JP2680678B2 - ポリカーボネートの製造法 - Google Patents
ポリカーボネートの製造法Info
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- JP2680678B2 JP2680678B2 JP10701489A JP10701489A JP2680678B2 JP 2680678 B2 JP2680678 B2 JP 2680678B2 JP 10701489 A JP10701489 A JP 10701489A JP 10701489 A JP10701489 A JP 10701489A JP 2680678 B2 JP2680678 B2 JP 2680678B2
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- dihydroxy compound
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はエステル交換触媒としてMBHnR4-nの存在下、
ジアルキルカーボネートと芳香族ジヒドロキシ化合物と
を反応させて得られる高分子量ポリカーボネートの製造
法に関するものである。
ジアルキルカーボネートと芳香族ジヒドロキシ化合物と
を反応させて得られる高分子量ポリカーボネートの製造
法に関するものである。
ポリカーボネートは幅広い用途、特に射出成形用また
は窓ガラスの代わりのガラスシートとしての用途を有す
る汎用エンジニアリングサーモプラスチックスである。
は窓ガラスの代わりのガラスシートとしての用途を有す
る汎用エンジニアリングサーモプラスチックスである。
従来よりこれらポリカーボネートの製造には界面重縮
合法やエステル交換法等が適用されている。
合法やエステル交換法等が適用されている。
界面重縮合法は一般的にポリカーボネートの製造に効
果的であるが、有毒なホスゲンを使用することや、塩素
イオンが生成するポリカーボネートに残存すること等の
欠点を有する。これらの欠点を解消するために、有毒な
ホスゲンの代わりにホスゲンのダイマーである液体のト
リクロロメチルクロロホルメートを用いて特殊な2価フ
ェノールと界面重縮合反応させてポリカーボネートを製
造する方法が特開昭63−182336号公報に開示されてい
る。しかしながら、特殊な2価フェノールとして9,9−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類について
の記載があるのみである。また、有毒なホスゲンの代わ
りにトリホスゲンを用いて2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパンからポリカーボネートを得る方法が
Angew.Chem(アンゲバンテ・ヘミー)99,922(1987),
ドイツ特許DE3440141号明細書に記載されているが、ホ
スゲンが発生する反応機構も提唱されている。
果的であるが、有毒なホスゲンを使用することや、塩素
イオンが生成するポリカーボネートに残存すること等の
欠点を有する。これらの欠点を解消するために、有毒な
ホスゲンの代わりにホスゲンのダイマーである液体のト
リクロロメチルクロロホルメートを用いて特殊な2価フ
ェノールと界面重縮合反応させてポリカーボネートを製
造する方法が特開昭63−182336号公報に開示されてい
る。しかしながら、特殊な2価フェノールとして9,9−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類について
の記載があるのみである。また、有毒なホスゲンの代わ
りにトリホスゲンを用いて2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパンからポリカーボネートを得る方法が
Angew.Chem(アンゲバンテ・ヘミー)99,922(1987),
ドイツ特許DE3440141号明細書に記載されているが、ホ
スゲンが発生する反応機構も提唱されている。
エステル交換反応においては、ジフェニルカーボネー
トと芳香族ジヒドロキシ化合物にエステル交換触媒を加
えて、加熱減圧下、フェノールを留出させて高分子量の
ポリカーボネートを得ている(米国特許4345062号明細
書)が、高分子量のポリカーボネートは他のエンジニア
リングプラスチックスと異なって、溶融粘度が極めて大
きいので、反応条件として290℃以上の高温を必要と
し、また、沸点の高いフェノールを留去させるために高
真空(10-2Torr)を必要とするため、設備の面からも工
業化は難しく、更に生成するポリカーボネートにフェノ
ールが残存することにより、色相や物性に好ましくない
影響を及ぼすことが知れている。
トと芳香族ジヒドロキシ化合物にエステル交換触媒を加
えて、加熱減圧下、フェノールを留出させて高分子量の
ポリカーボネートを得ている(米国特許4345062号明細
書)が、高分子量のポリカーボネートは他のエンジニア
リングプラスチックスと異なって、溶融粘度が極めて大
きいので、反応条件として290℃以上の高温を必要と
し、また、沸点の高いフェノールを留去させるために高
真空(10-2Torr)を必要とするため、設備の面からも工
業化は難しく、更に生成するポリカーボネートにフェノ
ールが残存することにより、色相や物性に好ましくない
影響を及ぼすことが知れている。
また、エステル交換反応を利用して末端にアルキルカ
ーボネート基を有する芳香族ジヒドロキシ化合物のビス
アルキル炭酸エステルを合成し、これを触媒の存在下で
自己縮合させて芳香族ポリカーボネートを製造する方法
が特開昭63−205318号公報に開示されている。この製造
法は芳香族ジヒドロキシ化合物の存在しない条件下での
自己縮合であり、使用されうる触媒もZn,Al,Sn,Ti等に
代表される周期律表のII B,III B,IV A,IV Bに属する金
属元素及びその化合物の中から選ばれた触媒であること
が記載されている。
ーボネート基を有する芳香族ジヒドロキシ化合物のビス
アルキル炭酸エステルを合成し、これを触媒の存在下で
自己縮合させて芳香族ポリカーボネートを製造する方法
が特開昭63−205318号公報に開示されている。この製造
法は芳香族ジヒドロキシ化合物の存在しない条件下での
自己縮合であり、使用されうる触媒もZn,Al,Sn,Ti等に
代表される周期律表のII B,III B,IV A,IV Bに属する金
属元素及びその化合物の中から選ばれた触媒であること
が記載されている。
また、特開昭63−223035号公報にもエステル交換反応
を利用して芳香族ジヒドロキシ化合物のビスアルキル炭
酸エステルを加熱してプレポリマーを合成することによ
り、芳香族ポリカーボネートを製造する方法が開示され
ているが、高分子量化する固相重合反応に用いる触媒は
特に記載されてない。
を利用して芳香族ジヒドロキシ化合物のビスアルキル炭
酸エステルを加熱してプレポリマーを合成することによ
り、芳香族ポリカーボネートを製造する方法が開示され
ているが、高分子量化する固相重合反応に用いる触媒は
特に記載されてない。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた
結果、元来エステル交換触媒としては一般的ではない特
殊なエステル交換触媒の存在下、ジアルキルカーボネー
トと芳香族ジヒドロキシ化合物とを反応させることによ
り、毒性の強いホスゲンを用いることなく本質的に塩素
イオンを含まない無色透明の高分子量ポリカーボネート
が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
結果、元来エステル交換触媒としては一般的ではない特
殊なエステル交換触媒の存在下、ジアルキルカーボネー
トと芳香族ジヒドロキシ化合物とを反応させることによ
り、毒性の強いホスゲンを用いることなく本質的に塩素
イオンを含まない無色透明の高分子量ポリカーボネート
が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、エステル交換触媒として式MBHnR
4-n(式中、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属
を、Rはアルキル基、フェニル基、アルコキシル基また
はフェノキシ基を、nは0〜4の整数を表す。)で表さ
れる化合物の存在下、ジアルキルカーボネートと芳香族
ジヒドロキシ化合物とを反応させることを特徴とするポ
リカーボネートの製造法及び、エステル交換触媒として
式MBHnR4-n(式中、Mはアルカリ金属またはアルカリ土
類金属を、Rはアルキル基、フェニル基、アルコキシル
基またはフェノキシ基を、nは0〜4の整数を表す。)
で表される化合物の存在下、ジアルキルカーボネートと
芳香族ジヒドロキシ化合物とを反応させてジアルキルカ
ーボネート封止した芳香族ジヒドロキシ化合物のオリゴ
マーを得て、更に該オリゴマーを前記触媒存在下に反応
させてポリカーボネートを得ることを特徴とするポリカ
ーボネートの製造法を提供するものである。
4-n(式中、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属
を、Rはアルキル基、フェニル基、アルコキシル基また
はフェノキシ基を、nは0〜4の整数を表す。)で表さ
れる化合物の存在下、ジアルキルカーボネートと芳香族
ジヒドロキシ化合物とを反応させることを特徴とするポ
リカーボネートの製造法及び、エステル交換触媒として
式MBHnR4-n(式中、Mはアルカリ金属またはアルカリ土
類金属を、Rはアルキル基、フェニル基、アルコキシル
基またはフェノキシ基を、nは0〜4の整数を表す。)
で表される化合物の存在下、ジアルキルカーボネートと
芳香族ジヒドロキシ化合物とを反応させてジアルキルカ
ーボネート封止した芳香族ジヒドロキシ化合物のオリゴ
マーを得て、更に該オリゴマーを前記触媒存在下に反応
させてポリカーボネートを得ることを特徴とするポリカ
ーボネートの製造法を提供するものである。
本発明に用いられるジアルキルカーボネートとして
は、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ
−n−プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネ
ート、ジ−n−ブチルカーボネート、ジターシャリーブ
チルカーボネート、ジアミルカーボネート、ジヘキシル
カーボネート、ジヘプチルカーボネート、ジオクチルカ
ーボネート、ジシクロプロピルカーボネート等が挙げら
れるが、好ましくはカーボネート結合を形成する際に低
沸点でアルキル基が脱離し、かつ安価なメチルアルコー
ルを原料として合成されるジメチルカーボネートであ
る。
は、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ
−n−プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネ
ート、ジ−n−ブチルカーボネート、ジターシャリーブ
チルカーボネート、ジアミルカーボネート、ジヘキシル
カーボネート、ジヘプチルカーボネート、ジオクチルカ
ーボネート、ジシクロプロピルカーボネート等が挙げら
れるが、好ましくはカーボネート結合を形成する際に低
沸点でアルキル基が脱離し、かつ安価なメチルアルコー
ルを原料として合成されるジメチルカーボネートであ
る。
本発明に用いられる芳香族ジヒドロキシ化合物として
は下記一般式(I),(II),(III)または(IV)で
表される化合物が挙げられる。
は下記一般式(I),(II),(III)または(IV)で
表される化合物が挙げられる。
(式中、R1,R2,R3,R4はそれぞれ水素原子、炭素数1〜
8の直鎖または枝分かれを含むアルキル基、またはフェ
ニル基を表し、Xはハロゲン原子を、nは1〜4の整数
を表す。) 一般式(I)で表される化合物としては、2,2−ビス
−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−
(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス−(4
−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−
ビス−(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、4,4′−
ジヒドロキシ2,2,2−トリフェニルエタン、2,2−ビス−
(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン
等が挙げられる。
8の直鎖または枝分かれを含むアルキル基、またはフェ
ニル基を表し、Xはハロゲン原子を、nは1〜4の整数
を表す。) 一般式(I)で表される化合物としては、2,2−ビス
−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−
(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス−(4
−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−
ビス−(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、4,4′−
ジヒドロキシ2,2,2−トリフェニルエタン、2,2−ビス−
(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン
等が挙げられる。
一般式(II)で表される化合物としては、2,2−ビス
−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−sec.ブチルフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−タ
ーシャリーブチルフェニル)プロパン等が挙げられる。
−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−sec.ブチルフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−タ
ーシャリーブチルフェニル)プロパン等が挙げられる。
一般式(III)で表される化合物としては、1,1′−ビ
ス−(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピル
ベンゼン、1,1′−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)
−m−ジイソプロピルベンゼン等が挙げられる。
ス−(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピル
ベンゼン、1,1′−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)
−m−ジイソプロピルベンゼン等が挙げられる。
一般式(IV)で表される化合物としては、1,1−ビス
−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンが挙げら
れる。
−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンが挙げら
れる。
更に一般式(I)〜(IV)の化合物の中から選択され
た2種まは3種以上の2価フェノールを組み合わせて原
料とし、それらの共重合ポリカーボネートを製造するこ
とも可能である。
た2種まは3種以上の2価フェノールを組み合わせて原
料とし、それらの共重合ポリカーボネートを製造するこ
とも可能である。
本発明の製造法に用いられるMBHnR4-nで表されるエス
テル交換触媒としては、LiBH4,NaBH4,KBH4,RbBH4,Be(B
H4)2,Mg(BH4)2,Ca(BH4)2,Sr(BH4)2等の化合物
が挙げられ、これらの触媒を2種以上組み合わせて用い
ることも可能である。これらの中では、得られる高分子
量ポリカーボネートの色相が無色透明になるKBH4が好ま
しい。本発明において該触媒は、原料となる芳香族ジヒ
ドロキシ化合物に対して1×10-5モル〜1モルの範囲で
用いられるが、好ましくは5×10-4モル〜5×10-1モル
の範囲である。触媒の使用量が1×10-5モル未満では重
合速度が遅くなり、着色の原因となり、1モルを超える
と得られるポリカーボネートに残存する触媒が物性に悪
影響、例えば機械的な物性低下を及ぼす要因となる。
テル交換触媒としては、LiBH4,NaBH4,KBH4,RbBH4,Be(B
H4)2,Mg(BH4)2,Ca(BH4)2,Sr(BH4)2等の化合物
が挙げられ、これらの触媒を2種以上組み合わせて用い
ることも可能である。これらの中では、得られる高分子
量ポリカーボネートの色相が無色透明になるKBH4が好ま
しい。本発明において該触媒は、原料となる芳香族ジヒ
ドロキシ化合物に対して1×10-5モル〜1モルの範囲で
用いられるが、好ましくは5×10-4モル〜5×10-1モル
の範囲である。触媒の使用量が1×10-5モル未満では重
合速度が遅くなり、着色の原因となり、1モルを超える
と得られるポリカーボネートに残存する触媒が物性に悪
影響、例えば機械的な物性低下を及ぼす要因となる。
本発明のポリカーボネートの製造法においては重縮合
反応の際に、ジアルキルカーボネートを原料である芳香
族ジヒドロキシ化合物に対して0.5倍モル〜10倍モルの
範囲で使用するが、好ましくは1倍モル〜5倍モルの範
囲である。ジアルキルカーボネートの使用量が0.5モル
倍未満では化学量論的に重合度は上がらず、また10モル
倍を越えるとジアルキルカーボネートが過剰なため未反
応のジアルキルカーボネートを系外に除く量が多くな
り、設備的に不利となる。
反応の際に、ジアルキルカーボネートを原料である芳香
族ジヒドロキシ化合物に対して0.5倍モル〜10倍モルの
範囲で使用するが、好ましくは1倍モル〜5倍モルの範
囲である。ジアルキルカーボネートの使用量が0.5モル
倍未満では化学量論的に重合度は上がらず、また10モル
倍を越えるとジアルキルカーボネートが過剰なため未反
応のジアルキルカーボネートを系外に除く量が多くな
り、設備的に不利となる。
本発明の製造法の実施態様としては、例えば2,2−ビ
ス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1モルに対し
て、1.5倍モル量のジメチルカーボネートを窒素下でSUS
316の反応器に仕込み、触媒としてKBH4を5×10-2モル
加えた後、常圧または加圧下で90℃〜320℃の範囲で1
時間反応させ、副生するメタノールと過剰のジメチルカ
ーボネートを系外に除去する。更に減圧下で200〜280℃
の範囲で2〜3時間反応させ、メタノールを系外に除去
して高分子量ポリカーボネートを得ることができる。
ス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1モルに対し
て、1.5倍モル量のジメチルカーボネートを窒素下でSUS
316の反応器に仕込み、触媒としてKBH4を5×10-2モル
加えた後、常圧または加圧下で90℃〜320℃の範囲で1
時間反応させ、副生するメタノールと過剰のジメチルカ
ーボネートを系外に除去する。更に減圧下で200〜280℃
の範囲で2〜3時間反応させ、メタノールを系外に除去
して高分子量ポリカーボネートを得ることができる。
また、ジアルキルカーボネート封止した芳香族ジヒド
ロキシ化合物のオリゴマーを経由して高分子量ポリカー
ボネートを得る場合の実施態様としては、例えば2,2−
ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1モルに対
して、2倍モル量のジメチルカーボネートを窒素下でSU
S316の反応器に仕込み、触媒としてKBH4を5×10-2モル
加えた後、常圧または加圧下で90℃〜250℃の範囲で10
〜30分間反応させ、副生するメタノールと過剰のジメチ
ルカーボネートを系外に除去してオリゴマーを得て、更
にポリカーボネートを得ることができる。このような方
法で得られるジアルキルカーボネート封止した芳香族ジ
ヒドロキシ化合物のオリゴマー、すなわち芳香族ジヒド
ロキシ化合物の末端水酸基がアルキルカーボネート基と
なったオリゴマーの重量平均分子量(ポリスチレン換
算)は、1000〜18000の範囲であり、好ましくは1500〜1
5000の範囲である。オリゴマーの重量平均分子量が1000
未満では続いて減圧下で行われる該オリゴマーの縮合反
応の時間が長くなり、得られるポリカーボネートの色相
に悪影響をおよぼし、また18000を越えると常圧または
加圧下での反応時間が長くなり好ましくない。
ロキシ化合物のオリゴマーを経由して高分子量ポリカー
ボネートを得る場合の実施態様としては、例えば2,2−
ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1モルに対
して、2倍モル量のジメチルカーボネートを窒素下でSU
S316の反応器に仕込み、触媒としてKBH4を5×10-2モル
加えた後、常圧または加圧下で90℃〜250℃の範囲で10
〜30分間反応させ、副生するメタノールと過剰のジメチ
ルカーボネートを系外に除去してオリゴマーを得て、更
にポリカーボネートを得ることができる。このような方
法で得られるジアルキルカーボネート封止した芳香族ジ
ヒドロキシ化合物のオリゴマー、すなわち芳香族ジヒド
ロキシ化合物の末端水酸基がアルキルカーボネート基と
なったオリゴマーの重量平均分子量(ポリスチレン換
算)は、1000〜18000の範囲であり、好ましくは1500〜1
5000の範囲である。オリゴマーの重量平均分子量が1000
未満では続いて減圧下で行われる該オリゴマーの縮合反
応の時間が長くなり、得られるポリカーボネートの色相
に悪影響をおよぼし、また18000を越えると常圧または
加圧下での反応時間が長くなり好ましくない。
以下実施例をもって本発明を詳細に説明するが、本発
明はこれら実施例によって何ら限定されるものではな
い。
明はこれら実施例によって何ら限定されるものではな
い。
実施例1 蒸溜装置を具備したオートクレーブに、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン228重量部とジメ
チルカーボネート157重量部及びKBH40.27重量部とを仕
込み、加圧−常圧操作により窒素置換を行った後、反応
温度を180℃まで上げ、撹拌下圧力を8kg/cm2に保持し、
1時間反応を行った。その際、生成するメチルアルコー
ル及び過剰のジメチルカーボネートを留出させた。2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの反応率は
95%であった。
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン228重量部とジメ
チルカーボネート157重量部及びKBH40.27重量部とを仕
込み、加圧−常圧操作により窒素置換を行った後、反応
温度を180℃まで上げ、撹拌下圧力を8kg/cm2に保持し、
1時間反応を行った。その際、生成するメチルアルコー
ル及び過剰のジメチルカーボネートを留出させた。2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの反応率は
95%であった。
次に、生成したオリゴマー(重量平均分子量1500)を
大気圧の丸底反応容器に入れ、減圧しながら徐々に240
〜250℃まで加熱した。約3時間後、最終的に約5mmHgの
圧力で280℃まで昇温させ、15分間処理した。メチルア
ルコールが除去されるに伴い系内の液は粘ちょうになっ
た。得られたポリマーは無色透明で、ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィーにより重量平均分子量を測定し
たところ、40500(ポリスチレン換算)であった。
大気圧の丸底反応容器に入れ、減圧しながら徐々に240
〜250℃まで加熱した。約3時間後、最終的に約5mmHgの
圧力で280℃まで昇温させ、15分間処理した。メチルア
ルコールが除去されるに伴い系内の液は粘ちょうになっ
た。得られたポリマーは無色透明で、ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィーにより重量平均分子量を測定し
たところ、40500(ポリスチレン換算)であった。
実施例2 実施例1と同様のオートクレーブに2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン114重量部と4,4′−ジヒ
ドロキシ2,2,2−トリフェニルエタン145重量部とジメチ
ルカーボネート157重量部とKBH40.27重量部とを仕込
み、実施例1と同様に反応させ、オリゴマー(重量平均
分子量1700)を得て、これを丸底反応容器に入れ、減圧
しながら徐々に250〜260℃まで加熱した。約3時間後、
最終的に約4mmHgの圧力で280℃まで昇温させ、15分間処
理した。得られたポリマーは無色透明で、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィーにより重量平均分子量を測
定したところ、39000(ポリスチレン換算)であった。
また、このポリマーは、水素−磁気共鳴装置により2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと4,4′−
ジヒドロキシ2,2,2−トリフェニルエタンの1:1のポリカ
ーボネートであることが分かった。更に示差熱分析計で
の測定からガラス転移温度は166℃であった。
ヒドロキシフェニル)プロパン114重量部と4,4′−ジヒ
ドロキシ2,2,2−トリフェニルエタン145重量部とジメチ
ルカーボネート157重量部とKBH40.27重量部とを仕込
み、実施例1と同様に反応させ、オリゴマー(重量平均
分子量1700)を得て、これを丸底反応容器に入れ、減圧
しながら徐々に250〜260℃まで加熱した。約3時間後、
最終的に約4mmHgの圧力で280℃まで昇温させ、15分間処
理した。得られたポリマーは無色透明で、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィーにより重量平均分子量を測
定したところ、39000(ポリスチレン換算)であった。
また、このポリマーは、水素−磁気共鳴装置により2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと4,4′−
ジヒドロキシ2,2,2−トリフェニルエタンの1:1のポリカ
ーボネートであることが分かった。更に示差熱分析計で
の測定からガラス転移温度は166℃であった。
実施例3 蒸溜装置を具備したオートクレーブに、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン228重量部とジメ
チルカーボネート117重量部及びKBH40.54重量部とを仕
込み、加圧−常圧操作により窒素置換を行った後、反応
温度を200℃まで上げ、撹拌下圧力を10kg/cm2に保持
し、1時間反応を行った。その際、生成するメチルアル
コール及び過剰のジメチルカーボネートを留出させた。
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン228重量部とジメ
チルカーボネート117重量部及びKBH40.54重量部とを仕
込み、加圧−常圧操作により窒素置換を行った後、反応
温度を200℃まで上げ、撹拌下圧力を10kg/cm2に保持
し、1時間反応を行った。その際、生成するメチルアル
コール及び過剰のジメチルカーボネートを留出させた。
次に常圧にもどした後、減圧して副生成物を除去しな
がら徐々に240〜250℃まで加熱した。約2時間後、最終
的に約4mmHgの圧力で290℃まで昇温させ、25分間処理を
行った。得られたポリマーは無色透明で、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィーにより重量平均分子量を測
定したところ、39000(ポリスチレン換算)であった。
がら徐々に240〜250℃まで加熱した。約2時間後、最終
的に約4mmHgの圧力で290℃まで昇温させ、25分間処理を
行った。得られたポリマーは無色透明で、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィーにより重量平均分子量を測
定したところ、39000(ポリスチレン換算)であった。
比較例1 実施例1と同様の原料を用いて、触媒としてKBH4の代
わりにテトラブチルチタネート0.85重量部を仕込んで反
応を行ったが、取り出した液は赤褐色で分子量も上がっ
ていなかった。
わりにテトラブチルチタネート0.85重量部を仕込んで反
応を行ったが、取り出した液は赤褐色で分子量も上がっ
ていなかった。
本発明によれば、毒性の強いホスゲンを使用すること
なく高品質、すなわち高分子量かつ色相の良好なポリカ
ーボネートを、従来の固相重合に伴う煩雑な処理を必要
とせず、工業的に効率良く製造することができる。
なく高品質、すなわち高分子量かつ色相の良好なポリカ
ーボネートを、従来の固相重合に伴う煩雑な処理を必要
とせず、工業的に効率良く製造することができる。
第1図は実施例1及び実施例3で得られたポリマーのIR
スペクトルを示す図である。
スペクトルを示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】エステル交換触媒として式MBHnR4-n(式
中、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を、Rは
アルキル基、フェニル基、アルコキシル基またはフェノ
キシ基を、nは0〜4の整数を表す。)で表される化合
物の存在下、ジアルキルカーボネートと芳香族ジヒドロ
キシ化合物とを反応させることを特徴とするポリカーボ
ネートの製造法。 - 【請求項2】エステル交換触媒として式MBHnR4-n(式
中、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を、Rは
アルキル基、フェニル基、アルコキシル基またはフェノ
キシ基を、nは0〜4の整数を表す。)で表される化合
物の存在下、ジアルキルカーボネートと芳香族ジヒドロ
キシ化合物とを反応させてジアルキルカーボネート封止
した芳香族ジヒドロキシ化合物のオリゴマーを得て、更
に該オリゴマーを前記触媒存在下にて反応させてポリカ
ーボネートを得ることを特徴とするポリカーボネートの
製造法。 - 【請求項3】芳香族ジヒドロキシ化合物が下記一般式
(I),(II),(III)または(IV)で表される化合
物である請求項1または2記載のポリカーボネートの製
造法。 (式中、R1,R2,R3,R4はそれぞれ水素原子、炭素数1〜
8の直鎖または枝分かれを含むアルキル基、またはフェ
ニル基を表し、Xはハロゲン原子を、nは1〜4の整数
を表す。) - 【請求項4】芳香族ジヒドロキシ化合物が一般式(I)
〜(IV)の中から選ばれる少なくとも2種以上である請
求項3記載のポリカーボネートの製造法。 - 【請求項5】エステル交換触媒MBHnR4-nがKBH4である請
求項1ないし4のいずれか1項に記載のポリカーボネー
トの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10701489A JP2680678B2 (ja) | 1989-04-26 | 1989-04-26 | ポリカーボネートの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10701489A JP2680678B2 (ja) | 1989-04-26 | 1989-04-26 | ポリカーボネートの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02284916A JPH02284916A (ja) | 1990-11-22 |
JP2680678B2 true JP2680678B2 (ja) | 1997-11-19 |
Family
ID=14448319
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10701489A Expired - Lifetime JP2680678B2 (ja) | 1989-04-26 | 1989-04-26 | ポリカーボネートの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2680678B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1994022938A1 (en) * | 1993-03-31 | 1994-10-13 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Process for producing polycarbonate |
-
1989
- 1989-04-26 JP JP10701489A patent/JP2680678B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02284916A (ja) | 1990-11-22 |
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