JP2683745B2 - 光ファイバ端面状態の検出方法及び検出装置 - Google Patents

光ファイバ端面状態の検出方法及び検出装置

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JP2683745B2 JP2725088A JP2725088A JP2683745B2 JP 2683745 B2 JP2683745 B2 JP 2683745B2 JP 2725088 A JP2725088 A JP 2725088A JP 2725088 A JP2725088 A JP 2725088A JP 2683745 B2 JP2683745 B2 JP 2683745B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、光ファイバを介して当該光軸とほぼ直交
する方向に光源と撮像素子を配置し、この光ファイバ内
の透過光を検知することにより光ファイバの端面状態を
検出する方法に関するものである。
また、光ファイバ内の透過光を撮像素子で検知し、当
該光ファイバの端面状態における損傷や傾斜等を検出す
る装置に関するものである。
〔従来の技術〕
第6図は、従来の光ファイバ端部の検出装置の基本原
理を示すものである。光ファイバ1は、たとえばV溝2
で保持され、光源3により光ファイバ1の光軸とほぼ直
行する方向から当該端部が照射されている。撮像素子4
は、光ファイバ1からの反射光を受光できるように、光
ファイバ1の上方に設置されている。
光源3からの光は、一方向から光ファイバ1の表面に
照射され、一定方向に反射される。撮像素子4は、その
反射光を受光し、画像をTVカメラ等に撮し出す。
第7図は、TVカメラに撮し出された光ファイバ1の端
部を示すものである。たとえば、光ファイバ1の端部が
損傷部や傾斜面を有する場合には、同図(a)で示すよ
うに、TVカメラで撮し出されるので、光ファイバの端部
状態の良否を判断することができる。同図(b)は、光
ファイバ1の端部に損傷部や傾斜面を持たない正常な場
合を示すものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、従来技術は反射光により一方向から観察する
ものであるため、一方向の切断角度や切断状態しかTVカ
メラ等に撮し出すことができない。たとえば、観察方向
の裏側に損傷や傾斜面があってもTVカメラに撮し出され
る画像は第7図(b)と全く同一になり、正常でない光
ファイバを検出することができないという欠点があっ
た。
第8図は、端面状態による接続損失を示すものであ
り、端面の傾斜の程度により損失はほぼ比例して増加し
ていることが実験的に立証されている。
そこでこの発明は、光ファイバの端面状態を正確に検
出できる検出方法を提供することにより、検出精度及び
作業能率の向上を目的とするものである。
また、光ファイバの端面状態を簡単な構造で正確に検
出できる検出装置を提供することにより、検出精度及び
作業能率の向上を目的とするものである。
上記課題を解決するため、本発明に係る光ファイバ端
面状態の検出方法は、光ファイバを介して、この光ファ
イバの光軸線とほぼ直交する方向に光源と撮像素子を配
置し、光ファイバを透過した透過光を検知することによ
り光ファイバの端面状態を検出する光ファイバ端面状態
の検出方法において、透過光を、光ファイバ像として撮
像素子上に結像させ、画像信号に変換し、画像信号に基
づいて、光ファイバ像の端面傾斜角θと、光ファイバ
像の光軸線上における明暗部境界から端部までの距離d2
とを求め、端面傾斜角θと距離d2とを用いて、光ファ
イバの端面傾斜角θ、端面損傷等の端面状態を検出する
ことを特徴とする。
この場合、光ファイバの端面傾斜角θを、光ファイバ
の外径をDとし、 θ=cos-1〔1/{tan2θ+tan2(tan-1d2/D)+1}
1/2〕 として検出すると好ましい。
更に、端面損傷を、距離d2と所定の限度値dthとを比
較することにより検出すると好ましい。
また、本発明に係る光ファイバ端部の検出装置は、光
ファイバの端部を照射するため、光ファイバの光軸とほ
ぼ直交する方向に配設された光源と、光ファイバを介し
て光源と対向する位置に配設され、光ファイバを透過し
た透過光を、光ファイバ像として結像させ、画像信号に
変換する撮像手段と、撮像手段により得られた画像信号
をA/D変換する画像信号処理手段と、画像信号処理手段
により得られた信号に基づき、光ファイバ像の端面傾斜
角θと、光ファイバ像の光軸線上における明暗部境界
から端部までの距離d2とを算出し、端面傾斜角θと距
離d2とを用いて、光ファイバの端面傾斜角θ、端面損傷
等の端部状態を検出する演算手段とを備えたことを特徴
とする。
この場合、演算手段は、光ファイバの端面傾斜角θ
を、光ファイバの外径をDとし、 θ=cos-1〔1/tan2θ+tan2(tan-1d2/D)+
1}1/2〕 として検出すると好ましい。
また、演算手段は、端面損傷を、距離d2と所定の限界
値dthとを比較することにより検出すると好ましい。
〔作用〕 この発明は、以上のように構成されているので、観察
方向からの端面状態ばかりではなく、その裏面側の端面
状態(損傷、傾斜等)を簡単に検出することができる。
そのため、検出精度が向上し、作業能率が向上する。
また、観察方向からの端面状態及びその裏側の端面状
態を簡単に検出することができる。
〔実施例〕
以下、この発明の一実施例に係る光ファイバ端面状態
の検出方法及び検出装置を添付図面を参照しながら説明
する。なお、説明において同一要素には同一符号を用
い、重複する説明は省略する。
まず、検出装置について説明する。基本的に検出装置
は、光源、撮像手段、画像信号処理手段及び演算手段で
構成される。第1図は、一実施例に係る検出装置を示す
ものである。
光ファイバ1は、たとえばV溝等(図示せず)によっ
て保持されており、その光軸とほぼ直交する方向で光源
3と撮像手段5が光ファイバ1を介して配設されてい
る。光源3は、光ファイバ1の端部を照射するためのも
のであり、単色光を発するLEDが使用されている。照射
光は、平行光が望ましいので、光束を平行状態にするた
めにレンズを介在したり、高輝度のLEDを十分に離れた
距離に配置することがある。
撮像手段5は、光源3から発光され、光ファイバ1を
透過した透過光を受光し、光ファイバ像として結像させ
るためもので、対物レンズ5a、鏡筒5b及び撮像素子5cを
含んで構成されている。光ファイバ1の端部を通過した
透過光は、対物レンズ5aで拡大され、鏡筒5bを通って撮
像素子5cに送られる。撮像素子5cは、光ファイバ像を電
気信号に変換するもので、CCD素子や撮像管等が使用さ
れている。この撮像素子5cは、画像信号処理手段6へ電
気的に接続されている。
画像処理手段6は、撮像素子5cからのアナログ量の画
像信号を受け取り、この画像信号を、2値化信号にA/D
変換し、演算手段7に送る。A/D変換された2値化信号
に基づいて明部と暗部の境界(以下「明暗部境界」とい
う)を明確にし演算処理がなされる。
画像信号処理手段6により得られた2値化信号は、演
算手段7に送られ、所定の計算方式に基づく演算処理が
なされる。この演算結果により、光ファイバ1の端面状
態が検出され、端面状態の良否が判断できる。なお、所
定の計算方式については後述する。光源3から発光さ
れ、光ファイバ1を透過した透過光は、明部と暗部に分
かれた状態の光ファイバ像として、撮像手段5の撮像素
子5c上に結像し、画像信号に変換される。この画像信号
は、TVカメラ(図示せず)に送られ、TVモニタ上に、光
ファイバ像が表示される。
第2図は、その画像を拡大して示すものであり、第3
図は、光ファイバ1を通過する光の光路を示すものであ
る。以下、第2図及び第3図に基づき、透過光が明部と
暗部に分かれる原理を説明する。画像内には次の4つの
部分が撮し出される。
a部(明部)は、光ファイバ1の外側を通り、対物レ
ンズ5aに入る光a′部に相当するものである。b部(暗
部)は、光ファイバが丸く構成され、その端部を通る光
b′が屈折して対物レンズ5aに入ることができないため
に生ずるものである。c部(明部)は、光ファイバ1の
中央よりを通る光が対物レンズ5aに入ることから明るく
なるものである。なお、対物レズ5aの開口数が大きくな
る程c部の幅は広くなり、b部は幅は狭くなる。d部
(少し暗い部分)は、c部の中央に2本平行に並んでお
り、コア部1aをかすめて通る光d′がクラッド部1b内を
進行するのに対し、コア部1aの端部近傍を通る光d″が
少し屈折するために生ずるものである。この2本のd部
の線の間がコア部1aに相当する。
ところが、光ファイバ1の端部に損傷や傾斜部が存在
すると、第5図で示すように、本来入射すべき透過光が
対物レンズ5aに入射せず、光ファイバ1の中央部に生ず
る明部は光ファイバ1の端部に至る途中で途切れてしま
う(同図(b)、(c))。そこでこの発明は、かかる
原理を利用し、光ファイバの端面状態を検出せんとする
ものである。
第4図は、光ファイバの端面状態が正常でない場合を
示したものである。以下の説明において、光ファイバの
光軸方向をz方向、観察方向(あるいは照射方向)をx
方向、z方向及びx方向と直交する方向をy方向とす
る。同図(a)乃至(c)は、ファイバの端面が斜めに
切断されており、端面傾斜角(光ファイバの光軸線と直
交する面と、端面とがなす角度)が、角度θとなってい
る光ファイバをV溝に保持させた状態と、この場合の光
ファイバ像を示すものである。ここで、同図(a)は、
この光ファイバを、x軸及びz軸とで形成される面(以
下、「xz平面」という)と端面との交線とx軸とが平行
になる状態でV溝に保持させた場合を示すものである。
また、同図(b)は、この光ファイバを、y軸及びz軸
とで形成される面(以下、「yz平面」という)と端面と
の交線とy軸とが平行になる状態でV溝に保持させた場
合を示すものである。更に、同図(c)は、この光ファ
イバをV溝に保持させた際、同図(a)又は(b)の状
態にはならなかった場合、即ち、端面とxz平面との交線
と、y軸とが平行にはならず、端面とyz平面との交線
と、x軸とが平行にはならなかった場合を示すものであ
る。
これに対して、同図(d)は、ファイバの端面が正し
くカットされており、端面傾斜角が、0゜となっている
光ファイバをV溝に保持させた状態と、この場合の光フ
ァイバ像を示すものである。同図(a)の場合、光ファ
イバの端面傾斜角θは、TVカメラに撮し出される光ファ
イバ像の端面傾斜角θと同一であるので、 θ=θ …(1) として求めることができる。同図(b)の場合、光ファ
イバの端面傾斜角θは、TVカメラに撮し出される光ファ
イバ像の光軸線上における端部eから明暗部境界fまで
の距離をd2、光ファイバの外径をDとすれば、 θ=tan-1d2/D …(2) として求めることができる。
一方、同図(c)の場合、光ファイバの端面傾斜角θ
は、式(1)及び式(2)を利用すれば、 θ=cos-1〔1−{tan2θ+tan2(tan-1d2/D)+1}
1/2〕 …(3) として求めることができる。従って、何れの場合も、θ
とd2を測定することにより、光ファイバの端面におけ
る傾斜角θを求めることができる。このように、あらゆ
る損傷や傾斜が検出できるので、たとえば観察前に限界
値dth、θthを求めておき、観察の結果検出されたd2
るいはθがこれらの限界値を越える場合には機械的に切
断不良と判別し、切断をやり直すことができる。また
は、d2及びθと接続損失との関係を予め実験で求めてお
き、観察の結果検出されたd2及びθにより接続損失を計
算することもできる。これらの判別及び計算を、上述し
た演算手段で行うことにより、自動的に融着接続におけ
る接続可否の判定ができ、良好な接続の保証精度が向上
する。
なお、この発明は光ファイバの融着接続のみならず、
一般的に端面状態の良否が問題となる場合(構造測定、
特性検査等)に適用できる。
また、本実施例においては明暗部の境界検出のための
処理方法として2値化処理を用いた例を示したが、微分
処理その他の処理を利用してもよく、処理方法が本発明
の内容を限定するものではない。
〔発明の効果〕
この発明は、以上説明したように構成されているの
で、光ファイバの端面状態を簡単に、かつ正確に検出す
ることができる。
また、簡単な構造で光ファイバの端面状態の良否を機
械的に判別することができるので、作業能率が向上す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の一実施例に係る光ファイバ端面状
態の検出装置を示すブロック図、第2図は、TV画像の説
明図、第3図は、光ファイバを透過する光の光路と対物
レンズの位置関係を示す図、第4図は光ファイバの端面
状態を示す図、第5図は、端面状態が良好及び良好でな
い場合に光ファイバを透過する光の光路を示す図、第6
図は、従来技術の説明図、第7図は、従来技術により撮
し出された光ファイバ端面のTV画像を示す図、第8図
は、端面傾斜による接続損失を示す図である。 1……光ファイバ、2……V溝、3……光源、4……撮
像素子、5……撮像手段、6……画像信号処理手段、7
……演算手段。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光ファイバを介して、この光ファイバの光
    軸線とほぼ直交する方向に光源と撮像素子を配置し、前
    記光ファイバを透過した透過光を検知することにより前
    記光ファイバの端面状態を検出する光ファイバ端面状態
    の検出方法において、 前記透過光を、光ファイバ像として前記撮像素子上に結
    像させ、画像信号に変換し、 前記画像信号に基づいて、前記光ファイバ像の端面領域
    角θと、前記光ファイバ像の光軸線上における明暗部
    境界から端部までの距離d2とを求め、 前記端面傾斜角θと前記距離d2とを用いて、前記光フ
    ァイバの端面傾斜角θ、端面損傷等の前記端面状態を検
    出する光ファイバ端面状態の検出方法。
  2. 【請求項2】前記端面傾斜角θを、光ファイバの外径を
    Dとし、 θ=cos-1〔1/{tan2θ+tan2(tan-1d2/D)+1}
    1/2〕 として検出する請求項1記載の光ファイバ端面状態の検
    出方法。
  3. 【請求項3】前記端面損傷を、前記距離d2と所定の限界
    値dthとを比較することにより検出する請求項1又は2
    記載の光ファイバ端面状態の検出方法。
  4. 【請求項4】光ファイバの端部を照射するため前記光フ
    ァイバの光軸とほぼ直交する方向に配設された光源と、 前記光ファイバを介して前記光源と対向する位置に配設
    され、前記光ファイバを透過した透過光を、光ファイバ
    像として結像させ、画像信号に変換する撮像手段と、 前記撮像手段により得られた画像信号をA/D変換する画
    像信号処理手段と、 前記画像信号処理手段により得られた信号に基づき、前
    記光ファイバ像の端面傾斜角θと、前記光ファイバ像
    の光軸線上における明暗部境界から端部までの距離d2
    を算出し、前記端面傾斜角θと前記距離d2とを用い
    て、前記光ファイバの端面傾斜角θ、端面損傷等の端部
    状態を検出する演算手段とを備えたことを特徴とする光
    ファイバ端部の検出装置。
  5. 【請求項5】前記演算手段は、前記端面傾斜角θを、光
    ファイバの外径をDとし、 θ=cos-1〔1/{tan2θ+tan2(tan-1d2/D)+1}
    1/2〕 として検出することを特徴とする請求項4記載の光ファ
    イバ端部の検出装置。
  6. 【請求項6】前記演算手段は、前記端面損傷を、前記距
    離d2と所定の限界値dthとを比較することにより検出す
    ることを特徴とする請求項4又は5記載の光ファイバ端
    部の検出装置。
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