JP2677831B2 - 真空用耐熱性導体 - Google Patents

真空用耐熱性導体

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JP2677831B2
JP2677831B2 JP63185987A JP18598788A JP2677831B2 JP 2677831 B2 JP2677831 B2 JP 2677831B2 JP 63185987 A JP63185987 A JP 63185987A JP 18598788 A JP18598788 A JP 18598788A JP 2677831 B2 JP2677831 B2 JP 2677831B2
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勝一 高村
鉄也 小川
正義 鈴木
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THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
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THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はコイル巻線或いは信号用、電力用導体等に使
用される耐熱性導体に関するものであり、特に真空及び
超高真空雰囲気中で使用するのに好適な耐熱性導体に関
するものである。
〔従来の技術〕
最近、超高真空雰囲気における半導体等工業製品の製
造或いは粒子加速実験等の科学実験が数多く行なわれて
いる。而して、前記超高真空雰囲気を得る為の設備につ
いては、種々の改善が進められており、かなり高水準の
設備が実用化されているが、この超高真空雰囲気中で例
えば移動テーブルやロボット等を自動操作するのに必要
な小型モーター及び信号ケーブルや電力ケーブルに関し
ては、コイル巻線或いはこれらケーブルの絶縁被膜とし
て用いられているエナメル被膜等からガスが放出されて
充分な超高真空度が維持されなくなるという問題があっ
た。
又小型モーターに関しては、超高真空装置内では真空
度を維持する必要上からコイルの冷却が困難であり、そ
の為通電時の導体抵抗によって、コイル温度が上昇し
て、該コイルが焼損する場合が多く、実験上の制約が大
きかった。
そこで、これら真空用絶縁導体からのガス放出量を少
なくし、且つその耐熱性を向上させる為、導電材として
の銅の周囲に、ガス放出量が少なく、且つ耐熱性を有し
ているAl2O3等の金属酸化物系セラミックスを湿式(電
気化学的方法)により被覆したものが提案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
然しながら、前記導電材の周囲に金属酸化物系セラミ
ックスを被覆した導体においては、前記絶縁被膜からの
ガスの放出は抑えられるものの、耐熱性及び絶縁特性の
点で問題があった。
即ち、前記金属酸化物系セラミックスは一般に銅等の
導電材との接合性が悪くて、導電材の外側に直接セラミ
ックス(酸化物系)を被覆出来ない為、通常前記導電材
をAl等の異種金属で被覆した後、セラミックス(酸化物
系)を被覆しているが、通電時に導電材と異種金属間で
熱拡散を生じて合金層が形成される為、導体抵抗が高く
なって発熱量が多くなり、耐熱性の低下をきたしてい
た。
又これら従来のセラミックス被覆導体においては、前
記導電材が微量ながらセラミックス表面にも熱拡散する
現象が見られ、充分な絶縁破壊電圧が得られなかった。
〔課題を解決する為の手段〕
本発明は上記の点に鑑み鋭意検討の結果なされたもの
であり、その目的とするところは、耐熱性が良好であっ
て、コイル等の冷却が困難な超高真空装置内でも高温で
の連続使用が可能であり、且つ絶縁特性が良好であっ
て、ガス放出量も極めて少ないコイル巻線用或いは信号
用、電力用耐熱性導体を提供する事である。
即ち本発明は、導電材としての銅又は銅合金或いは銀
又は銀合金の周囲に、平均粒径5μm以下の微粒子から
なる厚さが0.05μm以下の炭素又はボロンナイトライド
層が被覆されており、該炭素又はボロンナイトライド層
の外側に厚さが1μm以上のAl又はAl合金層が被覆され
ており、更に該Al又はAl合金層の外側に厚さが0.1〜50
μmの範囲内である金属酸化物系セラミックスが被覆さ
れている事を特徴とする真空用耐熱性導体である。
本発明において、導電材としての銅又は銅合金或いは
銀又は銀合金の周囲に、微粒子状の炭素(C)又はボロ
ンナイトライド(BN)層が被覆されているのは、前記導
電材とAl又はAl合金層との間の熱拡散を防止して耐熱性
を向上させると共に、更に導電材が微量ながらセラミッ
クス表面に迄熱拡散するの防止して、絶縁破壊電圧を向
上させる為である。而して、前記微粒子状のC又はBN層
の厚さが0.05μm未満であるか、或いはC又はBNの平均
粒径が5μmを超えると、導電材の熱拡散を完全に防止
出来ないので、C又はBN層の厚さは0.05μm以上に、又
C又はBNの平均粒径は5μm以下にする必要がある。尚
C又はBN層の厚さの上限に関しては特に限定はないが、
10μmを超えると、熱拡散防止の効果が飽和すると共
に、導体外径が規制されている場合には、導電材外径が
小さくなって、該導電材の抵抗が大きくなり、従って許
容電流が小さくなるので、C又はBN層の厚さは10μm以
下にする事が望ましい。
本発明においては、導電材とAl又はAl合金層との間の
熱拡散を防止する為の被覆材として、前記微粒子状のC
又はBN層の内いずれを用いても差し支えないが、C層は
導電性を有していて、被覆材によって導電性が低下する
のを防止する効果があり、一方BN層は絶縁体であって、
導体の絶縁特性を高める効果があるので、導体の使用目
的に応じて適宜使い分ける事が望ましい。
又前記C又はBN層の外側にAl又はAl合金層が被覆され
ているのは、導電材(銅又は銅合金或いは銀又は銀合
金)の外側に直接セラミックス(酸化物系)を被覆出来
ない為、セラミックスとの接合性が良いAl又はAl合金を
被覆したものであって、その厚さが1μm未満である
と、セラミックスとの間に充分に良好な接合性が得られ
なくて、被覆後に該セラミックスが剥離しやすいので、
Al又はAl合金層の厚さは1μm以上にする必要がある。
尚Al又はAl合金層の厚さの上限に関しては特に限定はな
いが、その厚さが導電材外径の30%を超えると、導体外
径が規制されている場合には、導電材外径が小さくなっ
て、該導電材の抵抗が大きくなり、従って発熱量が多く
なり、耐熱性が悪くなるので、Al又はAl合金層の厚さは
導電材外径の30%以下にする事が望ましい。
本発明は、前記Al又はAl合金層の外側に絶縁被膜とし
てガス放出量が極めて少ない金属酸化物系セラミックス
を被覆しているものであって、その厚さが0.1μm未満
の場合は、絶縁特性が不充分であり、又その厚さが50μ
mを超えると、得られた導体の屈曲性が悪くなって、コ
イリング時にセラミックスにクラックが発生する事、コ
イル化が困難となるので、前記セラミックスの厚さは、
0.1〜50μmの範囲内にする必要がある。
尚前記金属酸化物系セラミックスとしては、例えばAl
2O3、SiO2、MgO、ZrO等を使用する事が出来る。
〔作用〕
本発明による真空用耐熱性導体においては、導電材と
その外側に被覆されたAl又はAl合金層との間に導電材、
Al又はAl合金層間の熱拡散を抑える微粒子状のC又はBN
層が介在しているので、耐熱性が良好であると共に、導
電材のセラミックス表面への熱拡散も抑えられ、充分に
高い絶縁破壊電圧が得られている。又前記導体の最外周
が金属酸化物系セラミックスで被覆されているので、導
体からのガス放出も極めて少ない。
尚本発明による真空用耐熱性導体は、コイル巻線或い
は信号用、電力用導体等として、真空及び超真空雰囲気
中で使用した場合に特に顕著な効果が得られるものであ
るが、その用途は必ずしも真空用に限定されるものでは
なく、高温の酸化性雰囲気中等での使用にも適している
事は言うまでもない。
〔実施例〕
次に本発明を実施例により更に具体的に説明する。線
径2.8mmφの銅線の周囲に、所定の平均粒径で所定厚さ
のC又はBN層を被覆し、該C又はBN層の外側に所定厚さ
のAl層を押出被覆した後、伸線加工により線径0.5mmφ
にした。しかる後、この様にして得られた線材の前記Al
層の外側に湿式(電気化学的方法)により、所定厚さの
Al2O3を被覆して供試材とした。又比較の為、従来用い
られているC又はBN層を被覆しない導体も同様な方法で
製造してやはり供試材とした。これら供試材について、
C又はBN層の厚さ及び平均粒径(線径0.5mmφに伸線加
工後の厚さ及び平均粒径)、Al層の厚さ(線径0.5mmφ
に伸線加工後の厚さ)及びAl2O3の厚さ等を第1表にま
とめて示した。
次にこれら導体を外径:30mmφ、長さ:30mmのコイルに
加工した後、各供試材を真空装置内に入れ、コイル内が
所定温度になる様に、電流、電圧条件を設定して所定時
間通電し、導体の耐熱性並びに絶縁特性を評価した。こ
れら評価試験の試験温度並びに得られた結果を第1表に
併記した。尚耐熱性は各温度で1000時間通電後コイルを
解体して、通電前後の抵抗値(それぞれR0、R1とする)
を測定し、(R1−R0)/R0≧1.1の場合を耐熱性不良
(×)、(R1−R0)/R0<1.1の場合を耐熱性良(○)と
して評価した。又絶縁特性は、各温度で1000時間通電後
の絶縁破壊電圧により評価した。
第1表から明らかな様に、C又はBN層の厚さ及び平均
粒径、Al層の厚さ並びにAl2O3層の厚さ等が本発明の範
囲内である本発明例品1〜10はいずれも耐熱性に優れて
いて、絶縁特性が良好であった。一方、C又はBN層の厚
さが薄すぎるか、C又はBN層の平均粒径が大きすぎる比
較例品11、12、16、17及びC又はBN層が無い従来例品21
は、耐熱性並びに絶縁特性が悪かった。又Al層が薄すぎ
る比較例品13、18はAl2O3が一部剥離して絶縁特性が悪
かった。又Al2O3が薄すぎる比較例品14、19は絶縁特性
が悪く、Al2O3が厚すぎる比較例品15、20は屈曲性が悪
くて、コイル化が出来なかった。
〔発明の効果〕
本発明による耐熱性導体は、耐熱性に優れていて、絶
縁特性が良好であり、且つガス放出量も極めて少なく、
コイル巻線用或いは信号用、電力用耐熱性導体として、
コイル等の冷却が困難な超高真空装置内でも高温での連
続使用が可能である等工業上顕著な効果を奏するもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−296308(JP,A) 特開 昭63−304507(JP,A) 特開 昭62−80917(JP,A) 特開 昭58−123607(JP,A) 特開 昭53−51483(JP,A) 特開 昭49−117311(JP,A) 特開 昭63−195283(JP,A) 特開 昭63−178415(JP,A) 実開 昭57−73808(JP,U) 実開 昭54−41967(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電材としての銅又は銅合金或いは銀又は
    銀合金の周囲に、平均粒径5μm以下の微粒子からなる
    厚さが0.05μm以上の炭素又はボロンナイトライド層が
    被覆されており、該炭素又はボロンナイトライド層の外
    側に厚さが1μm以上のAl又はAl合金層が被覆されてお
    り、更に該Al又はAl合金層の外側に厚さが0.1〜50μm
    の範囲内である金属酸化物系セラミックスが被覆されて
    いる事を特徴とする真空用耐熱性導体。
JP63185987A 1988-07-26 1988-07-26 真空用耐熱性導体 Expired - Lifetime JP2677831B2 (ja)

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