JP2677787B2 - ボイラ制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明はボイラ系統において、耐圧部の寿命消費を管
理しつつプラントを運用するに好適なボイラ制御装置に
関する。 〔従来の技術〕 第4図は従来のボイラ起動制御装置の系統図である。
同図において、1はボイラ火炉炉壁を構成する水壁,2は
バーナ,3は水壁1へ給水を行なうボイラ給水ポンプであ
る。4は気水分離器であり、給水が水壁1で加熱される
ことにより生じる気水混合物を蒸気と水分に分離する。
5は気水分離器4からの蒸気を過熱する過熱器,6は給水
ポンプ3からの給水を予熱する節炭器,7は発電機に連結
されるタービンである。 8は過熱器5とタービン7との間に介在し、過熱器5
からタービン7への蒸気量を加減するタービン加減弁で
ある。 9は気水分離器4からの蒸気をコンデンサ等へ逃がす
過熱器バイパス弁である。この過熱器バイパス弁9は、
起動時に低温の蒸気が多量に過熱器5に流入して、過熱
器5の出口の昇温を妨げている場合に、そのような低温
蒸気を逃がして過熱器5の通過蒸気量を減少させ、過熱
器5の出口の蒸気温度を上昇させる機能を有する。 10は過熱器5出口からの発生蒸気をコンデンサ等へ逃
がすタービンバイパス弁である。このタービンバイパス
弁10は、当該発生蒸気がタービン7に通気可能な程度ま
で昇温,昇圧していない状態等でタービン加減弁8を全
閉した場合、発生蒸気を逃がす機能を有し、さらに、タ
ービン7へ通気後であつても、通気蒸気流量が小さい場
合には、燃料投入量による蒸気圧力制御が困難になるの
で、この領域において発生蒸気を逃がすことにより蒸気
圧力制御に寄与する機能を有する。 11は過熱器5からタービン7へ供給される蒸気の圧力
を検出する蒸気圧力検出器,12は当該蒸気の目標とする
圧力、即ち目標蒸気圧力を設定する蒸気圧力設定器,13
は蒸気圧力設定器12に設定された値と蒸気圧力検出器11
で検出された値との差を演算する減算器である。14,15
は減算器13で演算されて出力される圧力偏差信号を比例
積分する比例積分器である。16は関数発生器であり、蒸
気圧力検出器で検出された値を入力し、この値に対応し
た予め定められている値を出力する。この関数発生器16
からの出力信号は、蒸気圧力を適圧とするためのタービ
ンバイパス弁10の開度を指令する開度指令信号となる。
17は同じく蒸気圧力検出器11で検出された値を入力し、
この値に対応した値を出力する関数発生器である。この
関数発生器17からの出力信号は、過熱器5の昇温を妨げ
る大量の低温蒸気を排出するための過熱器バイパス弁9
の開度を指令する開度指令信号となる。 18は端子18a,18b及び切換片18cを備えた信号切換器で
あり、端子18aは比例積分器14に、端子18bは関数発生器
16に、切換片18cはタービンバイパス弁10にそれぞれ接
続されている。19は高信号選択器であり、比例積分器15
の出力信号と関数発生器17の出力信号とを比較し、大き
な方の信号を過熱器バイパス弁9に出力する。20はバー
ナ2に対する燃料供給を制御する燃料流量調節弁、21は
バーナの点火本数に合わせて燃料流量調節弁20の開度を
設定する開度設定器である。 ここで、上記装置の動作を第5図(a)〜(e)に示
すタイムチヤートを参照しながら説明する。第5図
(a)は時間経過に対する燃料投入量の変化、第5図
(b)は時間経過に対する過熱器バイパス弁9の開度の
変化、第5図(c)は時間経過に対するタービンバイパ
ス弁10の開度の変化、第5図(d)は時間経過に対する
蒸気圧力の変化、第5図(e)は時間経過に対する過熱
器出口蒸気温度の変化を示す。時刻t0は点火時刻、時刻
t1は昇圧完了時刻、時刻t2は昇温完了時刻、時刻t3はタ
ービン通気時刻である。また、P2は初期蒸気圧力値、p1
は昇圧目標値である。 時刻t0における点火後、バーナ2の点火本数は段階的
に増加され、これに応じて開度設定器21からの開度信号
により燃料流量調節弁20の開度が制御され、燃料投入量
は第5図(a)に示すように段階的に増加する。一方、
信号切換器18は蒸気圧力が昇圧目標値p1に達する以前に
は、その切換片18cが端子18bに切換えられた状態にあ
る。したがつて、タービンバイパス弁10の開度は、蒸気
圧力検出器11で検出される蒸気圧力が昇圧目標値p1に達
するまでは、その蒸気圧力に対応する関数発生器16の出
力により制御され、結局、当該蒸気圧力により一義的に
決定される。関数発生器16は目標値p1への昇圧過程の蒸
気圧力変化率が適当な値となるように設定される。さら
に、タービンバイパス弁10は第5図(c)に示すよう
に、昇圧完了点t1以降は信号切換器18の切換片18cが端
子18aに切換えられ、比例積分器14の信号により増加す
る蒸気圧力を逃がすようにその開度が制御される。 また、蒸気圧力が低い間は蒸気の飽和温度が低く、過
熱器5に気水分離器4から低温の蒸気が供給されるた
め、関数発生器16の出力信号は過熱器バイパス弁9の開
度を大きくする信号となり、これにより、低温の蒸気を
逃がし、過熱器5を通過する蒸気量を減らして過熱器5
の出口蒸気温度を上昇させる。 蒸気圧力が昇圧目標値p1に達した後には、前述のよう
に、タービンバイパス弁10の開度は蒸気圧力設定器12に
設定された昇圧目標値p1と蒸気圧力検出器11で検出され
た実際の蒸気圧力との圧力偏差信号を比例,積分した信
号により、第5図(c)に示すように制御される。さら
に、昇圧完了時刻t1以後において、蒸気圧力がタービン
バイパス弁10で逃がしきれないように高くなつた場合、
比例積分器15の出力信号も大きくなるので、高信号選択
器19はその出力信号を選択し、過熱器バイパス弁9の開
度を増加して蒸気を逃がし、蒸気圧力の上昇を抑える。 周知の通りボイラ等に発生する熱応力は、その容器,
配管の内外面のメタル温度差に依存し、その肉厚が大で
あるほど、内部流体の温度変化が急であるほど大とな
り、その寿命消費の面で厳しい条件となる。この観点か
ら過熱器5出口ヘツダと気水分離器4(またはドラム)
がボイラにおいて熱応力管理上最も着目すべき部位とし
て知られている。このような部位の発生熱応力を監視す
る必要性は良く知られ、従来までに種々の熱応力測定法
が開発されている。 これらの熱応力測定法のうち、正確さの点では歪みゲ
ージを貼りつける方法等が優れているが、ボイラプラン
トに恒常的に設置する計測手段としては内部流体温度、
圧力等の計測信号を受けて、熱応力を算出する手法(宮
垣,程塚「ボイラ熱応力監視装置」日立評論第65巻6号
P391,昭58−6参照)が耐久力,取り扱いの容易さの面
で優れており、もつぱらこの方法が実用に供されてい
る。 従来技術として、監視した熱応力を制御へ反映させる
構想は、第6図に示す主蒸気温度予測適応制御がある。
本例も上述の宮垣,程塚「ボイラ熱応力監視装置」に紹
介されたもので、将来の熱応力予測値に基づいて、将来
の主蒸気温度設定値を決定し、将来の主蒸気温度予測値
との偏差で燃料投入量を補正するという発想である。本
例の主蒸気温度の予測手法は基本的に物理モデルによ
り、その考え方は、藤井ほか「カルマンフイルタを用い
たボイラの蒸気温度予測制御」計装,増刊号P113昭58に
述べられている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 さて、このような従来装置には以下に挙げる2つの問
題点があり、これを順に説明する。 (1)第4図,第6図に示す従来装置では、最適の昇
温,昇圧パターンの設定が困難である。ここで、最適の
昇温・昇圧パターンとは、ボイラにおける厚肉部の熱応
力発生を抑えながら、昇温,昇圧を最短時間で行う起動
態様をいう。ところで、一般に、ボイラ装置において最
も重要な厚肉部は過熱器5の出口ヘツダと気水分離器4
(またはドラム)であるから、最適の昇温,昇圧パター
ンとは、換言すれば、過熱器5の出口ヘツダの熱応力に
影響を与える過熱器5の出口蒸気温度の変化率(以下、
昇温率という。)と、気水分離器4(またはドラム)の
熱応力に飽和温度変化を介して影響を与える蒸気圧力変
化率(以下、昇圧率という。)とを、発生熱応力の抑制
上許容される変化率制限値いつぱいに維持する態様であ
るということができる。 このような観点から、前述の従来装置をみると、従来
装置において昇温率および昇圧率は関数発生器16,17の
設定により調整されるが、これらの設定は実缶の起動試
験を繰返す必要があつて面倒である上、さらに、起動の
際、点火時刻t0における蒸気圧力(初期圧力)が調整実
施時と異なる蒸気圧力である場合、計画の昇温率および
昇圧率からずれる事態を生じる。このようなずれの悪影
響を防ぐため、従来装置における関数発生器16,17は、
どのような初期圧力の起動であつても、昇温,昇圧のど
の過程においても昇温率,昇圧率がその制限値を越えな
いことを目安に設定される。この結果、その昇温、昇圧
パターンは最適の昇温,昇圧パターンから大きく外れた
ものとなり、起動時間は最適な昇温,昇圧を行なつた場
合と比べかなり長い時間となる。 (2)第4図,第6図に示す従来装置では、プラントの
寿命管理が困難である。前述のようにこの装置において
も熱応力監視機能により起動過程の厚肉部発生熱応力を
把握でき、一連の起動・停止を経た後、その熱サイクル
における熱応力値の変化幅、継続時間より寿命消費を算
出することは可能である。しかしながら、プラントの寿
命管理の究極的な目的は、起動停止等のある一連の運用
に対し、状況に応じて、例えばある程度寿命消費を覚悟
して急速な起動を要する場合と、極力寿命消費を抑える
起動を要する場合とで、そのケースに割り当てた寿命消
費値どうりの起動を実現するよう運用方法を柔軟に使い
分けることにある。 この観点で従来装置はある運用を行なつた事後におい
て寿命消費値を知ることを可能とするのみで、その都度
の起動等に際して寿命管理方針に従がつた運用を実現す
るという要求に対しては全く無力である。 (3)第6図に示す従来装置では、第4図,第5図に示
した装置に比し、熱応力の将来挙動を燃料投入量に反映
させる改善が試みられているが、この装置には熱応力予
測制御の発想はあつても(2)項で述べた状況に応じ
て、割り当てられた寿命消費を実現する柔軟な起動運用
を実現するという機能が期待できない。 (4)第4図〜第6図の従来装置に共通の欠点として、
起動損失の低減が困難であることを指摘できる。前述の
ボイラ装置において、ある与えられた昇温率,昇圧率で
起動を行なう場合、燃料流量調節弁20を通過させる投入
燃料量、過熱器バイパス弁9の開度およびタービンバイ
パス弁10の開度の組合わせは一義的に決まるものではな
い。即ち、例えば多量の燃料をバーナ2に投入して過熱
器バイパス弁9およびタービンバイパス弁10から多量の
蒸気を抜き出す組合わせが存在する一方、その逆の組合
わせも存在するのである。これらの組合わせのうちで、
与えられた昇温率,昇圧率を維持することができるとと
もに、燃料流量調節弁20の開度を最低とすることができ
る3者の組合わせが、同一起動時間を達成するうえで最
も起動損失の少ない操作である。 しかしながら、従来装置では、過熱器バイパス弁9、
タービンバイパス弁10および燃料流調弁20を協調して操
作する機能がないため、起動損失を低減させるには、開
度設定器21、関数発生器16,17をそれぞれ個別に調整す
る以外に方法がない。そして、実際上、これらを前述の
最適な昇温率,昇圧率を維持しつつ、しかも起動損失が
最低になるように調整することは、ほとんど不可能に近
いことである。 〔問題点を解決するための手段〕 要するに本発明はボイラ等において、耐圧部内の流体
の温度、当該耐圧部の発生熱応力値を計測,算出もしく
は推定する機能と、耐圧部内の流体の温度もしくは温度
変化率を制御する機能を有するプラントにおいて、その
プラント固有の温度変化率と発生熱応力極大値との関係
式、並びに発生熱応力極大値と当該熱サイクル完了後の
寿命消費値の関係式をそれぞれ求め、これらの関係式を
用いて、ある寿命消費値を割り当てられた起動運用につ
いて流体温度変化率を逆算し、これを目標値として流体
温度の変化率を制御することにより達成される。流体温
度変化率目標値を積分して流体温度目標値として流体温
度制御を行なつても同様の効果が得られる。 〔作用〕 本発明において流体温度変化率と熱応力極大値の関
係、熱応力極大値と一熱サイクルにおける寿命消費値の
関係の把握がポイントとなるが、前者は流体温度の変動
があつた後、熱応力が極大に達するまでに熱容量,熱伝
導等に起因する大きな遅れがあるし、後者は、本質的に
一熱サイクルが完結してその履歴を考慮しないと求めら
れない。従がつてこれらの両関係式を物理的法則に基づ
いて連立微分方程式等で記述する(物理モデル)方式で
取り扱うことは非常に繁雑かつ困難である。一方で、こ
れらの関係式を応用する立場で考えると、プラントの起
動はその耐用期間中に千回のオーダーに達するのが通例
であるから、かかる両関係式は平均として正確であれば
よく、個々のケースの不確定な要因による誤差の影響
は、回を重ねる毎に打ち消し合つていく性質のものであ
れば問題にしなくて良い。このような立場の応用には実
績データの蓄積から関係式を求める(統計モデル)方式
が最適である。 統計モデルとしては種々の手法があるが、線形回期モ
デル方式が簡単で有力な方法であり、その考え方を以下
簡単に述べる。なお、統計モデルに関しては、奥野ほか
「多変量解析法」日科技連出版1971年,赤池ほか「ダイ
ナミツクシステムの統計的解析と制御」サイエンス社19
72年等に詳しく述べられていることを付記する。 時点i(i=1…N)において変数の組(xi,yi)が
得られた場合、xとyとの関係式を下式の形に仮定する
と、以下の手順で式中のパラメータb0,b1を決定でき
る。 y=b0eb 1 x ……(1) (1)式の両辺の対数をとつて流形化すると下式を得
る。 logy=logb0+b1x ……(2) (2)式に各時点のxiを代入し、対応するlogyiとの差
をεiとして定義する。 εi=logb0+b1xi−logyi ……(3) 各自点の の総和Sを定義する。 本発明の目的には、(4)式のSの値を最小とするよ
うにb0,b1を決定すればよい。従がつて、(4)式をlo
gb0,b1で偏微分して0とおいた次の2方程式を満たすb
0,b1を決定することに帰着する。 連立方程式(5),(6)は容易に解けて次の結果を
得る。 以上の方法に従がつてb0,b1を決定するとき、xとy
との性質上、相関性が強い場合は(4)式のSを十分小
さな値にすることが可能となつて(1)式の仮定が有効
となる。本発明への応用については昇温率と熱応力極大
値、熱応力極大値と寿命消費量の関係双方について強い
相関性が知られており、この手法の適用は妥当である。 以上の議論を裏付けるため、昇温率と熱応力極大値、
熱応力極大値と寿命消費量の関係の物理的メカニズムに
ついて簡単に説明する。 ボイラ耐圧部の発生熱応力は、耐圧部内面の突起部等
の応力集中の発生する部位で問題となるが、これらの部
位の熱応力値は、耐圧部を無限円筒とみなして算出した
内面熱応力値に応力集中定数を乗じて評価すれば良いこ
とが知られている。また、かかる内面熱応力は次式で示
される周方向の成分が通常大となり、厚肉部の熱応力管
理の主旨からはこれに着目する必要がある。 ここに、 σθ:周方向熱応力 E:ヤング率 α:線膨張係数 ν:ポアソン比 Tav:厚肉部平均メタル温度 Ti:厚肉部内面メタル温度 このうちTavはメタル厚肉内部に存在するから、
(9)式の結論として熱応力値は肉厚方向のメタル温度
差に依存すると考えてよい。 厚肉部内部の熱移動は伝導により、基本的にフーリエ
の方程式を満たす。ここでは、議論を簡単にするために
軸対称一次元で考えると次式を得る。 ここに、 k:熱伝導率 c:比熱 w:比重量 r:半径方向距離 T:メタル温度 メタル厚肉部を同心円状の層に分け、各層毎に集中定
数化すると、その中心から第i番目のセクシヨンについ
て、(10)式より下式が導かれる。 ここに、 Δr:同心円状の層の厚さ また、添字iは第iセクシヨンの値であることを示
す。 ここで、代表的な例として、メタル厚肉部が温度平衡
の状態にあり、内部を流れる流体から温度変化が伝わる
ケースを考える。この場合はTi+i,Tiが等しく、Ti-1よ
り温度変化が伝播するので(11)式は次式に変化する。 (12)式は一次遅れ特性を示す微分方程式であり、そ
の遅れ時定数τDは下式に示される。 ラプラス変換により(12)式は下式に変換できる。 ここに、 S:ラプラスの演算子(時間微分演算を示す) また変数の肩記号*はラプラス変換した値であること
を示す。 (14)式の関係を用いれば、メタル厚肉部内の第Nセ
クシヨンの温度TNは内面温度T0を用いて下式で表わせ
る。 (9)式よりメタル厚肉部発生熱応力は、メタル内部
と内面の温度差で評価できることは前述のとおりである
が、その温度差をΔTとすると(15)式より下式の性質
が導ける。 上式の展開は二項定理によつている。 (16)式の分子Sの高次の項は内面温度T0の高次微分
を与えるが、物理的性質上T0の変化はなめらかであるの
で高次微分係数は0とみなせ、2次以上の項は無視でき
る。従つて(16)式は次式に帰着する。 (17)式の意味するところは、熱応力値を支配するメ
タル温度差は内面メタル温度変化率の高次遅れ特性を持
つということであつて、メタル温度差の漸近値は流体温
度変化率(昇温率)に比例することが証明された。これ
は熱応力極大値を昇温率との関係で整理することの妥当
性を裏付けている。 同様に、熱応力極大値より寿命評価を行う手法は、既
に本出願人が提案した「ボイラ負荷制御装置」(特願昭
58−116201号(特開昭60−11002号公報参照))の明細
書中に詳述してあるので、ここでは省略するが、その当
然の帰結として両者には強い相関関係があり、寿命消費
値を熱応力極大値との統計的関係式で整理することの妥
当性が裏付けられる。 〔発明の実施例〕 第1図は本発明の一実施例である。51はプラント62か
ら蒸気温度,蒸気圧力等の計測信号63を入力し、蒸気温
度変化率実績値52と厚肉部の熱応力極大実績値53を算出
する第1の手段である。58は情報53を受けて一熱サイク
ルの完了後、寿命消費実績値58を算出する第4の手段で
ある。65は情報53,64を保存する記憶装置、68は当該起
動に割り当てられた寿命消費量指令67を受け、記憶装置
65のデータを参照して67に対応する熱応力極大制限値57
を算出する熱応力極大制限値算出部であつて、65,68を
合わせて第5の手段69となる。54は情報52,53を保存す
る記憶装置、56は熱応力極大制限値57を受け、記憶装置
54のデータを参照して57に対応する昇温率制限値59を算
出する昇温率制限値算出部であつて、54,56を合わせて
第3の手段71となる。 60は昇温率制限値59、計測信号63を受けて弁開度等の
操作信号61を算出する第2の手段、62は制御対象のプラ
ントであつて、60,62の部分は第2図に詳細を示す。第
2図の構成は「ボイラ起動制御装置」(特願59−145932
号(特開昭61−24905号公報参照))に詳述されてい
る。 図中の25は過熱器5からの蒸気の温度を検出する蒸気
温度検出器である。26は第5図(d)に示す昇圧目標値
p1を設定する昇圧目標値設定器、27は昇温完了時におけ
る過熱器5の出口蒸気温度を設定する昇圧目標値設定器
である。28は気水分離器4の厚肉部の熱応力を抑制する
ための飽和温度変化率制限値を設定する飽和温度変化率
制限値設定器、29は過熱器5の出口ヘツダの厚肉部の熱
応力を抑制するための昇温率制限値を設定する昇温率制
限値設定器である。30は変化率目標値演算装置であり、
蒸気圧力検出器11および蒸気温度検出器25の検出値、各
設定器26,27,28,29に設定された各設定値を入力し、こ
れらの値に基づいて所定の演算,制御を行なつて得られ
た昇温率目標値信号aおよび昇圧率目標値信号bを出力
する(この変化率目標値演算装置30の構成および動作に
ついては後述する。なお、次に述べる最適操作量演算装
置31および補正操作量演算装置32についても同じ。)。
31は最適操作量演算装置であり、蒸気圧力検出器11およ
び蒸気温度検出器25の検出値と、変化率目標値演算装置
30で信られた昇温率目標値信号aおよび昇圧率目標値信
号bとに基づき、かつ、所定の数式にしたがつて演算、
制御を行ない、その結果得られた燃料流量調節弁開度指
令信号c2、過熱器バイパス弁開度指令信号d2およびター
ビンバイパス弁開度指令信号e2を出力する。 35は蒸気圧力検出器11の検出値を入力してこれを微分
し、実際の昇圧率を演算する微分器、33は微分器35で得
られた昇圧率と昇圧率目標値信号aとを比較し、その偏
差である昇圧率偏差信号fを出力する減算器である。
又、36は蒸気温度検出器25の検出値を入力してこれを微
分し、実際の昇温率を演算する微分器、34は微分器36で
得られた昇温率と昇圧率目標値信号bとを比較し、その
偏差である昇温率偏差信号gを出力する減算器である。
32は補正操作量演算装置であり、さきに入力した最適操
作量演算装置31からの各開度指令信号c2,d2,e2を、偏
差信号f,gに基づき所定の演算、制御により補正し、補
正された開度指令信号c2′,d2′,e2′を出力する。 第1の手段の作用はプラント計測信号を取り込み、耐
圧部内部流体条件より、流体−耐圧部メタル間の熱伝
達,耐圧部メタル内の温度分布,軸,半径,接線方向の
熱応力成分を算出することである。第4の手段の作用は
耐圧部内部の流体温度がある着目点(通常は停止時の条
件をとる)から変化し再び着目点の値に復帰する一熱サ
イクル(通常は起動−負荷運用−停止の区間)におい
て、第1の手段により算出した熱応力の3成分の差(主
応力差)の変化幅(正の極大と負の極大の差)より当該
部位の疲労による寿命消費を、3成分の二乗和の平方根
(相当応力)の極大値とその後の時間経過によりクリー
プによる寿命消費を算出し、両者の和により当該部位の
かかる一熱サイクル中の寿命消費を算出することであ
る。第1の手段、第4の手段の作用の詳細は前述したよ
うに既公開の特願57−223939号(特開昭59−115901号公
報参照)「ボイラ応力監視装置」,特願58−116201号
(特開昭60−11002号公報参照)「ボイラ負荷制御装
置」明細書中及び日立評論誌第65巻6号P391「ボイラ熱
応力監視装置」記事中に詳述されている。 第3の手段および第5の手段は前述の(7),(8)
式により、それぞれ記憶装置54,65に保存されたデータ
を用いて(1)式のパラメータb0,b1を決定する。本実
施例は(1)式のyを知つてxを求める場合に相当し、
以上のように求めたパラメータを第3の手段,第5の手
段でそれぞれb30,b31,b50,b51(添字の左側が手段を
示す)と与えれば下式の作用を行うことになる。 (第5の手段) (第3の手段) 第2の手段は第3の手段による昇温率制限値59を受け
るが、本信号は寿命管理対象部位毎に必要であり、本例
では過熱器ら出口ヘツダ,気水分離器4について算出を
行なう。ただし、後者内の流体は飽和状態の気水混合物
であり、飽和温度と飽和圧力は物理的に1対1対応する
上、測定精度、制御性等の観点から温度よりも圧力の方
が取り扱い容易であるため昇圧率制限値として信号を受
け渡しする。 第2の手段の動作は「ボイラ起動制御装置」(特願昭
59−145932号(特開昭61−24905号公報参照))の明細
書中に述べた通りであつて、プラントの状態に応じて、
信号59により与えられた昇温率,昇圧率制限値許容範囲
内の最短時間起動を燃料投入量最低の条件下で弁開度等
のプラント操作量(最適操作量)を算出することにより
起動制御を行なう。 さらに、第2の手段の最適操作量算出精度を向上する
ため、同じく筆者の発明であるパラメータ適応制御機能
を持つ「ボイラ起動制御装置」(特願昭60−282042号
(特開昭62−141403号公報参照))を用いてもよい。か
かる発明の動作はパラメータ適応機能以外は特願昭59−
145932号(特開昭61−24905号公報参照)の装置と同様
である。 本発明の他の実施例として第2の手段のみ、筆者の発
明である「ボイラ起動制御装置」(特願昭61−076801号
(特開昭62−233605号公報参照))を適用することも有
力である。かかる場合の第2の手段の構成を第3図に示
す。本例の第2の手段の動作は当該明細書中に述べたの
で省略するが、この場合カルマンフイルタ、最適レギユ
レータ理論の適用が可能な構成となり、プラントが最適
条件で運用されることが、評価関数(目的に応じて設定
可)を最小にするという形で明確に保証される長所があ
る。 〔発明の効果〕 本発明には以下の効果がある。 (1).厚肉部の発生熱応力を制限値内に抑制するに必
要な昇温率,昇圧率をプラントの状況に応じて把握可能
である。 (2).既願の起動制御装置(特願昭59−145932号(特
開昭61−24905号公報参照),特願昭60−282042号(特
開昭62−141403号公報参照),特願昭61−076801号(特
開昭62−233605号公報参照)のいずれか)と組み合わせ
ることにより、熱応力抑制上許容される最も急速な起動
が実現できる。 (3).任意に与えた厚肉部の寿命消費許容値内の起動
を行うに必要な発生熱応力の許容値をプラントの状況に
応じて把握可能である。 (4).前記(1),(2),(3)項を組み合わせる
ことにより、任意に与えられた厚肉部の寿命消費割り当
値相当の最も急速な起動が実現でき、プラントの寿命管
理上最も経済的な運用が可能となる。 (5).前記(4)項を実現する際に、さらに燃料投入
量最低の条件を実現することが可能で、プラントの運転
経費管理上最も経済的な運用が可能となる。
理しつつプラントを運用するに好適なボイラ制御装置に
関する。 〔従来の技術〕 第4図は従来のボイラ起動制御装置の系統図である。
同図において、1はボイラ火炉炉壁を構成する水壁,2は
バーナ,3は水壁1へ給水を行なうボイラ給水ポンプであ
る。4は気水分離器であり、給水が水壁1で加熱される
ことにより生じる気水混合物を蒸気と水分に分離する。
5は気水分離器4からの蒸気を過熱する過熱器,6は給水
ポンプ3からの給水を予熱する節炭器,7は発電機に連結
されるタービンである。 8は過熱器5とタービン7との間に介在し、過熱器5
からタービン7への蒸気量を加減するタービン加減弁で
ある。 9は気水分離器4からの蒸気をコンデンサ等へ逃がす
過熱器バイパス弁である。この過熱器バイパス弁9は、
起動時に低温の蒸気が多量に過熱器5に流入して、過熱
器5の出口の昇温を妨げている場合に、そのような低温
蒸気を逃がして過熱器5の通過蒸気量を減少させ、過熱
器5の出口の蒸気温度を上昇させる機能を有する。 10は過熱器5出口からの発生蒸気をコンデンサ等へ逃
がすタービンバイパス弁である。このタービンバイパス
弁10は、当該発生蒸気がタービン7に通気可能な程度ま
で昇温,昇圧していない状態等でタービン加減弁8を全
閉した場合、発生蒸気を逃がす機能を有し、さらに、タ
ービン7へ通気後であつても、通気蒸気流量が小さい場
合には、燃料投入量による蒸気圧力制御が困難になるの
で、この領域において発生蒸気を逃がすことにより蒸気
圧力制御に寄与する機能を有する。 11は過熱器5からタービン7へ供給される蒸気の圧力
を検出する蒸気圧力検出器,12は当該蒸気の目標とする
圧力、即ち目標蒸気圧力を設定する蒸気圧力設定器,13
は蒸気圧力設定器12に設定された値と蒸気圧力検出器11
で検出された値との差を演算する減算器である。14,15
は減算器13で演算されて出力される圧力偏差信号を比例
積分する比例積分器である。16は関数発生器であり、蒸
気圧力検出器で検出された値を入力し、この値に対応し
た予め定められている値を出力する。この関数発生器16
からの出力信号は、蒸気圧力を適圧とするためのタービ
ンバイパス弁10の開度を指令する開度指令信号となる。
17は同じく蒸気圧力検出器11で検出された値を入力し、
この値に対応した値を出力する関数発生器である。この
関数発生器17からの出力信号は、過熱器5の昇温を妨げ
る大量の低温蒸気を排出するための過熱器バイパス弁9
の開度を指令する開度指令信号となる。 18は端子18a,18b及び切換片18cを備えた信号切換器で
あり、端子18aは比例積分器14に、端子18bは関数発生器
16に、切換片18cはタービンバイパス弁10にそれぞれ接
続されている。19は高信号選択器であり、比例積分器15
の出力信号と関数発生器17の出力信号とを比較し、大き
な方の信号を過熱器バイパス弁9に出力する。20はバー
ナ2に対する燃料供給を制御する燃料流量調節弁、21は
バーナの点火本数に合わせて燃料流量調節弁20の開度を
設定する開度設定器である。 ここで、上記装置の動作を第5図(a)〜(e)に示
すタイムチヤートを参照しながら説明する。第5図
(a)は時間経過に対する燃料投入量の変化、第5図
(b)は時間経過に対する過熱器バイパス弁9の開度の
変化、第5図(c)は時間経過に対するタービンバイパ
ス弁10の開度の変化、第5図(d)は時間経過に対する
蒸気圧力の変化、第5図(e)は時間経過に対する過熱
器出口蒸気温度の変化を示す。時刻t0は点火時刻、時刻
t1は昇圧完了時刻、時刻t2は昇温完了時刻、時刻t3はタ
ービン通気時刻である。また、P2は初期蒸気圧力値、p1
は昇圧目標値である。 時刻t0における点火後、バーナ2の点火本数は段階的
に増加され、これに応じて開度設定器21からの開度信号
により燃料流量調節弁20の開度が制御され、燃料投入量
は第5図(a)に示すように段階的に増加する。一方、
信号切換器18は蒸気圧力が昇圧目標値p1に達する以前に
は、その切換片18cが端子18bに切換えられた状態にあ
る。したがつて、タービンバイパス弁10の開度は、蒸気
圧力検出器11で検出される蒸気圧力が昇圧目標値p1に達
するまでは、その蒸気圧力に対応する関数発生器16の出
力により制御され、結局、当該蒸気圧力により一義的に
決定される。関数発生器16は目標値p1への昇圧過程の蒸
気圧力変化率が適当な値となるように設定される。さら
に、タービンバイパス弁10は第5図(c)に示すよう
に、昇圧完了点t1以降は信号切換器18の切換片18cが端
子18aに切換えられ、比例積分器14の信号により増加す
る蒸気圧力を逃がすようにその開度が制御される。 また、蒸気圧力が低い間は蒸気の飽和温度が低く、過
熱器5に気水分離器4から低温の蒸気が供給されるた
め、関数発生器16の出力信号は過熱器バイパス弁9の開
度を大きくする信号となり、これにより、低温の蒸気を
逃がし、過熱器5を通過する蒸気量を減らして過熱器5
の出口蒸気温度を上昇させる。 蒸気圧力が昇圧目標値p1に達した後には、前述のよう
に、タービンバイパス弁10の開度は蒸気圧力設定器12に
設定された昇圧目標値p1と蒸気圧力検出器11で検出され
た実際の蒸気圧力との圧力偏差信号を比例,積分した信
号により、第5図(c)に示すように制御される。さら
に、昇圧完了時刻t1以後において、蒸気圧力がタービン
バイパス弁10で逃がしきれないように高くなつた場合、
比例積分器15の出力信号も大きくなるので、高信号選択
器19はその出力信号を選択し、過熱器バイパス弁9の開
度を増加して蒸気を逃がし、蒸気圧力の上昇を抑える。 周知の通りボイラ等に発生する熱応力は、その容器,
配管の内外面のメタル温度差に依存し、その肉厚が大で
あるほど、内部流体の温度変化が急であるほど大とな
り、その寿命消費の面で厳しい条件となる。この観点か
ら過熱器5出口ヘツダと気水分離器4(またはドラム)
がボイラにおいて熱応力管理上最も着目すべき部位とし
て知られている。このような部位の発生熱応力を監視す
る必要性は良く知られ、従来までに種々の熱応力測定法
が開発されている。 これらの熱応力測定法のうち、正確さの点では歪みゲ
ージを貼りつける方法等が優れているが、ボイラプラン
トに恒常的に設置する計測手段としては内部流体温度、
圧力等の計測信号を受けて、熱応力を算出する手法(宮
垣,程塚「ボイラ熱応力監視装置」日立評論第65巻6号
P391,昭58−6参照)が耐久力,取り扱いの容易さの面
で優れており、もつぱらこの方法が実用に供されてい
る。 従来技術として、監視した熱応力を制御へ反映させる
構想は、第6図に示す主蒸気温度予測適応制御がある。
本例も上述の宮垣,程塚「ボイラ熱応力監視装置」に紹
介されたもので、将来の熱応力予測値に基づいて、将来
の主蒸気温度設定値を決定し、将来の主蒸気温度予測値
との偏差で燃料投入量を補正するという発想である。本
例の主蒸気温度の予測手法は基本的に物理モデルによ
り、その考え方は、藤井ほか「カルマンフイルタを用い
たボイラの蒸気温度予測制御」計装,増刊号P113昭58に
述べられている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 さて、このような従来装置には以下に挙げる2つの問
題点があり、これを順に説明する。 (1)第4図,第6図に示す従来装置では、最適の昇
温,昇圧パターンの設定が困難である。ここで、最適の
昇温・昇圧パターンとは、ボイラにおける厚肉部の熱応
力発生を抑えながら、昇温,昇圧を最短時間で行う起動
態様をいう。ところで、一般に、ボイラ装置において最
も重要な厚肉部は過熱器5の出口ヘツダと気水分離器4
(またはドラム)であるから、最適の昇温,昇圧パター
ンとは、換言すれば、過熱器5の出口ヘツダの熱応力に
影響を与える過熱器5の出口蒸気温度の変化率(以下、
昇温率という。)と、気水分離器4(またはドラム)の
熱応力に飽和温度変化を介して影響を与える蒸気圧力変
化率(以下、昇圧率という。)とを、発生熱応力の抑制
上許容される変化率制限値いつぱいに維持する態様であ
るということができる。 このような観点から、前述の従来装置をみると、従来
装置において昇温率および昇圧率は関数発生器16,17の
設定により調整されるが、これらの設定は実缶の起動試
験を繰返す必要があつて面倒である上、さらに、起動の
際、点火時刻t0における蒸気圧力(初期圧力)が調整実
施時と異なる蒸気圧力である場合、計画の昇温率および
昇圧率からずれる事態を生じる。このようなずれの悪影
響を防ぐため、従来装置における関数発生器16,17は、
どのような初期圧力の起動であつても、昇温,昇圧のど
の過程においても昇温率,昇圧率がその制限値を越えな
いことを目安に設定される。この結果、その昇温、昇圧
パターンは最適の昇温,昇圧パターンから大きく外れた
ものとなり、起動時間は最適な昇温,昇圧を行なつた場
合と比べかなり長い時間となる。 (2)第4図,第6図に示す従来装置では、プラントの
寿命管理が困難である。前述のようにこの装置において
も熱応力監視機能により起動過程の厚肉部発生熱応力を
把握でき、一連の起動・停止を経た後、その熱サイクル
における熱応力値の変化幅、継続時間より寿命消費を算
出することは可能である。しかしながら、プラントの寿
命管理の究極的な目的は、起動停止等のある一連の運用
に対し、状況に応じて、例えばある程度寿命消費を覚悟
して急速な起動を要する場合と、極力寿命消費を抑える
起動を要する場合とで、そのケースに割り当てた寿命消
費値どうりの起動を実現するよう運用方法を柔軟に使い
分けることにある。 この観点で従来装置はある運用を行なつた事後におい
て寿命消費値を知ることを可能とするのみで、その都度
の起動等に際して寿命管理方針に従がつた運用を実現す
るという要求に対しては全く無力である。 (3)第6図に示す従来装置では、第4図,第5図に示
した装置に比し、熱応力の将来挙動を燃料投入量に反映
させる改善が試みられているが、この装置には熱応力予
測制御の発想はあつても(2)項で述べた状況に応じ
て、割り当てられた寿命消費を実現する柔軟な起動運用
を実現するという機能が期待できない。 (4)第4図〜第6図の従来装置に共通の欠点として、
起動損失の低減が困難であることを指摘できる。前述の
ボイラ装置において、ある与えられた昇温率,昇圧率で
起動を行なう場合、燃料流量調節弁20を通過させる投入
燃料量、過熱器バイパス弁9の開度およびタービンバイ
パス弁10の開度の組合わせは一義的に決まるものではな
い。即ち、例えば多量の燃料をバーナ2に投入して過熱
器バイパス弁9およびタービンバイパス弁10から多量の
蒸気を抜き出す組合わせが存在する一方、その逆の組合
わせも存在するのである。これらの組合わせのうちで、
与えられた昇温率,昇圧率を維持することができるとと
もに、燃料流量調節弁20の開度を最低とすることができ
る3者の組合わせが、同一起動時間を達成するうえで最
も起動損失の少ない操作である。 しかしながら、従来装置では、過熱器バイパス弁9、
タービンバイパス弁10および燃料流調弁20を協調して操
作する機能がないため、起動損失を低減させるには、開
度設定器21、関数発生器16,17をそれぞれ個別に調整す
る以外に方法がない。そして、実際上、これらを前述の
最適な昇温率,昇圧率を維持しつつ、しかも起動損失が
最低になるように調整することは、ほとんど不可能に近
いことである。 〔問題点を解決するための手段〕 要するに本発明はボイラ等において、耐圧部内の流体
の温度、当該耐圧部の発生熱応力値を計測,算出もしく
は推定する機能と、耐圧部内の流体の温度もしくは温度
変化率を制御する機能を有するプラントにおいて、その
プラント固有の温度変化率と発生熱応力極大値との関係
式、並びに発生熱応力極大値と当該熱サイクル完了後の
寿命消費値の関係式をそれぞれ求め、これらの関係式を
用いて、ある寿命消費値を割り当てられた起動運用につ
いて流体温度変化率を逆算し、これを目標値として流体
温度の変化率を制御することにより達成される。流体温
度変化率目標値を積分して流体温度目標値として流体温
度制御を行なつても同様の効果が得られる。 〔作用〕 本発明において流体温度変化率と熱応力極大値の関
係、熱応力極大値と一熱サイクルにおける寿命消費値の
関係の把握がポイントとなるが、前者は流体温度の変動
があつた後、熱応力が極大に達するまでに熱容量,熱伝
導等に起因する大きな遅れがあるし、後者は、本質的に
一熱サイクルが完結してその履歴を考慮しないと求めら
れない。従がつてこれらの両関係式を物理的法則に基づ
いて連立微分方程式等で記述する(物理モデル)方式で
取り扱うことは非常に繁雑かつ困難である。一方で、こ
れらの関係式を応用する立場で考えると、プラントの起
動はその耐用期間中に千回のオーダーに達するのが通例
であるから、かかる両関係式は平均として正確であれば
よく、個々のケースの不確定な要因による誤差の影響
は、回を重ねる毎に打ち消し合つていく性質のものであ
れば問題にしなくて良い。このような立場の応用には実
績データの蓄積から関係式を求める(統計モデル)方式
が最適である。 統計モデルとしては種々の手法があるが、線形回期モ
デル方式が簡単で有力な方法であり、その考え方を以下
簡単に述べる。なお、統計モデルに関しては、奥野ほか
「多変量解析法」日科技連出版1971年,赤池ほか「ダイ
ナミツクシステムの統計的解析と制御」サイエンス社19
72年等に詳しく述べられていることを付記する。 時点i(i=1…N)において変数の組(xi,yi)が
得られた場合、xとyとの関係式を下式の形に仮定する
と、以下の手順で式中のパラメータb0,b1を決定でき
る。 y=b0eb 1 x ……(1) (1)式の両辺の対数をとつて流形化すると下式を得
る。 logy=logb0+b1x ……(2) (2)式に各時点のxiを代入し、対応するlogyiとの差
をεiとして定義する。 εi=logb0+b1xi−logyi ……(3) 各自点の の総和Sを定義する。 本発明の目的には、(4)式のSの値を最小とするよ
うにb0,b1を決定すればよい。従がつて、(4)式をlo
gb0,b1で偏微分して0とおいた次の2方程式を満たすb
0,b1を決定することに帰着する。 連立方程式(5),(6)は容易に解けて次の結果を
得る。 以上の方法に従がつてb0,b1を決定するとき、xとy
との性質上、相関性が強い場合は(4)式のSを十分小
さな値にすることが可能となつて(1)式の仮定が有効
となる。本発明への応用については昇温率と熱応力極大
値、熱応力極大値と寿命消費量の関係双方について強い
相関性が知られており、この手法の適用は妥当である。 以上の議論を裏付けるため、昇温率と熱応力極大値、
熱応力極大値と寿命消費量の関係の物理的メカニズムに
ついて簡単に説明する。 ボイラ耐圧部の発生熱応力は、耐圧部内面の突起部等
の応力集中の発生する部位で問題となるが、これらの部
位の熱応力値は、耐圧部を無限円筒とみなして算出した
内面熱応力値に応力集中定数を乗じて評価すれば良いこ
とが知られている。また、かかる内面熱応力は次式で示
される周方向の成分が通常大となり、厚肉部の熱応力管
理の主旨からはこれに着目する必要がある。 ここに、 σθ:周方向熱応力 E:ヤング率 α:線膨張係数 ν:ポアソン比 Tav:厚肉部平均メタル温度 Ti:厚肉部内面メタル温度 このうちTavはメタル厚肉内部に存在するから、
(9)式の結論として熱応力値は肉厚方向のメタル温度
差に依存すると考えてよい。 厚肉部内部の熱移動は伝導により、基本的にフーリエ
の方程式を満たす。ここでは、議論を簡単にするために
軸対称一次元で考えると次式を得る。 ここに、 k:熱伝導率 c:比熱 w:比重量 r:半径方向距離 T:メタル温度 メタル厚肉部を同心円状の層に分け、各層毎に集中定
数化すると、その中心から第i番目のセクシヨンについ
て、(10)式より下式が導かれる。 ここに、 Δr:同心円状の層の厚さ また、添字iは第iセクシヨンの値であることを示
す。 ここで、代表的な例として、メタル厚肉部が温度平衡
の状態にあり、内部を流れる流体から温度変化が伝わる
ケースを考える。この場合はTi+i,Tiが等しく、Ti-1よ
り温度変化が伝播するので(11)式は次式に変化する。 (12)式は一次遅れ特性を示す微分方程式であり、そ
の遅れ時定数τDは下式に示される。 ラプラス変換により(12)式は下式に変換できる。 ここに、 S:ラプラスの演算子(時間微分演算を示す) また変数の肩記号*はラプラス変換した値であること
を示す。 (14)式の関係を用いれば、メタル厚肉部内の第Nセ
クシヨンの温度TNは内面温度T0を用いて下式で表わせ
る。 (9)式よりメタル厚肉部発生熱応力は、メタル内部
と内面の温度差で評価できることは前述のとおりである
が、その温度差をΔTとすると(15)式より下式の性質
が導ける。 上式の展開は二項定理によつている。 (16)式の分子Sの高次の項は内面温度T0の高次微分
を与えるが、物理的性質上T0の変化はなめらかであるの
で高次微分係数は0とみなせ、2次以上の項は無視でき
る。従つて(16)式は次式に帰着する。 (17)式の意味するところは、熱応力値を支配するメ
タル温度差は内面メタル温度変化率の高次遅れ特性を持
つということであつて、メタル温度差の漸近値は流体温
度変化率(昇温率)に比例することが証明された。これ
は熱応力極大値を昇温率との関係で整理することの妥当
性を裏付けている。 同様に、熱応力極大値より寿命評価を行う手法は、既
に本出願人が提案した「ボイラ負荷制御装置」(特願昭
58−116201号(特開昭60−11002号公報参照))の明細
書中に詳述してあるので、ここでは省略するが、その当
然の帰結として両者には強い相関関係があり、寿命消費
値を熱応力極大値との統計的関係式で整理することの妥
当性が裏付けられる。 〔発明の実施例〕 第1図は本発明の一実施例である。51はプラント62か
ら蒸気温度,蒸気圧力等の計測信号63を入力し、蒸気温
度変化率実績値52と厚肉部の熱応力極大実績値53を算出
する第1の手段である。58は情報53を受けて一熱サイク
ルの完了後、寿命消費実績値58を算出する第4の手段で
ある。65は情報53,64を保存する記憶装置、68は当該起
動に割り当てられた寿命消費量指令67を受け、記憶装置
65のデータを参照して67に対応する熱応力極大制限値57
を算出する熱応力極大制限値算出部であつて、65,68を
合わせて第5の手段69となる。54は情報52,53を保存す
る記憶装置、56は熱応力極大制限値57を受け、記憶装置
54のデータを参照して57に対応する昇温率制限値59を算
出する昇温率制限値算出部であつて、54,56を合わせて
第3の手段71となる。 60は昇温率制限値59、計測信号63を受けて弁開度等の
操作信号61を算出する第2の手段、62は制御対象のプラ
ントであつて、60,62の部分は第2図に詳細を示す。第
2図の構成は「ボイラ起動制御装置」(特願59−145932
号(特開昭61−24905号公報参照))に詳述されてい
る。 図中の25は過熱器5からの蒸気の温度を検出する蒸気
温度検出器である。26は第5図(d)に示す昇圧目標値
p1を設定する昇圧目標値設定器、27は昇温完了時におけ
る過熱器5の出口蒸気温度を設定する昇圧目標値設定器
である。28は気水分離器4の厚肉部の熱応力を抑制する
ための飽和温度変化率制限値を設定する飽和温度変化率
制限値設定器、29は過熱器5の出口ヘツダの厚肉部の熱
応力を抑制するための昇温率制限値を設定する昇温率制
限値設定器である。30は変化率目標値演算装置であり、
蒸気圧力検出器11および蒸気温度検出器25の検出値、各
設定器26,27,28,29に設定された各設定値を入力し、こ
れらの値に基づいて所定の演算,制御を行なつて得られ
た昇温率目標値信号aおよび昇圧率目標値信号bを出力
する(この変化率目標値演算装置30の構成および動作に
ついては後述する。なお、次に述べる最適操作量演算装
置31および補正操作量演算装置32についても同じ。)。
31は最適操作量演算装置であり、蒸気圧力検出器11およ
び蒸気温度検出器25の検出値と、変化率目標値演算装置
30で信られた昇温率目標値信号aおよび昇圧率目標値信
号bとに基づき、かつ、所定の数式にしたがつて演算、
制御を行ない、その結果得られた燃料流量調節弁開度指
令信号c2、過熱器バイパス弁開度指令信号d2およびター
ビンバイパス弁開度指令信号e2を出力する。 35は蒸気圧力検出器11の検出値を入力してこれを微分
し、実際の昇圧率を演算する微分器、33は微分器35で得
られた昇圧率と昇圧率目標値信号aとを比較し、その偏
差である昇圧率偏差信号fを出力する減算器である。
又、36は蒸気温度検出器25の検出値を入力してこれを微
分し、実際の昇温率を演算する微分器、34は微分器36で
得られた昇温率と昇圧率目標値信号bとを比較し、その
偏差である昇温率偏差信号gを出力する減算器である。
32は補正操作量演算装置であり、さきに入力した最適操
作量演算装置31からの各開度指令信号c2,d2,e2を、偏
差信号f,gに基づき所定の演算、制御により補正し、補
正された開度指令信号c2′,d2′,e2′を出力する。 第1の手段の作用はプラント計測信号を取り込み、耐
圧部内部流体条件より、流体−耐圧部メタル間の熱伝
達,耐圧部メタル内の温度分布,軸,半径,接線方向の
熱応力成分を算出することである。第4の手段の作用は
耐圧部内部の流体温度がある着目点(通常は停止時の条
件をとる)から変化し再び着目点の値に復帰する一熱サ
イクル(通常は起動−負荷運用−停止の区間)におい
て、第1の手段により算出した熱応力の3成分の差(主
応力差)の変化幅(正の極大と負の極大の差)より当該
部位の疲労による寿命消費を、3成分の二乗和の平方根
(相当応力)の極大値とその後の時間経過によりクリー
プによる寿命消費を算出し、両者の和により当該部位の
かかる一熱サイクル中の寿命消費を算出することであ
る。第1の手段、第4の手段の作用の詳細は前述したよ
うに既公開の特願57−223939号(特開昭59−115901号公
報参照)「ボイラ応力監視装置」,特願58−116201号
(特開昭60−11002号公報参照)「ボイラ負荷制御装
置」明細書中及び日立評論誌第65巻6号P391「ボイラ熱
応力監視装置」記事中に詳述されている。 第3の手段および第5の手段は前述の(7),(8)
式により、それぞれ記憶装置54,65に保存されたデータ
を用いて(1)式のパラメータb0,b1を決定する。本実
施例は(1)式のyを知つてxを求める場合に相当し、
以上のように求めたパラメータを第3の手段,第5の手
段でそれぞれb30,b31,b50,b51(添字の左側が手段を
示す)と与えれば下式の作用を行うことになる。 (第5の手段) (第3の手段) 第2の手段は第3の手段による昇温率制限値59を受け
るが、本信号は寿命管理対象部位毎に必要であり、本例
では過熱器ら出口ヘツダ,気水分離器4について算出を
行なう。ただし、後者内の流体は飽和状態の気水混合物
であり、飽和温度と飽和圧力は物理的に1対1対応する
上、測定精度、制御性等の観点から温度よりも圧力の方
が取り扱い容易であるため昇圧率制限値として信号を受
け渡しする。 第2の手段の動作は「ボイラ起動制御装置」(特願昭
59−145932号(特開昭61−24905号公報参照))の明細
書中に述べた通りであつて、プラントの状態に応じて、
信号59により与えられた昇温率,昇圧率制限値許容範囲
内の最短時間起動を燃料投入量最低の条件下で弁開度等
のプラント操作量(最適操作量)を算出することにより
起動制御を行なう。 さらに、第2の手段の最適操作量算出精度を向上する
ため、同じく筆者の発明であるパラメータ適応制御機能
を持つ「ボイラ起動制御装置」(特願昭60−282042号
(特開昭62−141403号公報参照))を用いてもよい。か
かる発明の動作はパラメータ適応機能以外は特願昭59−
145932号(特開昭61−24905号公報参照)の装置と同様
である。 本発明の他の実施例として第2の手段のみ、筆者の発
明である「ボイラ起動制御装置」(特願昭61−076801号
(特開昭62−233605号公報参照))を適用することも有
力である。かかる場合の第2の手段の構成を第3図に示
す。本例の第2の手段の動作は当該明細書中に述べたの
で省略するが、この場合カルマンフイルタ、最適レギユ
レータ理論の適用が可能な構成となり、プラントが最適
条件で運用されることが、評価関数(目的に応じて設定
可)を最小にするという形で明確に保証される長所があ
る。 〔発明の効果〕 本発明には以下の効果がある。 (1).厚肉部の発生熱応力を制限値内に抑制するに必
要な昇温率,昇圧率をプラントの状況に応じて把握可能
である。 (2).既願の起動制御装置(特願昭59−145932号(特
開昭61−24905号公報参照),特願昭60−282042号(特
開昭62−141403号公報参照),特願昭61−076801号(特
開昭62−233605号公報参照)のいずれか)と組み合わせ
ることにより、熱応力抑制上許容される最も急速な起動
が実現できる。 (3).任意に与えた厚肉部の寿命消費許容値内の起動
を行うに必要な発生熱応力の許容値をプラントの状況に
応じて把握可能である。 (4).前記(1),(2),(3)項を組み合わせる
ことにより、任意に与えられた厚肉部の寿命消費割り当
値相当の最も急速な起動が実現でき、プラントの寿命管
理上最も経済的な運用が可能となる。 (5).前記(4)項を実現する際に、さらに燃料投入
量最低の条件を実現することが可能で、プラントの運転
経費管理上最も経済的な運用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図,第2図ならびに第3図は本発明の実施例に係る
ボイラ制御装置の系統図、第4図ならびに第6図は従来
のボイラ制御装置の系統図、第5図は従来のボイラ制御
装置のタイミングチヤートである。
ボイラ制御装置の系統図、第4図ならびに第6図は従来
のボイラ制御装置の系統図、第5図は従来のボイラ制御
装置のタイミングチヤートである。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.ボイラ耐圧部位の蒸気温度変化率と発生熱応力値を
算出する第一の手段と、 当該部位の蒸気温度もしくは蒸気温度変化率を制御する
第二の手段を有するボイラ制御装置において、 前記第一の手段により得た各時点の蒸気温度変化率と発
生熱応力極大値の数値の組を記憶装置に保存し、その保
存された数値の組より蒸気温度変化率と発生熱応力極大
値との関係式を求め、かかる関係式に寿命消費量指令を
用いて、予め設定されるか、もしくは、その都度与えら
れる発生熱応力極大値を算出し、さらにその発生熱応力
極大制限値以下に当該部位を維持するに必要な蒸気温度
変化率の制限値を求め、かかる蒸気温度変化率制限値も
しくは、これを積分した各時点の蒸気温度目標値を前記
第二の手段に指令する機能の第三の手段を有することを
特徴とするボイラ制御装置。
Priority Applications (4)
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-
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- 1986-11-06 JP JP61262781A patent/JP2677787B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
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