40.9%、モリブデン57.1
%、残部が有機バインダーからなる懸濁液を印刷法ある
いは筆塗りなどの方法により塗布し乾燥し、その後還元
性雰囲気中でたとえば1900℃(ルテニウム・モリブデン
共晶温度以下の温度)で10秒間加熱して、多孔質タング
ステン薄板(3)の一方の面に厚さ10〜50μmのルテニ
ウム・モリブデン混合焼結層(4)を形成する。
その後、(h)図に示すように、このルテニウム・モ
リブデン混合焼結層(4)の形成された多孔質タングス
テン薄板(3)の空孔率の小さい多孔質タングステン層
(13a)の面に、BaO,CaO,Al2O3からなる電子放射性物質
(5)を積載置して、これを還元雰囲気中で多孔質タン
グステン薄板(3)の空孔部に含浸させ、その後、ブラ
スト処理などにより表面に残存する余剰の電子放射性物
質(5)を除去する。
リブデン混合焼結層(4)の形成された多孔質タングス
テン薄板(3)の空孔率の小さい多孔質タングステン層
(13a)の面に、BaO,CaO,Al2O3からなる電子放射性物質
(5)を積載置して、これを還元雰囲気中で多孔質タン
グステン薄板(3)の空孔部に含浸させ、その後、ブラ
スト処理などにより表面に残存する余剰の電子放射性物
質(5)を除去する。
以下(h)および(j)図に示すように、実施例1.と
同様の方法により上記電子放射性物質(5)を含浸させ
た多孔質タングステン薄板(3)から含浸型陰極(6)
を切抜く。
同様の方法により上記電子放射性物質(5)を含浸させ
た多孔質タングステン薄板(3)から含浸型陰極(6)
を切抜く。
ところで、この方法により含浸型陰極(6)を製造す
ると、タングステン粉末と水溶性有機樹脂に水を加えた
ペースト(1a),(1b)からそれぞれシート(2a)(2
b)を成形し、これらシート(2a),(2b)を貼合わせ
焼結して空孔率の異なる2層構造の多孔質タングステン
薄板(3)を形成するので、空孔率の異なる2層が完全
に密着した所要の多孔質タングステン薄板(3)とする
ことができる。したがって、陰極(6)表面へのBaの供
給が安定し、所要の電子放射性を長期に持続する含浸型
陰極(6)とすることができる。しかも、この製造方法
によれば、従来のように複雑な工程を要することなく空
孔率の異なる2層構造の多孔質タングステン薄板(3)
を容易に製造できる、その作業性が向上する。
ると、タングステン粉末と水溶性有機樹脂に水を加えた
ペースト(1a),(1b)からそれぞれシート(2a)(2
b)を成形し、これらシート(2a),(2b)を貼合わせ
焼結して空孔率の異なる2層構造の多孔質タングステン
薄板(3)を形成するので、空孔率の異なる2層が完全
に密着した所要の多孔質タングステン薄板(3)とする
ことができる。したがって、陰極(6)表面へのBaの供
給が安定し、所要の電子放射性を長期に持続する含浸型
陰極(6)とすることができる。しかも、この製造方法
によれば、従来のように複雑な工程を要することなく空
孔率の異なる2層構造の多孔質タングステン薄板(3)
を容易に製造できる、その作業性が向上する。
なお、上記各実施例では、多孔質タングステン薄板の
一方の面にルテニウム・モリブデン混合焼結層を形成し
たが、この焼結層は、ルテニウムとモリブデンを主成分
とするものであればよく、これらルテニウム、モリブデ
ンのほかに、他の金属が混入していてもよい。また、こ
のルテニウム・モリブデン焼結層は、混合層であってよ
く、またその一部が溶融して共晶合金化しているもので
もよい。
一方の面にルテニウム・モリブデン混合焼結層を形成し
たが、この焼結層は、ルテニウムとモリブデンを主成分
とするものであればよく、これらルテニウム、モリブデ
ンのほかに、他の金属が混入していてもよい。また、こ
のルテニウム・モリブデン焼結層は、混合層であってよ
く、またその一部が溶融して共晶合金化しているもので
もよい。
なおまた、上記実施例3.では、空孔率の異なる2層構
造の多孔質タングステン薄板の場合について述べたが、
3層以上の多孔質タングステン薄板についても、同様の
方法で形成することができる。
造の多孔質タングステン薄板の場合について述べたが、
3層以上の多孔質タングステン薄板についても、同様の
方法で形成することができる。
つぎに、上記含浸型陰極を使用した陰極構体の組立て
について述べる。
について述べる。
第4図に示すように、上記各方法により製造された含
浸型陰極(6)のルテニウム・モリブデン混合焼結層
(4)が内側になるようにタンタルからなるカップ状支
持体(15)の内側に挿入し、抵抗溶接またはレーザ溶接
により、その含浸型陰極(6)を支持体(15)の底部に
溶接する。
浸型陰極(6)のルテニウム・モリブデン混合焼結層
(4)が内側になるようにタンタルからなるカップ状支
持体(15)の内側に挿入し、抵抗溶接またはレーザ溶接
により、その含浸型陰極(6)を支持体(15)の底部に
溶接する。
つぎに、このこの含浸型陰極(6)の溶接された支持
体(15)をタンタルからなる陰極スリーブ(16)の一端
頂部に嵌合し、その側面を溶接する。さらに、この陰極
スリーブ(16)の他端部側面3個のタンタルからなるリ
ボン(17)の一端を溶接し、これらリボン(17)の他端
をFe−Ni−Co合金からなる陰極支持筒(18)の一端部内
側に張出したに張出部(19)に溶接することにより所要
の含浸型陰極構体が製造される。
体(15)をタンタルからなる陰極スリーブ(16)の一端
頂部に嵌合し、その側面を溶接する。さらに、この陰極
スリーブ(16)の他端部側面3個のタンタルからなるリ
ボン(17)の一端を溶接し、これらリボン(17)の他端
をFe−Ni−Co合金からなる陰極支持筒(18)の一端部内
側に張出したに張出部(19)に溶接することにより所要
の含浸型陰極構体が製造される。
[発明の効果] タングステン粉末と有機樹脂との混合物をシートに成
形したのち2000℃程度で焼結して多孔質タングステン薄
板を形成し、その後その一方の面にルテニウム・モリブ
デン焼結層を形成すると、作業性良好にして量産に適
し、かつ均質にして割れや焼結層の剥離などを生ぜず、
しかも比重のばらつきの少ない安定した品質の含浸型陰
極を製造することができる。
形したのち2000℃程度で焼結して多孔質タングステン薄
板を形成し、その後その一方の面にルテニウム・モリブ
デン焼結層を形成すると、作業性良好にして量産に適
し、かつ均質にして割れや焼結層の剥離などを生ぜず、
しかも比重のばらつきの少ない安定した品質の含浸型陰
極を製造することができる。
また、空孔率の異なる多層構造の多孔質タングステン
薄板からなる含浸型陰極の製造方法として、粒径および
粒度分布の異なる複数のタングステンシートを各別に成
形し、それらを貼合せ焼結して空孔率の異なる多層構造
の多孔質タングステン薄板を形成すると、複雑な工程を
要することなく所要の多層構造の多孔質タングステンを
容易に形成することができる。
薄板からなる含浸型陰極の製造方法として、粒径および
粒度分布の異なる複数のタングステンシートを各別に成
形し、それらを貼合せ焼結して空孔率の異なる多層構造
の多孔質タングステン薄板を形成すると、複雑な工程を
要することなく所要の多層構造の多孔質タングステンを
容易に形成することができる。
第1図(a)乃至(g)図はそれぞれこの発明の第1の
実施例である含浸型陰極の製造方法を説明するための工
程図、第2図(a)乃至(i)図はそれぞれこの発明の
参考例として示した第2の実施例である含浸型陰極の製
造方法を説明するための工程図、第3図(a)乃至
(j)図はそれぞれこの発明の第3の実施例である含浸
型陰極の製造方法を説明するための工程図、第4図は含
浸型陰極を使用した陰極構体の組立方法を説明するため
の図である。 2……タングステンシート 3……タングステン薄板 4……ルテニウム・モリブデン混合焼結層 5……電子放射性物質 6……陰極
実施例である含浸型陰極の製造方法を説明するための工
程図、第2図(a)乃至(i)図はそれぞれこの発明の
参考例として示した第2の実施例である含浸型陰極の製
造方法を説明するための工程図、第3図(a)乃至
(j)図はそれぞれこの発明の第3の実施例である含浸
型陰極の製造方法を説明するための工程図、第4図は含
浸型陰極を使用した陰極構体の組立方法を説明するため
の図である。 2……タングステンシート 3……タングステン薄板 4……ルテニウム・モリブデン混合焼結層 5……電子放射性物質 6……陰極
フロントページの続き (72)発明者 高橋 傳 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8 株式 会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 木村 栄 神奈川県川崎市幸区堀川町72 株式会社 東芝堀川町工場内 (72)発明者 原 昭人 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地 東芝 電子デバイスエンジニアリング株式会社 内 (56)参考文献 特開 昭63−34830(JP,A) 特開 昭58−34539(JP,A) 実公 昭54−23257(JP,Y2)
Claims (2)
- 【請求項1】タングステン粉末と有機樹脂との混合物を
シートに成形したのち2000℃程度で焼結して多孔質タン
グステン薄板を形成する工程と、上記多孔質タングステ
ン薄板の一方の面にルテニウム・モリブデン混合物を塗
布したのち焼結して上記多孔質タングステン薄板の一方
の面にルテニウム・モリブデン焼結層を形成する工程
と、上記ルテニウム・モリブデン焼結層の形成された多
孔質タングステン薄板の空孔部に電子放射性物質を含浸
する工程と、上記電子放射性物質の含浸された多孔質タ
ングステン薄板を切抜いて所定形状寸法の陰極を形成す
る工程とを備えることを特徴とする含浸型陰極の製造方
法。 - 【請求項2】粒径および粒度分布の異なるタングステン
粉末と有機樹脂とを各別に混合して得られる混合物から
粒径および粒度分布の異なる複数のタングステンシート
に成形する工程と、上記粒径および粒度分布の異なる複
数のタングステンシートを貼合せ焼結して空孔率の異な
る多層構造の多孔質タングステン薄板を形成する工程
と、上記多孔質タングステン薄板の空孔率の大きい面側
にルテニウム・モリブデン混合物を塗布したのち焼結し
て上記多孔質タングステン薄板の空孔率の大きい面側に
ルテニウム・モリブデン焼結層を形成する工程と、上記
ルテニウム・モリブデン焼結層の形成された多孔質タン
グステン薄板の空孔部に電子放射性物質を含浸する工程
と、上記電子放射性物質の含浸された多孔質タングステ
ン薄板を切抜いて所定形状寸法の陰極を形成する工程と
を備えることを特徴とする含浸型陰極の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63252673A JP2685835B2 (ja) | 1988-10-06 | 1988-10-06 | 含浸型陰極の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63252673A JP2685835B2 (ja) | 1988-10-06 | 1988-10-06 | 含浸型陰極の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02100233A JPH02100233A (ja) | 1990-04-12 |
JP2685835B2 true JP2685835B2 (ja) | 1997-12-03 |
Family
ID=17240645
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63252673A Expired - Fee Related JP2685835B2 (ja) | 1988-10-06 | 1988-10-06 | 含浸型陰極の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2685835B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2736164B2 (ja) * | 1990-11-08 | 1998-04-02 | 株式会社東芝 | 含浸型陰極の製造方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5423257U (ja) * | 1977-07-18 | 1979-02-15 | ||
JPS5834539A (ja) * | 1981-08-21 | 1983-03-01 | Nec Corp | 含浸型陰極 |
JPH0619942B2 (ja) * | 1986-07-29 | 1994-03-16 | 株式会社東芝 | 含浸型陰極の製造方法 |
-
1988
- 1988-10-06 JP JP63252673A patent/JP2685835B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02100233A (ja) | 1990-04-12 |
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