JP2681696B2 - 丸編機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は丸編機に関し、特に、シリンダーおよびダイ
アルの取替えを簡便に行うことができるダブルニット丸
編機、およびシリンダーおよびシンカーダイアルの取替
えを簡便に行うことができるシングルニット丸編機に関
する。

［従来の技術］ 従来のダブルニット丸編機においては、ダイアルがダ
イアル支持盤の上面に設置されており、ダイアル支持盤
は機軸の下端段部の上面に嵌合され、かつその下端段部
の下方よりボルトによって一体的に取り付けられてい
る。

機軸の上端部にはキーを介して大ギヤがナットにより
固定されている。この機軸は固定されている内筒支持盤
の上下に挿嵌された２個の軸受によって回転可能に支持
されている。

内筒支持盤には、ダイアル針制御カムを有するダイア
ルカムホルダーが取り付けられている。この内筒支持盤
の上端部には内筒支持盤の上下移動を調整する調整ナッ
トが取り付けられている。内筒支持盤は外側に設置され
ている外筒支持枠に固定され、外筒支持枠は３本のサポ
ートによって支持されている。

また、シングルニット丸編機、特に給糸切換装置およ
び選定装置を有するシングルニット丸編機においては、
給糸切換装置および選定装置を含む構成部材が、前述の
ダブルニット丸編機のダイアルと似た形式で設置されて
いる。

［発明が解決しようとする課題］ 不良箇所の補修または機種の変更・改良のために、ダ
ブルニット丸編機においては、シリンダーおよびダイア
ルを取り替えることがあり、シングルニット丸編機にお
いては、シリンダーおよびシンカーダイアルを取り替え
ることがある。これら重量物の取替作業を行うには、ダ
ブルニット丸編機の場合はダイアルを含む構成部材を、
シングルニット丸編機の場合は給糸切換装置および選定
装置を含む構成部材を、それぞれチエーンブロック等に
より吊り上げなければならなかった。これは、非常に困
難かつ煩わしい作業である。しかも建物の高さに制限が
ある場合には、これらの構成部材を吊り上げることがで
きず、またフロアースペースに制限がある場合には、持
ち上げた前記構成部材をフロアーに一旦降ろすことがで
きず、一層困難な作業が強いられていた。

本発明はこの問題点に鑑みて行なわれたもので、シリ
ンダーおよびダイアルの取替えを簡便に行えるダブルニ
ット丸編機、およびシリンダーおよびシンカーダイアル
の取替えを簡便に行えるシングルニット丸編機を提供す
ることを目的とするものである。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成する本発明のダブルニット丸編機は、
ベッド上に回転可能に支持され、その中で縦方向に運動
できるように支持された編針を有するシリンダーと、こ
のシリンダーの上端円形開口部に隣接して設けられたダ
イアルとを有するダブルニット丸編機であって、前記ダ
イアルを着脱可能に支持する機軸と、この機軸を中心と
してその外側に入子式に設けられた内筒部および外筒部
と、前記外筒部を支持するフレームと、ダイアルカムホ
ルダーを支持する内筒部支持部材と、前記ダイアルおよ
び前記ダイアルカムホルダーを共に垂直方向に移動させ
る昇降手段とを有するダブルニット丸編機において、こ
の昇降手段は、入子式内外筒部をシリンダーの除去交換
を可能ならしめるのに十分な距離だけ短縮可能であっ
て、なおかつ、この昇降手段はウオームギヤとラックか
らなることを特徴とする。

また、本発明のシングルニット丸編機は、ベッド上に
回転可能に支持され、その中で縦方向に運動できるよう
に支持された編針を有するシリンダーと、編針に対する
給糸を制御する給糸切換装置と、この給糸切換を制御す
る回転可能な選定装置を有するシングル丸編機であっ
て、前記給糸切換装置および前記選定装置を支持する支
持部材と、前記支持部材を支持する機軸と、前記機軸を
中心としてその外側に入子式に設けられた内筒支持部材
および外筒支持部材と、前記外筒支持部材を支持するフ
レームと、前記給糸切換装置および前記選定装置を共に
垂直方向に移動させる昇降手段とを有するシングル丸編
機において、この昇降手段は、入子式内外筒支持部材を
シリンダーの除去交換を可能ならしめるのに十分な距離
だけ短縮可能であって、なおかつ、この昇降手段はウオ
ームギヤとラックからなることを特徴とする。

［作用］ 本発明のダブルニット丸編機によれば、人為的に昇降
手段のウオームギヤを回転させると、ダイアルを含む構
成部材が上昇し、シリンダー上に空間が創出される。そ
の空間を利用してシリンダーおよびダイアルを機械の横
方向へ取り出すことが出来る。

同様に、本発明のシングルニット丸編機でも、給糸切
換装置および選定装置を含む構成部材を昇降手段により
上昇させて、シリンダーおよびシンカーダイアルを機械
の横方向へ取り出すことが出来る。

このように本発明では、ダイアル、給糸切換装置、選
定装置などの構成部材を取り出すのにチエーンブロック
等で吊り上げるような煩わしく、困難な作業を必要とし
ない。その結果、シリンダーおよびダイアル、またはシ
リンダーおよびシンカーダイアルの取替え作業を簡便に
行うことが出来る。

［実施例］ 以下、添付の図面に基づき本発明の実施例を説明す
る。

第１図は第１実施例に係るダブルニット丸編機であ
る。図において符号１はベッドであり、ベッド１の上方
に編成部２が設置され、この編成部２によって編まれた
筒状の編地はその下側の巻取り装置３によって偏平状に
巻取られていくのである。ベッド１は３本のレッグ4,5,
6によって支持されている。

第２図に示すように、前記編成部２は、シリンダー針
部７と、ダイアル針部８とヤーンキャリア（図示せず）
を備えている。

シリンダー針部７では回転シリンダー９の外周に形成
された多数の針溝に沿ってシリンダー針（図示せず）が
垂直方向に摺動自在である。このシリンダー針はシリン
ダーカムホルダー10に設けられた作動カム（図示せず）
によって制御される。一方ダイアル針部８ではダイアル
11に形成されたダイアル溝に沿ってダイアル針（図示せ
ず）が半径方向に摺動自在である。このダイアル針はダ
イアムカムホルダー16に設けられた作動カム（図示せ
ず）によって制御される。

これらのシリンダー９およびダイアル11は通常機械に
配置されている駆動源より駆動されるとき同速的に回転
する。

ダイアル11はフランジ12と共にボルト13によって機軸
14の下端段部15の下面に取り付けられている。

機軸14は内筒支持盤16bに設けられているベアリング1
7,17により回転可能なるように支持されている。内筒支
持盤16bの内筒部16aにはラック24が取り付けられてお
り、内筒部16aはその外側に設けられた外筒支持盤22に
遊嵌されている。

前記機軸14の上端部には、キー18を介して大ギヤ19が
取り付けられている。機軸14は大ギヤ19のキー溝を案内
として上下に摺動可能になっている。

大ギヤ19の直下ではベアリング20がベアリングハウジ
ング21に収容されている。ベアリングハウジング21は外
筒支持盤22上に取り付けられている。

外筒支持盤22はその外側に位置する外筒支持枠23（第
１図参照）に取り付けられている。外筒支持枠23は３本
のサポート25,26,27により保持されている 外筒支持枠23の上方には、大ギヤ19を覆うカバー28が
張設されている。

前記外筒支持盤22の外筒部22aには本発明の特徴であ
る、ダイアルを含む構成部材の昇降手段が設けられてい
る。この昇降手段はウオームギヤ29と前記ラック24から
なる。

ウオーム30はウオーム軸31に固着され、その両軸部が
ハウジング32の軸受部33,34によって回転可能に支持さ
れている。ウオームホイール35はホイール軸36に固着さ
れ、この両軸部が第３図に示す軸受部37,38によって回
転可能なように支持されている。

上述した昇降手段の操作について説明すると、予めフ
ランジ12を取り外し、ダイアル11をシリンダー９上に載
置しておく。次いでウオーム30の軸端部を六角レンチ等
の工具で回転させると、ウオーム30はウオームホイール
35を回転させ、ウオームホイール35と噛合している前記
ラック24が取り付けられている内筒支持盤16bと共に機
軸14を上方へ移動させる。この結果、シリンダー９上に
空間が創出され、この空間を利用してシリンダー９およ
びダイアル11を機械の横方向（すなわち、第４図に示す
矢方向）へ取り出すことが出来る。

第５図は本発明第２実施例のシングル丸編機であっ
て、本発明第１実施例のダブルニット丸編機に対応する
部分には同一の符号を付している。第１実施例と異なる
ところは、給糸切換装置40と、この給糸切換装置40に対
応してその内側に電磁石を含む選定装置43を備えている
点と、本発明第１実施例の外筒支持盤22に相当する外筒
支持枠47が直接３本のサポート25a,26a,27aによって固
定されている点である。

第６図に示すように、給糸切換装置40は固定支持盤41
の外側の底部に取り付けられており、固定支持盤41は円
筒支持盤42に一体的に取り付けられている。

この給糸切換装置40の内側には、選定装置43が回転支
持盤44に取り付けられており、回転支持盤44は機軸45に
取り付けられている。前記円筒支持盤42にはラック46が
取り付けられており、この円筒支持盤42は外筒支持枠47
内を上下に摺動可能である。外筒支持枠47は３本のサポ
ート25a,26a,27a（第５図参照）によって固定されてい
る。外筒支持枠47には本発明の特徴である昇降手段（す
なわちラック46とこれに噛合しているウオームギヤ48）
が取り付けられている。

上述した昇降手段について前述と同様の操作を行い、
第４図の矢方向へシリンダー49もしくはシリンダー49の
外側に設けられたシンカーダイアル50を取り出すことが
出来る。

［効果］ 本発明によれば、ダブルニットまたはシングルニット
丸編機に昇降手段を取り付けることにより、従来のよう
にチェーンブロック等を用いずに、簡便にシリンダーお
よびダイアル、またはシリンダーおよびシンカーダイア
ルを取り出すことができる。その結果、不良箇所の修
理、機種の変更などが極めて容易になった。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明第１実施例に係るダブルニット丸編機に
おける全体の一部切欠断面図を含んだ正面図である。 第２図は第１図のシリンダーおよびダイアルの構成部材
を示した拡大断面図である。 第３図は昇降手段の正面図である。 第４図は第１図のIV−IV線断面図である。 第５図は本発明第２実施例に係るシングルニット丸編機
における全体の一部切欠断面図を含んだ正面図である。 第６図は第５図における糸切換装置および選定装置を含
む要部の構成部材を示す拡大断面図である。 （第１図〜第４図……第１実施例） ９……シリンダー 11……ダイアル 12……フランジ 14……機軸 16……ダイアルカムホルダー 16b……内筒支持盤（内筒支持部材） 16a……内筒部 22……外筒支持盤（外筒支持部材） 22a……外筒部 24,29……ウオームギヤとラック（昇降装置） （第３図、第５図、第６図……第２実施例） 40……給糸切換装置 42……円筒支持盤（円筒支持部材） 43……選定装置 45……機軸 47……外筒支持枠（外筒支持部材） 46,48……ウオームギヤとラック（昇降装置） 49……シリンダー 50……シンカーダイアル

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ベッド（１）上に回転可能に支持され、そ
   の中で縦方向に運動できるように支持された編針を有す
   るシリンダー（９）と、このシリンダーの上端円形開口
   部に隣接して設けられたダイアル（11）とを有するダブ
   ルニット丸編機であって、 前記ダイアル（11）を着脱可能に支持する機軸（14）
   と、 この機軸（14）を中心としてその外側に入子式に設けら
   れた内筒部（16a）および外筒部（22a）と、 前記外筒部（22a）を支持するフレームと、 ダイアルカムホルダー（16）を支持する内筒部支持部材
   （16b）と、 前記ダイアル（11）および前記ダイアルカムホルダー
   （16）を共に垂直方向に移動させる昇降手段とを有する
   ダブルニット丸編機において、 この昇降手段は、入子式内外筒部（16a,22a）をシリン
   ダー（９）の除去交換を可能ならしめるのに十分な距離
   だけ短縮可能であって、なおかつ、 この昇降手段はウオームギヤ（29）とラック（24）の組
   み合わせからなることを特徴とするダブルニット丸編
   機。
2. 【請求項２】ベッド（１）上に回転可能に支持され、そ
   の中で縦方向に運動できるように支持された編針を有す
   るシリンダー（49）と、編針に対する給糸を制御する給
   糸切換装置（40）と、この給糸切換を制御する回転可能
   な選定装置（43）を有するシングル丸編機であって、 前記給糸切換装置（40）および前記選定装置（43）を支
   持する支持部材（41）と、 前記支持部材（41）を支持する機軸（45）と、 前記機軸（45）を中心としてその外側に入子式に設けら
   れた内筒支持部材（42）および外筒支持部材（47）と、 前記外筒支持部材（47）を支持するフレームと、 前記給糸切換装置（40）および前記選定装置（43）を共
   に垂直方向に移動させる昇降手段とを有するシングル丸
   編機において、 この昇降手段は、入子式内外筒支持部材（42,47）をシ
   リンダー（49）の除去交換を可能ならしめるのに十分な
   距離だけ短縮可能であって、なおかつ、 この昇降手段はウオームギヤ（48）とラック（46）の組
   み合わせからなることを特徴とするシングルニット丸編
   機。