JP2675971B2 - 半導体用強化ガラスセラミック基板 - Google Patents

半導体用強化ガラスセラミック基板

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JP2675971B2 JP6006776A JP677694A JP2675971B2 JP 2675971 B2 JP2675971 B2 JP 2675971B2 JP 6006776 A JP6006776 A JP 6006776A JP 677694 A JP677694 A JP 677694A JP 2675971 B2 JP2675971 B2 JP 2675971B2
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スリニバサ・エス・エヌ・レディー
サブハシュ・ラックスマン・シンデ
ビベック・メイデン・スラ
ラオ・ラマモハナ・ツマラ
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体チップのパッケー
ジ用ガラスセラミック基板の製造に関し、特に、酸素処
理環境下での高温焼結を含んだ既存の基板処理サイクル
と両立可能な方法における脆弱なガラスセラミック基板
の強化に関する。
【0002】広く知られているように、セラミックの強
さとは、応力を受けた時に発生するひび割れの広がりに
対する一定の抵抗を示す物質の特性である。ガラスセラ
ミック、特にコーディアライト(菫青石)を基礎とする
ものは、アルミナ、窒化珪素、炭化珪素、ジルコニア、
等で作られた他のセラミックほど強くはない。特定の用
途にあわせてガラスセラミックを強化することが望まし
く、その目的のための技術がいくつか提案されている。
例えば、ガラスセラミック母材の金属性ガラスリボン強
化繊維が、その複合物の熱処理によって形成したガラス
セラミック母材の破砕強度を改善することが知られてい
る。これは、例えば以下に示す文献に説明がある。R.
U.VaidyaとK.N.Subramanian著
「Reinforced Glass−Ceramic
Matrix Composites」、Journ
al of Materials Science、2
5(1990)、3291頁−3296頁に記載。ま
た、「Elevated Temperature M
echnical Properties of Co
ntinuous Metallic Glass R
ibbon Reinforced Glass−Ce
ramic Matrix Composites」、
Journal of Materials Scie
nce、26(1991)、1391頁−1394頁に
記載。これら報告にある強化技術は、スチール型の中の
ガラス粉内に金属性ガラスリボンを展開し、その複合試
料を211kg/平方センチメートルで加圧し、200
℃で加熱して有機バインダを追い出し、400℃で焼結
して450℃で失透させる。水蒸気内のさらに厳しい高
温(1000℃近く)で焼結を行うガラスセラミック基
板の強化の問題は未処理である。
【0003】米国特許番号4,474,731(発明者
Brownlow他)には、半導体チップのパッケージ
に適した導電路を有するセラミック材の蒸気焼結に関す
る記述がある。この特許は、ニッケルやパラジュウムを
酸化による炭素除去のための触媒としてガラスセラミッ
クのグリーンシートに加えたガラスセラミック用の蒸気
焼結サイクルを教示しており、酸化ニッケルと硝酸パラ
ジュウムを触媒として使用している。しかし、焼結セラ
ミックの物性、たとえば強度などは検討されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的の一つ
は、従来の半導体チップ装置のパッケージプロセスと両
立可能な、スラリを利用した強化ガラスセラミックおよ
びガラス添加セラミック基板を提供することである。本
発明の他の目的は、高温酸素化焼結サイクルを利用した
強化ガラスセラミックおよびガラス添加セラミック基板
を提供することである。また、本発明の別の目的は、水
蒸気環境下での高温焼結を利用した強化ガラスセラミッ
クおよびガラス添加セラミック基板を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するため
に、本発明による方法は、特定のグループから選択した
合金粉末あるいはフレークをコーディアライト型ガラス
セラミック粉末スラリに導入することによって達成され
る。得られた複合材をセラミックの焼結前のシートに流
し込み、蒸気焼結サイクルで焼結させる。選択した合金
の体積パーセントは、望ましくは焼成したガラスセラミ
ックの2乃至20体積パーセントの範囲にあり、従って
強化ガラスセラミックの電気絶縁特性に悪影響を与える
ことがない。そのグループは以下に示す合金から成る。
【0006】合金の特定のグループは蒸気焼結サイクル
において安定しており、従って蒸気酸化の際にその合金
表面に薄い酸化物皮膜が形成する。焼結の際に合金粒子
の変形能は維持され、完全に酸化されないことが重要で
ある。酸化物スケールのためにその選択した合金とガラ
スセラミック体の間で良好な接着性が得られる。強化し
たガラスセラミックは被覆層として単独で、あるいはセ
ラミック基板全体として使用可能である。
【0007】
【実施例】本発明によれば、バインダ、溶剤、ガラスセ
ラミック粉、強化粉またはフレーク等をミルによって混
ぜ、スラリを形成する。このスラリはMylar(商
標)フィルム上にブレードによって広げられ、乾燥して
薄いシートを形成する。セラミックの焼結前のシート
(グリーンシートと称する)をMylarフィルムから
分離し、他の同様なシートを所望の数量を使用して加熱
ラミネートを行う。そのラミネート加工を行う前のグリ
ーンシートに金属粉のペーストによるパターンを設け、
従来の方法のように所望の導電路や貫通孔を形成するこ
とが可能であることは言うまでもない。このラミネート
したシートの焼成は800℃近くの蒸気環境下で行わ
れ、有機残留物および炭素質残留物を除去し、不活性雰
囲気あるいは還元性雰囲気内で約1000℃まで上昇さ
せ高密度化を達成する。強化粉あるいはフレークは、焼
結した体積の約20%より下回る体積パーセントに限定
され、また以下に示す合金系から選択される。
【0008】
【0009】この体積パーセントの制限は、固定したガ
ラスセラミック基板の絶縁特性が過剰な合金強化剤の存
在によって容認できない状態とならないよう必要とされ
る。
【0010】上記のグループから選択した多くの合金系
は、以下に示す表に記載の結果によって使用したもので
ある。特に、Ni−Cr、Cu−Al、およびCu−A
l−Crが選択され、5乃至10体積パーセントでガラ
スセラミックに加えた。
【0011】2種類のガラスセラミック組成物、すなわ
ちタイプ1、タイプ2は、それぞれ熱膨張率が3μ/
℃、2μ/ ℃を有するように考慮された。このコーディ
アライトタイプのセラミックの一般的な組成は米国特許
番号4,301,324、発明者Ananda H.K
umar他、1981年11月17日発行、に記載され
ている。以下に示す試料は、従来技術の説明で引例とし
て示したBrownlow特許の記載と同様に蒸気サイ
クル内で焼結させたものである。
【0012】合金を含有しないタイプ1とタイプ2のガ
ラスセラミック試料; タイプ1上の表面層としてタイプ2を有するガラスセラ
ミック試料(圧縮表面セラミック); 合金をそれぞれ添加したタイプ1とタイプ2のガラスセ
ラミック試料(強化セラミック); タイプ1上の表面層として、合金を含んだタイプ2を有
するガラスセラミック試料(強化圧縮表面セラミッ
ク)。
【0013】タイプ1およびタイプ2のガラスセラミッ
クは上記特許4,301,324に記載されており、別
紙の表1に示す組成によって特徴づけられる。
【0014】
【表1】
【0015】上記種類の焼結試料の機械特性は、別紙の
表2に示す通りである。
【0016】
【表2】
【0017】この表により実施された実験から、均一
性、粒子径、合金組成、および合金とガラスセラミック
間の界面結合等が強度の改善を制御するうえで重要な要
因となることが判明した。表では、基準の強化してない
ガラスセラミックに対して強化したガラスセラミックが
幾分低い強度を示しているが、これはセラミックの密度
が減少し、合金表面とセラミック母材間の結合が弱くな
ることに原因があると考えられる。圧縮表面セラミック
と合金粒子を有することにより、表2に示したように高
強度と強靭化の増大の両方が得られる。
【0018】この発明をその最も好ましい実施態様につ
いて説明したが、この発明の精神に反することなしに異
なる実施態様を構成することができることは当業者にと
って明白である。従って、この発明は添付の請求の範囲
において限定した以外はその特定の実施態様に制約され
るものではない。
【0019】以下、実施例を整理して記載する。 (1)ガラスセラミック材料と、以下に示す合金のグル
ープから選択した合金とを含み、 上記の選択した合金は約2乃至約20体積パーセントの
範囲にあることを特徴とするガラスセラミック基板であ
る。 (2)以下に示す合金のグループから選択した合金粉ま
たは合金フレークを有するガラスセラミックのスラリを
調製する工程と、 上記スラリを酸化雰囲気内で焼結する工程とを含み、上
記選択した合金粉または合金フレークは、焼結後の上記
スラリの体積に対して約2乃至20体積パーセントを有
することを特徴とする焼結プロセスである。 (3)上記酸化雰囲気は水蒸気であることを特徴とする
請求項2に記載の焼結プロセスである。 (4)上記焼結工程は、温度約1000℃まで実施する
ことを特徴とする(2)に記載の焼結プロセスである。 (5)上記選択した合金粉または合金フレークはCu−
Alであり、その体積パーセントは約9乃至10%であ
ることを特徴とする(2)に記載の焼結プロセスであ
る。 (6)上記選択した合金粉または合金フレークはCu−
Al−Crであり、その体積パーセントは約9%である
ことを特徴とする(2)に記載の焼結プロセスである。 (7)上記選択した合金粉または合金フレークの平均粒
子サイズは約0.2μm乃至約0.38μmであること
を特徴とする(5)に記載の焼結プロセスである。 (8)上記選択した合金粉または合金フレークの平均粒
子サイズは約0.15μmであることを特徴とする
(6)に記載の焼結プロセスである。
【0020】
【発明の効果】本発明により特定した合金グループは蒸
気焼結サイクルにおいて安定しており、蒸気酸化の際に
その合金表面に薄い酸化物皮膜が形成する。その酸化皮
膜により合金とガラスセラミックの間で良好な接着性が
得られ、強度および強靭性が向上する。強化したガラス
セラミックは被覆層として単独で、あるいはセラミック
基板全体として使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による被覆層を有するガラス
セラミック層の断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シルビア・マリー・デカール アメリカ合衆国12603 ニューヨーク州、 ポーキープシー、マイヤー・アベニュー 35 (72)発明者 スリニバサ・エス・エヌ・レディー アメリカ合衆国12540 ニューヨーク州、 ラグランジェビル、ボックス・ワンハン ドレッドナインティーファイブ、アー ル・ツー (番地なし) (72)発明者 サブハシュ・ラックスマン・シンデ アメリカ合衆国10520 ニューヨーク州、 クロトン−オン−ハドソン、ハーフ・ム ーン・ベイ・ドライブ 518 (72)発明者 ビベック・メイデン・スラ アメリカ合衆国12533 ニューヨーク州、 ホープウェル・ジャンクション、チェル シー・コーブ 5804 (72)発明者 ラオ・ラマモハナ・ツマラ アメリカ合衆国12533 ニューヨーク州、 ホープウェル・ジャンクション、シェイ ディーブルック・レーン 13 (56)参考文献 特表 平2−500907(JP,A)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コーディアライト型のガラスセラミック材
    料と、 以下に示す合金のグループから選択した合金とを含み、 上記の選択した合金は、約2乃至約20体積パーセント
    の範囲にあり、上記ガラスセラミック材料内に拡散して
    いることを特徴とする半導体用ガラスセラミック基板。
  2. 【請求項2】以下に示す合金のグループから選択した合
    金粉または合金フレークを有するコーディアライト型の
    ガラスセラミックのスラリを調製する工程と、 上記スラリを酸化雰囲気内で800゜C近くで焼結する
    工程と、 更に、不活性雰囲気内、又は還元性雰囲気内で約100
    0゜Cで焼結する工程とを含み、 上記選択した合金粉または合金フレークは、焼結後の上
    記スラリの体積に対して約2乃至20体積パーセントを
    有することを特徴とする半導体用ガラスセラミック基板
    の焼結プロセス。
  3. 【請求項3】上記酸化雰囲気は水蒸気であることを特徴
    とする請求項2に記載の焼結プロセス。
  4. 【請求項4】上記選択した合金粉または合金フレークは
    Cu−Alであり、その体積パーセントは約9乃至10
    %であることを特徴とする請求項2に記載の焼結プロセ
    ス。
  5. 【請求項5】上記選択した合金粉または合金フレークは
    Cu−Al−Crであり、その体積パーセントは約9%
    であることを特徴とする請求項2に記載の焼結プロセ
    ス。
  6. 【請求項6】上記選択した合金粉または合金フレークの
    平均粒子サイズは約0.2μm乃至約0.38μmであ
    ることを特徴とする請求項5に記載の焼結プロセス。
  7. 【請求項7】上記選択した合金粉または合金フレークの
    平均粒子サイズは約0.15μmであることを特徴とす
    る請求項6に記載の焼結プロセス。
JP6006776A 1993-02-01 1994-01-26 半導体用強化ガラスセラミック基板 Expired - Lifetime JP2675971B2 (ja)

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US011577 1987-02-06
US11577 1987-02-06
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JPH06239648A JPH06239648A (ja) 1994-08-30
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