JP2685322B2 - レーザーシステム用ガラス - Google Patents

レーザーシステム用ガラス

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JP2685322B2
JP2685322B2 JP2015577A JP1557790A JP2685322B2 JP 2685322 B2 JP2685322 B2 JP 2685322B2 JP 2015577 A JP2015577 A JP 2015577A JP 1557790 A JP1557790 A JP 1557790A JP 2685322 B2 JP2685322 B2 JP 2685322B2
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邦雄 竹内
皓己 北山
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ホーヤ株式会社
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/12Silica-free oxide glass compositions
    • C03C3/16Silica-free oxide glass compositions containing phosphorus

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、レーザーシステム用ガラス、詳しくはハイ
パワーレーザーシステムにおける偏光子用ガラス、スペ
ーシャルフィルター用ガラス、波長変換セル用ウィンド
ーガラスなどに用いられる光学ガラスに関するものであ
る。
[従来の技術] 大出力ガラスレーザーにおいて最も重要なコンポーネ
ントは、そこに使用されている多種、多数の光学素子で
あり、その諸性能がレーザーシステム全体の性能を決定
する。
光学素子の中で最も重要な素子は、Ndイオンをドープ
したいわゆるレーザーガラスであるが、その他にもファ
ラデー回転子の入出力側に使われる多層膜偏光子用ガラ
ス、ビーム径を調整するためのスペーシャルフィルター
用レンズ、波長変換セル(内部はKDP単結晶)用ウィン
ドーガラス等、重要な素子類がある。
ハイパワーレーザーシステムの偏光子用ガラス、スペ
ーシャルフィルター用レンズ、波長変換セル用ウィンド
ーガラス等は、これまで、光学ガラスの代表的な硝種で
ある硼珪酸塩ガラスBK7が広く使われている。
ところで核融合装置のハイパワーレーザーシステムに
用いられる光学系のガラスにおいては、その目的が核融
合の場合、レーザーガラスから発振された光を多段階増
幅して得られるエネルギーは少なくとも10Kjoule以上で
ある。従ってこの様なハイパワーレーザーシステムのレ
ーザー光路中に用いられる光学系のガラスは泡、異物等
の挟雑物を含まない、いわゆるインクルージョンフリー
のガラスが要求される。例えば、粒子サイズが5μm以
上の挟雑物(インクルージョン)が存在すると、2.0jou
le/cm3のエネルギー密度でさえダメージと呼ばれる内部
欠陥(貝がら状のクラック)を発生し、エネルギーがロ
スすると共にレーザービームも乱れ、特にはそのガラス
を破壊せしめる。
従来、この目的に上述の如き硝珪酸塩ガラスBK7が使
用されて来た。このガラスは耐候性が高い、膨脹係数が
比較的小さい、屈折率が比較的に低い等の好ましい特性
を有している。しかしながら、このBK7ガラスは、溶融
温度が約1450℃と高いこと、溶融時において揮発しやす
いこと、溶融容器に対して高い侵蝕力を有することなど
のために、インクルージョンフリーすなわちダメージフ
リーのガラスを得ることは従来不可能であった。
すなわち、硼珪酸塩ガラスBK7を使用している光学素
子においては、これまでダメージフリーのガラスが得ら
れていない。Ndイオンドープレーザーガラスはその組成
や製造技術の改良の結果、今日ではダメージフリーのガ
ラスの量産化に成功しているが、レーザーシステム全体
をみた時に、増幅器としてのレーザーガラスのみがダメ
ージフリーになっても、他の素子に欠陥が生じては、シ
ステム全体がうまく作動しない。
[発明が解決しようとする課題] 上述の通り、BK7は、硼珪酸塩ガラスであり、また高
粘性ガラスであるので、白金ルツボあるいはセラミック
スルツボのいずれを用いても高温状態を経なければなら
ない。ガラス中のダメージの発生要因は、ガラス内部に
存在する微小な白金インクルージョンやクリストバライ
ト結晶の有無による。白金インクルージョンを例にとる
と、これらが発生しない容器や製造条件をとる必要があ
り、又、もし発生した場合には、これをイオン状態に保
持しなければならない。しかしながらBK7に代表される
硼珪酸塩ガラスや、珪酸塩系ガラスは、白金の溶解度が
低いため、完全なイオン状態を保持することは困難であ
る。
従って本発明の目的は、硼珪酸塩ガラスや珪酸塩ガラ
スを用いたときに認められる上記欠点のないレーザーシ
ステム用ガラスを提供することにある。
[課題を解決するための手段] この目的を達成するために、本発明者らは、従来用い
られていた硼珪酸塩ガラスや珪酸塩ガラスの代りに、リ
ン酸塩ガラスを使用することに着眼し、種々検討した結
果、以下のような知見を得た。
(a)リン酸塩ガラスは硼珪酸塩ガラスや珪酸塩ガラス
に比べ、白金と反応しやすい性質があり、白金の溶解度
が高い。この点を考慮し、適切なガラス組成を選択する
ことにより、白金容器を使用しても白金インクルージョ
ンのないガラスを得ることができる。
(b)リン酸塩ガラスは、その組成を選択することによ
り、基本的には硼珪酸塩ガラスBK7が有する光学恒数、
特にNdイオンドープレーザーの発振波長である1054nmの
屈折率(n1054)と等しくすることが可能となり、ハイ
パワーレーザーシステム全体の設計(焦点距離、反射率
等)を変更することがない。
本発明は上記の知見に基づいてなされたものであり、
本発明のレーザーシステム用ガラスは下記の成分を下記
の重量%で含むことを特徴とする。
成分 重量% P2O5 60〜75 R2O 7〜14 RO 3〜16 R2O3 4〜14 RO2+R2O5 0〜 5 (但しR2Oは、Li2O、Na2O、K2Oから成るアルカリ金属酸
化物の群から選択され、ROは、MgO、CaO、SrO、BaOのア
ルカリ土類金属酸化物、ZnOおよびPbOの群から選択さ
れ、R2O3は、Al2O3、La2O3、Y2O3、Gd2O3およびB2O3
群から選択され、RO2は、ZrO2、TiO2、SiO2およびCeO2
の群から選択され、R2O5は、Nb2O5およびTa2O5の群から
選択される。) 以下、各成分およびその配合割合の限定理由について
説明する。P2O5は、白金の溶解度が高いため基本的成分
であるが、P2O5を使用する理由はレーザーシステムにお
いて重要な非線形屈折率n2が低いことも挙げられる。P2
O5は60%未満では、失透を生じ不安定な領域に入ってし
まい、75%を超えると、溶融中に過度の揮発が起こり、
均質度の高いガラスを得ることが困難となると共に、化
学的耐久性が低くなってしまう。従ってP2O5の重量割合
は60〜75%に限定される。その他にガラス形成酸化物と
して、GeO2、B2O3、SiO2などが挙げられるが、GeO2は原
料が高価なため好ましくなく、B2O3は化学的耐久性が低
いことや揮発し易いことなどの点で、多量に使う必要は
認められない。SiO2については、ソーラリゼーション防
止剤として使われる場合もあるが、多量に入ると溶融ガ
ラスの粘性を上げるため高温溶融が必要となり白金イン
クルージョンが発生し易くなると共に、その白金の溶解
度を低下させるため、本発明の目的に対しては好ましく
なく、又、クリストバライト結晶生成の恐れもある。こ
れらは化学的耐久性や光学恒数の調整に少量使うに留め
るべきである。
R2O成分は、溶融時の安定性や、溶融速度の面から重
要な成分であるが、7%未満ではガラスが失透し、14%
を超えると化学的耐久性が劣化すると共に溶融時の揮発
量が多くなり、均質度の高いガラスを得るためには不適
である。従ってR2O成分の重量割合は7〜14%に限定さ
れる。R2O成分は、Li2O、Na2O、K2Oのアルカリ金属酸化
物から選択されるが、得ようとする光学恒数により、単
独あるいは組み合わせで使うことが出来る。
RO成分は、R2O成分と同様に、溶融時の安定性を得る
のに重要な役割を果たすが、3%未満ではガラスが失透
して不安定な状態となり、16%を超えると、熱膨張係数
が大きくなってしまう。従ってRO成分の重量割合は3〜
16%に限定される。RO成分としてはアルカリ土類金属酸
化物であるMgO、CaO、SrO、BaOが有効であるが、元素周
期律表II b族のZnO、PbOも光学恒数調整の目的で使用す
ることも出来る。元素周期律表II b族にはCdOもある
が、この成分は、公害問題上、使うことはひかえたい。
R2O3成分はガラスの化学的耐久性向上に大いに寄与す
ると共に、リン酸塩ガラスにおける失透防止剤の役割も
果たしている。R2O3成分は4%未満では化学的耐久性に
顕著な効果がなく、14%を超えると失透防止機能が逆に
失われてしまう。従ってR2O3成分の重量割合は4〜14%
に限定される。R2O3成分には様々なものがあるが、Nd2O
3、Er2O3、Dy2O3等の、特定波長域の光を吸収する希土
類酸化物は少量といえども避けるべきである。そこで、
R2O3成分としては、Al2O3、La2O3、Y2O3、Gd2O3、B2O3
の群から耐失透性と光学恒数の関係で単独又は組み合わ
せで選択される。
RO2、R2O5成分は、必須成分ではないが、化学的耐久
性の改良や光学恒数調整の目的で使うことも可能であ
る。RO2としてはZrO2、TiO2、SiO2、CeO2が、R2O5とし
てはNb2O5、Ta2O5が用いられるが、これらのうちでNb2O
5、TiO2、CeO2等はソーラリゼーション防止剤としての
機能を有しているので、5%を超える多量の使用は溶解
性を悪くするので好ましくないが、5%以下の少量の場
合は有効といえる。
この他に、As2O3、Sb2O3といった清澄促進剤等につい
ては、ダメージフリーガラスの製造が目的である以上、
酸化−還元反応の顕著な成分は、溶融の際にインクルー
ジョンを発生し易すく品質が安定しないため使わない方
が好ましい。
[実施例] 以下、実施例を挙げて、本発明のレーザーシステム用
ガラスについて説明するが、本発明はこれらの実施例に
限定されるものではない。
実施例1〜9 表−1に示すようにP2O5、R2O、RO、R2O3、RO2、R2O5
を本発明で規定された重量割合で十分に混合した。な
お、ガラス原料中に遷移金属等に代表される不純物が存
在すると、レーザー発生波長の1054nmにおける減衰係数
が大きくなってしまうので、P2O5、R2O、RO、R2O3、R
O2、R2O5としては、試薬特級グレードの高純度原料を使
用した。
原料成分を混合した後、白金又はセラミックスルツボ
を用いて、1000〜1400℃で溶解、清澄(脱泡)、均質化
のための充分な撹拌を行なった。その後、粘性調整を行
ない、予熱された型中に鋳込成型し、その後、精密徐冷
によって残留歪を除去し、実施例1〜9のガラスを得
た。
得られた実施例1〜9のガラスは、ハイパワーレーザ
ーシステムと同程度のエネルギー密度(2〜12joule/cm
2)をもつレーザー光を照射させた結果(ダメージテス
ト)、インクルージョンのない均質度の高いものである
ことが確認された。
Ndイオンドープレーザーの発振波長は1054nmであり、
その1054nmの屈折率(n1054)は1.5068であるが、実施
例1〜9のガラスも1054nmの屈折率(n1054)が1.5068
±0.03であることが確認され、レーザーシステム全体の
設計を変更する必要がないことが明らかとなった。
[発明の効果] 本発明によれば、BK7に代表される硼珪酸塩ガラスを
特定組成のリン酸塩ガラスにすることによって、従来問
題となっていたハイパワーレーザーによるガラス内部の
ダメージの起きないレーザーシステム用ガラスを得るこ
とが出来た。このガラスは、均質度の高い光学ガラスで
あり、ハイパワーレーザーシステムにおける偏光子用ガ
ラス、スペーシャルフィルター用レンズ、波長変換用セ
ル用ウィンドーガラス等の光学素子類に供するに充分満
足のいくものである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の成分を下記の重量%で含むことを特
    徴とするレーザーシステム用ガラス。 成分 重量% P2O5 60〜75 R2O 7〜14 RO 3〜16 R2O3 4〜14 RO2+R2O5 0〜 5 (但しR2OはLi2O、Na2O、K2Oから成るアルカリ金属酸化
    物の群から選択され、ROはMgO、CaO、SrO、BaOのアルカ
    リ土類金属酸化物、ZnOおよびPbOの群から選択され、R2
    O3はAl2O3、La2O3、Y2O3、Gd2O3およびB2O3の群から選
    択され、RO2はZrO2、TiO2、SiO2およびCeO2の群から選
    択され、R2O5はNb2O5およびTa2O5の群から選択され
    る。)
  2. 【請求項2】Ndイオンドープレーザーの発振波長である
    1054nmの屈折率(n1054)が1.5068±0.03である、請求
    項1に記載のレーザーシステム用ガラス。
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