JP2674435B2 - 金属磁性膜及びその製造方法 - Google Patents

金属磁性膜及びその製造方法

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善男 竹島
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属磁性膜及びその製造
方法に関し、詳しくはタンタル(Ta)、ジルコニウム
(Zr)、ハフニウム(Hf)、チタン(Ti)の中か
ら選択した少なくとも一種類の元素と鉄(Fe)と窒素
(N)とを主成分とする軟磁性材料からなる金属軟磁性
膜(以下、FeMN膜と称す。但し、MはTa、Zr、
Hf、Tiから選択した元素、Nは窒素である。)及び
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気記録の高密度化に伴い、飽和磁束密
度の高い金属軟磁性材料、例えばセンダストやアモルフ
ァスを磁気コアとする磁気ヘッドが実用化されている。
最近では、更に高い飽和磁束密度を有するFeMN膜か
らなる磁性膜を用いた積層型磁気ヘッドやメタルインギ
ャップ(MIG)ヘッドが知られている。
【0003】上記FeMN膜を形成するに際しては、ス
パッタリング等の物理的気相成膜法が用いられ、その一
例としてスパッタ装置を図1を参照して示す。上記スパ
ッタ装置(A)は、真空チャンバ(1)内の下部にFe
M材料からなる平板状ターゲット(2)を収納すると共
に、その上方に対向して基板ホルダ(3)を配設したも
ので、外部の冷却装置(4)から導出した水冷用管路
(5)を基板ホルダ(3)に連続して埋設し、スパッタ
時に発生する基板温度上昇を流水にて冷却している。
【0004】上記構成において、基板ホルダ(3)の下
面に成膜基板(6)を装着すると、一定温度に保持して
アルゴンイオンによりターゲット(2)を叩き、反応性
スパッタリングによって窒素と反応させ、成膜基板
(6)上にスパッタ蒸着してFeMN膜を形成する。
【0005】上記FeMN膜は、成膜後に適度の熱処理
を施すことによって、図2に示すように、Fe原子
(7)…を微小のMN相(8)…で被覆してα−Fe相
構造が無配向の微結晶構造を形成し、良好な軟磁気特性
を示すことが知られている。例えば、Mがタンタルの場
合、8〜13at%(Ta)、10〜15%(N)、残
りが鉄の組成範囲で、飽和磁束密度(4πMs)が14
〜17キロガウス、保磁力(Hc)が0.1エルステッ
ド、磁歪定数(λ)が1×10-6以下である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする課題
は、スパッタ成膜時に基板冷却効率の変動等によって基
板温度が毎回変化し、それによりFeMN膜の膜構造や
軟磁気特性が変化して常に同じ特性の成膜を安定して得
られない点である。即ち、図3〜図6に示す各特性にお
いて、まず図4(a)(b)に示すように、FeMN膜
(3μm膜厚)の内部応力(σ)及び磁歪定数(λ)の
基板温度依存性を示すグラフにおいて、FeMN膜の内
部応力(σ)は、基板温度(Ts)が200°Cを越え
ると、急激に減少すると共に、磁歪定数(λ)は急激に
増加し、それぞれ特性が低下する。又、図5に示すよう
に、X線回折によるFeMN膜の結晶性の基板温度依存
性を示すグラフにおいて、基板温度(Ts)が250°
Cの時、Fe3Nが生成する[回折角度(2θ)が60
°付近]ことが知られ、SEMによる3μm膜厚の膜断
面構造で膜厚方向に延びた柱状構造が現われることを確
認している。一方、基板温度(Ts)が80°C及び1
40°CではFe3Nの生成は見られず、且つ、SEM
による3μm膜厚の膜断面構造で柱状構造は現われな
い。又、図6(a)(b)に示すように、X線回折によ
るFeMN膜の各膜厚における結晶性の基板温度依存性
を示すグラフにおいて、膜厚(δ)が大きくなると、ス
パッタ時間が長くなって基板温度(Ts)が上昇し、2
〜3μm膜厚で同様にFe3Nや Fe4Nが生成し、S
EMによる3μm膜厚の膜断面構造で柱状構造が現われ
る。しかし、1μm膜厚では柱状構造は現われないこと
を確認している。更に、図3(b)に示すように、Fe
MN膜の保磁力の基板温度依存性を示すグラフにおい
て、成膜完了時(図示例では3μm厚に成膜)の基板温
度(Ts)が200°Cを越えた場合、保磁力(Hc)
が大きくなって特性が低下する。
【0007】即ち、基板温度(Ts)が200°Cを越
えると、FeMN膜からなる金属磁性膜中にFeN相が
生成して柱状構造の成長が生じ、図2に示すMN相
(8)…によるFe原子(7)…の被覆を阻止し、α−
Fe相構造の微結晶化を妨げて軟磁気特性や応力が低下
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属磁性膜と
して、タンタル、ジルコニウム、ハフニウム、チタンの
中から選択した少なくとも一種類の元素と鉄と窒素とを
主成分とする軟磁性材料において、窒化鉄相を含まない
ことを特徴とし、又、成膜基板温度を200°C以下に
保持して物理的気相成膜法により上記磁性膜を形成す
る。
【0009】
【作用】上記技術的手段によれば、基板温度を200°
C以下に保持してFeMN膜からなる金属磁性膜を形成
すると、FeN相が生成せず、良好な軟磁気特性を有す
る金属磁性膜が形成される。
【0010】
【実施例】本発明に係る金属磁性膜及びその製造方法を
図1を参照して以下に説明する。本発明の特徴は、Fe
MN膜からなる金属磁性膜において、FeN相を含まな
いようにしたことで、又、その製造方法としては、スパ
ッタ装置(A)等の物理的気相成膜装置を用い、基板温
度(Ts)を200°C以下に保持した状態で上記金属
磁性膜を成膜基板(6)に形成するようにしたことであ
る。それにより、図3(a)に示すように、FeMN膜
からなる金属磁性膜中にFeN相が生成されなくなる
と、例えば3μm膜厚までスパッタ成膜しても、保磁力
(Hc)が低い良好な軟磁気特性を有する金属磁性膜が
形成される。
【0011】この時、成膜時に基板温度(Ts)を20
0°C以下に保持する手段として、冷却装置(4)から
水だけでなく、0°C以下で凝固点が低い冷媒、例えば
冷却アルコールや液体窒素を供給して局所的に冷却して
冷却効果を高める。又、基板ホルダ(3)として熱伝導
性の良い材質のもの、例えば銅や銀を用いて基板(6)
を直接、取り付けると、更に、冷却効果が促進される。
或いは、両手段を適宜、組み合わせても良い。
【0012】
【発明の効果】本発明によれば、物理的気相成膜法によ
りFeMN膜からなる金属磁性膜を成膜するに際し、基
板温度を200°C以下にしたから、FeMN膜中にF
eN相が生成されず、良好な軟磁気特性を有する金属磁
性膜が形成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】スパッタ装置の一例を示す概略側面図である。
【図2】鉄の微結晶構造を示す概略図である。
【図3】(a)はFeMN膜においてFeN相を含む場
合と含まない場合の保磁力の膜厚依存性を示すグラフで
ある。(b)は3μm膜厚のFeMN膜において保磁力
の基板温度依存性を示すグラフである。
【図4】(a)は3μm膜厚のFeMN膜において内部
応力の基板温度依存性を示すグラフである。(b)は3
μm膜厚のFeMN膜において磁歪定数の基板温度依存
性を示すグラフである。
【図5】X線回折によるFeMN膜の結晶性の基板温度
依存性を示すグラフである。
【図6】(a)(b)はX線回折によるFeMN膜の各
膜厚における結晶性の基板温度依存性を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
A スパッタ装置 2 ターゲット 3 基板ホルダ 4 冷却装置
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 41/18 H01F 41/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タンタル、ジルコニウム、ハフニウム、チ
    タンの中から選択した少なくとも一種類の元素と鉄と窒
    素とを主成分とする軟磁性材料において、 窒化鉄相を含まず、 窒素の含有量が原子%で10〜15%であり成膜基板温
    度を200℃以下に保持して物理的気相成膜法により形
    成されたことを特徴とする金属磁性膜。
  2. 【請求項2】成膜基板温度を200℃以下に保持して物
    理的気相成膜法によりタンタル、ジルコニウム、ハフニ
    ウム、チタンの中から選択した少なくとも一種類の元素
    と鉄と窒素とを主成分とする軟磁性材料であって、 窒化鉄相を含まず、 窒素の含有量が原子%で10〜15%である 磁性膜を形
    成することを特徴とする金属磁性膜の製造方法。
  3. 【請求項3】選択した元素がタンタルである請求項2記
    載の金属磁性膜の製造方法。
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JPH0423413A (ja) * 1990-05-18 1992-01-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd 軟磁性薄膜とその製造方法並びに磁気ヘッド

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