JP2674007B2 - 電解コンデンサ - Google Patents

電解コンデンサ

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JP2674007B2
JP2674007B2 JP61043430A JP4343086A JP2674007B2 JP 2674007 B2 JP2674007 B2 JP 2674007B2 JP 61043430 A JP61043430 A JP 61043430A JP 4343086 A JP4343086 A JP 4343086A JP 2674007 B2 JP2674007 B2 JP 2674007B2
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electrolytic capacitor
porous
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separator
holes
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豊 横山
進 安藤
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日本ケミコン 株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、多孔性セパレータを用いた電解コンデン
サに係り、特に、多孔性セパレータの引張り強度の向上
などに関する。 〔従来の技術〕 一般に、電解コンデンサは、セパレータを介在させて
陽極側および陰極側の電極箔を重ね合わせて巻回すこと
により電解コンデンサ素子を形成しており、電極箔間に
介在させるセパレータにポリエチレンなどからなる合成
樹脂フィルムを用いる場合、電解液を浸透させるなどの
ため、合成樹脂フィルムには無数の孔を形成することが
行われている。 従来、この種の多孔性セパレータに関する提案として
は、特公昭50−28636号「電解コンデンサの製法」、特
開昭56−19617号「電解コンデンサ用新規複合隔離体お
よび該隔離体よりなる電解コンデンサ」、特開昭57−18
1112号「コンデンサ用絶縁材」、特開昭51−18851号
「電解コンデンサ」、USP.3,908,157号「ELECTROLYTIC
CAPACITOR CONSTRUCTION AND SYSTEM」などがある。 通常、電解コンデンサの生産においては、巻回機によ
って電極箔およびセパレータに一定の張力を加えながら
巻回して電解コンデンサ素子を形成しており、素子の小
型化を図り、素子の巻回密度、電極箔間の密着度などを
高めるため、巻回時、電極箔およびセパレータに加える
張力は相当大きく設定するので、引張り強度の高いセパ
レータが必要であり、これは多孔性セパレータについて
も例外ではない。 実験によれば、合成樹脂フィルムからなる多孔性セパ
レータでは、その空孔率が高くなると引張り強度が低下
し、空孔率と引張り強度との間には逆比例の関係が存在
する。また、当然のことながら、多孔性セパレータの引
張り強度は、その幅を一定にした場合、その膜厚が薄く
なるに従って低下するものである。 このため、多孔性セパレータでは、実用上、空孔率を
50%以下、膜厚を50μm以上に設定して引張り強度の低
下を抑えて来た。 〔発明が解決しようとする問題点〕 ところで、多孔性セパレータの場合、膜厚および空孔
率を一定にした場合、無数の孔の形状を変化させて引張
り強度を見ると、その孔の形状が引張り強度に影響して
いることが実験により確認された。 そこで、この発明は、このような知見に基づいて、多
孔性セパレータの引張り強度の低下を防止した電解コン
デンサの提供を目的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 この発明の電解コンデンサは、第1図に例示するよう
に、電極箔2、4の間に多孔性セパレータ6、8を介在
させて巻回するとともに、電解液を含浸させてなるコン
デンサ素子(電解コンデンサ素子12)を用いた電解コン
デンサであって、多孔性セパレータ6、8は、無数の長
円状孔10を形成して多孔性とし、各長円状孔10の短径10
aと長径10bの比率Lb/Laが1.5以上10以下に設定し、その
長径方向をコンデンサ素子(電解コンデンサ素子12)の
巻回方向に設定してなることを特徴とする。 〔作用〕 多孔性セパレータ6、8に形成される単位孔の形状を
長円状孔10に設定し、その短径10aに対する長径10bの比
率Lb/Laを1.5以上10以下に設定した場合、隣接する長円
状孔10の縁部が繊維状をなすので、孔を形成したことに
よる素材の引張り強度が損なわれず、素材自体が持つ引
張り強度を繊維できる。 ここで、長円状孔10とは、短径10aと長径10bとからな
る長円、長径部に鋭角状の角が形成されるような梭形
(船形)などの短径部と長径部とを持つ形態のものであ
る。 そして、この多孔性セパレータ6、8に形成された長
円状孔10の長径方向を多孔性セパレータ6、8の張力方
向、即ち、コンデンサ素子の巻回方向に設定することに
よって、多孔性セパレータ6、8の素材の引張り強度を
維持し、巻込み時の破損や伸びなどを抑えることができ
る。 〔実 施 例〕 以下、この発明の実施例を図面を参照して説明する。 第1図は、この発明の電解コンデンサの実施例を示
す。 この電解コンデンサは、陽極側および陰極側の電極箔
2、4の表裏面側に個別に多孔性セパレータ6、8を設
置することにより巻回して円筒形に形成された電解コン
デンサ素子12を用いる。各電極箔2、4には、外部端子
と接続を図るための電極タブ14、16が超音波溶接などの
固着手段によって取り付けられている。 そして、各電極箔2、4の間に介在させる多孔性セパ
レータ6、8は、たとえば、ポリエチレンフィルムに形
成する無数の孔の中の平均的かつ理想的な孔の1つ、す
なわち、単位孔を長円状孔10に設定した多孔性フィルム
を用いる。この場合、多孔性セパレータ6、8に形成さ
れる長円状孔10は、たとえば、第2図の(A)に示すよ
うに、長円孔、または、第2図の(B)に示すように、
梭形(船形)孔に設定するとともに、多孔性セパレータ
6、8に対する各長円状孔10の配列形態は、長径部を電
解コンデンサ素子12の巻き込み方向、すなわち、張力の
作用方向に設定するものとする。 また、各長円状孔10は、第3図に示すように、短径10
aと長径10bとからなる形態ものであり、短径長Laに対す
る長径長Lbの比率を1.5以上ないし10以下に設定し、各
短径長Laおよび長径長Lbの絶対長は、たとえば、短径10
aを0.05〜2μm、長径10bを0.08〜20μm程度の大きさ
に設定する。 したがって、このような短径10aに対する長径10bの比
率Lb/Laを持つ長円状孔10を、その長径方向を張力方向
にして無数に形成した多孔性セパレータ6、8を用いて
電解コンデンサ素子12を形成した場合には、長円状孔10
の配列形態によって各長円状孔10の縁部分が繊維状をな
すので、セパレータ素材の引張り強度が損なわれず、素
材自体の引張り強度を十分に維持しつつ、セパレータと
しての機能を持たせることができる。 〔実 験 例〕 また、第4図は、ポリエチレンシートに長円状孔10を
形成した多孔性セパレータ6、8を用いて定格電圧16
V、静電容量1000μFの電解コンデンサを構成した場合
において、多孔性セパレータ6、8に形成された長円状
孔10の空孔率を50〜90%に変化させた場合のESR(等価
直列抵抗)の変化を表わす。この場合、長円状孔10にお
ける短径長Laに対する長径長Lbの比率Lb/Laの設定につ
いて、AはLb/Laを1.5以下、BはLb/Laを1.5〜5、Cは
Lb/Laを5〜10に設定した場合を示し、比率Lb/Laの大き
さに無関係に、空孔率が高くなるに従って、ESRが低下
しており、実用上、陽極側および陰極側の電極箔2、4
間の短絡を生じない範囲で、空孔率を上げることが良好
な電解コンデンサを得る上で必要であることが判る。 第5図は、ポリエチレンシートに長円状孔10を形成し
てなる多孔性セパレータ6、8を用いて定格電圧16V、
静電容量1000μFの電解コンデンサを構成した場合にお
いて、多孔性セパレータ6、8に形成された長円状孔10
の空孔率を50〜90%に変化させた場合の引張り強度の変
化を示す。この場合、第4図に示した場合と同様に、長
円状孔10における短径長Laに対する長径長Lbの比率Lb/L
aの設定について、AはLb/Laを1.5以下、BはLb/Laを1.
5〜5、CはLb/Laを5〜10に設定した場合を示し、比率
Lb/Laが高まるに従って、引張り強度が高くなることを
示している。 以上の各結果から明らかなように、空孔率が同一の場
合、引張り強度は、円形状の孔を形成したものに比較し
て、1.8〜2倍程度に増大させることができ、また、引
張り強度を同一にした場合、実用上、空孔率は、50%か
ら80%まで引き上げることができる。そして、高周波で
のESRを40%程度低下させることができるとともに、多
孔性セパレータ6、8の膜厚を30μm程度まで薄くして
も、十分な引張り強度が得られ、膜厚の低下によって、
電解コンデンサ素子12における多孔性セパレータ6、8
の占める割合を低減できる。 また、第6図および第7図は、ポリエチレンシートか
らなる多孔性セパレータ6、8の電子顕微鏡によって拡
大(加速電圧:10kV、拡大倍率:10000倍)した長円状孔1
0の形成状態を表しており、第6図の表面状態は短径長L
aに対する長径長Lbの比率Lb/Laを1.5〜10に設定した場
合、第7図はその比率Lb/Laを1.5以下に設定した場合を
表す。両者の比較から明らかなように、比率Lb/Laが高
くなると、長円状孔10の形成によるセパレータ素材の繊
維化の進むことが判る。 〔発明の効果〕 以上説明したように、この発明によれば、次のような
効果が得られる。 (a) 多孔性セパレータに形成される単位孔の形状を
長円状孔に設定し、その短径に対する長径の比率を1.5
以上10以下に設定したので、隣接する長円状孔の縁部が
繊維をなし、孔を形成したことによる素材の引張り強度
が損なわれず、素材自体の引張り強度を繊維することが
できる。 (b) 長円状孔の形成によって多孔性セパレータの引
張り強度の低下を防止できるので、空孔率を向上させる
ことができ、高周波でのESRの低下を図ることができ
る。 (c) 長円状孔の形成によって多孔性セパレータの引
張り強度の低下を防止できるので、その膜厚を薄くで
き、電解コンデンサに対するセパレータの占める割合を
低減でき、製品の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】 第1図はこの発明の電解コンデンサにおける電解コンデ
ンサ素子の分解斜視図、第2図は第1図に示した電解コ
ンデンサ素子の多孔性セパレータに形成した長円状孔を
示す図、第3図は第1図に示した電解コンデンサ素子の
多孔性セパレータに形成した長円状孔の短径および長径
を示す図、第4図は多孔性セパレータを用いた電解コン
デンサの多孔性セパレータの空孔率に対するESRを示す
特性図、第5図は多孔性セパレータの空孔率に対する引
張り強度を示す特性図、第6図および第7図は多孔性セ
パレータの拡大を示す電子顕微鏡写真である。 2……陽極側の電極箔、4……陰極側の電極箔、6、8
……多孔性セパレータ、10……長円状孔、12……電解コ
ンデンサ素子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−13614(JP,A) 特開 昭51−18851(JP,A) 実開 昭59−140429(JP,U) 特公 昭50−28636(JP,B2)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.電極箔の間に多孔性セパレータを介在させて巻回す
    るとともに、電解液を含浸させてなるコンデンサ素子を
    用いた電解コンデンサであって、 多孔性セパレータは、無数の長円状孔を形成して多孔性
    とし、各長円状孔の短径と長径の比率が1.5以上10以下
    に設定し、その長径方向を前記コンデンサ素子の巻回方
    向に設定してなることを特徴とする電解コンデンサ。
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JP2623331B2 (ja) * 1989-01-06 1997-06-25 日本ケミコン 株式会社 電解コンデンサ

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