JP2684614B2 - クリーム状又は乳液状の皮膚化粧料 - Google Patents

クリーム状又は乳液状の皮膚化粧料

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俊雄 引間
さおり 石畠
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鐘紡株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、保存安定性、官能特性
および保湿性に優れたクリーム状または乳液状の皮膚化
粧料に関する。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】近年、乳
化に関する研究が数多くなされ、その結果、乳化剤の開
発を含めた乳化技術が進歩し、非常に安定な乳化物が多
くの分野で利用されている。ここで用いられる界面活性
剤の多くは、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性
剤、カチオン界面活性剤及び両性界面活性剤であり、こ
れらの合成界面活性剤を使用した場合、一般に皮膚刺激
を与えやすい欠点があった。
【0003】そこで、最近では天然に存在する物質を乳
化剤として用いた乳化システムが広く研究されており、
多くの天然界面活性剤が開発されている。
【0004】グリチルリチン酸塩は甘草からの抽出成分
であり、界面活性能を有する物質として化粧料などに利
用されている(特開昭55−29608号公報、特開昭
56−125305号公報)。
【0005】しかしながら、グリチルリチン酸塩のみを
乳化剤として用いた場合、保存安定性、官能特性の面で
必ずしも十分ではなかった。
【0006】一方、ナトリウム型ベントナイトについて
は、キサンタンガム等の水溶性高分子を併用した乳化型
化粧料(特開昭56−150007号公報)やモノアシ
ル型リン脂質を併用したクリーム状または乳液状の皮膚
化粧料(特開平3−120206号公報)が開示されて
いる。
【0007】しかしながら、これらの組み合わせで得ら
れた乳化型化粧料は、保湿性や官能特性(特に肌なじ
み)の点で未だ十分とは言い難いことが判明した。
【0008】本発明者らは、このような事情に鑑み鋭意
検討した結果、後記クリーム状または乳液状の皮膚化粧
料が保存安定性、官能特性および保湿性に優れているこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明の目的は、保存安定性、官能
特性および保湿性に優れたクリーム状または乳液状の皮
膚化粧料を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、グリチルリチン酸塩、及び100g当り100ミ
リグラム当量〜160ミリグラム当量のカチオン交換性
ナトリウムイオンを含むナトリウム型ベントナイトを含
有することを特徴とするクリーム状または乳液状の皮膚
化粧料である。
【0011】以下、発明の本発明の構成について詳述す
る。本発明に用いられるグリチルリチン酸塩類として
は、18α−グリチルリチン酸のモノナトリウム塩、モ
ノカリウム塩、モノアンモニウム塩、ジカリウム塩、ま
た、18β−グリチルリチン酸のモノナトリウム塩、モ
ノカリウム塩、モノアンモニウム塩、ジカリウム塩など
が特に好ましいものとして挙げることができるが、これ
らに限定されるものではない。
【0012】グリチルリチン酸塩類の化粧料への配合量
は化粧料全量中の0.005〜2.0重量%が好まし
く、更に好ましくは0.05〜1.0重量%である。
0.005%未満では保存安定性が悪く、2.0%を超
えるとそれ自身の溶解性が悪くなり好ましくない。
【0013】本発明に用いられるカチオン交換性ナトリ
ウム型ベントナイトとは、天然のコロイド性含水けい酸
アルミニウムの一種で、純度が高く、カチオン交換能・
水和能・膨潤能を有している。本発明に用いられるベン
トナイトのカチオン交換性ナトリウムイオン含有量が1
00g当り100ミリグラム当量〜160ミリグラム当
量、好ましくは100g当り115ミリグラム当量〜1
40ミリグラム当量で、その4.0重量%水分散液の粘
度は150〜800センチポイズ(B型回転粘度計、測
定20℃)である。このような高純度のナトリウム型ベ
ントナイトは特定の鉱脈から、また物理的・化学的処理
によって得られる。
【0014】カチオン交換性ナトリウム型ベントナイト
の化粧料への配合量は化粧料全量中の0.01〜6.0
重量%が好ましく、更に好ましくは0.05〜4.0重
量%である。0.01重量%未満では保存安定性が悪く
なりやすく6重量%を超えると乳化物の肌目、光沢や使
用時の感触が悪くなりやすい傾向がある。
【0015】グリチルリチン酸塩類及びカチオン交換性
ナトリウム型ベントナイトの化粧料への配合重量比は、
3:1〜1:1が好ましく、更に好ましくは2:1〜
1:1である。
【0016】本発明のクリーム状または乳液状の皮膚化
粧料には、上記必須成分の他に、色素、香料、防腐剤、
顔料、抗酸化剤などを本発明の目的を達成する範囲内で
適宜配合することができる。
【0017】本発明の化粧料は、油相及び水相をそれぞ
れ加熱溶解したものを乳化分散して冷却する通常の方法
により製造することができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を
詳述する。尚、実施例に示す%とは重量%である。実施
例に記載の保存安定性試験法、保湿性試験法、官能テス
トは下記の通りである。
【0019】(1)保存安定性試験法 試料を45℃の恒温槽に入れて経日観察を行い、下記の
判定基準に従って評価した。
【0020】
【0021】ここで異常とは、変色・変臭が生じる,乳
化粒子が粗大になる,油が分離するなどの現象を意味す
る。
【0022】(2)保湿性試験法 I.B.S社性のインピーダンスメーター(IBS−3
54型)を用いて測定した。なお測定は20℃の恒温室
において、一平方センチメートル当たり0.5グラムの
試料を成人男性の上腕に塗布後、10分後のコンダクタ
ンス(単位はマイクロモー)を測定して行った。コンダ
クタンスが大きいほど、一般に皮膚の電気抵抗が小さ
く、皮膚表面の保湿性が良いと言われている。
【0023】(3)官能テスト 披験者20名が試料を10日間連用した後、試料の特性
を評価した。試験結果は、親和性、湿潤性の試験項目に
対し、「肌なじみが良い」、「皮膚に潤いが生じた」と
回答した人数で示した。
【0024】実施例1〜4,比較例1〜6 グリチルリチン酸塩類から選ばれる少なくとも1種、お
よび100グラム当りナトリウムイオンを100ミリグ
ラム〜160ミリグラム含有しているナトリウム型ベン
トナイトを表1の組成において配合し、下記の調製方法
に基づいて乳液を調製した。
【0025】(組成)
【表1】
【0026】(調製方法)(A)、(B)をそれぞれ8
0℃にて均一に溶解し、(B)を攪拌しながら(A)を
(B)に注入して乳化分散した後、攪拌しながら温度3
0℃まで冷却して調製する。
【0027】各々について前記の諸試験を実施し、その
結果を表2及び表3に示した。
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】(特性)本発明の実施例1〜4の乳液は諸
特性において顕著な効果が認められた。一方、比較例1
〜6の乳液は本発明の実施例に比べて諸特性において劣
っていた。
【0031】実施例5 老化防止クリーム 表4の組成により本発明の老化防止クリームを下記の製
法によって調製した。
【0032】(組成)
【表4】
【0033】(調製法)(A),(B)の各成分をそれ
ぞれ混合溶解し、(A)を(B)に加えて混合攪拌して
調製した。
【0034】(特性)この実施例5の老化防止クリーム
は、前記諸試験すべてにおいて良好な結果を示した。
【0035】
【発明の効果】以上記載のごとく、本発明が優れた官能
特性を有し、且つ保湿効果高く、品質上安定性の高いク
リーム状または乳液状の皮膚化粧料を提供することは明
らかである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリチルリチン酸塩、及び100g当り
    100ミリグラム当量〜160ミリグラム当量のカチオ
    ン交換性ナトリウムイオンを含むナトリウム型ベントナ
    イトを含有することを特徴とするクリーム状または乳液
    状の皮膚化粧料。
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