JP2680706B2 - 塩化ビニル系共重合体及びその製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系共重合体及びその製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐候性,耐熱性及び加工性等に優れた塩化
ビニル系共重合体に関する。
〔従来の技術〕
従来、分子片末端に不飽和基を有するポリプロピレン
オキサイドやポリエチレンオキサイドと塩化ビニルを共
重合させることにより、導電性材料等に使用可能な共重
合体が得られることが知られている(特開昭63−243155
号公報)。
しかしながら、これらの共重合体は、優れた特性を有
しているものの耐候性や耐熱性に劣り、耐久性を必要と
する用途にはその使用に限界があった。又、熱分解温度
が低く、加工温度で熱分解が生じるため、加工がしにく
いといった問題も有していた。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上記問題に鑑み、塩化ビニル単量体と
の共重合によって得られる共重合体の、耐候性,耐熱性
及び加工性等を向上させることを目的として研究した結
果、従来の共重合体中のポリプロピレンオキサイド鎖の
メチル基をクロルメチル基に変えた共重合体の合成に成
功し、この共重合体は上記問題を解決するものであるこ
とを見出し、本発明を提案するに至った。
即ち、本発明は、下記式(I) で示される単量体単位5〜70重量%と塩化ビニルに基づ
く単量体単位95〜30重量%とよりなり、数平均分子量が
5000〜100万であることを特徴とする塩化ビニル系共重
合体である。
前記一般式(I)中、nで示される数は1以上の整数
であればよいが、合成の容易さ,加工性,加工物の機械
的強度等の点からは10〜500の範囲が好ましい。
前記一般式(I)中、Yはハロゲン原子,置換されて
いてもよい、アルコキシ基又は置換されていてもよい、
フエノキシ基である。上記のハロゲン原子としてはフツ
素原子,塩素原子,臭素原子,ヨウ素原子等が挙げられ
る。上記のアルコキシ基としてはメトキシ基,エトキシ
基,イソプロポロキシ基,ブトキシ基等が挙げられる。
アルコキシ基の炭素原子数は特に制限されないが、一般
には1〜20の範囲から選択することが好ましい。
上記のアルコキシ基とフエノキシ基の置換基は特に制
限されないが、フツ素原子,塩素原子等のハロゲン原
子;シアノ基;ニトロ基;フエニル基等のアリール基等
が挙げられる。また、フエノキシ基にはアルキル基が置
換していてもよい。
前記一般式(1)で示される単量体単位の重合度n,即
ち、側鎖部分の分子量は、用いる原料によってそのバラ
ツキを小さくすることができる。例えば、側鎖部分の重
量平均分子量(w)と数平均分子量(n)との比
(w/n)で表わされる分子量分布を1.50以下、さら
には1.30以下とすることができる。
前記一般式(I)で示される単量体単位と塩化ビニル
に基づく単量体単位の比率は、前者が5〜70重量%、後
者が95〜30重量%でなければならず、前者が10〜60重量
%、後者が90〜40重量%であることが好ましい。前記一
般式(I)で示される単量体単位の量が少なすぎると、
本発明の共重合体から得られた、例えばフイルム等の成
形物の物性が塩化ビニル単独重合体の物性と大差がなく
なる。逆に多すぎると塩化ビニルに由来する性質が消失
し、十分な機械的強度が得られなくなるために好ましく
ない。
本発明の塩化ビニル系共重合体は、一般に5000〜100
万の数平均分子量を有する。特に耐候性,耐熱性及び加
工性の点から、数平均分子量は3万〜20万が好ましい。
また、前記一般式(I)で示される単量体単位と塩化ビ
ニルに基づく単量体単位はランダムに配列している。
本発明の塩化ビニル系共重合体は、一般に白色の粉体
として存在し、テトラヒドロフランに溶解し、エチレン
ジクロライド,塩化メチレン,ジメチルホルムアミド等
の溶剤にはよく膨潤するが溶解せず、水及びメタノール
には全く溶解しない。
本発明の塩化ビニル系共重合体の構造は、1H−核磁気
共鳴スペクトル(以下、単に1H−NMRと呼ぶ)、13C−核
磁気共鳴スペクトル(以下、単に13C−NMRと呼ぶ)、赤
外吸収スペクトル(以下、単にIRと呼ぶ)、ゲルパーミ
エーシヨンクロマトグラフイー(以下、単にGPCと呼
ぶ)によって確認することが出来る。
又、前記式(I)で示される単量体単位の重合度nは
Xが であるものについては、この結合を含む を加水分解し、その分解生成物をGPCを用いて数平均分
子量(n)を求め、その値より末端基((I)式中の
Y)の分子量を引き算し、その値をエピクロルヒドリン
単量体単位の分子量で割った値から求めることができ
る。
Xが−CH2−であるものについては、上記のような加
水分解の方法がとれないため、直接的に前記式(I)で
示される単量体単位の重合度nを求めることが出来な
い。この場合、Yがフエノキシ基やハロゲノアルコキシ
基のときには、次のような間接的手法を用いて求めるこ
とができる。
イ.Yがフエノキシ基の場合 1H−NMRより求めた塩化ビニル系共重合体中の各単量
体単位の組成を使い、1gの共重合体中のポリエピクロル
ヒドリンの重量Fw1を求める。次に紫外/可視スペクト
ルにより、塩化ビニル系共重合体1g中に含まれるフエノ
キシ基の数lを求める。これらの値を用い、次式によっ
て(I)式中の単量体単位の重合度nを求めることが (但し、Fw2はエピクロルヒドリン単量体の分子量) ロ.Yがハロゲノアルコキシ基の場合 イにおいてlを求める方法として紫外/可視スペクト
ルのかわりに元素分析の値を用いて算出することの他の
すべてイと同様な方法で求めることができる。
本発明の塩化ビニル系共重合体は、どのような方法で
製造されてもよいが、一般には下記の方法が好適に採用
される。
即ち、下記一般式(III) で示される化合物の存在下に塩化ビニルを重合させる方
法である。
本発明で使用される上記式(III)で示される化合物
はポルフイリンアルミニウム錯体を触媒とし、アルコー
ル存在下あるいは非存在下にエピクロルヒドリンを重合
させたのち、メタクリル酸ハライド,アクリル酸ハライ
ド,又はアリルハライド等と反応させることによって得
ることができる。
本発明における塩化ビニルの重合は、懸濁重合,塊状
重合,溶液重合法が採用されうるが、重合制御性、後処
理の容易さなどから懸濁重合が好適である。懸濁重合で
は、次のようなラジカル重合開始剤を用いて行なうこと
ができる。例えば、ラウロイルパーオキサイド,ベンゾ
イルパーオキサイド,アゾビスイソブチロニトリル,ジ
イソプロピルパーオキシカーボネート,tert−ブチルパ
ーピバレート等の油溶性ラジカル重合開始剤である。こ
れらの開始剤は、塩化ビニルに対し、0.01〜5重量%の
範囲で使用することが好ましい。
又、本発明の重合においては、一般的な懸濁重合と同
じように、生成する重合体粒子のブロツキングを防止す
るために分散剤を添加して行なうことが好ましい。好適
に使用される分散剤を具体的に例示すると、ポリビニル
アルコール,部分ケン化ポリビニルアルコール,ヒドロ
キシセルロース,メチルセルロース,デンプン,ゼラチ
ン等の合成あるいは天然高分子化合物;カルシウム,バ
リウム,アルミニウム,ストロンチウム,マグネシウ
ム,のリン酸塩等を挙げることが出来る。特に好ましく
はポリビニルアルコール,部分ケン化ポリビニルアルコ
ール等である。
界面活性剤等の添加は、本発明においては不用である
が用いることもできる。
又、溶媒である水の使用量は塩化ビニル100gに対し50
〜500ccさらには70〜300ccの範囲であることが好まし
い。
さらに一般式(III)の化合物と塩化ビニルの仕込み
重量組成は、共重合体の組成を前記した範囲とするため
に、5/95〜90/10であることが好ましい。
重合温度は使用する開始剤の種類や仕込み組成により
好適な温度を選んで行なわれ、一般的には30〜80℃であ
ることが好ましい。特に副反応の制御という点で40〜60
℃が好ましい。
重合時間は、開始剤の活性や重合温度により異なる
が、3〜10時間が一般的である。
重合時の撹拌速度は、生成する重合体粒子の分散等に
影響を与えるため、400〜700回転/分の範囲から一定回
転数で行なうことが好ましい。
本発明の重合によって得られた塩化ビニル系共重合体
は白色の均一粒子径を有する微粒子状であり、炉過する
ことにより簡単に単離することができる。又、重合体粒
子中に未重合で残存した一般式(III)で示される化合
物は、次の方法により除去することが出来る。
即ち、反応混合物をテトラヒドロフラン(以下、THF
と略記する)に溶解させ、大量の沈澱剤(アセトニトリ
ル−メタノールの6/4混合液)に滴下する方法である。
この方法により共重合体は沈澱し、又、一般式(III)
で示される化合物は溶液中に移るため、共重合体だけを
単離できる。別法としてアセトニトリル中に反応混合物
を分散し、超音波をかけてさらに微分散させた後、上記
アセトニトリル−メタノール混合溶媒に滴下し、沈澱と
して単離する方法もある。このようにして一般式(II
I)で示される化合物を反応混合物より除去することが
出来るが、この除去確認はGPCによって行なうことがで
きる。
本発明で得られた塩化ビニル系共重合体は、THFを溶
媒としたキヤスト法でフイルムにすることが出来るし、
熱ロール機を用いて、フイルムに加工することもでき
る。ロール表面の温度は、塩化ビニル系共重合体の組成
等により最適な温度を設定すれば良く、一般的には50〜
200℃、特に好ましくは100〜180℃の範囲から選べば良
い。
この際、熱安定剤としてジブチルスズマレート系安定
剤に代表される有機スズ系安定剤,鉛系安定剤,カドミ
ウム系安定剤,バリウム系安定剤,亜鉛,カルシウム系
安定剤を1〜10重量%好ましくは2〜6重量%添加する
ことが好適である。
〔効 果〕
本発明の塩化ビニル系共重合体は、フイルムに成形し
た場合、実用に供し得るに十分な耐候性,耐熱性を有
し、かつ機械的物性等の性質も良好である。さらに熱分
解温度が、重合体の融点よりはるかに高いため、加工性
にも優れている。また、フイルムの透明性にも優れ、さ
らに、ポリエピクロルヒドリン含量の高いものでは、可
塑剤を用いなくても十分な柔軟性を有している。
また、本発明の塩化ビニル系共重合体の製造原料であ
る前記一般式(III)で示される化合物として、重量平
均分子量(w)と数平均分子量(n)との比(w/
n)で示される分子量分布が、1.5以下さらに1.3以下
という狭いものを用いた場合には、次のような利点も有
する。
前記一般式(III)で示される化合物は、分子片末端
の重合性不飽和基の重合活性が分子量により異なる。こ
のため、前記一般式(III)で示される化合物として分
子量分布の広い化合物を用いると、塩化ビニルとの共重
合性にバラツキが生じる。従って、得られた共重合体の
枝の長さや分枝分布が大きくバラツキ、物性値が安定し
ない結果となる。
それに対し、分子量分布の狭い前記一般式(III)で
示される化合物を用いると、塩化ビニルとの共重合が均
一に進み、得られた枝の長さや分岐分布はバラツキが小
さい。結果的に物性値も安定する。
本発明の塩化ビニル系共重合体は、ポリエピクロルヒ
ドリンの分子鎖が主鎖から分枝した構造である。公知の
共重合体における分子鎖のプロピレンオキサイドをエピ
クロルヒドリンに変えただけで耐候性,耐熱性を大きく
向上させえたことは驚異的である。
本発明の塩化ビニル系共重合体は、上記した優れた性
質を生かし、建設用内装材や屋根材,マーキングフイル
ム,血液バツク等の多用途に使用することができる。
又、上記一般式(I)で示したYがフツ素含有化合物で
ある場合、離型材や特殊塗料等に特に有効に使用するこ
とができる。
〔実施例〕
以下、実施例をもって本発明を説明するが、本発明は
これらの実施例によって限定されるものではない。
共重合体の熱安定性,加工性及びフイルム成形物の耐
候性,耐熱性,機械的性質は下記の方法により測定し
た。
1. 共重合体の熱安定性 共重合体を熱重量法で測定し、得られる減量曲線にお
ける減量点(曲線部の前後の直線部を延長して得られる
交点)の温度を熱分解温度とし、熱安定性の指標とし
た。
2. 共重合体の加工性 THFを溶媒としてキヤストしたときの成膜性の良否
を下記の基準によって評価した。
○:透明な膜 △:半透明な膜 ×:成膜不能 共重合体の融点を示差走査熱量分析により測定し
た。上記の熱分解温度との差が大きいほど加工性が良好
であるといえる。
実際に上記融点で小型熱ロール機を用いてロール加
工を行ない、得られたフイルム成形物の黄変度、表面光
沢を下記の基準で評価した。
○:光沢・透明性が良い △:光沢・透明性は悪いが成形可能 ×:成形不良 3. フイルム成形物の耐候性,耐熱性,機械的性質 フイルム成形は、小型熱ロール機(オリエンタルモー
ター(株)製,5RK40RGNA型)を用い、50℃〜200℃のロ
ール表面温度で混練しつつロール加工し、得られたロー
ルフイルムを必要に応じてさらに100〜180℃で数分間熱
プレス加工することによりフイルム成形物を得た。なお
この混練の際、熱安定剤であるジブチルスズマレートを
4重量%配合した。
このようにして得られたフイルムを下記のような方法
により評価した。
耐候性 スガ試験機(株)製,サンシヤインスーパーロングラ
イフウエザーメーターを用い、次のような条件下でのフ
イルムの劣化をを調べた。なお試験においてはJISA1415
に準じた。
温度:63℃ 水:2時間おき18分間の降水 湿度:75% フイルムの劣化は、200時間経過後の変色及び機械的
性質(引張強度)の低下で示し、機械的性質の低下は下
記の基準で評価した。なお、引張強度の測定はJIS7113
に準じて行なった。
◎:強度の低下が10%未満 ○:強度の低下が10%以上20%未満 △:強度の低下が20%以上40%未満 ×:強度の低下が40%以上 耐熱性 オムロン電子温度調節機E−5AX−Aを用い、JISK721
2に準じて行なった。評価は180℃で1時間経過後の変色
程度を肉眼で観察して下記の基準で行なった。
○:変色ほとんどなし △:若干着色 ×:着色大 機械的性質 JIS K7127に準じて試験片の引張強度、伸びを測定し
た。
透明性 500nmの波長光の透過率(%)を測定し、下記基準で
評価した。
良 好 85%以上 やや良好 70〜85% やや不良 55〜70% 不 良 55%以下 実施例1〜4 下記一般式 で示される化合物〔A〕のn′が第1表に示した数であ
る化合物にラジカル重合開始剤であるジイソプロピルパ
ーオキシカーボネート0.095gを混合し、さらに分散剤で
ある部分ケン化ポリビニルアルコール2.42ml(濃度4.14
%水溶液)を加え、これらの混合液を1オートクレー
ブに加えた。その後、水220ccを加えて系を密閉し、窒
素置換を行なった。
次に塩化ビニル単量体60ccを加え、系全体を500回転
/分で撹拌した。さらに外部循環槽より恒温水を循環さ
せ、50℃で9時間重合を行なった。
次に、各実施例で得られた塩化ビニル系共重合体を単
離しTHF−アセトニトリル−メタノールの3元溶媒系で
再沈精製し、GPCにて化合物〔A〕のピークが検出され
ないことを確認した。
その後、13C−NMR,IR,及びGPCにより構造を確認した
(第1表)。
又、塩化ビニル系共重合体中に含まれる化合物〔A〕
に基づく単量体単位のエピクロルヒドリンの重合度nを
求めるため、塩化ビニル系共重合体5gを50mlのTHF、10m
lの水、2.5gの水酸化カリウムとともに10時間、還流条
件下で加水分解反応を行なった。反応後、水、THFを減
圧留去し、クロロホルムで分解物を抽出し、水洗した
後、硫酸ナトリウムで乾燥させた。その後、クロロホル
ムを留去し、淡黄色粘稠流体を得た。この流体を1H−NM
Rで分析したところ、ポリエピクロルヒドリンに由来す
るピークを検出した。さらにこの物質をGPC分析したと
ころ、各々第1表に記したような分子量を有していた。
そこでこの分子量より末端クロルの分子量をさし引いた
値をエピクロルヒドリン単量体単位の分子量(92.52)
で除して上記nを求めることが出来た。
第1表にこの重合度nの値をあわせて記した。
この加水分解後のクロロホルム抽出物の重合度と、重
合に用いた化合物〔A〕の重合度は、実験誤差内でほぼ
一致した。
実施例1で得られた化合物の1H−NMRチヤートを第1
図に示した。
こうして得られた塩化ビニル系共重合体の熱分解温
度、融点を測定し、熱安定性,加工性を評価した。又、
ジブチルスズマレート4重量%を加え小型熱ロール加工
を行ないフイルムを調製した。
このフイルムの黄変の程度、表面の光沢を調べ、前述
の方法で耐候性,耐熱性,機械的性質を調べ第2表に示
した。
また、いずれの塩化ビニル系共重合体もTHFに完全に
溶解した。
実施例5〜8 下記一般式 で示される化合物〔A〕の仕込み量を第3表に示した量
にすることの他のすべて実施例1〜4と同様な方法で塩
化ビニルとの共重合体を得た。得られた共重合体のIRス
ペクトルチヤートを第2図に示した。又、これらのIR分
析及び13C−NMR,1H−NMR及びGPC分析により構造を確認
した。特に実施例8で得られた化合物の13C−NMRチヤー
トを第3図に示した。
なお測定は重THF溶媒中で、プロトンデカツプリング
法により行なった。
又、実施例1〜4と同様にして共重合体中に含まれる
化合物〔A〕に基づく単量体単位のエピクロルヒドリン
の重合度nを求め、第3表に示した。
こうして得られた塩化ビニル共重合体の諸特性を第4
表に示した。このうち、実施例6で得られた共重合体の
熱重量曲線を第4図に、示差走査熱量曲線を第5図に各
々示した。
以上の共重合体はいずれもTHFに完全に溶解した。
実施例9〜13 下記一般式 で示される化合物〔A〕のR,X,n′,Yを第5表に示した
ように変えたことの他はすべて実施例1に示したのと同
様の方法で重合を行なった。
得られた化合物の化学構造を、13C−NMR,1H−NMR,GPC
及びIR分析により決定した。又、Xが のものについては実施例1〜4と同様にして共重合体中
に含まれる化合物〔A〕に基づく単量体単位のエピクロ
ルヒドリンの重合度nを求め第5表に示した。又、Xが
−CH2−のものについては、加水分解手法が採用出来な
いのでYが紫外/可視スペクトルによって定量出来るも
のはその分析により計算によってnを求めた。それ以外
のものは、化合物〔A〕から推定されるnの値を記述し
た。
こうして得られた塩化ビニル系共重合体の諸特性を第
6表に示した。
なお、第5表における塩化ビニル系共重合体は下記式
で表わされる。
比較例1〜2 下記式 で示される塩化ビニル系共重合体のうちn=70及びn=
150である化合物を用いて、実施例1〜4に従ってその
諸特性を測定した。結果を第7表に示した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1で得られた塩化ビニル系共重合体の
60MHZ−1H核磁気共鳴スペクトルチヤートを示す。 第2図は、実施例5〜8で得られた塩化ビニル系共重合
体の赤外スペクトルチヤートを示す。 第3図は、実施例8で得られた塩化ビニル共重合体の13
C−核磁気共鳴スペクトルチヤートを示す。 第4図及び第5図は、実施例6で得られた塩化ビニル共
重合体の熱重量曲線及び示差走査熱量曲線をそれぞれ示
す。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) で示される単量体単位5〜70重量%と塩化ビニルに基づ
    く単量体単位95〜30重量%とよりなり、数平均分子量が
    5000〜100万であることを特徴とする塩化ビニル系共重
    合体。
  2. 【請求項2】一般式(II) で示される化合物の存在下に塩化ビニルを重合させるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載の塩化ビ
    ニル系共重合体の製造方法。
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