JP2681052B2 - 農作物用収穫機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は例えばしょうが或いは玉ねぎなど茎葉部を有
する農作物にあって、この農作物の地上部である茎葉部
を搬送帯により挾持搬送することによりこの農作物の根
部を土中より抜き上げて収穫するようにした農作物用収
穫機に関する。 「従来の技術」 従来、特開昭57−54516号公報に示す如く、農作物を
上方に引張る挾持搬送帯と走行輪を同調駆動する技術が
ある。 「発明が解決しようとする課題」 前記従来技術は、農作物の茎葉部を引起す引起し体と
茎葉部切断用カッタを設けるものではないから、挾持搬
送帯によって農作物を引抜く作業とは別に、農作物の茎
葉部を切断する作業を行う必要があり、作物収穫作業の
簡略化などを容易に行い得ないと共に、走行輪に支持さ
せる挾持搬送帯をトラクタに装設させる必要があり、自
走構造の小型機体を容易に構成し得ず、例えば走行型の
自走収穫機構造を容易に得られない等の問題があった。 「課題を解決するための手段」 然るに、本発明は、車体フレームに装設される走行輪
と、農作物の茎葉部を引起す引起し体と、農作物の茎葉
部を挾持して上方に引張る挾持搬送帯と、農作物の茎葉
部上方側を切離すカッタと、前記各部の駆動するエンジ
ンを設ける農作物用収穫機において、前記車体フレーム
にミッションケースを取付け、ミッションケースにエン
ジンベース台を介してエンジンを固定させ、またミッシ
ョンケースに操向用ハンドルを設けると共に、エンジン
の動力を伝えるミッションケースの出力軸に走行輪及び
挾持搬送帯を連結させ、また引起し体及びカッタにエン
ジンの出力軸を連結させて動力を伝えるクラッチを設け
たことを特徴とする。 「作用」 従って、前記引起し体によって引起した農作物の茎葉
部を挾持搬送帯に挾持させ、かつ茎葉部上方側をカッタ
によって切断させるから、茎葉部が長いしょうが等の収
穫を能率良く行い得、不要な茎葉部上方側の切断を引抜
き搬送中に行えて作業性の向上などを容易に図り得ると
共に、エンジン及び操向用ハンドルをミッションケース
に取付ける歩行型管理機または耕耘機を利用して自走構
造の小型機体を容易に構成し得、歩行型の自走収穫機構
造を低コストで容易に得られ、さらにエンジンにクラッ
チを介して引起し体及びカッタを直結させるから、走行
輪の後進特に挾持搬送帯を逆転させて農作物の損傷を防
止し得、かつ走行輪の前後進に関係なく引起し体を引起
し動作させ得、圃場枕地での作業を容易に行い得る一
方、前記挾持搬送帯の前部上面にカッタを配置させかつ
該カッタ後側の挾持搬送帯上面にエンジンを配置し得、
コンパクトで取扱い易い歩行型機体を容易に構成し得る
ものである。 「実施例」 以下本発明の一実施例を図面に基づいて詳述する。 第１図は要部の側面説明図、第２図は全体側面図、第
３図は同平面説明図であり、前後方向に前低後高の傾斜
状に横架させる左右の車体のフレーム（１）（１）前端
に前車軸フレーム（２）（２）を介して左右一対の前輪
（３）（３）を支持する一方、前記車体フレーム（１）
（１）後端に後車軸フレーム（４）（４）中間を一体固
設させ、該フレーム（４）（４）下端に走行部である左
右一対の後輪（５）（５）を支持させている。また左右
の車体フレーム（１）（１）前端側間を門形フレーム
（６）で相互に一体連結すると共に、フレーム（１）
（１）後端間を搬送帯駆動ケース（７）で相互に一体連
結して、これらフレーム（１）（１）上にしょうが収穫
装置（８）を総説するもので、しょうが（Ａ）の茎葉部
を引起す左右の茎葉部引起し体（９）（10）と、この引
起し体（９）（10）によって引起したしょうが（Ａ）の
茎葉部を後方に挾持搬送時上方に引張る左右の茎葉部挾
持搬送帯（11）（12）と、この搬送帯（11）（12）によ
り挾持搬送するしょうが（Ａ）の茎葉部を切り落す左右
高低速用茎葉部寸断カッタ（13）（14）とをしょうが収
穫装置（８）は備える。 そして前記引起し体（９）（10）の上端側を引起し駆
動ケース（15）を介して前記門形フルーム（６）に支持
させると共に、引起し体（９）（10）の下端側を前記前
車軸フレーム（２）に支持アーム（2a）を介して支持さ
せて、車体フレーム（１）の前部上方に引起し体（９）
（10）の上端側を後方に傾けた傾斜姿勢に保持する。ま
た第４図にも示す如く、前記搬送帯（11）（12）は左右
の車体フレーム（１）（１）間でこれらフレーム（１）
（１）の前後方向に略平行に配設したもので、搬送帯
（11）（12））の各前端下部を受フレーム（16）（16）
を介して左右の車体フレーム（１）（１）にそれぞれ支
持させると共に、搬送帯（11）（12）の各後端上部を前
記駆動ケース（７）に支持させている。 さらに、前記カッタ（13）（14）を内設するカッタケ
ース（17）の後側面の支持フレーム（18）を、管理機
（19）のエンジン（20）を搭載するエンジンベース台
（21）前端の前ヒッチ（22）にブラケット（23）を介し
支持させると共に、前記カッタケース（17）の前側面と
前記引起し体（９）（10）間い集草ガイド板（24）（2
4）を介設し、前記引起し体（９）（10）及び搬送帯（1
1）（12）でもってガイド板（24）（24）を介しカッタ
ケース（17）内に導入されるしょうが（Ａ）の茎葉部を
前記カッタ（13）（14）で寸断し、この寸断されたしょ
うが（Ａ）の茎葉部をカッタケース（17）の右放出口
（17a）より機体右外方に放出するように構成してい
る。 また、後車軸フレーム（４）上端の後輪駆動用入力軸
（25）に前記管理機（19）の走行ミッションケース（2
6）の車軸である出力軸（27）をスプライン軸継手（2
8）を介して連動連結させて、管理機（19）本体側をこ
の収穫装置（８）に前記前ヒッチ（22）及び出力軸（2
7）とで着脱可能に装着させるように構成している。 なお（29）は前記引起し体（９）（10）前方に配設す
る分草ガイド、（30）（30）は前記管理機（19）のハン
ドル（31）に設ける左右サイドクラッチレバー、（32）
は主クラッチレバー、（33）は刈取クラッチルレバー、
（34）は走行変速レバー、（35）は前記支持フレーム
（18）に固設するカッタ駆動ケースである。 第５図に示す如く、前記搬送帯（11）（12）はエンド
レス状のコンベアチェン（36）外周に複数の挾持板（3
7）に連続的に配設させ、一方の挾持板（37）の外側に
は中央１本の挾持アーム（38）を、また他方の挾持板
（37）の外側には２本の挾持アーム（39）（39）を一体
固設し、これら搬送帯（11）（12）の駆動時これら１本
の挾持アーム（38）と上下２本の挾持アーム（39）（3
9）との間でしょうが（Ａ）の茎葉部を挾み込み搬送す
るように構成している。 さらに第６図に示す如く、前記エンジン（20）の出力
軸（40）に低速用プーリ（41）（42）及びベルト（43）
並びに高速用プーリ（44）（45）及びベルト（46）のい
ずれかを介してミッションケース（26）の入力軸（47）
を連結させる。 また、前記ミッションケース（26）の出力軸（27）に
継手（28）を介して連結させる後車軸フレーム（４）の
入力軸（25）に前記後輪（５）の車軸（5a）をスプロケ
ット（48）（49）及びチェン（50）を介し連動連結させ
る一方、左側の前記入力軸（25）に前記駆動ケース
（７）の入力軸（51）をスプロケット（52）（53）及び
チェン（54）を介し連動連結させて、前記駆動ケース
（７）にスプロケット軸（55）（55）を介して支持する
左右搬送帯（11）（12）のコンベアチェン（36）の駆動
用スプロケット（56）（56）を回転させるように構成し
ている。 さらに、前記カッタ駆動ケース（35）の入力軸（57）
に前記エンジン（20）の出力軸（40）をプーリ（58）
（59）及びベルト（60）及び刈取クラッチであるテンシ
ョンプーリ（61）を介して継断自在に連動連結させると
共に、この駆動ケース（35）の出力軸に前記高速用カッ
タ（13）のカッタ軸（13a）をプーリ（63）（64）及び
ベルト（65）を介して連動連結させ、前記高速用カッタ
軸（13a）に低速用カッタ（14）のカッタ軸（14a）を減
速ギヤ（66）（67）を介して連動連結させる。 またさらに、前記高速用カッタ軸（13a）に前記引起
し駆動ケース（15）の入力軸（68）をスプロケット（6
9）（70）及びチェン（71）を介して連動連結させ、前
記カッタ（13）（14）の駆動時前記引起し駆動ケース
（15）にスプロケット軸（72）を介し支持する引起し体
（９）（10）の駆動スプロケット（73）を同時に回転さ
せるように構成している。 上記から明らかなように、車体フレーム（１）に装設
される走行輪である後輪（５）（５）と、農作物である
しょうが（Ａ）の茎葉部を引起す引起し体（９）（10）
と、しょうが（Ａ）の茎葉部を挟持して上方に引張る挟
持搬送帯（11）（12）と、しょうが（Ａ）の茎葉部上方
側を切離すカッタ（13）（14）と、前記各部を駆動する
エンジン（20）を設ける農作物用収穫機において、前記
車体フレーム（１）にミッションケース（26）を取付
け、ミッションケース（26）にエンジンベース台（21）
を介してエンジン（20）を固定させ、またミッションケ
ース（26）に操向用ハンドル（31）を設けると共に、エ
ンジン（20）の動力を伝えるミッションケース（26）の
出力軸（27）に後輪（５）及び挾持搬送帯（11）（12）
を連結させ、また引起し体（９）（10）及びカッタ（1
3）（14）にエンジン（20）の出力軸（40）を連結させ
て動力を伝えるクラッチ（61）を設けている。そして、
前記引起し体（９）（10）によって引起した農作物
（Ａ）の茎葉部を挾持搬送帯（11）（12）に挾持させ、
かつ茎葉部上方側をカッタ（13）（14）によって切断さ
れ、茎葉部が長いしょうが等の収穫を能率良く行え、不
要な茎葉部上方側の切断を引抜き搬送中に行えて作業性
の向上などを図ると共に、エンジン（20）及び操向用ハ
ンドル（31）をミッションケース（26）に取付ける歩行
型管理機または耕耘機を利用して自走構造の小型機体を
構成し、歩行型の自走収穫機構造を低コストで得られ、
さらにエンジン（20）のクラッチ（61）を介して引起し
体（９）（10）及びカッタ（13）（14）を直結させ、走
行輪（５）の後進時に挾持搬送帯（11）（12）を逆転さ
せて農作物（Ａ）の損傷を防止し、かつ走行輪（５）の
前後進に関係なく引起し体（９）（10）を引起し動作さ
せ、圃場枕地での作業を行える一方、前記挾持搬送帯
（11）（12）の前部上面にカッタ（13）（14）を配置さ
せかつ該カッタ（13）（14）後側の挾持搬送帯（11）
（12）上面にエンジン（20）を配置させ、コンパクトで
取扱い易い歩行型機体を構成している。 本実施例は上記の如く構成しており、後輪（５）を駆
動して畝（Ｂ）を跨ぐように走行する間に、畝（Ｂ）に
立毛しているしょうが（Ａ）の茎葉部を引起し体（９）
（10）により引起して搬送帯（11）（12）により挾持さ
せる。そして該搬送帯（11）（12）上側に突出するしょ
うが（Ａ）の茎葉部をカッタ（13）（14）により寸断し
て放出口（17a）から機外に排出すると共に、前記搬送
帯（11）（12）により茎葉部を挾持搬送するしょうが
（Ａ）の上方に引張り、畝（Ｂ）上面部にしょうが
（Ａ）を持上げて立設させるもので、作業者が残存して
いる茎葉部を持ってしょうが（Ａ）を抜取り、洗浄及び
梱包出荷などの収穫作業を行うものである。 而して、前記搬送帯（11）（12）の駆動は前記ミッシ
ョンケース（26）の出力軸（27）より後輪（５）の駆動
とともに得るものであるから、後輪（５）の回転に同調
し後輪（５）が前進回転のとき搬送帯（11）（12）はし
ょうが（Ａ）をこれとは反対方向の後方側に搬送状態と
すると共に、後輪（５）が後進回転のとき搬送帯（11）
（12）はしょうが（Ａ）をこれとは反対方向の前方側に
搬送状態とさせて、しょうが（Ａ）に搬送帯（11）（1
2）による損傷など発生させることがないようにしたも
のである。 また前記引起し体（９）（10）の上端とカッタ（13）
（14）の上端との高さを略一致させるようにしたので、
カッタ軸（13a）（14a）に略平行に沿う姿勢でカッタケ
ース（17）内に受継ぎ良好に導入されてしょうが（Ａ）
の茎葉部の確実な寸断が行われる。 さらに、前記引起し体（９）（10）は走行部や搬送帯
（11）（12）とは関係なく前記エンジン（20）より直接
的に駆動力を得ているので、機体の前後進に関係なく引
起し作用を続行させて引起し体（９）（10）を機体後進
時での障害とさせたり、後進時に引起し体（９）（10）
によりしょうが（Ａ）を損傷させたりする不都合がな
い。 「発明の効果」 以上実施例から明らかなように本発明は、車体フレー
ム（１）に装設される走行輪（５）（５）と、農作物
（Ａ）の茎葉部を引起す引起し体（９）（10）と、農作
物（Ａ）の茎葉部を挾持して上方に引張る挾持搬送帯
（11）（12）と、農作物（Ａ）の茎葉部上方側を切離す
カッタ（13）（14）と、前記各部の駆動するエンジン
（20）を設ける農作物用収穫機において、前記車体フレ
ーム（１）にミッションケース（26）を取付け、ミッシ
ョンケース（26）にエンジンベース台（21）を介してエ
ンジン（20）を固定させ、またミッションケース（26）
に操向用ハンドル（31）を設けると共に、エンジン（2
0）の動力を伝えるミッションケース（26）の出力軸（2
7）に走行輪（５）及び挾持搬送帯（11）（12）を連結
させ、また引起し体（９）（10）及びカッタ（13）（1
4）にエンジン（20）の出力軸（40）を連結させて動力
を伝えるクラッチ（61）を設けたもので、前記引起し体
（９）（10）によって引起した農作物（Ａ）の茎葉部を
挾持搬送帯（11）（12）に挾持させ、かつ茎葉部上方側
をカッタ（13）（14）によって切断させるから、茎葉部
が長いしようが等の収穫を能率良く行うことができ、不
要な茎葉部上方側の切断を引抜き搬送中に行えて作業性
の向上などの容易に図ることができると共に、エンジン
（20）及び操向用ハンドル（31）をミッションケース
（26）に取付ける歩行型管理機または耕耘機を利用して
自走構造の小型機体を容易に構成でき、歩行型の自走収
穫機構造を低コストで容易に得ることができ、さらにエ
ンジン（20）にクラッチ（61）を介して引起し体（９）
（10）及びカッタ（13）（14）を直結させるから、走行
輪（５）の後進時に挾持搬送帯（11）（12）を逆転させ
て農作物（Ａ）の損傷を防止でき、かつ走行輪（５）の
前後進に関係なく引起し体（９）（10）を引起し動作さ
せることができ、圃場枕地での作業を容易に行うことが
できる一方、前記挾持搬送帯（11）（12）の前部上面に
カッタ（13）（14）を配置させかつ該カッタ（13）（1
4）後側の挾持搬送帯（11）（12）上側にエンジン（2
0）を配置でき、コンパクトで取扱い易い歩行型機体を
容易に構成できるものである。

【図面の簡単な説明】 第１図は要部の側面説明図、第２図は全体側面説明図、
第３図は同平面説明図、第４図は要部の正面説明図、第
５図は搬送帯部の拡大説明図、第６図は駆動系統説明図
である。 （５）……走行部 （８）……収穫装置 （11）（12）……搬送帯 （19）……管理機 （27）……車軸

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 板倉 文明 鹿児島県鹿児島市郡元１丁目11番４号 文明農機株式会社内 (72)発明者 井澤 誠一 高知県土佐市蓮池字江渡屋舗1037番地 株式会社土佐農機内

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．車体フレーム（１）に装設させる走行輪（５）
   （５）と、農作物（Ａ）の茎葉部を引起す引起し体
   （９）（10）と、農作物（Ａ）の茎葉部を挾持して上方
   に引張る挾持搬送帯（11）（12）と、農作物（Ａ）の茎
   葉部上方側を切離すカッタ（13）（14）と、前記各部を
   駆動するエンジン（20）を設ける農作物用収穫機におい
   て、前記車体フレーム（１）にミッションケース（26）
   を取付け、ミッションケース（26）にエンジンベース台
   （21）を介してエンジン（20）を固定させ、またミッシ
   ョンケース（26）に操向用ハンドル（31）を設けると共
   に、エンジン（20）の動力を伝えるミッションケース
   （26）の出力軸（27）に走行輪（５）及び挾持搬送帯
   （11）（12）を連結させ、また引起し体（９）（10）及
   びカッタ（13）（14）にエンジン（20）の出力軸（40）
   を連結させて動力を伝えるクラッチ（61）を設けたこと
   を特徴とする農作物用収穫機。