JP2674001B2 - オートプレーヤ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、横移動可能な一つの録
再部によってディスク等の記録媒体の自動録再を行うオ
ートプレーヤに関し、特に、簡易な構成で録再部の位置
決め精度を確保することができるオートプレーヤに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】ディスク等の記録媒体を多段式に収容す
るストッカと、このストッカ中のディスクを選択的に取
出す昇降自在なディスクチェンジャと、そのディスクを
録再処理する録再部とを備えたコンパクトディスク等の
オートプレーヤが知られている。

【０００３】このオートプレーヤは、指令によってディ
スクチェンジャがストッカ中の所定の位置からディスク
を引出し、このディスクを保持したまま下降してその下
方に備えられた録再部にディスクをセットし、録再処理
終了時は逆に所定の位置まで上昇してストッカ中にディ
スクを戻す。

【０００４】多数のディスクの取扱いを可能とするよう
にした場合には、ストッカの収容段数を増加するととも
に複数のストッカを並べてコンパクトに構成する必要が
ある。このオートプレーヤの録再部は、ストッカから引
出されたディスクに対応して横移動するようにして一つ
の録再部を各ストッカについて共用し、製造コストの増
加を最小限に抑える必要がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ストッ
カから引出したディスクについてその下方で待機する録
再部との間で受け渡しを行うために、録再部は所定の位
置に正確に移動する必要があり、その停止精度を確保す
るために専用駆動部を設けた場合には製造コストの増大
が避けられない。

【０００６】本発明の目的は、簡易な構成によって所定
の停止精度を確保することが可能な録再部の横移動機構
を得ることにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、ディスク等の記録媒体を多段式に収容するストッカ
を並列配置し、このストッカ中のディスクを選択的に取
出す昇降自在なディスクチェンジャをなす昇降部と、こ
の昇降部が引出したディスクを受け渡しする位置に移動
して録再処理する録再部とを備えたコンパクトディスク
等のオートプレーヤにおいて、オートプレーヤの録再部
に送り駆動用のラックを形成し、このラックに噛合する
歯を一部に形成して送り作用とその送り限度位置におけ
る停留作用とを有する欠歯ピニオンと、この欠歯ピニオ
ンと連動して進退するロックレバーとを備え、このロッ
クレバーはその進退動作により上記送り限度位置にある
録再部に係合するようにした。

【０００８】

【作用】オートプレーヤの録再部は、欠歯ピニオンによ
って送り限界位置まで送られ、更に、欠歯ピニオンとロ
ックレバーとを共通の駆動源によって駆動することによ
り入力が継続されても録再部は同位置に停留し、進退自
在なロックレバーが同送り限界位置において同録再部に
対して係合することによってこの録再部が固定され、こ
の状態で昇降部との間でディスクが受け渡しされる。

【０００９】

【実施例】本発明の実施例を添付図面に基づいて以下に
説明する。

【００１０】図１は本発明に係るオートプレーヤを含む
システム構成例を示す斜視図である。

【００１１】オートプレーヤ１は、操作指令と記録再生
情報の処理とを行う制御ユニット２に接続し、この制御
ユニット２からの指令に基づいて、収容されている多数
のディスクの中からディスクの選択と選択されたディス
クについての記録再生を行う。この制御ユニット２はリ
モコン操作部３、図示せぬ音声映像入出力機器その他を
備える。

【００１２】図２は本発明の実施例に係るオートプレー
ヤの内部構成を示す後面側斜視図である。

【００１３】オートプレーヤ１は、記録媒体としての複
数のディスクを出し入れ自在に収容することが可能な多
段式のストッカ部４をその前面側に、また、ストッカ部
４のディスクを選択的に取出して昇降を行う昇降部５お
よび、この昇降部５によって受け渡されたディスクにつ
いて情報を記録再生する録再部６等をその後面側に備え
るとともに、オートプレーヤの作動を統括するための図
示せぬプレーヤ制御部７を備える。

【００１４】ストッカ部４は、多数のディスクの収容と
機器外形のコンパクト化のために、1つのストッカに多
段の収容溝部（本実施例においては５０段）を形成する
とともに、横並びに並列配置する。ストッカ部４の前面
側は、ハンドリング用トレイにセットした状態のディス
クを出し入れ操作するための操作口８をなす。

【００１５】昇降部５は、並置された各ストッカ４に対
応してその両ディスクを共に出し入れするためのトレイ
進退機構９を備えたホルダベース１０と、このホルダベ
ース１０を上下方向に案内するガイド機構１１およびベ
ルトによる昇降駆動機構１２とからなる。また、ホルダ
ベース１０には各ディスクを録再部６に固定するための
クランプ１３を備える。

【００１６】録再部６は、所定の位置の間を横移動が可
能なスライドベース１４、その上に設けられたターンテ
ーブル１５、レーザピックアップ１６等からなり、上記
昇降部５の下方に配設される。スライドベース１４は、
案内用のガイドレール１７と車輪１８とを備え、上記昇
降部５のホルダベース１０に保持されたディスクの位置
に対応する位置の間を移動範囲とする。

【００１７】録再部６のスライドベース１４は、このス
ライドベース１４を横移動させる送り手段としての欠歯
ピニオン１９と、スライドベース１４が上記所定の位置
に有る時に係合してスライドベース１４を固定する位置
決め手段としてのロックレバー２０とを備える。

【００１８】図３は発明に係る録再部の駆動部を示す透
視平面図、図４は同駆動部の要部平面図、図５（Ａ）は
同駆動部の要部を示す斜視図、（Ｂ）は同要部の断面図
である。

【００１９】図３において、欠歯ピニオン１９は、正逆
自在な減速駆動源２１を備えるとともに、カム作動によ
ってドア４１のロック機構４２を係合解離するドア制御
機構４２ｂ、角度検出機構２２，２３を備える。

【００２０】録再部６のスライドベース１４には送り駆
動用のラック１９ａを形成し、このラック１９ａに噛合
する歯を一部に形成した欠歯ピニオン１９を回動自在に
備える。

【００２１】図４において、欠歯ピニオン１９の歯数は
スライドベース１４のラック１９ａの谷数に等しく、移
動すべき送り範囲についてラック１９ａと噛合するとと
もにその噛合範囲を超える入力に対してスライドベース
１４を噛合限度位置に停留させる。また、ラック１９ａ
の両端部の歯先を高く形成して欠歯ピニオン１９の噛合
を確保する。

【００２２】欠歯ピニオン１９にはカム溝２０ｂ,４２
ａを形成し、また、ロックレバー２０の長穴部を支持ピ
ン１ｃ，１ｃによって進退自在に支持し、同ロックレバ
ー２０から起立して設けたピン２０ａを一方のカム溝２
０ｂに係合する。

【００２３】このカム溝２０ｂは、欠歯ピニオン１９の
回動により、録再部６がラック１９ａの噛合限度をなす
送り限界位置にある時に、録再部６に対して係合解離す
るようにロックレバー２０を進退させる。

【００２４】また、他のカム溝４２ａには図３のドア制
御機構４２ｂが係合され、ロックレバー２０の進退動作
から更に欠歯ピニオン１９が回動した位置においてドア
制御機構４２ｂのロックを係合解離させる。

【００２５】図５（Ａ）において、欠歯ピニオン１９
は、基板１ａに設けた固定軸１ｂによって回動自在に支
えられる。欠歯ピニオン１９にはその歯に並んで図４の
減速駆動源２１に噛合するギヤ２１ａを備える。

【００２６】欠歯ピニオン１９の下面側には同図（Ｂ）
に示すカム溝２２ａ，２３ａを形成する。このカム溝２
２ａ，２３ａは図３の角度検出機構２２，２３が係合
し、この角度検出機構２２，２３は、リミットスイッチ
等の精度を要しない検出部を備え、ロックレバー２０ま
たはドア制御機構４２ｂに対応して動作する。

【００２７】上記構成からなるオートプレーヤの作用に
ついて説明する。

【００２８】オートプレーヤ１に接続する図１の制御ユ
ニット２は、リモコン操作部３から受けた操作指令につ
いて処理を行い、オートプレーヤ１に演奏指令が送られ
ると、オートプレーヤ１は、図示せぬプレーヤ制御部の
統括により、収容されている多数のディスクの中から指
令に基づいてディスクの選択と選択されたディスクにつ
いての記録再生を行う。

【００２９】図２の昇降部５は、昇降駆動機構１２によ
って多段式のストッカ部４の指令に係る位置まで昇降さ
れ、トレイ進退機構９が横並びに並列配置されたストッ
カ部４から左右のトレイをまとめて引出しを行い、下降
して録再部６との間でディスクの受け渡しを行う。

【００３０】上記昇降部５のトレイ選択動作が終わるま
でに、録再部６のスライドベース１４はガイドレール１
７と車輪１８とにより案内支持されつつ欠歯ピニオン１
９によって横移動され、さらに回動する欠歯ピニオン１
９のカム作用によりロックレバー２０が進出してスライ
ドベース１４は所定位置に固定される。

【００３１】図３の欠歯ピニオン１９が正逆自在な減速
駆動源２１によって回動され、スライドベース１４のラ
ック１９ａに噛合するとスライドベース１４がガイドレ
ール１７に沿って移動され、欠歯ピニオン１９によって
送り限界位置まで送られる。

【００３２】更に駆動源２１によって入力が継続されて
も欠歯ピニオン１９はラック１９ａとの噛合が外れて録
再部６は同位置に停留する一方、欠歯ピニオン１９上の
カム溝２０ａによってロックレバー２０が進退される。

【００３３】ロックレバー２０は同送り限界位置におい
て録再部６に対して係合することによってこの録再部６
が所定位置に固定される。この時、角度検出機構２２が
欠歯ピニオン１９下面側の図５（Ｂ）のカム溝２２ａに
よって作動し、駆動源２１が停止され、この状態で昇降
部５との間でディスクが受け渡しと録再処理が行われ
る。

【００３４】オートプレーヤ１にドアロック解除指令が
送られた場合には、オートプレーヤ１は、図示せぬプレ
ーヤ制御部の統括により、録再部６の録再処理の終了と
ディスクの返却収容等を条件に、欠歯ピニオン１９が駆
動源２１により右回転される。

【００３５】ロックレバー２０の係合位置から更に欠歯
ピニオン１９が回動された位置で、欠歯ピニオン１９の
カム溝４２ａのカム作動によってドア制御機構４２ｂが
ドア４１のロック機構４２の係合を解除する。

【００３６】この時、角度検出機構２３が作動して駆動
源２１が停止され、その後、ドア４１が開かれると直ち
に反転してロック機構４２がロック位置を採ると角度検
出機構２２の動作に対応して駆動源２１が停止される。

【００３７】以上の構成でなるオートプレーヤの録再部
の横移動機構は、カム溝を形成した欠歯ピニオンによっ
て録再部の送り機能および固定機能の外にドアロック機
能等を含めた多機能動作を行うことができ、また、単一
の駆動部と精度を要しない角度検出機構とによって所定
の精度を確保しつつ簡易に構成することができる。

【００３８】

【発明の効果】このように、録再部のラックに噛合する
歯を一部に形成した欠歯ピニオンとこれに連動するロッ
クレバーとを備えたことにより、欠歯ピニオンが回動さ
れて録再部が送り限界位置まで送られると録再部は同限
界位置に停留しつつロックレバーが録再部に対して係合
し、録再部は所定位置に固定される。

【００３９】したがって、本発明に係るオートプレーヤ
の録再部は、共通の駆動源による簡易な構成によって録
再部の送り動作と位置決めとを行うことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るオートプレーヤを含むシステム構
成例を示す斜視図

【図２】本発明の実施例に係るオートプレーヤの内部構
成を示す後面側斜視図

【図３】本発明に係る録再部の駆動部を示す透視平面図

【図４】同駆動部の要部平面図

【図５】同駆動部の要部を示す斜視図（Ａ）、同要部の
断面図（Ｂ）

【符号の説明】

１…オートプレーヤ、２…制御ユニット、３…リモコン
操作部、４…ストッカ部、５…昇降部、６…録再部、７
…プレーヤ制御部、８…操作口、１４…スライドベー
ス、１９…欠歯ピニオン、１９ａ…ラック、２０…ロッ
クレバー、２０ａ…ピン、２０ｂ…カム溝、２１…減速
駆動源、２２…角度検出機構、２３…角度検出機構、４
１…ドア、４２…ロック機構、４２ａ…カム溝、４２ｂ
…ドア制御機構。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田口 学 神奈川県横浜市神奈川区守屋町３丁目12 番地 日本ビクター株式会社内 (56)参考文献 特開 平４−87063（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ディスク等の記録媒体を多段式に収容す
   るストッカを並列配置し、このストッカ中のディスクを
   選択的に取出す昇降自在なディスクチェンジャをなす昇
   降部と、この昇降部が引出したディスクを受け渡しする
   位置に移動して録再処理する録再部とを備えたコンパク
   トディスク等のオートプレーヤにおいて、オートプレー
   ヤの録再部に送り駆動用のラックを形成し、このラック
   に噛合する歯を一部に形成して送り作用とその送り限度
   位置における停留作用とを有する欠歯ピニオンと、この
   欠歯ピニオンと連動して進退するロックレバーとを備
   え、このロックレバーはその進退動作により上記送り限
   度位置にある録再部に係合することを特徴とするオート
   プレーヤ。