JP2676948B2 - 導電性複合繊維 - Google Patents

導電性複合繊維

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、導電性複合繊維に関する。
さらに詳しくは、高い導電性を有しかつ芯成分の着色
を、外観上良好に隠蔽した導電性複合繊維に関する。
すなわち、高い導電性をを損ねずに、繊維に好みの着
色形態や光沢を付与することができ、例えば白色導電性
繊維として利用できる新規な導電性複合繊維に関するも
のである。
[従来の技術] 導電性繊維に対する要求は、衣料用、産業用など種々
の分野に存在し、広く実際に使われている。一般に、導
電性繊維は静電気除去、すなわち摩擦帯電圧を押えるた
めに必要であり、衣料用繊維として、またカーペットに
混繊したりして使用されている。さらに、コンピュータ
ー等を使用するエレクトロニクス産業やその周辺分野
で、電波遮蔽の目的で使用されている。
しかし、現在使われている導電性繊維は、その導電性
をになう物質の黒色がその繊維の色として視覚に入るた
め、用途に制限があるという欠点がある。
かかる欠点をカバーするために種々の方法が考案され
ており、例えば、織り方を工夫することで黒色導電性繊
維を表面に露出しないようにする方法があるが、満足と
はいえない。また、導電性繊維自体に工夫をしてその着
色を軽減する対策もいろいろなされている。例えば、芯
鞘導電性繊維において、鞘成分に白色系無機粒子を添加
し芯成分の黒色を押える方法があるが、添加する無機粒
子の混入率に限界があるためその効果が十分でない上、
無機粒子の混入による強度低下が著しいという問題があ
った。また、鞘成分の厚みを厚くするという方法もとら
れているが、必然的に繊維径が太くなるという問題が生
じている。
また、導電性をになう物質としてカーボンブラック以
外の物質を用いる方法も数多くある。例えば、よう化
銅、酸化錫などを使用したり、酸化錫の表面に酸化チタ
ンをコーティングするなどの方法が挙げられる。しか
し、これらの方法は価格が高い上に、得られる導電性が
それほど高くないという欠点があった。
さらには、後処理として、非導電性繊維の表面に含金
属溶液を接触させ、導電性物質をコーティング、もしく
は化学結合させる方法も見出されている。確かに、この
方法では淡色で高い導電性を有する繊維が得られるが、
それでも白色化は困難であり、さらに、特定の官能基を
有するポリマーにしか適用できないなど使用できる繊維
に制限があった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、かかる問題を解決し、高い導電性を有しか
つその着色を従来になく押え、任意の着色または光沢の
発現を可能とする繊維を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記した目的を達成するために、本発明は次の構成を
有する。
すなわち、本発明の導電性繊維は、導電性物質を含有
するポリマを芯成分とする導電性複合繊維であって、異
種ポリマよりなる多数のフィルム状構成要素または中空
層を介した多数のフィルム状構成要素の積層体が繊維断
面における鞘成分を形成し、該鞘成分を構成する積層体
の直角側面が結合しており、かつ該芯成分および/また
は該フィルム状構成要素の各界面あるいは表面が凹凸形
状を呈していることを特徴とする導電性複合繊維であ
る。
かかる本発明の導電性複合繊維において、好ましく
は、芯成分に含まれる導電性物質の体積抵抗率が109Ωc
m以下、その含有量が芯ポリマに対して重量で10%以上
であるものであり、あるいはまた、導電性物質がカーボ
ンブラックであるものであり、あるいはまた、積層体の
積層数が10以上であるものであり、あるいはまた、積層
体を構成する異種ポリマが、ポリエステルとポリアミド
であるものであり、あるいはまた、積層体を構成する異
種ポリマの屈折率の差が0.03以上であるものである。
[作用] 以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における複合導電性繊維の特徴は、異種ポリマ
または中空層を介した多数のフィルム状構成要素の積層
体で鞘成分を形成し、該鞘成分を構成する積層体の直角
側面が結合し、かつ該芯成分および/または該フィルム
状構成要素の各界面あるいは表面が凹凸を有することに
ある。
すなわち、繊維断面において少なくとも1つ以上のポ
リマまたは中空層が、芯成分を多重に包囲し、鞘を形成
している点にある。
つまり、一つには、屈折率の異なる異種ポリマあるい
は中空層を介して、フィルム状構成要素が同芯円状に多
数かつ薄層で重ねられることにより、該繊維への入射光
に対する反射効率が著しく高くなり、芯成分の着色を押
えるとともに、様々な複数層からの光の反射光がお互い
に干渉し合い好ましい光沢特性を呈すること、もう一つ
には、該芯成分および/または該フィルム状構成要素の
各界面あるいは表面が凹凸を有することにより、さらに
好ましい導電性能と光輝性を抑えたノーブルな光沢特性
を呈することである。
本発明でいう積層体とは、成分Aからなるフィルム状
構成要素が、異種の成分Bからなるフィルム状構成要素
または中空層を介して重ねられた横断面を有する構造の
ものを言うものである。また、直角側面とは、フィルム
状構成要素の長手方向に対して直角な側面のこと、すな
わち、フィルム状構成要素の接合面と直角方向の側面の
ことであり、これらを図面でもって説明する。
すなわち、第1図、第2図および第3図においては、
異種ポリマによるタイプの本発明の導電性複合繊維を示
し、1および2はフィルム状構成要素、3は積層体の直
角側面が結合した部分、4は芯成分である。
第1図は、積層体が1つの場合、第2図は積層体が2
つの場合、さらに、第3図は積層体が4つの場合であ
る。
第4図、第5図および第6図においては、中空層によ
るタイプの本発明の導電性複合繊維を示し、1はフィル
ム状構成要素、3は積層体の直角側面が結合した部分、
4は芯成分、5は中空部である。
本発明において、鞘成分を形成する積層体の直角側面
が全て結合するにあたり、層数が多くフィルム状構成要
素の厚みが薄い場合には、結合時にこの部分で両方の成
分のポリマが入り混じることが起こる。この部分が各層
を連結し、柱としての役割を果たすので、繊維の断面形
状が崩れにくく、優れた一体性と好ましい機械的性能を
付与できる。
本発明において、着色芯成分の隠蔽効果は鞘成分の界
面の数すなわち層数が多いほど顕著であり、好ましくは
10層以上、より好ましくは20層以上であり、場合によっ
ては、1000層を超えても何ら差支えない。また、各積層
体によってその枚数が異なっても差支えない。この層数
が多くなると、通常フィルム状構成要素の肉厚が薄くな
り、ポリマの組合わせによってフィルム状構成要素間の
接合は、より強固となり好ましくなるという結果にもな
る。
本発明における複合成分の割合は、重量比でA/B=99/
1〜1/99であり、好ましくはA/B=95/5〜5/95である。
本発明において、鞘成分は通常二種以上のポリマによ
り構成され、中空層を含む場合には一種以上のポリマー
により構成される。
本発明における中空層は、例えば、第4図〜第6図に
示すような形状となるが、これは二種以上のポリマから
構成された鞘成分の少なくとも一種の成分を、除去する
ことにより得られる。除去の方法は任意の方法が可能
で、溶剤による溶解、熱分解、放射線分解、加水分解、
酸、アルカリ分解、化学的還元などの手法が用いられ
る。かかる中空層が存在する場合にも、積層体の直角側
面の結合部が残存したフィルム状構成要素を支え、その
中空部を潰れ難くするのである。
本発明のもう一つの大きな特徴は、該芯成分および/
また該フィルム状構成要素の各界面あるいは表面を凹凸
形状を呈して構成していることにより、さらに導電性能
を高めることができ、また光輝性を抑えたノーブルな光
沢特性を呈することができるのである。かかる作用の詳
細な理由については、今のところ必ずしも明らかではな
いが、導電性能については、凹凸とすることによりその
先端でコロナ放電が起きやすくなっているためではない
か、また、光沢特性については、フィルム状構成要素の
各層からの反射光が凹凸部分で散乱して一定方向の光が
減少しているためではないかと、本発明者らは考えてい
る。
該凹凸の形状は、例えば、棒状、三角形、四角形、円
形、楕円形、キノコ状等各種のものをとることができ、
特に限定されない。また、これが混在しても構わない。
凹凸の数は、各々の層とも10以上であることが好まし
く、特に20以上であることが好ましい。凹凸の高さは、
層厚さの1〜200%であることが好ましく、特に10〜50
%であることが好ましい。また、種々の高さが混在して
もよい。例えば、高、低、高、低………のような規則的
なジクザグ型、あるいは高、低、高、高、高、低、高、
高、低………のような不規則ジクザグ型などであっても
構わない。
さらに、該凹凸の数、高さ、形状とも芯あるいは各フ
ィルム構成要素ごとに異なっても構わない。また、凹凸
は芯のみあるいはフィルム構成要素のみに存在せしめて
も構わない。
本発明における鞘成分を構成するポリマとしては、ポ
リエステル、ポリアミド、ポリアクリルニトリル、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメタク
リル酸メチル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、アセテ
ート等およびその共重合体などの通常繊維化に用いられ
るポリマーであれば特に制限はない。価格、汎用性、紡
糸条件のとり易さなどの点から、ポリエステルとポリア
ミドの組合わせが好ましい。また、二種以上のポリマを
同時に紡糸するため、一成分は通常単独では繊維形成し
にくいポリマでも抱合わせて用いることができる。この
例として、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレー
トなどが挙げられる。これらのポリマ群の中から目的、
用途に応じて二種以上のポリマを適宜に選べばよい。ま
た、上記ポリマをブレンドしたものを鞘成分の一成分と
して用いても何ら差支えない。
本発明において、芯成分の着色を隠蔽するばかりでな
く、新規な光沢、例えば真珠光沢などを合せて付与しよ
うとする場合には、鞘を構成するポリマは透明であるこ
とが望ましい。さらに、鞘成分のフィルム状構成要素が
二種以上のポリマよりなる場合には、その屈折率の差が
大きい方が好ましい。その屈折率の相対比が大きいほど
好ましくなる。具体的には、0.03以上が好ましく、0.1
以上がより好ましい。その組合わせの具体例として、ポ
リエチレンまたはポリメタクリル酸メチルまたはポリプ
ロピレンに対して、ポリ塩化ビニルまたはポリスチレン
またはポリカーボネートなどを目的に応じて選択するこ
とができる。
また、光の乱反射を高めるために、鞘成分の少なくと
も一種以上に、酸化チタンや硫酸バリウム、炭酸カルシ
ウムなどの微粒子を添加することは何ら差支えない。繊
維の光沢を高めるためには、炭酸カルシウムがより好ま
しい。
本発明における導電性を有する物質とは、その物質が
有する高い導電性のため、繊維全体としても導電性が発
現し、最終的に静電気の発生が押えられるものである。
通常、該物質は、糸状形成のため芯成分を構成するポリ
マ中にあらかじめ混合されて紡糸に使用される。したが
って、該物質の形状としてはポリマ中に均一に分散させ
るために微粉末もしくはウィスカーといった形態が好ま
しく、その最大径はまた最大長で5μ以下が好ましく、
1μ以下がより好ましく、0.3以下がさらにより好まし
い。
また、最終的に糸もしくは布帛の状態で静電気を除去
するためには、該物質の体積固有抵抗値は106Ωcm以
下、好ましくは、104Ωcm以下であることが望ましい。
この条件を満足すれば、あらゆる種類の物質の使用が可
能であり、カーボンブラックや各種金属粉、酸化錫、酸
化亜鉛、酸化銅、酸化インジウム、酸化ジルコニウム、
酸化タングステンなどの導電性金属酸化物が使用でき
る。また、該金属酸化物に導電性強化剤がドーピングさ
れたものや、非導電性粒子に上記金属酸化物被膜を付与
した粒子、さらには逆に、上記導電性粒子の表面に非導
電性物質を種々の理由でコーティングしたものなども使
用できる。さらには、硫化銅、よう化第一銅、硫化亜
鉛、硫化カドミウム等の金属化合物や導電性層間化合物
も使用できる。その他、ポリアセチレン、ポリピロー
ル、ポリチオフェン、ポリアニリンなどの有機導電性化
合物であってもかまわない。これらの中で、導電性、価
格の点からカーボンブラックが好ましい。通常のカーボ
ンブラックを用いた導電性繊維においては、不可能であ
った白色化の達成が可能となる点において本発明は大き
な特徴となる。
該導電性を有する物質の、芯を構成するポリマに対す
る割合いは、少なければ全体としての導電性が低下し、
多すぎるとポリマとの均一な混合が困難になり安定な紡
糸を妨げるため、重量で5%〜50%が好ましく、10%〜
40%がより好ましい。ポリマと該導電性物質との混合方
法は、公知の方法をとることができ、例えばエクストル
ーダーやニーダーを用いてのブレンドが可能である。
本発明における芯成分を構成するポリマとしては、特
に制限がなく、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフ
ィン、ポリビニル系、ポリエーテル、ポリウレタンなど
が使用可能であり、上記導電性を有する物質との混合の
容易さから、ポリエチレンのようなポリオレフィン系ポ
リマや、ナイロン6、ナイロン66のようなポリアミド系
ポリマがより好ましい。
本発明において、芯成分と鞘成分の比は特に制限され
ない。しかし、高い導電性を得るためにあまりにも芯比
率を高めると、隠蔽が困難になるとともに糸強度も低下
するので好ましくない。通常は、重量比で芯:鞘=3:97
〜30:70が好ましく、5:95〜20:80がより好ましい。
本発明における複合導電性繊維の糸径や芯成分の断面
形状は特に限定されない。また、この繊維は、繊度ミッ
クス、熱収縮度ミックス、あるいは他の繊維と混合し
て、さらには仮撚加工を施し伸縮性、崇高性を付与した
いわゆる加工糸として用いることもできる。また、本発
明の複合導電性繊維は、織物、編物、不織布等の布帛あ
るいはそれらの複合体の形態で用いることももちろん可
能である。
本発明は、かかる繊維を製造する手段を何ら問うもの
ではないが、かかる繊維を好ましく製造する例を以下に
述べる。
本発明の繊維は、基本的には通常の芯鞘複合紡糸法に
より得られる。ここで、芯成分を包囲する鞘成分の吐出
ノズル形状がC型に代表される円環状断面を形成せしめ
る吐出孔を用いること、さらにポリマ流を乱して芯およ
び/またはフィルム構成要素の界面あるいは表面に凹凸
形状を形成せしめることに特徴がある。
かかる凹凸形状は、芯鞘複合紡糸パックに対し、口金
孔から吐出する寸前にポリマ流を乱す金網、ポーラスメ
タル、サンド等かなる乱流板を装着し、この乱流板にポ
リマ流を通過せしめて紡糸することにより形成せしめる
ことができる。したがって、凹凸の数、高さ、形状等は
紡糸パック中に装着する乱流板のメッシュ、厚さ、重ね
枚数、材料等を適宜選択することによって用途、目的に
応じて決められる。
たとえば、第1図の断面を有する繊維を製造するため
には、まず、特公昭60−1048号公報に記載の方法によ
り、紡糸パック中で性質の異なる2種のポリマが交互に
繰返し接合した多層接合形複合ポリマ流を作る。これ
が、前述の積層体に相当し、目的の繊維の鞘成分を構成
する。次いで、該積層体をフィルム構成要素の長手方向
に引伸し、これをC型ノズル口金より直角側面を結合せ
しめるように吐出する。このとき、C型ノズルの中央部
から、芯成分を同時に吐出させ、両者を合流してから口
金外に吐出するまでに凹凸形状を形成せしめるための乱
流板を設けるにより、最終的に第1図の繊維が得られ
る。
また、第2図のように鞘を構成する積層体の数が二つ
の場合には、二つの積層体を結合プレートを用いて直角
側面で結合せしめ、さらに該結合積層体をフィルム構成
要素の長手方向に引伸し、これをC型ノズル口金より前
述のように芯成分と同時に吐出し、両者を合流した直後
から口金外に吐出するまでに凹凸形状を形成せしめるた
めの乱流板を設けることにより得ることができる。
また、第3図の断面を有する繊維を得るには、上記と
同様にして四つの積層体を直角側面どうしで結合せし
め、さらに該結合積層体をフィルム構成要素の長手方向
に引伸し、これをC型ノズル口金より前述の芯成分と同
時に吐出し、両者を合流した直後から口金外に吐出する
までに凹凸形状を形成せしめるための乱流板を設けるに
より得ることができる。
また、第4図、第5図、第6図のような積層体の一部
として中空層を有する繊維を作成するには、前述の第1
図、第2図、第3図に示した繊維から、鞘成分の一成分
を、該ポリマに対してのみ溶解性または分解性を持つ薬
剤を用いて処理、除去することにより得られる。
本発明の複合導電性繊維は、衣料用あるいは非衣料用
の広い分野において、静電気除去、あるいは電波遮蔽の
目的で使用することができる。
[実施例] 実施例1 特公昭60−1048号公報に記載と同型の流体交互配列素
子を縦方向に6個連結した流体混合器16列と、その下部
に該流体混合器2列から吐出された流体を結合する結合
プレート、さらにその流体を引伸ばすエキスパンドプレ
ートを用いて、酸成分がテレフタル酸95.0モル%/5−ソ
ジュウムスルホイソフタル酸5.0モル%からなるポリエ
ステルとナイロン6の多数のフィルム状構成要素の積層
体を作り、該積層体が鞘成分となるようC型吐出孔を用
いて環状に吐出させ、同時に、芯成分としてカーボンブ
ラック30%含有したナイロンを吐出させた。この複合ポ
リマ流を60メッシュの3枚重ねの金網からなる乱流板を
装着した集合口金を通過せしめた後、1.0mm径の口金孔
より吐出し紡糸した。このときの紡糸条件は、温度280
℃、引取速度1500m/min、フィラメント数16、芯鞘比=2
0/80、鞘成分におけるフィルム状構成成分比50:50であ
った。
引続き、延伸速度300m/min、ホットプレート温度120
℃、延伸倍率2.8で延伸を行い、次いで合糸して95デニ
ール、16フィラメントの延伸糸とした。
得られた繊維の断面形状は、第1図の構造を有してい
た。すなわち、カーボンブラック含有ナイロンを芯成分
とし、そのまわりをポリエステルとナイロン6が同心円
状に交互に50〜65対繰返し接合された断面であり、さら
にその二つの直角側面が結合して環状でかつ芯および鞘
の各層に不規則な凹凸をなすものであった。
該繊維の比抵抗を常法により測定したところ、3.2×1
02Ωcmであり、かつ該繊維の色は、芯成分の黒色を隠蔽
しており、光輝性が少なく、白色程度は通常のポリエチ
レンテレフタレートと遜色ないものであった。
実施例2 鞘を構成するポリマーの組合わせを、ポリスチレンと
ポリエチレンテレフタレートとした以外は、実施例1と
全く同様にして第1図の断面を有する繊維を得た。次い
で、該繊維をトリクレンの浴中に含浸してポリスチレン
を除去したところ、第4図に示した断面と同形の繊維が
得られた。
該繊維の比抵抗を常法により測定したところ、5.1×1
02Ωcmであり、かつ該繊維は、芯成分の黒色を隠蔽して
おり、通常のポリエチレンテレフタレートと同様の外観
を示した。
実施例3 特公昭60−1048号公報に記載と同型の流体交互配列素
子を縦方向に6個連結した流体混合器16列と、その下部
に該流体混合器2列から吐出された流体を結合する結合
プレート、さらにその流体を引伸ばすエキスパンドプレ
ートを用いて、屈折率1.49のポリエチレンおよび1.59の
ポリスチレンの多数のフィルム状構成要素の積層体を作
った。次いで、該積層体を2つずつ結合プレートを用い
て直角側面で結合せしめ、さらに該結合積層体をフィル
ム構成要素の長手方向に引伸した。次いで、引伸ばされ
た結合積層体が鞘成分となるよう、実施例1と同様にし
て乱流板を装着した紡糸パックを用いて芯鞘複合紡糸を
行った。
この実施例においても吐出はC型口金を用い、また芯
成分として、カーボンブラック30%含有したナイロンを
使用した。このときの、紡糸条件は、温度280℃、引取
速度1000m/min、フィラメント数8、芯鞘比=10/90、鞘
成分におけるフィルム状構成成分比50:50とした。引続
き、延伸速度300m/min、ホットプレート温度120℃、延
伸倍率2.8で延伸を行い、次いで合糸して95デニール、1
6フィラメントの延伸糸とした。
該繊維は、第2図の断面構造を有しており、かつ外観
は、芯成分の黒色を鞘成分が隠蔽している上、鞘成分が
屈折率差0.1以上ある二種ポリマーの薄層の積層体から
成り、かつ透明ポリマーであるため、真珠光沢に近い光
沢を呈し、従来にない外観の導電性繊維となった。
該繊維の比抵抗を常法により測定したところ、2.7×1
03cmであり、優れた導電性を示した。
比較例 実施例1で用いたカーボンブラック30%含有ナイロン
を芯成分にし、鞘成分として酸化チタン6%含有ポリエ
チレンテレフタレートを用い、芯鞘比6.94で複合紡糸を
行った。該繊維に引続き、実施例1と同様の延伸処理を
施し、50デニール、フィラメント数18のマルチフィラメ
ントを得た。
該繊維の比抵抗は、3×104cmであり、かつ繊維の色
は、酸化チタンを大量に混入し、芯成分比を押えている
にもかかわらず、灰色であった。
[発明の効果] 以上述べた通りの本発明の導電性複合繊維は、高い導
電性を有し、かつその着色を押え、任意の着色または光
輝性を抑えたノーブルな光沢特性を呈する繊維を提供す
ることができる。
特に、鞘成分としての積層体の層が多くなるほど、隠
蔽効果を大きくすることができる。このため、例えば、
白色導電性繊維として衣料用および非衣料用分野に利用
でき汎用性に優れる。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図、第3図、第4図、第5図および第6図
は、いずれも本発明の導電性複合繊維の一例を示す横断
面モデル図である。 1、2:フィルム状構成要素 3:積層体の直角側面が結合した部分 4:芯成分 5:中空部

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性物質を含有するポリマを芯成分とす
    る導電性複合繊維であって、異種ポリマよりなる多数の
    フィルム状構成要素または中空層を介した多数のフィル
    ム状構成要素の積層体が繊維断面における鞘成分を形成
    し、該鞘成分を構成する積層体の直角側面が結合してお
    り、かつ該芯成分および/または該フィルム状構成要素
    の各界面あるいは表面が凹凸形状を呈していることを特
    徴とする導電性複合繊維。
  2. 【請求項2】芯成分に含まれる導電性物質の体積抵抗率
    が、109Ωcm以下であり、その含有量が芯ポリマに対し
    て重量で10%以上である請求項(1)に記載の導電性複
    合繊維。
  3. 【請求項3】導電性物質が、カーボンブラックであるこ
    とを特徴とする請求項(2)に記載の導電性複合繊維。
  4. 【請求項4】積層体の積層数が、10以上である請求項
    (1)に記載の導電性複合繊維。
  5. 【請求項5】積層体を構成する異種ポリマが、ポリエス
    テルとポリアミドである請求項(1)に記載の導電性複
    合繊維。
  6. 【請求項6】積層体を構成する異種ポリマの屈折率の差
    が、0.03以上である請求項(1)に記載の導電性複合繊
    維。
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