JP2957004B2 - 焼結型陰極の製造方法 - Google Patents
焼結型陰極の製造方法Info
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Landscapes
- Powder Metallurgy (AREA)
- Soft Magnetic Materials (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高融点金属粉末と電子放射性物質の粉末を
混合し、焼結して製造する焼結型陰極の製造方法に関す
る。
混合し、焼結して製造する焼結型陰極の製造方法に関す
る。
焼結型陰極を製造するには、一般に、タングステン、
モリブデンまたはこれらを主成分とする高融点金属粉末
と酸化トリウム、酸化バリウム等の電子放射物質の粉末
を混合し、所定の形状にプレスし、高温で焼結し正確な
陰極形状に機械加工して陰極基体を形成し、その陰極基
体を陰極スリーブにMo−Ruロウ材などでロウ付して陰極
を構成している。
モリブデンまたはこれらを主成分とする高融点金属粉末
と酸化トリウム、酸化バリウム等の電子放射物質の粉末
を混合し、所定の形状にプレスし、高温で焼結し正確な
陰極形状に機械加工して陰極基体を形成し、その陰極基
体を陰極スリーブにMo−Ruロウ材などでロウ付して陰極
を構成している。
この陰極基体を形成する機械加工の際、タングステン
等高融点金属粉末は非常に硬度が大きく、しかも粉末の
焼結体であるため、粉末の固まり単位で砕け易く、正確
な形状に加工することが難かしい。そのため粉末の間隙
に無酸素銅を含侵させて所定の形状、寸法に機械加工
し、加工後に銅を除去するという方法を採っている。
等高融点金属粉末は非常に硬度が大きく、しかも粉末の
焼結体であるため、粉末の固まり単位で砕け易く、正確
な形状に加工することが難かしい。そのため粉末の間隙
に無酸素銅を含侵させて所定の形状、寸法に機械加工
し、加工後に銅を除去するという方法を採っている。
従来の高融点金属粉末と電子放射性物質の混合物焼結
体に無酸素銅を含浸させる場合、電子放射性物質の含有
率が重量比で10%以下の焼結体陰極基体では、高融点金
属粉末の量が多く、間隙に露出する面積の大部分は高融
点金属粉末であるため、銅と濡れ易く、充分に銅を含浸
させることができ、上記の方法によることができる。し
かし電子放射性物質の含有率が重量比で10%以上になる
と、電子放射性物質の露出面積が多くなり、電子放射性
物質は銅をはじくため焼結体内に銅が流れにくくなり、
上記の方法によることができなくなるという問題があっ
た。
体に無酸素銅を含浸させる場合、電子放射性物質の含有
率が重量比で10%以下の焼結体陰極基体では、高融点金
属粉末の量が多く、間隙に露出する面積の大部分は高融
点金属粉末であるため、銅と濡れ易く、充分に銅を含浸
させることができ、上記の方法によることができる。し
かし電子放射性物質の含有率が重量比で10%以上になる
と、電子放射性物質の露出面積が多くなり、電子放射性
物質は銅をはじくため焼結体内に銅が流れにくくなり、
上記の方法によることができなくなるという問題があっ
た。
このため従来、電子放射性物質の含有率を10重量%以
上に構成したい場合は、粉末混合物をプレス成形した後
1400℃位で一次焼結してその焼結体を直接機械加工し、
その後2300℃位で本焼結して陰極基体を形成する方法が
とられている。しかし、本焼結することにより陰極基体
の形状が若干変り、寸法も一定しないこと、仮焼結状態
で比較的加工し易いとはいえ、粉末の固まり単位で砕け
易いこと、などにより一定形状の陰極を得ることができ
ないという不都合があった。
上に構成したい場合は、粉末混合物をプレス成形した後
1400℃位で一次焼結してその焼結体を直接機械加工し、
その後2300℃位で本焼結して陰極基体を形成する方法が
とられている。しかし、本焼結することにより陰極基体
の形状が若干変り、寸法も一定しないこと、仮焼結状態
で比較的加工し易いとはいえ、粉末の固まり単位で砕け
易いこと、などにより一定形状の陰極を得ることができ
ないという不都合があった。
本発明は、上記の問題を解消するためになされたもの
で、電子放射性物質の含有率が重量比で10%以上でも、
銅を含浸させて機械加工を容易にできる焼結型陰極の製
造方法を提供することにある。
で、電子放射性物質の含有率が重量比で10%以上でも、
銅を含浸させて機械加工を容易にできる焼結型陰極の製
造方法を提供することにある。
本発明の製造方法は、上記目的を達成するために、銅
の流れ込みの妨げになる電子放射性物質に、混合する前
の粉末の状態で、タングステン、モリブデンまたはこれ
らを主成分とする高融点金属を高周波スパッター、電子
ビーム蒸着またはC.V.D等によりコーティングすること
で、融解銅の含浸が充分になるようにしたものである。
の流れ込みの妨げになる電子放射性物質に、混合する前
の粉末の状態で、タングステン、モリブデンまたはこれ
らを主成分とする高融点金属を高周波スパッター、電子
ビーム蒸着またはC.V.D等によりコーティングすること
で、融解銅の含浸が充分になるようにしたものである。
本発明によれば、電子放射性物質粉末の表面に高融点
金属を被着しているため、電子放射性物質の混合割合が
多くなっても電子放射性物質が直接露出する面積は少な
く、粉末間隙への無酸素銅の融解流れ込みを完全に達成
することができる。しかも被着する高融点金属の厚させ
は、せいぜい1μm前後以下であるため、電子放射性物
質を完全に覆うことにはならず、電子放射には悪影響を
及ぼさない。
金属を被着しているため、電子放射性物質の混合割合が
多くなっても電子放射性物質が直接露出する面積は少な
く、粉末間隙への無酸素銅の融解流れ込みを完全に達成
することができる。しかも被着する高融点金属の厚させ
は、せいぜい1μm前後以下であるため、電子放射性物
質を完全に覆うことにはならず、電子放射には悪影響を
及ぼさない。
第1図は本発明の陰極基体を製造する方法を説明する
ための図であって、焼結体に無酸素銅を含浸させた状態
の部分的拡大図を示す。
ための図であって、焼結体に無酸素銅を含浸させた状態
の部分的拡大図を示す。
図において1はタングステン粉末、2は酸化トリウム
粉末、3はタングステン被着層、4は高温で融解し含浸
させた無酸素銅である。
粉末、3はタングステン被着層、4は高温で融解し含浸
させた無酸素銅である。
本発明においては、まず電子放射性物質の粉末である
平均粒度約2μmの酸化トリウム粉末2をモリブデン板
の上に薄く広げて、これを高周波スパッター装置にセッ
トし、出力300Wで約2時間スパッタリングを行ない、酸
化トリウム粉末2の表面にタングステン被着層3を約1
μmの厚さに付着する。
平均粒度約2μmの酸化トリウム粉末2をモリブデン板
の上に薄く広げて、これを高周波スパッター装置にセッ
トし、出力300Wで約2時間スパッタリングを行ない、酸
化トリウム粉末2の表面にタングステン被着層3を約1
μmの厚さに付着する。
被着は、C.V.Dによると、より効率的に行なえる。
このタングステン被着層3を付着した酸化トリウム粉
末2とタングステン粉末1を重量の組成比がタングステ
ン70%、酸化トリウム30%となる割合に混合し、5t/cm2
の圧力で所定の形状にプレスした後、約2300℃で約30分
間焼結する。
末2とタングステン粉末1を重量の組成比がタングステ
ン70%、酸化トリウム30%となる割合に混合し、5t/cm2
の圧力で所定の形状にプレスした後、約2300℃で約30分
間焼結する。
この焼結体に無酸素銅線を巻きつけ、水素炉に入れて
約1500℃にして無酸素銅を融解させ、その状態で30分間
放置して焼結体内に無酸素銅を含浸させる。
約1500℃にして無酸素銅を融解させ、その状態で30分間
放置して焼結体内に無酸素銅を含浸させる。
次に無酸素銅を含浸させた焼結体を超硬のバイト、ド
リル等を使用して陰極基体の所定の形状、寸法に加工し
た後、真空炉に入れ、約1600℃で30分間の熱処理をして
銅抜きを行なう。
リル等を使用して陰極基体の所定の形状、寸法に加工し
た後、真空炉に入れ、約1600℃で30分間の熱処理をして
銅抜きを行なう。
こうして形成した陰極基体5を第2図に示すように陰
極スリーブ6とMo−Ruロウ材などでロウ付けすることに
より焼結型陰極を形成することができる。この際陰極加
熱用のヒータが必要な場合は第2図のようにヒータ7を
挿入固着するが、必要でない場合は、不要である。また
こうして形成した陰極は電子放射性物質粉末の周囲に高
融点金属が被着しているが、厚さが非常に薄いため、陰
極が高温になれば電子放射性物質は浸み出し、陰極表面
に電子放射性物質が充満して従来と同様の良好な電子放
射特性を得られる。
極スリーブ6とMo−Ruロウ材などでロウ付けすることに
より焼結型陰極を形成することができる。この際陰極加
熱用のヒータが必要な場合は第2図のようにヒータ7を
挿入固着するが、必要でない場合は、不要である。また
こうして形成した陰極は電子放射性物質粉末の周囲に高
融点金属が被着しているが、厚さが非常に薄いため、陰
極が高温になれば電子放射性物質は浸み出し、陰極表面
に電子放射性物質が充満して従来と同様の良好な電子放
射特性を得られる。
なお、タングステン粉末と酸化ナトリウム粉末からな
る焼結体の例を示したが、高融点金属はタングステンに
限定されることなく、電子放射性物質も酸化トリウムに
限定されるものではなく、また被着金属はイリジウム、
ルテニウム等でもよい。
る焼結体の例を示したが、高融点金属はタングステンに
限定されることなく、電子放射性物質も酸化トリウムに
限定されるものではなく、また被着金属はイリジウム、
ルテニウム等でもよい。
以上説明したように、本発明によれば、高融点金属粉
末と電子放射性物質粉末を混合焼結させた焼結型陰極に
おいて、電子放射性物質の含有率が重量比で10%以上の
場合でも高精度の形状、寸法を確保できることになり、
実用上の効果が大である。
末と電子放射性物質粉末を混合焼結させた焼結型陰極に
おいて、電子放射性物質の含有率が重量比で10%以上の
場合でも高精度の形状、寸法を確保できることになり、
実用上の効果が大である。
第1図は本発明の製造方法の途中工程である焼結体に無
酸銅を含浸した状態の部分拡大断面図、第2図は本発明
の一実施例により製造した陰極の断面図である。 1……タングステン粉末、2……酸化トリウム粉末、3
……タングステン被着層、4……無酸素銅、5……陰極
基体、6……陰極スリーブ、7……ヒータ。
酸銅を含浸した状態の部分拡大断面図、第2図は本発明
の一実施例により製造した陰極の断面図である。 1……タングステン粉末、2……酸化トリウム粉末、3
……タングステン被着層、4……無酸素銅、5……陰極
基体、6……陰極スリーブ、7……ヒータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01J 9/04 B22F 5/00 J
Claims (1)
- 【請求項1】タングステン、モリブデン等の高融点金属
粉末と、酸化トリウム、酸化バリウム等の電子放射性物
質粉末との混合物の焼結体により形成した陰極基体を陰
極スリーブに固着してなる焼結型陰極であって、該混合
物の該電子放射性物質粉末の含有率が10重量%以上の焼
結型陰極の製造方法において、 該電子放射性物質粉末表面に高融点金属を被着する工程
と、該高融点金属を被着した電子放射性物質粉末と前記
高融点金属粉末とを混合してプレス成形し成形体を形成
する工程と、該成形体を焼結して焼結体を形成する工程
と、該焼結体に無酸素銅を含浸させ浸銅焼結体を形成す
る工程と、該浸銅焼結体を機械加工して加工体を形成す
る工程と、該加工体を熱処理して無酸素銅を除去する工
程とにより、前記陰極基体を形成することを特徴とする
焼結型陰極の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2329713A JP2957004B2 (ja) | 1990-11-30 | 1990-11-30 | 焼結型陰極の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2329713A JP2957004B2 (ja) | 1990-11-30 | 1990-11-30 | 焼結型陰極の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04202607A JPH04202607A (ja) | 1992-07-23 |
JP2957004B2 true JP2957004B2 (ja) | 1999-10-04 |
Family
ID=18224443
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2329713A Expired - Lifetime JP2957004B2 (ja) | 1990-11-30 | 1990-11-30 | 焼結型陰極の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2957004B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20000010147A (ko) * | 1998-07-30 | 2000-02-15 | 구자홍 | 음극선관용 음극 |
-
1990
- 1990-11-30 JP JP2329713A patent/JP2957004B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04202607A (ja) | 1992-07-23 |
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