JP2674852B2 - レバンの製造方法 - Google Patents

レバンの製造方法

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levan
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supernatant
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一郎 小島
恒夫 斉藤
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日本石油株式会社
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  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、レバン(levan)の製造に関し、とくに、
従来レバンを生産する微生物の存在のまったく知られて
いなかったラセチア属に属するレバン生産菌を培養する
ことを特徴とするレバンの製法に関する。
〔従来の技術〕
レバンは近年、抗腫瘍性、抗アレルギー性、及び細胞
膜透過性促進作用が注目され、その工業生産が期待され
ている。レバンを生産する微生物はこれまでチモモナス
・モビリス(Zymomonas mobilis),アセトバクター・
アセチ(Acetobacter aceti)。アクチノミセス,ビス
コスス(Actinomyces viscosus),アルカリゲネス・ビ
スコレート(Alcaligenes viscolate),バシルス・ズ
ブチリス(Bacillus subtilis),コリネバクテリウム
・レバニホルマンス(Corynebacterium levaniforman
s),エアロバクター・レバニクム(Aerobacter levani
cum),バシルス・レイチエンホルミス(Bacillus leic
henformis)が報告されている〔F.F.Dias and J.V.Bha
t,Antonie van Leeuwenhock 30,176−184(1964);特
開昭49−101593;V.I.Elisashvili,Prikl.Biokhim,Mikro
biolo.,18(2)180−5(1982);浜田信威、高分子加
工、36(2),61(1987);及び M.Reiss und W.Hartmerer,Chem.Mikrobiolo.Technol.Le
bensm.12,1−7(1989)〕。しかしながらこれらはいず
れも生産量が少なかったり、培養日数が多くかかったり
して工業生産化に至っていない現状である。セラチア属
の細菌によるD−グルコース、グルックウロン酸等を含
んだ多糖類の生産は知られているが、セラチア属に属す
る微生物がレバンを生産することは従来全く知られてい
ない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、実用に供し得る優れた生産速度でレ
バンを生産する方法を提供することにある。本発明の他
の目的は、レバン生産能を有するセラチア属に属する微
生物の存在を明らかにし、この技術分野における知見を
一層豊かにするにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは前記目的達成のため鋭意研究した結果、
土壌から分離採取されたセラチア続に属する微生物であ
るレバン生産菌の存在を発見した。さらに、研究の結
果、このセラチア属に属するレバン生産菌は従来公知の
レバン生産菌に比して勝るとも劣らない生産速度と生産
濃度でレバンを生産することを発見した。
従って、本発明は、セラチア属に属するレバン生産菌
を培養し、該培養物からレバンを採取することを特徴と
するレバンの製法に関する。
〔具体的な記載〕
本発明で用いることができる微生物として、本発明者
らが土壌より常法に従って分離採取した微生物は、後に
詳述する菌学的性質を有し、後記するとおり、セラチア
属に属する菌種と同定された。これら菌種の代表株は、
下記寄託番号で工業技術院微生物工業技術研究所に寄託
された。
以下に、上記代表株の菌学的性質を記載する。
セラチア・sp.NOC 1219(Serattia sp.NOC 1219)微
工研菌寄第11171号(FERMP−11171) 1. 形態的性質 形態(寒天培地上);30℃、1日培養するときは、0.6
〜0.8×1.0〜2.0ミクロンの直状桿菌である。液体培地
中でもほぼ同じ形態である。
運動性;+ 鞭毛の着生状態;周毛が観察される。
グラム染色;− 胞子;− 2. 培養的性質 肉汁寒天平板培養;集落は平滑で周縁はなめらか、素子
の産生は認められない。
肉汁寒天斜面培養;菌苔は平滑で周縁はなめらか、水溶
性赤色色素の産生が認められるが菌苔は無色である。
肉汁液体培養;培地全体に生育が認められるが沈殿は認
められない。
生育温度;8〜41℃ 生育pH;4.0〜11.5 酸素要求性;+ 3. 生理的性質 リトマスミルク;凝固を認める。
硫化水素産生;− インドール産生;− メチルレッド;+ V−P;+ 硝酸塩還元;+ オキシダーゼ;− カタラーゼ;+ OF;F グルコースからのガス産生;− 硫化水素産生;− ウレアーゼ;+ フェニルアラニン脱アミノ反応;− リジン脱炭酸;+ アルギニンジヒドロラーゼ;− オルニチン脱炭酸;+ ゼラチン液化;+ ONPG;+ マロン酸塩利用;− くえん酸利用性;+ 酸の産生; アドニトール;+ アラビノース;− イノシトール;+ キシロース;− シュークロース;+ ズルシトール;− ソルビトール;+ マンニトール;+ メリビオース;+ ラクトース;− ラフィノース;− ラムノース;− 以上の菌学的性質を、「バージーズ マニュアル オ
ブ システムマティック バクテリオロジー」(Berge
y's Manual of Determinative Bacteriology)に対比す
ると、セラチア・マルセンスに近似しているが次の点が
異なるので該当する菌種が見当らなかった。
メチルレッド試験が+で硫化水素産生が−であり、メ
リビオースから酸が生産され、そして肉汁寒天傾斜面培
養で水溶性赤色色素が生産される。
その結果、セラチア属に属する新菌種と同定され、セ
ラチア・レバニクム(Serratia levanicum)と命名され
た。
尚、本発明に於いて、レバンの生産量の測定は次のと
おり行なった。培養液を5ml採取し2倍量の水を加えて1
000Gで10分間遠心分離を行ない、上澄みを得た。上澄み
に等量のプロパノールと30%硫酸アンモニウム水溶液1.
5mlを加えて、5000Gで5分間遠心分離を行ない上澄みを
捨てた。次に50%イソプロパノールを10ml加えて沈殿を
よく洗い、5000Gで5分間遠心分離を行ない、上澄みを
捨てた。次に再び50%のイソプロパノールを10ml加えて
沈殿をよく洗い、5000Gで5分間遠心分離を行ない、上
澄みを捨てた。沈殿に100mlの0.25N HClを加えて、90℃
で2時間加熱した後、レバンが分解して生成したフラク
トースの濃度をカルバゾール、システイン−硫酸反応法
で定量した。フラクトースの量をレバンの量とした。
本発明によれば、上述のごときセラチア属に属するレ
バン生産菌を培地に培養し、得られた培養液からレバン
を含有する上澄みを採取できる。
上記培地としては、炭素源、窒素源、無機塩類、消泡
剤などを含有する培地を利用することが出来る。炭素源
の例としては、糖質、有機酸、含水炭素、アルコール
類、炭化水素などを上げることが出来る。また、窒素源
としては、例えば、コーンスチープリカー、酵母エキ
ス、ペプトン、魚粉、アンモニウム塩、硝酸塩、尿素な
どを上げることが出来る。さらに、無機塩類としては、
燐酸塩類、マグネシウム塩類、鉄塩類、亜鉛塩類、コバ
ルト塩類、カルシウム塩類、マンガン塩類、モリブデン
塩類、銅塩類、などをあげることができる。これら無機
塩類の使用量は少量添加するか、添加しなくとも水や他
の成分に含まれている程度の量でもよい。
培地組成は所望により適宜に選択変更でき、また培養
中に適当に追加できる。培養は好気条件下に行なわれ、
例えば、振盪培養、通気撹拌培養などの培養形式が好ま
しく採用される。培養温度は約20〜40℃程度、培養pHは
約3.5〜約9.5、がよい、培養は通常1〜5日程度であ
る。
上述のようにして、セラチア属に属するレバン生産菌
を培養することにより、レバーンを工業的に有利に培養
液に生産することが出来る。培養液は、例えば遠心分離
によって菌体を分離除去し上澄みに含まれるレバンを回
収することが出来る。
培養液からレバンを回収する方法は常法に従い例えば
次のように行なうことが出来る。培養液に2倍量の水を
加えて、10000Gで10分間、遠心分離を行ない菌体を除去
する。上澄みに等量のイソプロパノールと、硫酸アンモ
ニウムを3%となるように加えて沈殿を得る。上澄みを
捨てて、捨てた液体に等しい量の50%のイソプロパノー
ルを加え、沈殿をよく粗い、上澄みを捨てて、さらに捨
てた液体に等しい量の50%のイソプロパノールを加えて
沈殿をよく洗い上澄みを捨てて、一晩透析を行なう。そ
の後、冷凍乾燥を行なう。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明について更に詳しく説明す
る。
実施例1. セラチア・レバニクム微工研菌寄第11171号(FERMP−
11171)を、イオン交換水1あたりシュークロース200
g、グルコース3g、ペプトン8.5g及び酵母エキス8.5gを
含む殺菌した培地50ml、100ml又は200mlを収容する500m
l容三角フラスコに植菌して、30℃て24時間振盪培養し
た。50mlの培養液中に生産されたレバンの濃度は43g/
であった。培地が100mlの場合には培養24時間目のレバ
ンの濃度は31g/であったがさらに24時間培養するとレ
バンの生産濃度は41g/となった。培地が200mlの場合
には培養24時間目のレバンの生産濃度は14g/であっ
た。さらに培養を24時間続けるとレバンの生産濃度は27
g/となり、さらに培養を続けるとレバンの生産濃度は
38g/となった。
実施例2. 実施例1で示した培地100mlを収容した三角フラスコ2
0本にセラチア・レバニクム微工研菌寄第11171(FERMP
−11171)を植菌して、48時間培養した。培養液に生産
されたレバンの濃度は40g/であった。この培養液に4
のイオン交換水を加え、10000Gで10分間遠心分離を行
ない、上澄みを得た。上澄みに等量のイソプロパノール
と30%硫酸アンモニウム水溶液60mlを加えて、50000Gで
5分間遠心分離を行ない上澄みを澄てた。次に50%イソ
プロパノールを4加えて沈殿をよく洗い、5000Gで5
分間遠心分離を行ない、上澄みを捨てた。次に再び50%
イソプロパノールを4加えて沈殿をよく洗い、5000G
で5分間遠心分離を行ない、上澄みを捨てた。
沈殿に1の水を添加してよく溶かし、透析チューブ
に入れて流水で1夜透析を行なった。そのあと凍結乾燥
を行ない固形物の重量を測ったところ73gであった。こ
の固形物の赤外線吸収スペクトルを第1図に、13C−NMR
スペクトルを第2図に、そして1H−NMRスペクトルを第
3図に示した。それぞれの結果は、固形物がレバンであ
ることを証明した。
【図面の簡単な説明】
第1図は精製物レバンの赤外線吸収スペクトルを示す。 第2図は13C−NMRスペクトルを示す。 第3図は1H−NMRスペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:425)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラチア属に属するレバン生産菌を培養
    し、そして培養物からレバンを採取することを特徴とす
    るレバンの製造方法。
  2. 【請求項2】該レバン生産菌がセラチア・レバニクム
    (Serratia levanicum)である請求項1に記載の製法。
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