JP2680504B2 - 低誘電率熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents
低誘電率熱硬化性樹脂組成物Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低誘電率、低誘電正接で
金属への接着性に優れた高耐熱性の熱硬化性樹脂組成物
に関するものであり、積層板、金属箔張積層板等に好適
に使用されるものである。
金属への接着性に優れた高耐熱性の熱硬化性樹脂組成物
に関するものであり、積層板、金属箔張積層板等に好適
に使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高周波領域で用いられるプリント
配線に耐熱性に優れ低誘電率、低誘電正接の積層板用樹
脂が望まれている。これに対し誘電率の小さいフッ素樹
脂やポリフェニレンエーテル樹脂などの熱可塑性樹脂が
提案されているが、作業性、接着性が悪く、信頼性に欠
けるなどの問題があった。そこで作業性、接着性を改善
する目的でエポキシ変性ポリフェニレンエーテル樹脂或
いはポリフェニレンエーテル変性エポキシ樹脂も提案さ
れている。しかしエポキシ樹脂の誘電率が高く満足な特
性が得られていない。ポリフェニレンエーテル樹脂と多
官能シアン酸エステル樹脂類、更にこれにその他の樹脂
を配合し、ラジカル重合開始剤を添加し、予備反応させ
てなる硬化可能な樹脂組成物(特開昭57−18535
0号公報参照)が知られているが、誘電率の低下は不充
分であった。
配線に耐熱性に優れ低誘電率、低誘電正接の積層板用樹
脂が望まれている。これに対し誘電率の小さいフッ素樹
脂やポリフェニレンエーテル樹脂などの熱可塑性樹脂が
提案されているが、作業性、接着性が悪く、信頼性に欠
けるなどの問題があった。そこで作業性、接着性を改善
する目的でエポキシ変性ポリフェニレンエーテル樹脂或
いはポリフェニレンエーテル変性エポキシ樹脂も提案さ
れている。しかしエポキシ樹脂の誘電率が高く満足な特
性が得られていない。ポリフェニレンエーテル樹脂と多
官能シアン酸エステル樹脂類、更にこれにその他の樹脂
を配合し、ラジカル重合開始剤を添加し、予備反応させ
てなる硬化可能な樹脂組成物(特開昭57−18535
0号公報参照)が知られているが、誘電率の低下は不充
分であった。
【0003】また熱硬化性の1,2−ポリブタジエンを
主成分とするポリブタジエン樹脂は低誘電率であるが、
接着性に劣り耐熱性が不充分であった。ポリフェニレン
エーテル樹脂100重量部に対し1,2−ポリブタジエ
ン樹脂5〜20重量部、架橋性モノマー5〜10重量部
及びラジカル架橋剤を配合した組成物(特開昭61−8
3224公報参照)が知られているが、分子量数千の
1,2−ポリブタジエン樹脂を用いた場合には組成物か
ら溶媒を除いた場合にベタツキが残り、ガラス基材等に
塗布、含浸して得られるプリプレグがタックフリーの状
態を維持できないので実用上問題があった。一方ベタツ
キを無くすために高分子量の1,2−ポリブタジエンを
用いる方法があるが、この方法によれば溶媒への溶解性
が低下し溶液が高粘度になり流動性が低下し実用上問題
であった。
主成分とするポリブタジエン樹脂は低誘電率であるが、
接着性に劣り耐熱性が不充分であった。ポリフェニレン
エーテル樹脂100重量部に対し1,2−ポリブタジエ
ン樹脂5〜20重量部、架橋性モノマー5〜10重量部
及びラジカル架橋剤を配合した組成物(特開昭61−8
3224公報参照)が知られているが、分子量数千の
1,2−ポリブタジエン樹脂を用いた場合には組成物か
ら溶媒を除いた場合にベタツキが残り、ガラス基材等に
塗布、含浸して得られるプリプレグがタックフリーの状
態を維持できないので実用上問題があった。一方ベタツ
キを無くすために高分子量の1,2−ポリブタジエンを
用いる方法があるが、この方法によれば溶媒への溶解性
が低下し溶液が高粘度になり流動性が低下し実用上問題
であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は低誘電率、高
耐熱性、高接着性を有し作業性にも優れた熱硬化性樹脂
を得るべく鋭意検討を重ねた結果なされたものである。
耐熱性、高接着性を有し作業性にも優れた熱硬化性樹脂
を得るべく鋭意検討を重ねた結果なされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、分子内に
2個以上のエポキシ基を含みプロトンNMRスペクトル
における脂肪族プロトンと芳香族プロトンの面積比が9
5/5〜80/20であるエポキシ樹脂(A)と、下記
一般式〔1〕で表される特殊フェノール化合物(B)
2個以上のエポキシ基を含みプロトンNMRスペクトル
における脂肪族プロトンと芳香族プロトンの面積比が9
5/5〜80/20であるエポキシ樹脂(A)と、下記
一般式〔1〕で表される特殊フェノール化合物(B)
【0006】
【化1】
【0007】(l,mは0または1以上の整数、nは自
然数を意味する。xはHまたはアルキル基を表わす。)
とを含有することを特徴とする低誘電率熱硬化性樹脂組
成物である。
然数を意味する。xはHまたはアルキル基を表わす。)
とを含有することを特徴とする低誘電率熱硬化性樹脂組
成物である。
【0008】
【作用】本発明において用いられるエポキシ樹脂は少な
くとも分子内に2個以上のエポキシ基を含み、プロトン
NMRスペクトルにおける脂肪族プロトンと芳香族プロ
トンの面積比が95/5〜80/20のものである。分
子内にエポキシ基を1個のみ含むエポキシ化合物は硬化
性が不充分で低耐熱性の硬化物しか得られないので好ま
しくない。プロトンNMRスペクトルにおいて脂肪族プ
ロトンと芳香族プロトンの面積比は95/5〜80/2
0の範囲にあることが望ましい。脂肪族プロトンが芳香
族プロトンに対し95/5よりも大きくなると硬化物の
耐熱性が低下するので好ましくない。また80/20よ
りも小さくなると硬化物の耐熱性には優れるものの、得
られる硬化物の誘電率や誘電正接の値が大きくなるので
好ましくない。望ましいエポキシ樹脂としては
くとも分子内に2個以上のエポキシ基を含み、プロトン
NMRスペクトルにおける脂肪族プロトンと芳香族プロ
トンの面積比が95/5〜80/20のものである。分
子内にエポキシ基を1個のみ含むエポキシ化合物は硬化
性が不充分で低耐熱性の硬化物しか得られないので好ま
しくない。プロトンNMRスペクトルにおいて脂肪族プ
ロトンと芳香族プロトンの面積比は95/5〜80/2
0の範囲にあることが望ましい。脂肪族プロトンが芳香
族プロトンに対し95/5よりも大きくなると硬化物の
耐熱性が低下するので好ましくない。また80/20よ
りも小さくなると硬化物の耐熱性には優れるものの、得
られる硬化物の誘電率や誘電正接の値が大きくなるので
好ましくない。望ましいエポキシ樹脂としては
【0009】
【化2】
【0010】等の嵩高いアルキル置換基を分子内に有す
るエポキシ樹脂や脂環式のエポキシ樹脂と
るエポキシ樹脂や脂環式のエポキシ樹脂と
【化3】
【0011】等ハロゲン置換基を有するエポキシ樹脂の
組合わせが好ましい例として挙げられるが、特に限定さ
れるものではない。また本発明のエポキシ樹脂はその全
量のうち15〜40重量%に相当するハロゲン置換基を
有することが好ましい。15重量%未満であると難燃性
が得られないので好ましくなく、40重量%を越えると
耐熱性が損われるので好ましくない。ハロゲン置換基は
特に限定されるものではないが臭素、塩素等を挙げるこ
とができる。また必要に応じて難燃助剤を添加すること
もできる。本発明において用いられるフェノール化合物
は一般式〔1〕で示されるが、分子内にフェノール性水
酸基を有するため、エポキシ樹脂の硬化剤として機能す
ることができるものである。更に分子骨格には1,2−
あるいは1,4−ポリブタジエン残基を有していたり、
環化構造を有するために誘電率並びに誘電正接の値を下
げる機能を併せ持つので好ましい。このフェノール化合
物の水酸基当量は350〜2000であることが望まし
い。350未満であると誘電特性向上効果が薄れるので
好ましくなく、2000を越えるとエポキシの硬化剤と
しては架橋密度が低下して、充分な耐熱性が得られない
ので好ましくない。本発明のエポキシ樹脂組成物は特定
のエポキシ樹脂とフェノール化合物を含有してなるもの
であるが、硬化速度を調整するために硬化促進剤を用い
ることができる。硬化促進剤としては、イミダゾール化
合物、有機リン化合物、第3級アミン、第4級アンモニ
ウム塩などが用いられる。これらの促進剤は何種類かを
併用することも可能である。配合量はエポキシ樹脂に対
して 0.01〜5重量%が好ましい。 0.01重量%未
満であると促進効果が小さく、5重量%を越えると保存
安定性が低下する。
組合わせが好ましい例として挙げられるが、特に限定さ
れるものではない。また本発明のエポキシ樹脂はその全
量のうち15〜40重量%に相当するハロゲン置換基を
有することが好ましい。15重量%未満であると難燃性
が得られないので好ましくなく、40重量%を越えると
耐熱性が損われるので好ましくない。ハロゲン置換基は
特に限定されるものではないが臭素、塩素等を挙げるこ
とができる。また必要に応じて難燃助剤を添加すること
もできる。本発明において用いられるフェノール化合物
は一般式〔1〕で示されるが、分子内にフェノール性水
酸基を有するため、エポキシ樹脂の硬化剤として機能す
ることができるものである。更に分子骨格には1,2−
あるいは1,4−ポリブタジエン残基を有していたり、
環化構造を有するために誘電率並びに誘電正接の値を下
げる機能を併せ持つので好ましい。このフェノール化合
物の水酸基当量は350〜2000であることが望まし
い。350未満であると誘電特性向上効果が薄れるので
好ましくなく、2000を越えるとエポキシの硬化剤と
しては架橋密度が低下して、充分な耐熱性が得られない
ので好ましくない。本発明のエポキシ樹脂組成物は特定
のエポキシ樹脂とフェノール化合物を含有してなるもの
であるが、硬化速度を調整するために硬化促進剤を用い
ることができる。硬化促進剤としては、イミダゾール化
合物、有機リン化合物、第3級アミン、第4級アンモニ
ウム塩などが用いられる。これらの促進剤は何種類かを
併用することも可能である。配合量はエポキシ樹脂に対
して 0.01〜5重量%が好ましい。 0.01重量%未
満であると促進効果が小さく、5重量%を越えると保存
安定性が低下する。
【0012】本発明のエポキシ樹脂組成物を種々の形態
で利用されるが、基材に塗布含浸する際にはしばしば溶
剤が用いられる。用いられる溶剤は組成物の一部或いは
全てに対して良好な溶解性を示すことが必要であるが、
悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を用いることもでき
る。用いられる溶剤の例を挙げると、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン、メシチレ
ン等の芳香族炭化水素系溶剤、メチルセルソルブ、エチ
ルセルソルブブチルアルソルブ、イソブチルセルソル
ブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエ
チレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリ
コールモノメチルエーテル、ジプロピレングールモノメ
チルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエー
テル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチ
レングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレン
グリコールモノブチルエーテル等の各種グリコールエー
テル系溶剤、メチルセルソルブアセテート、エチルセル
ソルブアセテート、ブチルセルソルブアセテート、酢酸
エチル等のエステル系溶剤、エチレングリコールジメチ
ルエーテル、ジエチレングタコールジメチルエーテル、
ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレング
リコールジブチルエーテル等のジアルキルグリコールエ
ーテル系溶剤、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N
−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン
等のアミド系溶剤、メタノール、エタノール等のアルコ
ール系溶剤があり、これらは何種類かを併用して用いる
こともできる。
で利用されるが、基材に塗布含浸する際にはしばしば溶
剤が用いられる。用いられる溶剤は組成物の一部或いは
全てに対して良好な溶解性を示すことが必要であるが、
悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を用いることもでき
る。用いられる溶剤の例を挙げると、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン、メシチレ
ン等の芳香族炭化水素系溶剤、メチルセルソルブ、エチ
ルセルソルブブチルアルソルブ、イソブチルセルソル
ブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエ
チレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリ
コールモノメチルエーテル、ジプロピレングールモノメ
チルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエー
テル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチ
レングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレン
グリコールモノブチルエーテル等の各種グリコールエー
テル系溶剤、メチルセルソルブアセテート、エチルセル
ソルブアセテート、ブチルセルソルブアセテート、酢酸
エチル等のエステル系溶剤、エチレングリコールジメチ
ルエーテル、ジエチレングタコールジメチルエーテル、
ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレング
リコールジブチルエーテル等のジアルキルグリコールエ
ーテル系溶剤、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N
−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン
等のアミド系溶剤、メタノール、エタノール等のアルコ
ール系溶剤があり、これらは何種類かを併用して用いる
こともできる。
【0013】本発明のエポキシ樹脂組成物を上記溶剤を
用いて得られるワニスは、ガラス織布、ガラス不織布ま
たは紙、あるいはガラス以外を成分とする布等の基材に
塗布、含浸させ乾燥炉中で80〜200℃の範囲内で乾
燥させることにより、プリント配線板用プリプレグを得
ることができる。プリプレグは加熱加圧してプリント配
線板を製造することに用いられるが、本発明のエポキシ
樹脂組成物は低誘電率、低誘電正接で作業性に優れ金属
への接着性に優れた高耐熱性の熱硬化性樹脂であり、積
層板、金属張積層板等に好適に使用されるものである。
用いて得られるワニスは、ガラス織布、ガラス不織布ま
たは紙、あるいはガラス以外を成分とする布等の基材に
塗布、含浸させ乾燥炉中で80〜200℃の範囲内で乾
燥させることにより、プリント配線板用プリプレグを得
ることができる。プリプレグは加熱加圧してプリント配
線板を製造することに用いられるが、本発明のエポキシ
樹脂組成物は低誘電率、低誘電正接で作業性に優れ金属
への接着性に優れた高耐熱性の熱硬化性樹脂であり、積
層板、金属張積層板等に好適に使用されるものである。
【0014】
【実施例】以下本発明を実施例により更に詳しく説明す
る。 《実施例1》エポキシ当量が300である次式で示され
るエポキシ化合物66部(重量部、以下同じ)
る。 《実施例1》エポキシ当量が300である次式で示され
るエポキシ化合物66部(重量部、以下同じ)
【化4】
【0015】にテトラブロモビスフェノールAを34部
加えて120℃に加熱撹拌し、更に2−メチルイミダゾ
ールを 0.01部添加して150℃で4時間反応させ、
エポキシ当量400、臭素含有率20%である固形のエ
ポキシ樹脂を得た。以下、これを樹脂(A)と略記す
る。樹脂(A)のプロトンNMRスペクトルを測定した
結果を図1に示す。これにより脂肪族プロトンと芳香族
プロトンの面積比を求めたところ85/15であった。
樹脂(A)に対してOH当量317なる日本石油株式会
社製のフェノール樹脂PP-700-300(化合式〔I〕におい
て、l=m=0,n=1.23)を樹脂(A)に対して当量
比(エポキシ基モル数/水酸基モル数)が1になるよう
に添加し、更に両者の固形分の合計100部に対して
0.8部の硬化促進剤、2−エチル−4−メチルイミダ
ゾールを加え、メチルエチルケトンで不揮発分濃度55
%となるようワニス溶液を調整した。しかる後このワニ
スを用いてガラスクロス(厚さ0.18mm、日東紡績
(株)製Eガラス)100部にワニスを固形分で43部
含浸させて150℃の乾燥炉中で4分間乾燥させ、プリ
プレグを作成した。得られたプリプレグはタックフリー
で作業性に優れていた。上記乾燥プリプレグ8枚重ねて
上下に35μm厚みの電解銅箔を重ねて、圧力40kgf
/cm2 、温度175℃で1時間加熱加圧成形を行い、厚
さ1.6mm の積層板を得た。この積層板の表面をエッチ
ング除去した後、121℃で圧力 2.0気圧のプレッシ
ャークッカー条件下で20時間処理し、重量増加分を測
定した。結果を表2に示す。
加えて120℃に加熱撹拌し、更に2−メチルイミダゾ
ールを 0.01部添加して150℃で4時間反応させ、
エポキシ当量400、臭素含有率20%である固形のエ
ポキシ樹脂を得た。以下、これを樹脂(A)と略記す
る。樹脂(A)のプロトンNMRスペクトルを測定した
結果を図1に示す。これにより脂肪族プロトンと芳香族
プロトンの面積比を求めたところ85/15であった。
樹脂(A)に対してOH当量317なる日本石油株式会
社製のフェノール樹脂PP-700-300(化合式〔I〕におい
て、l=m=0,n=1.23)を樹脂(A)に対して当量
比(エポキシ基モル数/水酸基モル数)が1になるよう
に添加し、更に両者の固形分の合計100部に対して
0.8部の硬化促進剤、2−エチル−4−メチルイミダ
ゾールを加え、メチルエチルケトンで不揮発分濃度55
%となるようワニス溶液を調整した。しかる後このワニ
スを用いてガラスクロス(厚さ0.18mm、日東紡績
(株)製Eガラス)100部にワニスを固形分で43部
含浸させて150℃の乾燥炉中で4分間乾燥させ、プリ
プレグを作成した。得られたプリプレグはタックフリー
で作業性に優れていた。上記乾燥プリプレグ8枚重ねて
上下に35μm厚みの電解銅箔を重ねて、圧力40kgf
/cm2 、温度175℃で1時間加熱加圧成形を行い、厚
さ1.6mm の積層板を得た。この積層板の表面をエッチ
ング除去した後、121℃で圧力 2.0気圧のプレッシ
ャークッカー条件下で20時間処理し、重量増加分を測
定した。結果を表2に示す。
【0016】また、誘電率及び誘電正接の測定はJIS
C 6481に準じて行ない周波数1MHz の静電容量
を測定して求めた。半田耐熱性、ピール強度についても
JIS C 6481に準じて測定し、半田耐熱性は26
0℃、300秒で外観の異常の有無を調べた。難燃性は
UL−94規格に従い垂直法により評価した。またガラ
ス転移温度は粘弾性法により tan δ のピーク温度から
求めた。これらの結果を合わせて表2に示した。 《実施例2,3及び比較例1〜3》表1に示したように
各エポキシ樹脂の組成及び硬化剤以外は全て実施例と同
様の方法で積層板を作成し種々の特性を評価した。結果
を表2に示す。
C 6481に準じて行ない周波数1MHz の静電容量
を測定して求めた。半田耐熱性、ピール強度についても
JIS C 6481に準じて測定し、半田耐熱性は26
0℃、300秒で外観の異常の有無を調べた。難燃性は
UL−94規格に従い垂直法により評価した。またガラ
ス転移温度は粘弾性法により tan δ のピーク温度から
求めた。これらの結果を合わせて表2に示した。 《実施例2,3及び比較例1〜3》表1に示したように
各エポキシ樹脂の組成及び硬化剤以外は全て実施例と同
様の方法で積層板を作成し種々の特性を評価した。結果
を表2に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【発明の効果】表1,表2の結果からも明らかなよう
に、本発明のエポキシ樹脂組成物は低誘電率、低誘電正
接で金属への接着性及び耐熱性にも優れた熱硬化性樹脂
組成物である。従って低誘電率や低誘電正接が必要とさ
れるプリント配線板用には最適な樹脂であり、従来の積
層板用樹脂と同様の工程で銅張積層板を製造することが
でき産業上のメリット大である。
に、本発明のエポキシ樹脂組成物は低誘電率、低誘電正
接で金属への接着性及び耐熱性にも優れた熱硬化性樹脂
組成物である。従って低誘電率や低誘電正接が必要とさ
れるプリント配線板用には最適な樹脂であり、従来の積
層板用樹脂と同様の工程で銅張積層板を製造することが
でき産業上のメリット大である。
【図1】樹脂(A)のプロトンNMRスペクトル
Claims (3)
- 【請求項1】 分子内に2個以上のエポキシ基を含みプ
ロトンNMRスペクトルにおける脂肪族プロトンと芳香
族プロトンの面積比が95/5〜80/20であるエポ
キシ樹脂(A)と、 下記一般式〔1〕で表されるフェノール化合物(B) 【化1】 (l,mは0または1以上の整数、nは自然数を意味す
る。xはHまたはアルキル基を表わす。)とを含有する
ことを特徴とする低誘電率熱硬化性樹脂組成物。 - 【請求項2】 エポキシ樹脂がその全量のうち15〜4
0重量%のハロゲン置換基を有することを特徴とする請
求項1記載の樹脂組成物。 - 【請求項3】 フェノール化合物(B)の水酸基当量が
350〜2000であることを特徴とする請求項1記載
の樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12644292A JP2680504B2 (ja) | 1992-05-19 | 1992-05-19 | 低誘電率熱硬化性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12644292A JP2680504B2 (ja) | 1992-05-19 | 1992-05-19 | 低誘電率熱硬化性樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05320314A JPH05320314A (ja) | 1993-12-03 |
JP2680504B2 true JP2680504B2 (ja) | 1997-11-19 |
Family
ID=14935313
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12644292A Expired - Fee Related JP2680504B2 (ja) | 1992-05-19 | 1992-05-19 | 低誘電率熱硬化性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2680504B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3310426B2 (ja) * | 1993-12-08 | 2002-08-05 | 住友ベークライト株式会社 | 低誘電率熱硬化性樹脂組成物 |
-
1992
- 1992-05-19 JP JP12644292A patent/JP2680504B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05320314A (ja) | 1993-12-03 |
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