JP2675887C - - Google Patents

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JP2675887C
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、インクジエツト記録装置に関するものである。 〔従来の技術〕 従来、紙、OHP用シートなどの記録媒体(以下記録用紙または単に紙ともいう
)に対して記録を行う記録装置は、種々の記録方式による記録ヘツドを搭載した
形態で提案されている。この記録ヘツドには、ワイヤードツト方式、感熱方式、
熱転写方式、インクジエツト方式によるものなどがある。 特にインクジエツト記録方式は、記録用紙に直接インクを噴射するものである
ので、ランニングコストが安く、静かな記録方法として注目されている。 かかるインクジエツト方式による記録装置においては、記録ヘツドとして一般
に微細な吐出口を配列したものが用いられる。このため、記録ヘツドを長時間動 作させない場合には、吐出口内方への気泡や塵埃の混入、あるいはインク溶剤の
蒸発に伴う増粘等によってインクが吐出、記録に適さない吐出不良状態となるの
を防止するために、キヤツピングを行っていた。これは、記録ヘツドの吐出口形
成面を覆うことが可能なキヤツプを配置し、記録ヘツドの非動作時にキヤツプに
よって吐出口形成面を覆うものである。 しかしながら、このキヤツピングによっても上記の吐出不良状態となったり、
記録動作中においても、印字パターンによって生じる使用されなかっり使用頻度
の低い吐出口が上記吐出不良状態になった場合においては、インクをリフレツシ
ユすることにより、これら吐出不良要因を除去する処理(吐出回復処理)がなさ
れるようにしている。 このような吐出回復処理を行う手段の一形態として、記録ヘツドの吐出口内方
のインク吐出エネルギー発生素子を駆動することにより、上記キヤツピング用の
キヤツプに向かって、全吐出口からインクを吐出(以下、予備吐出という)させ
て、インクとともに吐出不良要因を除去せんとするものがある。なお、キヤツプ
内部の吐出口対向部位には、一般に、予備吐出時に吐出口から出てくるインクの
漏れやはね返りを防止するため、インク吸収体が設けられている。 さらに、上記キヤツプに連通し吸引力を作用するポンプを設け、このポンプに
より予備吐出によってキヤツプ内に残留したインクをポンプ側に吸引(以下、空
吸引という)させて、インクが吸収体内で固化することに起因したインク吸収能
力の劣化や吸引力の低下を防止していた。 ここで、上述した空吸引を行うには記録ヘツドをキヤツピング位置に復帰させ
る時間とポンプの動作時間を要するため、記録速度を向上させるには空吸引を行
うタイミングが重要となる。 従来のインクジエツト記録装置においては、上述した空吸引を上記キヤツピン
グと連動して行うことにより、記録ヘツドの復帰時間を短縮していた。キヤツピ
ングは記録ヘツドが長時間動作しない場合、例えば記録中において所定時間記録
データが転送されないため記録が中断している場合や、一頁の記録が終了して記
録が中断している場合に行われるので、空吸引はこのキヤツピングの前に行われ
ることになる。 〔発明が解決しようとする課題〕 従来のインクジエツト記録装置では、上述のとおり空吸引をキヤツピングと連
動して行っていたので、記録中において所定時間記録データが転送されないとき
にも空吸引が行われていた。従って、記録中に空吸引が行われるため、記録時間
が遅延し、記録速度が低下していた。 そこで、本発明は上記問題点を解決するために吐出回復処理の改良を図ったも
ので、記録中における空吸引の回数を低減し、記録時間を短縮することができる インクジエツト記録装置を提供することを目的とする。 〔課題を解決するための手段〕 そのために、本発明の請求項(1)に係るインクジエツト記録装置は、インク
の吐出不良要因を除去する予備吐出手段と、予備吐出手段によるインク吐出によ
ってキヤツプ内に残留したインクを吸引する空吸引手段と、記録媒体への記録が
一頁終了したときに上記予備吐出手段による吐出回数が上記空吸引手段により前
回実行された吸引後所定回数を越えていた場合、上記空吸引手段を駆動して吸引
を実行させる第1の空吸引制御手段を具備したことを特徴とする。 〔作用〕 上記請求項(1)に係るインクジエツト記録装置によれば、予備吐出によって
キヤツプに受容されたインクを、一頁記録終了時に予備吐出の回数が前回実行し
た空吸引後所定回数を越えていた場合に空吸引を行って吸引している。従って、
一頁終了時に予備吐出の回数が前回実行した空吸引後所定回数に達していなけれ
ば空吸引を行わないので、記録中における空吸引の回数のみならず、空吸引の回
数自体を低減することができる。 〔実施例〕 以下、図面を参照して本発明のインクジエツト記録装置に係る実施例を説明す
る。 第1図(A)および(B)は本発明を文書処理装置に適用した場合の実施例の
外観構成例を示す。 ここで1はキーボード部であり、文字、数字等キヤラクタ入力用のキーやコン
トロールキー等のキー群2が配列され、非使用時にはヒンジ3を中心に回動させ
ることにより第1図(B)に示すように折りたためるようになっている。4は装
置内部のプリンタ部8にシート状記録媒体を送給するための給紙トレーであり、
同じく非使用時には同図(B)に示すようにプリンタ部8を覆って収納される。
5は手動にて記録媒体のセツトや排出を行うための送りノブ、6は入力した文章
等を表示するための表示器、7は本実施例に係る装置を運搬する際に用いられる
把手である。 第2図は本実施例に係るプリンタ部8の構成例を示す。 ここで、9は第3図および第4図につき詳述するインクジエツト記録ヘツドを
有したヘツドカートリツジ、11はこれを搭載して図中S方向に走査するためのキ
ヤリツジである。13はヘツドカートリツジ9をキヤリツジ11に取付けるためのフ
ツク、15はフツク13を操作するためのレバーである。このレバー15には、後述す
るカバーに設けられた目盛を指示してヘツドカートリツジの記録ヘツドによる印
字位置や設定位置等を読取り可能とするためのマーカ17が設けられている。19は
ヘツドカートリツジ9に対する電気接続部を支持する支持板である。21はその電 気接続部と本体制御部とを接続するためのフレキシブルケーブルである。 23は、キヤリツジ11をS方向に案内するためのガイド軸であり、キヤリツジ11
の軸受25に挿通されている。27はキヤリツジ11が固着され、これをS方向に移動
させるための動力を伝達するタイミングベルトであり、装置両側部に配置された
プーリ29A,29Bに張架されている。一方のプーリ29Bには、ギヤ等の伝導機構を介
してキヤリツジモータ31より駆動力が伝達される。 33は紙等の記録媒体(以下記録紙ともいう)の被記録面を規制するとともに記
録等に際してこれを搬送するためのプラテンローラであり、搬送モータ35によっ
て駆動される。37は記録媒体を給紙トレー4側より記録位置に導くためのペーパ
ーパン、39は記録媒体の送給経路途中に配設されて記録媒体をプラテンローラ33
に向けて押圧し、これを搬送するためのフイードローラである。41は記録媒体搬
送方向上、記録位置より下流側に配置され、記録媒体を不図示の排紙口へ向けて
排紙するための排紙ローラである。42は排紙ローラ41に対応して設けられる拍車
であり、記録媒体を介してローラ41を押圧し、排紙ローラ41による記録媒体の搬
送力を生じさせる。43は記録媒体のセツト等に際してフイードローラ39、押え板
45、拍車42それぞれの付勢を解除するための解除レバーである。 45は記録位置近傍において記録媒体の浮上り等を抑制し、プラテンローラ33に
対する密着状態を確保するための押え板である。本実施例においては、記録ヘツ
ドとしてインク吐出を行うことにより記録を行うインクジエツト記録ヘツドを採
用している。従って、記録ヘツドのインク吐出口形成面と記録媒体の被記録面と
の距離は比較的微少であり、かつ記録媒体と吐出口形成面との接触を避けるべく
その間隔が厳しく管理されなければならないので、押え板45の配設が有効である
。47は押え板45に設けた目盛、49はこの目盛に対応してキヤリツジ11に設けられ
たマーカであり、これらによっても記録ヘツドの印字位置や設定位置が読取り可
能である。 51はホームポジシヨンにおいて記録ヘツドのインク吐出口形成面と対向するゴ
ム等の弾性材料で形成したキヤツプであり、記録ヘツドに対し当接/離脱が可能
に支持されている。このキヤツプ51は、非記録時等の記録ヘツドの保護や、記録
ヘツドの吐出回復処理に際して用いられる。吐出回復処理とは、インク吐出口内
方に設けられてインク吐出のために利用されるエネルギー発生素子を駆動するこ
とにより全吐出口からインクを吐出させ、これによって気泡や塵埃、増粘して記
録に適さなくなったインク等の吐出不良要因を除去する処理(予備吐出)や、こ
れとは別に吐出口よりインクを強制的に排出させることにより吐出不良要因を除
去する処理である。 53はインクの強制排出のために吸引力を作用するとともに、かかる強制排出に
よる吐出回復処理や予備吐出による吐出回復処理に際してキヤツプ51に受容され たインクを吸引するために用いられるポンプである。55はこのポンプ53によって
吸引された廃インクを貯留するための廃インクタンク、57はポンプ53と廃インク
タンク55とを連通するチユーブである。 59は記録ヘツドの吐出口形成面のワイピングを行うためのブレードであり、記
録ヘツド側に突出してヘツド移動の過程でワンピングを行うための位置と、吐出
口形成面に係合しない後退位置とに移動可能に支持されている。61は回復系モー
タ、63は回復系モータ61から動力の伝達を受けてポンプ53の駆動およびキヤツプ
51やブレード59の移動をそれぞれ行わせるためのカム位置である。 次に、上述したヘツドカートリツジ9の詳細について説明する。 第3図は、インクジエツト記録ヘツド本体をなす吐出ユニツト9aとインクタン
ク9bとを一体としたヘツドカートリツジ9の外観斜視図である。図において、90
6eは、ヘツドカートリツジ9を装着する際にキヤリツジ11に設けられたフツク13
によって掛止されるつめである。図から明らかなようにつめ906eは記録ヘツド全
延長の内側に配設される。また、ヘツドカートリツジ9の前方吐出ユニツト9aの
近傍には、この図には示されないが位置決め用突き当て部が設けられている。90
6fは、キヤリツジ11に立設されフレキシブル基板(電気接続部)およびゴムパツ
ドを支持するための支持板が挿入されるヘツド開口部である。 第4図(A)および(B)は、第3図に示したヘツドカートリツジの分解斜視
図を示し、上述のようにインク供給源たつインク収容部を一体としたデイスポー
ザブルタイプのものとしてある。 同図(A)において、911はSi基板上に電気熱変換素子(吐出ヒータ)と、こ
れに電力を供給するAl等の配線とが成膜技術により形成されて成るヒータボード
である。921はヒータボード911に対する配線基板であり、対応する配線は例えば
ワイヤボンデイングにより接続される。 940はインク流路を規定するための隔壁や共通液室等を設けた天板であり、本
実施例においてはオリフイスプレート部を一体に有した樹脂材料で成る。 930は例えば金属製の支持体、950は押えばねであり、両者間にヒータボード91
1および天板940を挟み込んだ状態で両者を係合させることにより、押えばね950
の付勢力によってヒータボード910と天板940とを圧着固定する。なお、支持体93
0は、配線基板921も貼着等により設けられるとともに、ヘツドの走査を行うキヤ
リツジ11への位置決め基準を有するものとすることができる。また、支持体930
は駆動に伴って生じるヒータボード911の熱を放熱冷却する部材としても機能す
る。 960は供給タンクであり、インク供給源をなすインク貯留部9bからインク供給
を受け、ヒータボード911と天板940との接合により形成される共通液室にインク
を導くサブタンクとして機能する。970は共通液室へのインク供給口付近の供給 タンク960内の部位に配置されるフイルタ、980は供給タンク960の蓋部材である
。 900はインクを含浸させるための吸収体であり、インクタンク本体9b内に配置
される。1200は上記各部911〜980からなる記録エレメント9aに対してインクを供
給するための供給口であり、当該ユニツトをインクタンク本体9bの部分1010に配
置する前の工程で供給口1200よりインクを注入することにより、吸収体900のイ
ンク含浸を行わせることができる。 1100はカートリツジ本体の蓋部材、1400はカートリツジ内部を大気に連通する
ために蓋部材に設けた大気連通口である。1300は大気連通口1400の内方に配置さ
れる撥液材であり、これにより大気連通口1400からのインク漏洩が防止される。 供給口1200を介してのインクタンク9bへのインク充填が終了すると、各部911
〜980よりなる吐出ユニツト9aを部分1010に位置付けて配設する。このときの位
置決めないし固定は、例えばインクタンク本体9bに設けた突起1012と、これに対
応して支持体930に設けた穴931とを嵌合させることにより行うことができ、これ
によって第4図(B)に示すヘツドカートリツジ9が完成する。 そして、インクはカートリツジ内部より供給口1200、支持体930に設けた穴932
および供給タンク960の第4図(A)中裏面側に設けた導入口を介して供給タン
ク960内に供給され、その内部を通った後、導出口より適宜の供給管および天板9
40のインク導入口942を介して共通液室内へと流入する。以上におけるインク共
通用の接続部には、例えばシリコンゴムやブチルゴム等のパツキンが配設され、
これによって封止が行われてインク供給路が確保される。 操作レバー15およびフツク13等からなる着脱操作機構は、キヤリツジ11の側方
すなわち、キヤリツジ11の移動方向側に設けられるため、キヤリツジの移動によ
って着脱操作機構が大きなデツドスペースを形成することは無い。 次に、ヘッドカートリツジ装着の際の位置決めのための突き当て部について説
明する。 601aは左右方向の位置決めのための突き当て部であり、突き当て部材607の側
部に2ケ所設けられる。なお、左右方向の位置決めは、突き当て部601aの外に、
支持板606に設けられる突き当て部601fが利用される。 601bは前後方向位置決めのための突き当て部であり、突き当て部材607の側方
下部に形成される。 601cは上下方向位置決めのための突き当て部であり、突き当て部材607の側方
下部および支持板側方下部の2ケ所に形成される。 第5図(A)および(B)は、それぞれキヤリツジ11にヘツドカートリツジ9
が装着されたときの状態を示す上面図および左側面図である。 これらの図において、906aは記録ヘツド装着時にキヤリツジ11の突き当て部に
当接可能なようにヘツドカートリツジ9に設けられる当接部であり、906bおよび 906cは、それぞれ同様に突き当て部601bおよび601cに対応した当接部である。 ここで、第5図(A)を参照して記録ヘツドが装着された際の各部の係合関係
を概説する。 ヘツドカートリツジ9の当接部906aは、キヤリツジ6の突き当て部601aと当接
しており、同時にヘツドカートリツジ9のつめ906とは、これに掛止されたフツ
ク13を介したコイルばね610の付勢力によって、図中左方へ力を受ける。これに
より、ヘツドカートリツジ9は上記当接部を中心とするモーメント力を受ける。
このとき、ヘツドに設けられた基板906dは突き当て部601fに当接し、この結果、
ヘツドカートリツジ9の左右方向の位置決めがなされ、その位置が保持される。 このとき、ゴムパツド605の突起部605Aは、基板906dとの当接によって、圧縮
変形される。この変形により、フレキシブル基板604の端子パツドと基板906dの
端子とを圧接する力が生じる。この場合、突き当て部601fに基板906dが当接して
いるため、突起部605Aの変形量は一定となり安定した上記圧接力を得られる。 なお、同図においては、突起部605Aの圧縮変形した状態は示されていない。 また、ヘツドカートリツジ9の前後および上下方向の位置決めは、装着の過程
においてなされるものである。 第6図および第7図は、第2図等に示したヘツドカートリツジ周辺の機構を示
すそれぞれ側面図および上面図である。 これら図において、91は、キヤリツジ11の前端部において、回動自在に軸支さ
れるコロである。コロ91は、その一部がヘツドカートリツジの吐出口面より前方
に突出するように設けられるものであり、紙押え板45と当接しこの上を回動する
。また、613はキヤリツジ11の後端部に設けられたコロばねである。コロばね613
は、コロ613A、コロ613Aを軸支する連結部材613B、および連結部材613Bを所定の
回転方向に付勢するばね613Cからなる。コロ613Aは、装置の底板100の前端部に
おいて前述のガイド軸と平行に延在するように立設された前端板105と当接し、
この上を回動する。連結部材613Bはキヤリツジ11の所定の軸113により回動自在
に軸支され、また、ばね613Cは、キヤリツジ11の所定の軸に支持され連結部材61
3Bを軸113の廻りに反時計方向に回転させるような付勢を行う。以上のようなコ
ロばね613の構成により、キヤリツジ11は、常に紙押え板45の方向へ付勢される
。 25は、ガイド軸23と係合する軸受けであり、キヤリツジ11の両側端部に装着さ
れる。軸受25はその装着にかかるケースに対して軸受部が偏心したものであり、
2つの軸受25は、その偏心方向が反対になるよう装着される。また第6図に示さ
れる側の軸受25は、キヤリツジ11に設けられたボス112を軸として揺動可能に設
けられている。すなわち、キヤリツジ11においてこの軸受25が装着される部分は
長穴となっており、また、軸受25の2つの突起25Aがボス112により前後方向(第
6図中、左右方向)の動きを規制される。この結果キヤリツジ11の動きに応じて
、 この軸受25はキヤリツジ11に相対的に揺動する。なお、このとき、この軸受25の
ガイド軸23方向の動きは、軸受25に設けられた突起25Bがキヤリツジ11の一部に
規制される。 第8図は第2図におけるキヤツプ51、ポンプ53、ブレード59、モータ61および
カム装置63等から成る回復装置の主要部の分解斜視図である。 ここで、501はキヤツプ51内部に配置されるインク吸収体、503はキヤツプ51を
保持する保持部材、505はピン507を中心に回動可能に取付けられ、ピン507に加
えられる力によってキヤツプ51を吐出ユニツト9aの吐出口形成面に当接/離脱さ
せるためのキヤツプレバーである。511はキヤツプレバー505の端部509に係合し
てキヤツプレバー505の回動範囲を規制するためのピンである。 513はキヤツプレバー505のピン507が嵌入される穴部を有する治具であり、キ
ヤツプレバー505をポンプ53に設けた支持部515に取付けるのに用いられる。516
はその取付け状態を確保するための留め部材である。517は吐出口形成面に当接
させるための力をキヤツプ51に作用する作用部であり、キヤツプ51の後側部のほ
ぼ中央に係合する。この作用部は吸引されたインクの導入口517Aを有し、キヤツ
プレバー505内部、ピン507内部、治具513内部および支持部515内部にはそれぞれ
インク流路が形成されている。そしてポンプ53が吸引力を作用すると、インクは
これら流路を経て図中矢印で示すようにポンプ53内に導入される。 519はポンプ53の端面中央に突設した軸であり、この軸519を中心としてポンプ
53自体は回動可能となる。この回動力は支持部515を介してキヤツプレバー505に
加えられ、これに伴ってキヤツプ51が進退する。ジヨイント521はチユーブ57が
取付けられる部材523と結合される。これら軸519、ジヨイント521および部材523
の内部にはインク流路が形成され、ポンプ53に吸引されたインクが、図中矢印で
示すようにこれら流路を経てチユーブ57を介し廃インクタンク55に導入される。 525はポンプ53のピストン、527はその軸、529はパツキン、531はポンプ53のキ
ヤツプである。533はピストン軸527に取付けられ、ピストン525を作動させるた
めの力の伝達を受けるピンである。 535はブレード59が取付けられるブレードレバーであり、ポンプ53の端面に突
設した軸のまわりに回動可能に支持され、当該回動に伴ってブレード59を記録ヘ
ツド側に突出または後退させる。537はブレードレバー535に対しブレード59を突
出させる方向への回動力を付与するばねである。また、539はポンプ53自体に対
しキヤツプ53が記録ヘツド側に向かう方向への回動習性を与えるばねである。 541はモータ61の回転をカム装置63に伝達するギア列である。カム装置63は、
ポンプ53に設けた係合部545に係合してこれを回動させるためのカム547と、ポン
プ53のピストン軸527に設けたピン533に係合してポンプを作動させるためのカム
549と、ブレードレバー535に設けた係合部551に係合してこれを回動させるため のカム553と、カム装置63のホームポジシヨンを検出するためのスイツチ555に係
合するカム557とを有している。これらカムの動作については後述する。 第9図はキヤツプ51等の構成を示す断面図である。 ここで、本実施例では、キヤツプ内のインク吸引口561を鉛直方向下部に開口
させ、キヤツプレバー505の作用部517に設けたインク導入口517Aに向かってイン
ク流路563を形成している。また、吸引口561を吸収体501によって完全には覆わ
ない構成としている。 この構成によると、吐出回復処理等で吐出したインクが重力によって下方に流
れてきても、インクは下方に設けた吸引口561から吸引されるために、インク吸
収体501に残留するインク量が著しく小となる。従って、固化による劣化等を大
幅に遅らせてインク吸収体ないしこれが取付けられたキヤツプ51の寿命を伸ばす
ことができる。 第10図および第11図は、それぞれ、カム装置63の各カムの輪郭曲線および各カ
ム位置に対応した各部動作位置を示す説明図である。なお、第10図中の数値はカ
ムの回転角度である。 これら図において、(a)は記録動作を行うときのカム位置および各部の状態
を示し、キヤツプ51およびブレード59は記録ヘツドの吐出口形成面から離隔し、
ポンプ53は上死点にある。(b)はホームポジシヨンスイツチ55がオフとなった
位置であり、この位置をカム装置63のホームポジシヨンとする。 これは記録の待機時等に設定される位置であり、このときキヤツプ51は吐出口
形成面を覆い、かつブレード59が後退しているとともにポンプ53も上死点である
。 位置(b)からカムを回転させて行くと、キヤツプ51は吐出口形成面に接合(
キヤツプオン)したままピストン525が下死点に向けて移動し、キヤツプに至る
吸引系の負圧が大となって行く。やがてピストン525がポンプのインク導入口に
至りこれを閉塞している期間(弁が閉となる期間)を経て、弁が開き始め(109.
5°の点)、完全に開き(130.5°の点)、その後ピストン525は下死点付近の位
置(c)に至る。インク吸引系の流体抵抗を考慮してこの位置で所定時間カムの
回転を停止することにより十分な吸引を行ってから、再びカムを回転させて行く
と、ピストン525は下死点に至り、キヤツプ51は吐出口形成面から離脱し始める
。この位置(d)を所定時間保持する。 その後カムを更に回転させると、ピストン525は再び上死点に向かい始める。
この過程で弁は閉じ始め(209.5°の点)、その後完全に閉塞される点(230.5°
の点)に至り、一方キヤツプ51は位置(e)では完全に吐出口形成面から離隔し
た状態となっている。この近傍でピストン525を数回駆動することにより、イン
ク吸引系に残留したインクがポンプ側に吸引(空吸引)されることになる。なお
、ポンプ内のピストン525の左右の空間は、不図示の流路で連通され、当該流路
は ピストンが上死点から下死点に向かう場合に閉塞され、下死点から上死点に向か
う場合に開とされる。また、ピストン右側の空間はポンプ軸519に設けた流路に
連通している。従って、空吸引の過程でピストン525が下死点から上死点に向か
う場合にピストン左側の空間に導入されたインクが右側の空間に移送され、上死
点から下死点に向かう場合にインク吸引系から左側空間へのインク導入および右
側空間から廃インクタンクへのインク排出がなされる。 その後、カムをさらに正方向に回転させると、ブレード59が突出してワイピン
グ可能な状態となる8(位置(f))。この状態でキヤリツジ11を記録領域側に
移動させると、ヘツドの吐出口形成面にブレード59が係合してその表面がワイピ
ングされ、吐出口形成面に付着したインク等が拭われる。そして、カムをさらに
回転させてブレード55を後退させ位置(a)にカムを設定する。この状態でキヤ
リツジ11をキヤツプ側に移動させ、ヘツドの吐出口形成面をキヤツプ51に対向さ
せた後、カムを位置(b)に移動させてキヤツプオンとし、停止させる。 なお、待機状態から記録に移行する場合に、位置(b)から正方向もしくは負
方向にカムを回転させてブレード59を突出させ、ワンピングを行ってから記録を
行うようにしてもよい。 次に、上述のように構成された文書処理装置の各部を制御する制御構成を、第
12図を参照して説明する。 同図において、10はキーボード部1から入力された文字等を処理して表示器6
に表示したり、キーボード部1からの記録指示に基づいてプリンタ部8を動作さ
せる制御部である。この制御部10は、各種の制御手順を実行するMPU1000、上記
制御手順やデータ等を格納するROM1001、上記制御実行におけるワークエリア等
に用いられるRAM1002、キーボード部1から入力された文字等の文字パターンを
格納するCG1003、およびキーボード部1等の外部機器との接続を行うインターフ
エース部1004で構成される。制御部10とプリンタ部8とは、信号ライン1005で電
気的に接続されている。 プリンタ部8は、上記制御部10の負荷を軽減するため、ヘツド9等の制御を行
うプリンタ制御部80を有している。プリンタ制御部80は、制御部10とほぼ同様の
構成をしており、MPU800、ROM801、RAM802、時間を計測するタイマ803およびイ
ンターフエース部804から成っている。 プリンタ部8のうちプリンタ制御部80によって制御されるのは、ヘツド9、キ
ヤリツジモータ31、搬送モータ35および回復系モータ61であり、それぞれヘツド
ドライバ9A、モータドライバ31A、35A、61Aによって駆動される。これらのモー
タ31、35、61はDCモータ構成をとっており、駆動パルスの極性によって回転方向
が制御される。また、回復系ホームセンサ65やキヤリツジホームセンサ67の検出
に基づいて、プリンタ制御部80はキヤリツジ11のキヤツプ位置や移動位置を認識 することができる。さらに、発光素子と受光素子から構成される透過型または反
射型の紙センサ69の検出に基づいて、記録媒体が給紙トレー4にセツトされてい
ることを認識することができる。 上記の制御構成において、文書作成処理がなされ、キーボード部1の印刷キー
(図示せず)の押下によって印刷開始命令があると、制御部10のMPU1000は入力
された文字等の文書をCG1003を参照して印字データに変換する。MPU1000は変換
した印字データに制御コマンドを付加し、インターフエース部1004、信号ライン
1005を介してプリンタ制御部80に転送する。転送データを受信したプリンタ制御
部80のMPU800は、印字データに付加された制御コマンドをROM801に格納されたコ
マンドテーブルに基づいて解釈しながら、ヘツド9等を制御して印刷を実行する
。 第13図は、プリンタ制御部80のROM801に格納された上述の制御コマンドのテー
ブルを示す。同図において、C1は印字の開始を示す印刷開始コマンド、C2は印字
の終了を示す印刷終了コマンドであり、複数頁にわたるデータのときは最終頁の
印刷終了を意味する。C3は次に転送されてくるデータの示す数だけ印字データが
転送されることを示すデータ転送コマンドである。また、C4は一行の終了を示す
改行コマンド、C5は一頁の開始(再開)を示す頁開始コマンド、C6は一頁の終了
を示す頁終了コマンドである。 第14図は、制御部10からプリンタ制御部80に転送されるデータフオーマツトを
示す図である。複数頁にわたり作成された文書の場合、まず印刷開始コマンドD1
が転送され、データ転送コマンドD2、転送データ数(N)D3、N個のデータD4そ
して改行コマンドD5が転送される。ここまでで、一行が印刷されることになる。 同様にして、一行分のデータはデータ転送コマンドD6から改行コマンドD7で構
成され、これにより一行が印刷される。この一行の印刷の繰り返しの後、頁終了
コマンドD8までで一頁が印刷されることになる。 同様にして、一頁分のデータは頁開始コマンドD9から頁終了コマンドD10で構
成され、これにより一頁が印刷される。この一頁の印刷の繰り返しの後、印刷終
了コマンドD11までで複数頁の文書の印刷が終了する。 次に、上述のように制御部10からの転送データを受信したプリンタ制御部80の
制御手順について、第15図ないし第17図および第18図にそれぞれ示すフローチヤ
ートおよびタイミングチヤートを参照して説明する。 第15図はプリンタ制御部80の第1制御例を示しており、転送データを解決して
印刷開始コマンドがあると本制御手順が起動される。まず、MPU800は印刷に先立
ってステツプS2でキヤツプ51をオープンにして印刷に備える。この動作は、第10
図および第11図において、カム装置63の位置がホームポジシヨン位置(b)から
記録動作位置(a)になるよう、MPU800がモータドライバ61Aを介して回復系モ
ータ61を駆動することによって行われる。その後、ステツプS3でヘツド9を駆動 して予備吐出を行う。これは、前回の印刷から長時間を経過していると、ヘツド
9が吐出不良状態となっている可能性があるためである。そして、転送された印
字データに基づいて、ステツプS4にて一行分の印字を行う。 次に、ステツプS6で頁終了コマンドか否かを判断することで一頁の印刷を終了
したか否かを判断する。一頁の印刷が終了していなければ、ステツプS7で前回予
備吐出からt秒経過したか否かをタイマ803を用いて判断する。t秒経過してい
なければステツプS4に戻り、経過していればステツプS8でキヤリツジ11をキヤリ
ツジモータ31を駆動して予備吐出位置へ移動させ予備吐出を行い、ステツプS4に
戻る。インクジエツト記録ヘツドによって記録を行う場合、印字パターンによっ
ては使用されない吐出口もしくは使用頻度の低い吐出口が出てくる。このため、
使用されない吐出口もしくは使用頻度の低い吐出口内に存在するインクはインク
溶剤の蒸発に伴う増粘等によって、インクの吐出に適さない吐出不良状態になる
場合がある。この吐出不良状態に陥らないように、印刷中は定期的(t秒毎)に
予備吐出を行っている。 また、ステツプS6で一頁の印刷が終了していれば、ステツプS12で空吸引を行
い、ステツプS13でキヤツプ51をクローズして印刷を終了する。この動作は、第1
0図および第11図において、カム装置63の位置が記録動作位置(a)から空吸引
位置(e)になるよう回復系モータ61を駆動して空吸引を行い、その後ホームポ
ジシヨン位置(b)になるよう回復系モータ61を駆動してキヤツプ51をクローズ
することにより行われる。なお、作成した文書が複数頁のときは、上述の制御が
繰り返される。 次に、上記第1制御例の動作を第18図(a)〜(e)を参照して説明する。同
図(a)はキヤツプ51のオープンまたはクローズのタイミングを示し、頁印刷の
開始、終了時または、制御部10から所定時間データが転送されないときに発生す
る。(b)は予備吐出のタイミングを示し、キヤツプ51のオープン時、または前
回の予備吐出からt秒経過後に発生する。(c)は制御部10から転送されるデー
タのタイミングを示す。データ転送にとぎれが生ずるのは制御部10において印字
データへの変換に時間を要する場合があるからである。 同図(c)は従来の空吸引のタイミングを示しており、上述したようにキヤツ
ピングに連動して行われている。従って、頁印刷中にキヤツピングが発生する1
、2頁では、空吸引もそれと同数だけ発生することとなり、印刷時間が遅延して
いた。 これに対し、第1制御例では、その空吸引のタイミングを示す同図(e)から
分かるように、空吸引はキヤツピングに連動せず、頁印刷の終了時に発生してい
る。従って、印刷中にキヤツピングが発生しても空吸引は発生しない。 以上のように、この第1制御例によればキヤツプ51の吸収体501に受容された インクは、一頁印刷終了時毎にポンプ側に吸引され、吸収体501内で固化するこ
とに起因したインク吸収能力の劣化や、吸引力の低下を防止できる。 また、印刷中に空吸引が行われることがなくなるので、印刷時間を短縮するこ
とが可能となる。 なお、頁印刷終了時に行われる紙排出と並行して空吸引を行えば、空吸引に起
因する印刷時間の遅延をさらに低減することも可能となる。 第16図はプリンタ制御部80の第2制御例を示しており、上述の第1制御例より
もさらに空吸引の回数の低減を図ったものである。即ち、一頁印刷終了時に、予
備吐出の回数が前回実行した空吸引後所定回数Kを越えていた場合に空吸引を行
うものである。これは、キヤツプ51の有するインク受容能力が複数回の予備吐出
により吐出されたインクを受容し得るものであることから、一頁印刷終了時にイ
ンク受容能力に充分余裕がない場合に空吸引を行うことを意味する。 同図において、印刷開始コマンドであると、MPU800はステツプS1で予備吐出の
回数をカウントしている内部カウンタを初期化(N=0)する。そして、ステツ
プS2でキヤツプ51をオープンにして、ステツプS3で予備吐出を行い、カウンタを
インクリメント(+1)する。その後、ステツプS4にて一行分の印字を行う。 次に、ステツプS6で一頁の印刷が終了したか否かを判断し、終了していなけれ
ば、ステツプS7で前回予備吐出からt秒経過したか否かを判断する。経過してい
なければステツプS4に戻り、経過していればステツプS8で予備吐出を行い、カウ
ンタをインクリメントした後ステツプS41に戻る。 また、一頁の印刷が終了していればステツプS11でカウンタの値Nが所定回数
Kを越えているか否かを判断する。Kを越えていればステツプS12で空吸引を行
うとともに、カウンタを初期化し、ステツプS13でキヤツプ51をクローズして印
刷を終了する。一方、Kを越えていなければ、空吸引を行わないでステツプS13
に進み、キヤツプ51をクローズして印刷を終了する。なお、作成した文書が複数
頁のときは、ステツプS2から再び上述の制御が繰り返される。 次に、上記第2制御例の動作を、第18図(b)、(c)、(f)を参照して説
明する。ここではインク吸収体501を有するキヤツプ51のインク受容能力を予備
吐出20回分とし、上記所定回数Kを7に設定している。 同図において、1頁の頁印刷終了時には予備吐出(同図(b))の回数(N)
は5であるから空吸引は行われず、2頁の頁印刷終了時には予備吐出回数(N)
が10であるから空吸引(同図(f))が行われる。同様に、3(最終)頁の頁印
刷終了時には前回空吸引後の予備吐出回数(N)が5であるから空吸引は行われ
ない。 以上のように、この第2制御例は第1制御例と同様の効果の他に、一頁印刷終
了時に行う空吸引の回数を低減することが可能となり、空吸引による印刷時間の 遅延をさらに低減することができるという効果を有する。 なお、上記回数Kを大きく設定すればそれだけ一頁終了時における空吸引回数
は低減されるが、あまり大きく設定すると次頁の印刷中に予備吐出によるインク
吐出量がキヤツプのインク受容能力を越えてインクがキヤツプから漏洩する場合
が生じてしまう。従って、上記回数Kはインク受容能力の最大数の半分以下が望
ましく、1/3程度が好適である。 第17図はプリンタ制御部80の第3制御例を示しており、上述の第2制御例にお
いて最終頁印刷終了時における空吸引の改善を図ったものである。なお、同図に
おいて、第16図と同一部分については説明を省略する。 同図において、ステツプS5で最終頁の印刷が終了したか否かを、制御中コマン
ドが印刷終了コマンドか否かを判断することによって判断する。最終頁でなけれ
ばステツプS6へ行く。最終頁の印刷終了であれば、予備吐出の回数にかからずス
テツプS15で空吸引を行うとともにカウンタを初期化する。そして、ステツプS16
でキヤツプ51をクローズして印刷を終了する。なお、ステツプ6に行き、一頁の
印刷が終了していれば、ステツプS14で用紙がセツトされたことを紙センサ69に
よって検出したとき、ステツプS2に戻って次頁の印刷を開始する。 第3制御例の動作を示す第18図(g)を見ると、3(最終)頁の頁印刷終了時
には前回空吸引後の予備吐出回数(N)が5であり、所定回数(K)7を越えて
いなくても、空吸引を行っている。 従って、この第3制御例によれば、第2制御例に加えて、最終頁印刷終了時に
おいては必ず空吸引が行われるため、予備吐出によって生じるキヤツプ内のイン
クの残留を放置したまま印刷を終了することがなくなり、インクが吸収体内で固
化することに起因したインク吸収能力の劣化や吸引力の低下を防止できるという
効果を有する。 なお、上述の実施例では、制御部10が印字データをプリンタ8のプリンタ制御
部80に転送し、プリンタ制御部80がヘツド9等を制御して印字を行ったが、制御
部10が直接プリンタ8を制御するよう構成してもよい。 また、予備吐出を行うタイミングを、キヤツプオープン時と前回の予備吐出か
らt秒経過時としたが、これに限定されるものではない。 なお、本発明は特にインクジエツト記録装置の中でもバルブジエツト方式の記
録装置において優れた効果をもたらすものである。かかる方式によれば記録の高
密度化、高精細化が達成できるからである。 その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、
同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好まし
い。この方式は所謂オンデマンド型、コンテイニユアス型のいずれにも適用可能
である。特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシ ートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて
核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加するこ
とによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せしめ、記録ヘツドの熱作用面に
膜沸騰を生じさせる。結果的に、この駆動信号に一対一で対応した液体(インク
)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開
口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この
駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特
に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス
形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に
記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関
する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さ
らに優れた記録を行うことができる。 記録ヘツドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、
液路、電気熱変換体の組合わせ構成(直線状液路または直角液流路)の他に熱作
用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細
書、米国特許第4459600号明細書を用いた達成も本発明に含まれるものである。
加えて、複数の電気熱変換体に対して共通するスリツトを電気熱変換体の吐出部
とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や、熱エネルギの圧力液を吸収す
る開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた
記録ヘツド構成としても本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘツドの形
態がどのようなものであっても、記録を確実に効率よく行いうるからである。 さらに、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅に対応した長さを有するフル
ラインタイプの記録ヘツドに対しても、本発明は有効に適用できる。そのような
記録ヘツドとしては、複数記録ヘツドの組合わせによってその長さを満たす構成
や、一体的に形成された1個の記録ヘツドとしての構成のいずれでもよい。加え
て、上記実施例のようなシリアルタイプのものでも、装置本体に装着されること
で、装置本体との電気的な接続や措置本体からのインクの供給が可能になる変換
自在のチツプタイプの記録ヘツド、あるいは記録ヘツド自体に一体的に設けられ
たカートリツジタイプの記録ヘツドを用いた場合にも本発明は有効である。 また、搭載される記録ヘツドの種類ないし個数についても、例えば単色のイン
クに対応して1個のみが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数のイ
ンクに対応して複数個設けられるものであってもよい。 さらに加えて、本発明インクジエツト記録装置の形態としては、コンピユータ
等の情報処理機器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組み合
わせた複写装置、さらには送受信機能を有するフアクシミリ装置の形態を採るも
のであってもよい。 〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明によれば、予備吐出によってキヤツプに受容され
たインクを、一頁記録終了時に予備吐出の回数が前回実行した空吸引後所定回数
を越えていた場合に空吸引を行って吸引しているので、一頁終了時に予備吐出の
回数が前回実行した空吸引後所定回数に達していなければ空吸引を行わないため
、記録中における空吸引の回数のみならず、空吸引の回数自体を低減することが
できる。
【図面の簡単な説明】 第1図(A)および(B)は本発明を文書処理装置に適用した実施例の使用時
および収納時の外観斜視図、 第2図は本発明に適用可能なプリンタの一構成例を示す斜視図、 第3図は第2図に示したヘツドカートリツジの外観斜視図、 第4図(A)および(B)は第3図に示したヘツドカートリツジの分解斜視図
および外観斜視図、 第5図(A)および(B)は上記ヘツドカートリツジを上記キヤリツジに搭載
した状態を示す上面図および側面図、 第6図および第7図は第2図等に示したキヤリツジの他の要素との係合関係を
説明するための側面図および上面図、 第8図は第2図に示した吐出回復機構の分解斜視図、 第9図は上記機構におけるキヤツプ部の側断面図、 第10図は上記機構における一連の回復動作を示すタイミングチヤート、 第11図は上記機構の吐出回復動作における各部の動作を時間を追って示す図、 第12図は第2図等で示した記録装置における制御構成を示すブロック図、 第13図は上記制御構成において用いられるコマンドを示すコマンドテーブル、 第14図は上記制御構成において転送されるデータフオーマツト、 第15図ないし第17図は上記制御構成における制御手順を示すフローチヤート、 第18図は上記構成における動作を示すタイミングチヤートである。 1…キーボード 2…キー群 6…表示器 8…プリンタ部 9…ヘツドカートリツジ 10…制御部 11…キヤリツジ 31…キヤリツジモータ 35…搬送モータ 51…キヤツプ 53…ポンプ 61…回復系モータ 63…カム装置 69…紙センサ 80…プリンタ制御部 501…吸収体 561…吸引口

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)少なくとも一頁の記録媒体に対してインクを吐出する事により記録を行う
    記録ヘツドと、 この記録ヘツドの前記インクを吐出する吐出口を形成した面に対向可能な部位
    に設けられたキヤツプと、 前記記録ヘツドを駆動する事により全吐出口から前記キヤツプに向かってイン
    クを吐出させ、インクの吐出不良要因を除去する予備吐出手段と、 この予備吐出手段によるインク吐出によってキヤツプ内に残留したインクを吸
    引する空吸引手段と、 前記記録ヘツドによる前記記録媒体への記録が一頁終了したときに前記予備吐
    出手段による吐出回数が前記空吸引手段により前回実行された吸引後所定回数を
    越えていた場合、前記空吸引手段を駆動して吸引を実行させる第1の空吸引制御
    手段とを具備したことを特徴とするインクジエツト記録装置。 (2)前記記録ヘツドによる前記記録媒体への最終頁の記録が終了したとき、前
    記空吸引手段を駆動して吸引を実行させる第2の空吸引制御手段をさらに具備し
    たことを特徴とする請求項(1)に記載のインクジエツト記録装置。 (3)前記記録ヘツドは、インクを吐出する複数の吐出口と、対応する吐出口毎
    に設けられ、インクに熱による状態変化を生起させ該状態変化に基づいてインク
    を前記吐出口から吐出させて飛翔的液滴を形成する熱エネルギー発生手段とを具
    備したことを特徴とする請求項(1)または(2)記載のインクジエツト記録装
    置。

Family

ID=

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