JP2676631B2 - クリーンルーム用鋼管 - Google Patents

クリーンルーム用鋼管

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JP2676631B2 JP1167619A JP16761989A JP2676631B2 JP 2676631 B2 JP2676631 B2 JP 2676631B2 JP 1167619 A JP1167619 A JP 1167619A JP 16761989 A JP16761989 A JP 16761989A JP 2676631 B2 JP2676631 B2 JP 2676631B2
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雄介 南
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昌弘 橋詰
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日本鋼管株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、半導体製造、医薬品製造等に用いられて
いるクリーンルーム用に使用される鋼管に関する。
〔従来の技術〕
超LSI等の半導体製造、医薬品製造、医療・微生物工
業等の分野において、所謂クリーンルームが用いられて
いる。このクリーンルームにおける清浄度に対する要求
は、半導体の集積規模の増大等に対応して、最近富に高
まる傾向にあり、対象とする微粒子(パーティクル)の
大きさも、半導体製造に関しては既に0.1μm以下とな
っている。
従来、クリーンルームの清浄度を確保するためには、
原料ガスをユースポイントまで供給する配管の内面に高
度な平滑性が必要とされることが知られている。即ち、
配管の内部に疵があると、パーティクルが吸着していた
り、ガスが停留するデッドゾーンとなり、パーティクル
発生の原因となる。このため従来では、この種の配管に
は、管内面の平滑度が良好な精密細管が用いられてお
り、特に半導体関係のクリーンルーム用鋼管について
は、超内面平滑度(Rmax<1μm)を得るため、管内面
は最終工程で電解研磨処理が施されている。しかしなが
ら、実際にはこのような処理にもかかわらず、配管に起
因したパーティクルの発生を十分に防止することができ
ず、その解決が望まれている。
このような要請から特開昭63−161145号ではパーティ
クル発生の原因を究明し、その研究成果から次のような
結論を得ている。
(i)鋼管の抽伸又は圧延の際、内面に残存している非
金属介在物を起点とした細溝が生じ、パーティクルの吸
着サイトになる。
(ii)最終電解研磨により、内面非金属介在物が脱落し
た跡はピンホールとなり、パーティクルが吸着される。
又脱落しなかった非金属介在物は、配管施工時に曲げ加
工を行なった際に地鉄との界面に割れを生じたり、非金
属介在物自体が割れてパーティクルを発生する。
このような結論に達したことから、鋼中の非金属介在
物はパーティクル発生に深く関わっており、該非金属介
在物を低減させるべくその成分組成の調整を行なうこと
で、鋼管表面からパーティクルの発生を減少せしめよう
としている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
従来のクリーンルーム用鋼管に主に用いられている構
造材料はステンレス鋼であり、特に管内面を最終工程で
電解研磨処理した管内面電解研磨ステンレス鋼管が使わ
れている。しかし、実際のクリーンルーム内に用いられ
ている鋼管内面には、上述の特開昭63−161145号の研究
成果からも明らかなように、非金属介在物を起点とする
欠陥やピンホールが電解研磨後も存在し、パーティクル
が吸着していたり、ガスが停留したりするデッドゾーン
の原因となっている。更に、クリーンルーム内の配管施
工は直管のみで行なうわけにはいかず、様々な角度の曲
げが鋼管に加えられ、そのため曲げ部の非金属介在物周
辺からパーティクルが発生する等の問題がある。
一方、上述の特開昭63−161145号の技術では、鋼中の
非金属介在物を減少させれば、材料からのパーティクル
の発生が少なくなるという結論を得ているが、鋼中の不
純物元素の低減によって、非金属介在物を“ゼロ”にす
ることはできない。また鋼中の不純物元素を極端に低減
することは、強度が著しく低下したり溶接性が劣化し
て、製品の品質上問題となり、実際の使用に当たっては
その改善が望まれている。更に生産上の管理も困難とな
ってしまう。
この発明は上記のような問題点を解決するためになさ
れたもので、曲げ加工を加えてもパーティクルが発生せ
ず、高清浄度のクリーンルーム内で用いることのできる
鋼管を得ることを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の創案に当っては、パーティクルの発生原因を
上述の特開昭63−161145号で示したものと同一と仮定
し、これを本発明の開発のベースとした。
即ち、第1図(ア)に模式的に示されるように、配
管内表面に散在している非金属介在物(1)と地鉄
(2)との界面にはき裂(3)が存在し、パーティクル
(4)が吸着している。配管に曲げ加工を加えると、
同図(イ)に示されるように、配管内表面に散在してい
る非金属介在物(1)と地鉄(2)との界面にき裂
(3)が生じパーティクル(4)を発生する。更には、
同図(ウ)に示されるように、非金属介在物(1)自体
に割れを生じ、パーティクル(4)を発生する。こう
したき裂(3)部にはパーティクル(4)が吸着し、実
際の配管使用時に離脱を生じ、クリーンルームの清浄度
を悪化させる。
以上の発生原因を総括すると、材料に含まれている非
金属介在物量が材料からのパーティクル発生を決める要
素となる。そこで、本発明者等は種々の溶解方法を用い
て、鋼中の非金属介在物量が異なるステンレス鋼のパー
ティクル発生量を測定する実験を行なった。その結果、
クリーンルーム用鋼管からのパーティクル発生量は鋼中
の非金属介在物量と相関関係があり、この非金属介在物
量から推定できることが判明した。
従って、パーティクルの発生を抑えるためにいたずら
に鋼中の不純物元素の極端な低減によって非金属介在物
量を減らすよりも、溶解及び鋳造時の雰囲気制御をする
等の操作も併せて行って、鋼中の非金属介在物量を一定
の範囲内に制御することができれば、パーティクル発生
量を所定の範囲内に低減することができると考え、更に
上記の実験結果から、クリーンルーム用鋼管として望ま
しいパーティクル発生量まで低減化せしめるために必要
な非金属介在物量の制御条件が求められた。
本発明はこのような制御条件の究明から得られたもの
で、次のような構成を有している。
即ち、本発明のクリーンルーム用鋼管は、鋼中の非金
属介在物量〔P〕(単位:個/mm2)が次式を満足する清
浄ステンレス鋼により構成されることを特徴としてい
る。
11.4≧[P] ここで非金属介在物量は、ステンレス鋼部材の圧延方
向断面において、400倍の光学顕微鏡にて、少なくとも1
0mm2以上の面積に観察された非金属介在物の個数の単位
面積当りの個数をいう。
鋼中の非金属介在物量を制御する方法には、特開昭63
−161145号等で行われている鋼中の不純物元素の低減・
ガス成分の低減を図るという方法と、溶解及び鋳造時の
雰囲気を制御する方法が考えられる。しかし、極端に鋼
中の非金属介在物量を減少させることは製鋼コストの上
昇を招くが、本発明の様に非金属介在物量〔P〕を11.4
個/mm2以下にすれば、それ以上のパーティクル発生量の
減少は現状レベルの計測技術では認められず、従ってコ
スト上昇も生じることはない。
以下、実施例のついて説明するが、本発明は以下の実
施例に限定されるものではなく、前後の趣旨に照らして
適宜設計変更をなすことは本発明の技術的範囲に含まれ
るものである。
〔実施例〕
以下、本発明の具体的実施例につき説明する。
下記第1表及び第2表に示す組成の鋼を第2表に示す
溶製法により溶製した後、造塊−分塊により、ビレット
とし、熱間押出により製管した。その後冷間圧延および
冷間伸管により、外径9.53mm、肉厚1.0mmとし、固溶化
処理を施した後、最後に内面を電解研磨加工した。
このようにして得られた各供試材について、非金属介
在物測定及びパーティクル発生量測定を行なった。
非金属介在物測定は、400倍の光学顕微鏡を用いて10m
m2以上の面積について実際に非金属介在物を大きさごと
にカウントし、総数を1mm2当たりの個数で平均するカウ
ント法にて行なった。結果は上記第2表に併記してい
る。同表で本発明鋼3、8及び9は、夫々、P、Mn及び
N等の不純物元素が多いにも拘わらず、非金属介在物量
が少ないのは、溶製法(溶解・鋳造時の雰囲気制御の仕
方等)が他と異なるからである。
最も重要な特性であるパーティクル発生量測定は、以
下の手法で行なった。前述のサンプル管を4m長とし、第
2図に示すようなモデル配管(5)を製作し、高純度N2
ガス(0.01μmフィルターを通貨したもの)を流し、該
モデル配管(5)より発生する0.02μm以上のパーティ
クルを測定する。凝縮核測定器(CNC)mode13020パーテ
ィクルカウンタを用いて、a)静止状態で100分間測
定、b)バイブレータで振動を与えながら40分間測定、
c)バイブレーションに加えて曲げ部6ケ所をハンマリ
ングしながら10分間測定、d)3ケ所に3゜の曲げを加
えたのち静止状態で25分間測定し終了とした。a)〜
d)間の管内流速は約10m/secである。
以上の結果を下記第3表及び第3図に示す。第3表
は、本発明鋼及び比較鋼の各々のパーティクル発生量と
比較鋼Bのパーティクル発生量を1とした場合のパーテ
ィクル発生量比を示しており、又第3図はx軸座標に非
金属介在物量〔P〕を、y軸座標に前記パーティクル発
生量比を採ってグラフ化したものである。
以上の第3表と第3図から、本発明鋼は、比較鋼に比
べてパーティクル発生量が7.5〜8割低減でき、極めて
優れていることがわかる。
〔発明の効果〕
以上述べた本発明のクリーンルーム用鋼管を用いれ
ば、配管時にパーティクルの発生が極めて低減され、ま
たパーティクル発生の原因となるようなデッドゾーンも
ほとんど存在しない高清浄、高平滑の内面を確保するこ
とができる。また特開昭63−161145号等の技術で問題に
なっていた鋼中の不純物元素の極端な低減による製品強
度の低下や溶接性の劣化の問題もなくなる。このような
利点に加えて、極端に製鋼コストを上昇することもな
く、また材料の品質管理もできるため、クリーンルーム
性能の向上が期待できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は非金属介在物を原因とするパーティクル発生状
況を模式的に示す説明図、第2図はパーティクル発生量
測定に用いたモデル配管を示す正面図、第3図は本発明
の実施例におけるパーティル発生量測定結果を示すグラ
フ図である。 図中(1)は非金属介在物、(2)は地鉄、(3)はき
裂、(4)はパーティクル、(5)はモデル配管を各示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南 雄介 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 山田 武海 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 滝沢 広保 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 橋詰 昌弘 東京都港区西新橋1丁目16番7号 日本 酸素株式会社内 (72)発明者 坂田 康通 東京都港区西新橋1丁目16番7号 日本 酸素株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−161145(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステンレス鋼中の非金属介在物量[P]
    (単位:個/mm2)が次式を満足する清浄ステンレス鋼に
    より構成されることを特徴とするクリーンルーム用鋼
    管。 11.4≧[P]
JP1167619A 1989-06-29 1989-06-29 クリーンルーム用鋼管 Expired - Lifetime JP2676631B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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