JP2681582B2 - シート材のスリット方法およびスリッター装置 - Google Patents

シート材のスリット方法およびスリッター装置

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JP2681582B2
JP2681582B2 JP4317816A JP31781692A JP2681582B2 JP 2681582 B2 JP2681582 B2 JP 2681582B2 JP 4317816 A JP4317816 A JP 4317816A JP 31781692 A JP31781692 A JP 31781692A JP 2681582 B2 JP2681582 B2 JP 2681582B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシート材のスリット方法
およびこれに用いるスリッター装置に関する。さらに詳
しくは、シート状、帯状の金属板等(以下、シート材と
いう)を、一対の丸刃の間に通してスリットする方法お
よびその方法に用いるスリッター装置に関する。なおこ
こで「スリットする」とは、シート材を長手方向に一定
幅でスリットしてフープ材を形成する場合のほか、シー
ト材の両サイドを切り落としてまっすぐに揃えるいわゆ
るトリミング加工を含む概念である。
【0002】
【従来の技術及び問題点】一般的にシート材を一定幅に
スリットする場合、シート材の走行方向に対してそれぞ
れ横方向に配置した上下一対の軸(アーバー)に丸刃を
支持させ、それらの丸刃の間にシート材を通していわば
挟みきるようにする。そのとき、シート材を出口側に引
っ張って丸刃を従動的に回転させたり、あるいはいずれ
か一方、または両方の丸刃を回転駆動する。この場合、
図10に示すように一対の丸刃101、102のエッジ
103、104は、軸方向のクリアランスCを介してた
がいにオーバーラップさせている。このときのオーバー
ラップ量が図10のVである。このようなスリット方法
を行うため、上下のアーバー106に丸刃(ナイフ)と
スペーサを交互に挿入し、スリッティング幅をセットす
ると同時に上下の丸刃101、102のクリアランスC
を調整する。その後、上下のアーバー間の距離を調節
し、オーバーラップ量を調節する。この様なスリット方
法でシート材をスリットすると図10の107に示すか
えりが発生する。前記クリアランス量Cは、従来通常シ
ート材105の厚さtの1/10程度とされていたが、
かえり量107を出来るだけ少なくすることはかねてよ
り要求されてきた。従って、シート材の厚さが薄い場合
(たとえば0.05〜0.1mm)には、クリアランス
量Cは極めて微小量となるため、その調節がむずかし
い。特に多条にスリットする場合は、すべての隣接する
丸刃同士の間隔も調節しなければならず、きわめて困難
である。このような問題を解消するため、本出願人はす
でに特開平2−232115号公報および特開平3−1
96912号公報記載のスリッター装置を提案してい
る。これらの装置では、丸刃毎に個々のアーバーを設
け、そのアーバーの高さや軸方向の位置の調節を他の丸
刃とは独立して行えるようにし、クリアランスやオーバ
ーラップの調節を容易にしている。しかし、これらの装
置は、一対の丸刃ごとに調整可能にして調整作業を容易
化しているものの、調整作業自体は不可欠である。ま
た、特開平2−232115号公報の装置では、クリア
ランス調整を自動化しているが、自動化のための機構を
組み組むために隣接する丸刃間の距離が大きくなり、幅
が狭いスリットはできないという問題がある。一方、丸
刃のアーバーへの固定を容易化する装置として、油圧拡
縮アーバー(油圧により、アーバー外径を拡縮させ丸刃
を固定する構造のアーバー)、或いは伸縮自在なスペー
サ、半割のスペーサ等が早くから提唱されている。しか
し従来の一対の丸刃でシート材を挟み切るスリット方法
では、丸刃同士を軸方向に離そうとするスラスト力(図
10のF)が働く。そのためこの側方の力Fに抗してク
リアランスCを適切に保持するために、丸刃101,1
02をアーバー106に対し、きわめて大きい固定力で
固定する必要がある。さらにクリアランスCの精度を高
く維持する必要もある。そのため油圧拡縮アーバーによ
る丸刃固定は実用上の使用が困難である。また、伸縮ス
ペーサーや半割スペーサーも、通常スペーサーに比べて
部品点数が多く組付け時に製作誤差が累積されるため、
シート材の厚さが薄い場合には、実用上の使用が困難で
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上下
の丸刃間のクリアランスの調整を不要とし、丸刃の組み
替作業の能率化を図ると共に、丸刃をアーバーに対して
容易に取り付けることができ、かつクリアランスを高精
度に維持でき、しかもかえりの小さいスリット方法及び
装置を提案することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のスリット方法は、一定の刃厚を備え、両側
縁に沿ってエッジが形成されたディスク状の第1の丸刃
を第1の軸で支持し、外周に、第1の丸刃の刃厚に必要
なクリアランスを加えた幅の溝を形成した第2の丸刃を
前記第1の軸と平行の第2の軸で支持し、第2の丸刃の
溝に第1の丸刃の周縁部を所定のオーバーラップ量で噛
み込ませ、両方の丸刃を逆方向に回転させながら、その
間にシート材を通し、溝内に切り込ませながらシート材
をスリットすることを特徴とする。さらに本発明のスリ
ッター装置は、一定の刃厚を備え、両側縁に沿ってエッ
ジが形成されたディスク状の第1の丸刃を第1の軸で支
持し、外周に第1の丸刃の刃厚に必要なクリアランスを
加えた幅の溝を形成した第2の丸刃を前記第1の軸と平
行の第2の軸で支持し、第2の丸刃の溝に第1の丸刃の
周縁部を所定のオーバーラップ量で噛み込ませたことを
特徴としている。このようなスリッター装置において
は、第2の丸刃の溝の中に沈んでいる部分と、この部分
と滑らかにつながり、溝の外部にいたる部分とを有する
ガイド面を備えた屑除去部材を設けるのが好ましい。ま
た第1の丸刃は、薄いディスク状とし、この第1の丸刃
を両側から挟み込み、一対のホルダーを介して第1の軸
に結合するのが好ましく、さらに第1の丸刃を交換可能
に挟持するものが好ましく、さらに第1の軸を交換可能
に挟持するのが好ましい。前記第1の丸刃と第2の丸刃
の対を複数セット設け、第1の軸または第2の軸の少な
くとも一方を各丸刃ごとに独立して設けた独立アーバー
とするのが好ましい。一組の第2の丸刃に対し、複数の
第1の丸刃を組み合わせ自在に準備しておけば、スリッ
ト幅の調節が一層簡単になるので好ましい。前記第1の
丸刃と第2の丸刃の組を一緒に軸の軸心方向に移動させ
る駆動機構を設けることにより、本発明の利用価値が一
層高くなる。
【0005】
【作用】本発明の方法および装置においては、図2に示
すように第2の丸刃4(下刃)の溝4aに第1の丸刃1
(上刃)の周縁部1aを噛み込ませているので、第1の
丸刃1の両側面と第2の丸刃の溝4aの内側面との間隔
はクリアランスC1,C2になる。そして両側のクリア
ランスを加えた値(C1+C2)はスリット加工を通じ
て変化しない。さらにシート材12は、第1の丸刃1の
両側縁のエッジ1b,1cと第2の丸刃4の溝4aの内
側面上端のエッジ4b,4cとでスリットされ、細い幅
の屑9がスクラップとなり、細い幅の屑9の両エッジ
で、実質的に同じ条件で対称的にスリットされる。その
ため第1の丸刃1の両側のクリアランスC1,C2は自
動的に均一化される。したがって両側のクリアランスを
加えたもの(C1+C2)が変化しないので、それぞれ
の左右のクリアランスC1,C2もスリット加工の時に
変化しない。結局、スリットしようとするシート材12
の厚さに応じて一旦、第1の丸刃の刃厚Tおよび第2の
丸刃の溝幅Wを選択すれば、クリアランスが定まってし
まい、第1および第2の丸刃の組をどの位置にセットし
ても、クリアランスの調整は全く不要になる。
【0006】
【実施例】つぎに図面を参照しながら本発明の方法およ
び装置を説明する。図1は本発明のスリット方法の一実
施例を示す要部斜視図である。図1において1は上アー
バー3aに取り付けられたディスク状の丸刃(以下、上
刃という)であり、請求項1の第1の丸刃である。また
4は下アーバー3bに取り付けられた丸刃(以下、下刃
という)であり、請求項1の第2の刃である。上刃1と
下刃4との間には、水平方向(矢印S向き)にシート材
12を進行させている。なお上刃1が下アーバー3b
に、下刃4が上アーバー3aに取り付けられていてもよ
く、またシート材12の傾きや進行方向も原理的にはど
の方向でもよい。上刃1はホルダー2で両側から挟ま
れ、上アーバー3aの上に軸方向移動自在に設けてい
る。下刃4の外周には、上刃1の刃厚(図2のT)より
いくらか幅(図2のW)が広い溝4aが形成されてお
り、その溝4a内に上刃1の周縁部1aが挿入されてい
る。したがって矢印S方向に進行するシート材12は、
溝4aの幅Wに相当する幅の屑9が溝4a内に切り込ま
れることにより左右にスリット分離される。以下、この
方法に用いられる各要素を説明する。
【0007】<上刃の構造>上刃1は図2に示すよう
に、薄いディスク状であり、両側に沿ってエッジ1b,
1cが形成されている。また上刃1は薄く剛性強度が低
いので、図3に示すように上刃1の外径より小径の一対
のホルダー2a,2bで挟持し、一体化して剛性強度を
上げた上で上アーバー3aに結合する構造としている。
すなわち一対のホルダー2a,2bの一方2aに円板状
の凸部2cを設け、他方2bにこの凸部2cと嵌合する
凹部2dを設ける。そして上刃1の中心部に凸部2cと
嵌合する孔を形成し、その孔を上刃1を一方のホルダー
2aの凸部2cに嵌めた上で、ボルト21aによりホル
ダー2a,2b間に挟着している。上刃1と下刃4の溝
4aとの組み合わせでスリットする場合、下刃4の溝4
aの幅Wに相当する幅でシート材を切り落とすことにな
る。そのため、とくに多条スリットの場合には歩留りが
低くなる。歩留りの低下を減少させるためには、上刃1
の厚さを薄くするが、刃の限界厚さは、シート材が鋼の
場合では、刃のスリット部の強度上シート材の厚さ前後
が適当である。例えば、板厚0.3mmの鋼をスリット
する場合には、上刃の刃厚は0.3mmとなる。しかし
実状では、0.3mmの刃厚の上刃は反りが生ずる。こ
の反りは上刃の側面の研削研摩時に、研削研摩の荷重を
取り除いたときに出る反りであるから、刃厚自体の精度
はよい。従って図3に示すようなホルダー2a,2bで
上刃を挟着すれば、このような反りを矯正することがで
き、同時に刃の剛性強度を増やすことができる利点があ
る。上刃の材質はとくに限定されないが、超硬などの強
度、耐摩消耗の高い材料が好ましい。それにより上刃の
厚さを薄くすることができ、歩留を高くしうる。なお本
発明者が、上刃の材質:SKH、刃厚:0.5mm、下
刃の材質:SKD、シート材の材質:軟鋼、板厚:0.
1〜0.4mmでスリッティングのテストを行った結
果、上下刃の寿命は従来を上回ることを確認した。
【0008】<下刃の構造>図4(a)の下刃4は一枚
の薄い円盤状材料の外周面に溝4aを形成したものであ
る。この溝4aの幅Wは、上刃1の厚さTに、必要なク
リアランスC1,C2分を加えた寸法である。溝4aの
深さは屑を取り除くのに支障がない限り特に制限されな
い。この下刃4の場合は、溝4aの内側面の上端角部が
上刃1のエッジと協働してシート材をスリットするエッ
ジ4b,4cとなる。下刃4に溝4aを設ける方法とし
て、図4(a)に示すように一枚の板材に溝4aを切削
して形成するほか、図4(b)に示すように、2枚の円
盤状の刃物部材4d,4eの間にこれより直径が小さい
スペーサ7を挟み込んで構成することもできる。このよ
うにするとスペーサ7の厚さを変えることにより溝4a
の幅を自由に変更しうる利点がある。さらに各刃物部材
4d,4eの両側のエッジを利用して刃物部材の両面を
利用しうる利点もある。図4cは図2の場合と同じよう
に、2枚の刃物部材4d,4eとスペーサ7とを一対の
ホルダー8でユニット化したものを示している。このよ
うにするとスリット幅を変更する場合、ユニット全体と
してアーバー3上を移動させることができるので、刃物
の交換作業が容易になる。とくに後に述べるように自動
的にスリット幅をセットする場合に有利になる。
【0009】<屑除去部材>前記上刃1と下刃4とを図
1に示すように組み合わせ、その間にシート材12を矢
印S方向に通してスリットする場合、図2のように溝4
aの中に細い幅の屑9(スクラップ)が入り込む。した
がってある程度スリット加工を行えば、その屑を取り出
す必要がある。また屑9は溝4a内に相当固く入り込ん
でいる。図5(a)および図5(b)はそのような屑9
を連続的にかつ自動的に取り出すための屑除去部材を示
している。図5(a)の屑除去部材は下刃4の接線方向
に延び、その先端が下刃4の溝4aの中に入り込んでい
る屑出しブレード10から構成されている。屑出しブレ
ード10の上面は、先端側では溝4a内に沈み込んでお
り、基端側は溝4aの外部にある。そのため屑9は屑出
しブレード10の上面によって案内されて、下刃4の回
転に伴って順に外側に引き出される。図5(a)の屑出
しブレード10は、その基端側を静止部材に取り付けて
おり、そのためスリット幅を変更するために上刃1およ
び下刃4の組をアーバー3の軸方向に沿って移動させる
ときは、それに伴って移動できる構造とする必要があ
る。したがって屑出しブレード10の支持部材は下刃4
の位置に応じて軸方向に変更しうる取付構造とする。図
5(b)の屑除去部材は、下刃4の溝4aの中に、かつ
スペーサ7の外周に遊びを持って嵌めた屑出しリング1
1から構成されている。すなわち屑出しリング11はス
ペーサ7の外径より若干大きい内径を有する。屑出しリ
ング11はその上側では外周面が溝4aの中に沈んでお
り、横ないし下側では外周面が溝4aからはみ出てい
る。したがって屑9は屑出しリング11の外周面に沿っ
て連続的に外部に排出される。この屑出しリング11は
スリット幅を変更するために上刃1および下刃4の組を
下アーバー3bの軸方向に沿って移動させる場合でも、
下刃4と一緒に動かせるので便利である。
【0010】<従来のスリッター装置に組み込んだ場合
>図6は図4(b)に示す下刃を従来のスリッター装置
に組み込んだ場合の断面図である。スリッター装置はベ
ース22と、そのベース22の両側から立ち上がる左右
のハウジング23,24と、そのハウジングにベアリン
グを介して回転自在に支持される上アーバー3aおよび
下アーバー3bを有する。本実施例ではアーバーとして
長軸アーバー(共通アーバー)を採用している。上アー
バー3aには図3に示す上刃1がホルダー2と共に3組
設けられている。上刃1,1の両端面間の間隔がスリッ
ト幅となる。なお上刃1は上アーバー3aに対して固定
されておらず、軸方向にいくらか動くことができる。す
なわち上刃1は下刃4の溝4aと噛み合うことにより、
その軸方向の位置が定まっているだけである。下アーバ
ー3bの左端には固定フランジ25が取り付けられ、右
端にはリング状のフランジ26がナット27により締め
付けられている。そして固定フランジ25とリング状の
フランジ26との間に、多数のスペーサ5によって間隔
をあけた下刃4が取り付けられている。なお、6はゴム
スリーブであり、11は屑除去のリングである。この下
刃4は、スペーサ5およびフランジ25,26によって
位置が定まっているだけである。さらにいえば、下刃4
を構成する2枚の刃物部材4d,4eおよびその間のス
ペーサ7も、ナット27の軸方向の締め付け力によりそ
れぞれの下刃4の位置、下刃同士の間隔ならびに溝幅が
維持されている。なおこのように組み立てられるスリッ
ター装置では、上刃1が下刃4の溝に入っていることに
よりクリアランスが定まっており、それ以上クリアラン
スの調整を行う必要はない。またシート材をスリットす
るときの左右の力のバランスから左右のクリアランスが
同じになるので、上刃1を上アーバー3aに固定する必
要がない。さらに固定しない方が自動的に左右のクリア
ランスが同じにされるので好ましい。なお上記のごとく
構成されるスリッター装置では上刃1および下刃4の若
干の面振れ(軸方向のズレ)は許容される。図7は図4
cの下刃4を従来のスリッター装置に組み込んだ場合の
断面図であり、他の部分は図6のスリッター装置と同じ
である。このものはシート材をスリット時に生ずる力が
内部応力となるため、下刃4を下アーバー3bに固定す
る力を軽減することができる。すなわちスリット時には
2枚の刃物部材4d,4eに外向きの反力が加わるが、
この反力がボルト21bの張力によりバランスされるの
で、アーバー3bに対する外力にはならないのである。
図6および図7のスリッター装置では、下刃の固定位置
精度はクリアランスに影響を与えない。単にスリット幅
の精度に影響するだけである。そのため位置合わせ精度
は従来の上下刃のクリアランス精度から製品幅精度に軽
減することができる。
【0011】<上刃を独立アーバーに組み込んだ場合>
図8aおよびbは、上刃1をそれぞれ独立のアーバー2
8aに組み込み、各上アーバー28aを軸方向に横断す
る上部フレーム29に対し、軸方向スライド自在にかつ
上下調節自在に取り付けた場合の正面図および側面図で
ある。すなわち上部フレーム29には刃物台30をスラ
イド自在に取付け、刃物台30のクレビス31に対し、
ピン32で回転自在に設けたアーム33の先端にアーバ
ー28aを回転自在に取り付けている。なおアーム33
の回転角度はクレビス31に取り付けたネジ34で調節
でき、それにより上刃1の高さを調節し得る。したがっ
て、上刃1の外径を研磨して小径になったときに上刃ご
とにこれを補償することができ、またオーバーラップ量
を調節することができる。さらに予め組み込んである上
刃1および下刃4の対の数よりもスリットの条数が少な
い場合は、アーム33を上方に逃して上刃1を浮かせて
おけばよく、いちいち上下の刃を取り外すなどの手間は
不要である。さらに上刃1は各々独立に取り替えること
ができる。また独立アーバーの場合、各上アーバー28
aを短くできたので小径でよく、そのため上刃1自体を
小径にすることができる。そのため刃の精度の向上、低
コスト化並びに取扱いの容易化等がはかれる。さらに図
8のアーム33の長さを適切に選択することにより、ア
ームのスイング量を大きくすることができる。そのため
上刃1の交換のとき、下刃4に邪魔されずに簡単に交換
および調整することができる。また、図8の想像線R1
で示すように、スリット使用していない上刃にゴム車輪
35を組み込み、下アーバー上のゴムスリーブ6の上に
シート材12をピンチする事ができる。このようにする
と、シート材12が隣接する上刃1間で盛り上がろうと
するのを押さえることができ、スムーズな送りを確保し
得る利点がある。なお、図8の実施例では、上アーバー
28aは駆動せず、シート材12を出口側から引っ張る
ことにより、そのシート材の走行に応じて上刃を従動回
転させながら引き切るようにしている。この場合、下刃
の側もドライブする必要はない。しかし、上下のアーバ
ー3a,3bにモータ等を結合して、上刃1または下刃
4を回転駆動させながらスリットする事もできる。また
前述のように上下のゴム車輪35でシート材12をピン
チしておくときは、下刃のみに回転駆動を与え、上刃1
をフリーにして従動回転させながらスリットすることも
できる。
【0012】<上下の刃を、それぞれ独立のアーバーに
組み込んだ場合>図9は、上刃1および下刃4のそれぞ
れを独立のアーバー28a、28bに組み込んだ実施例
を示している。このようにすると下刃4も取り替え作業
が容易化されると共に、小径化する事ができる。なお上
刃1を上下動させることができる場合は、下刃4を上下
動させる必要はない。そのため下刃用の刃物台37は単
に軸方向にスライドさせ、その位置で固定するだけで、
幅設定をすることが出来、材料のサイズ変更のときにも
下刃4を刃物台37から取り外す必要がない。
【0013】<上下の刃を自動でスリット幅に調整する
場合>図9の想像線R2で示すように、上刃1の刃物台
30または、下刃4の刃物台37をボールネジなどのネ
ジ部材と螺合させ(図示していない)、そのネジ部材を
サーボモータなどで正確に回転させるようにすると、上
刃1または下刃4の軸方向の位置を数値データなどで設
定することができる。そして下刃の刃物台にボールネジ
を設けておけば、スリット幅の自動調整が実現できる。
本発明では、前述のようにクリアランスの調整が不用で
あるので、それぞれの刃物台を固定する時の位置精度は
スリット幅の精度で充分である。そのため比較的簡単に
スリット幅自動調整機構を実現できる。
【0014】
【発明の効果】従来のスリッター装置では、クリアラン
ス調整及び刃物の固定が難しかった為、刃物の設定には
特殊な技能を必要としていた。本発明の方法および装置
ではこのような特殊な技能を必要とせずに、誰にでも容
易に任意幅のシート材のスリットが可能となる。更に、
クリアランスの調整を高い信頼性で容易に行える事か
ら、調整時間の短縮、スリット品質の向上、丸刃の異常
摩耗の低減、設備の稼働率向上が可能となる。また丸刃
ユニットの移動量の定量化ができる事から、その量をコ
ンピュータに取り込む事が可能となり、完全に自動化さ
れたスリッターシステムが可能となった。さらに詳細に
は次の利点がある。 (1)運転時刃の組み替えにクリアランス調整が不要で
ある。 (2)クリアランスを高精度に設定できると共に、高精
度に維持出来、良好な切れ味を長時間保持できる。 (3)スリット後各シート材間に上刃の刃厚分の隙間が
できるので、シート材の端面同士が触れ合って重なる等
の問題が生じない。 (4)下刃をアーバーに固定する精度及び固定力が軽減
できる。 (5)上刃が下刃の溝に入り拘束されるため軸方向固定
は不要となる。更に積極的に軸方向にスライドできる機
構にする事により刃の面振れを吸収できる。 (6)上記(4)(5)から、油圧拡縮アーバー、伸縮
するスペーサー或いは半割のスペーサー等の刃の固定方
法が容易に使用できる。 (7)刃の固定に大きな力が不要な事、および刃の固定
精度をクリアランス精度からスリット幅精度に落とせる
事から、刃の位置決めの自動化が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスリット方法の位置実施例を示す斜視
図である。
【図2】本発明のスリッター装置の一実施例を示す要部
断面図である。
【図3】本発明にかかわる上刃およびホルダーの一実施
例を示す断面図である。
【図4】図4(a)〜4(c)はそれぞれ本発明にかか
わる下刃の実施例を示す断面図である。
【図5】図5(a)および図5(b)はそれぞれ本発明
にかかわる屑除去機構の実施例を示す側面図である。
【図6】本発明のスリッター装置の他の実施例の全体を
示す一部断面図である。
【図7】本発明のスリッター装置のさらに他の実施例の
全体を示す一部断面図である。
【図8】本発明のスリッター装置のさらに他の実施例の
全体を示す一部概略図であり、図8(a)はその正面図
であり、図8(b)はその側面図である。
【図9】本発明のスリッター装置のさらに他の実施例を
示す正面図である。
【図10】従来のスリッター装置の一例を示す要部断面
図である。
【符号の説明】
1:上刃 2:ホルダー(上刃固定用) 3:アーバー 4:下刃 5:スペーサー(幅設定用) 6:ゴムスリーブ 7:スペーサー(クリアランス設定用) 8:ホルダー(下刃固定用) 9:屑 10:屑出しブレード 11:屑出しリング 12:シート材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−45489(JP,A) 特開 平4−189413(JP,A) 実開 昭62−181313(JP,U) 実開 昭62−68717(JP,U) 実開 昭61−159120(JP,U) 実開 昭63−21515(JP,U) 実開 昭56−98519(JP,U) 実開 平3−117524(JP,U) 特公 平1−46250(JP,B2)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定の刃厚を備え、両側縁に沿ってエッ
    ジが形成されたディスク状の第1の丸刃を第1の軸に固
    定せずに第1の軸方向に自在に移動可能に支持し、外周
    に、第1の丸刃の刃厚に必要なクリアランスを加えた幅
    の溝を形成した第2の丸刃を前記第1の軸と平行の第2
    の軸で固定して支持し、第2の丸刃の溝に第1の丸刃の
    周縁部を所定のオーバーラップ量で噛み込ませ、両方の
    丸刃を逆方向に回転させながら、その間にシート材を通
    し、溝内に切り込ませながら溝幅に対応する幅のシート
    材を切り捨てることによりシート材をスリットすること
    を特徴とするシート材のスリット方法。
  2. 【請求項2】 一定の刃厚を備え、両側縁に沿ってエッ
    ジが形成されたディスク状の第1の丸刃を第1の軸に固
    定せずに第1の軸方向に自在に移動可能に支持し、外周
    に第1の丸刃の刃厚に必要なクリアランスを加えた幅の
    溝を形成した第2の丸刃を前記第1の軸と平行の第2の
    軸で固定して支持し、第2の丸刃の溝に第1の丸刃の周
    縁部を所定のオーバーラップ量で噛み込ませたスリッタ
    ー装置。
  3. 【請求項3】 前記第2の丸刃の溝の中に沈んでいる部
    分と、この部分と一体的につながり、溝の外部にいたる
    部分とを有する屑除去部材を備えてなる請求項2記載の
    装置。
  4. 【請求項4】 前記屑除去部材が、第2の丸刃の溝内に
    遊嵌されたリングによって構成されている請求項3記載
    の装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の丸刃が、スリッタしようとす
    るシートと略同じ厚みの薄いディスク状の刃と、この刃
    の両側をこの刃よりも若干直径が小さい一対のホルダー
    で挟んでなる請求項2〜4のいずれかに記載の装置。
  6. 【請求項6】 前記第2の丸刃が、同径の2枚の刃と、
    この刃の間に挟まれたスペーサーとからなる請求項2〜
    5のいずれかに記載の装置。
  7. 【請求項7】 前記第1の軸または第2の軸のいずれか
    一方が固定軸であり、他方が各丸刃ごとに独立して設け
    られた独立アーバーであり、独立アーバーに設けられた
    丸刃が複数からなる請求項2〜6のいずれかに記載の装
    置。
  8. 【請求項8】 1組の第2の丸刃に対し複数の第1の丸
    を備えており、 第1の丸刃と第2の丸刃が組み合わせ
    自在に設けられている請求項2〜7のいずれかに記載の
    装置。
  9. 【請求項9】 前記第1の丸刃と第2の丸刃の組を、一
    緒に軸の軸心方向に移動させる駆動機構を備えてなる請
    求項2〜8のいずれかに記載の装置。
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