JP2673870B2 - 電気回路測定装置 - Google Patents

電気回路測定装置

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JP2673870B2
JP2673870B2 JP5177572A JP17757293A JP2673870B2 JP 2673870 B2 JP2673870 B2 JP 2673870B2 JP 5177572 A JP5177572 A JP 5177572A JP 17757293 A JP17757293 A JP 17757293A JP 2673870 B2 JP2673870 B2 JP 2673870B2
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憲栄 山口
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ウエハー等の基板上
の電気回路にプローブ針を接触させて電気回路を測定す
る電気回路測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図5はウエハー上の電気回路にプローブ
針を接触させる形式の従来の電気回路測定装置の正面断
面図である。この測定装置は、特開平2−220453
号公報の第4図に示されているものである。図5の装置
において、ウエハー10はウエハー支持台12に支持さ
れ、ウエハー支持台12とベース台14の間には、絶縁
部材16を介して第1のガード板18が配置されてい
る。ベース台14の外周部には第2のガード板20がネ
ジ結合されている。プローブ針22はプローブ針支持台
24で支持されている。第2のガード板20の上端はプ
ローブ針支持台24に接触している。ベース台14と第
2のガード板20とプローブ針支持台24はすべてアー
ス電位にされている。一方、第1のガード板18はウエ
ハー支持台12と同じ電位にされている。この測定装置
によれば、ウエハー支持台12は、第1のガード板18
や第2のガード板20によって電磁遮蔽されているの
で、電流測定の際に外部からのノイズの影響を受けにく
くなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ウエハー10上の電気
回路にプローブ針22を接触させて微小電流を検出する
場合、理想的には、ウエハー支持台12の周囲を被測定
回路と仮想的に同じ電位にすることが望ましく、これに
よって、測定の際の漏れ電流を防いだり、ノイズの影響
をほとんどなくしたりすることができる。上述の図5に
示す従来装置では、ウエハー支持台12の下面と側面
は、絶縁部材16を介して第1のガード板18で覆わ
れ、しかも、この第1のガード板18はウエハー支持台
12と仮想的に同じ電位にされている。しかしながら、
ウエハー10の上方空間は、アース電位のプローブ針支
持台24で覆われているだけである。一般に、被測定回
路とアース電位との間には電位差が存在し、また、この
電位差も変動するので、微小電流測定時に、アース電位
部分からの影響を受けて、漏れ電流が生じたり、ノイズ
が入ったりする恐れがある。
【0004】図5の第1のガード板18は、その上端が
内側に折り曲げられているので、この折り曲げ部をウエ
ハー10の中央付近まで延長すれば、電磁遮蔽としては
理想的なものになる。しかし、このように延長すること
は不可能である。なぜならば、ベース台14はプローブ
針支持台24に対して前後左右に移動可能であり、この
移動によって、ウエハー10上の電気回路の所望の位置
にプローブ針22を接触させるようにしているからであ
る。もし、第1のガード板18の上端折り曲げ部がウエ
ハー10の中央付近まで延長されていると仮定すると、
ベース台14を移動させたときにプローブ針22が第1
のガード板18に衝突することになってしまい、ウエハ
ー10上の広い領域を測定することが不可能となる。
【0005】この発明の目的は、被検体の上方空間につ
いても理想的な電磁遮蔽状態にすることのできる電気回
路測定装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、被測定回路
を備えた被検体を支持する被検体支持台と、プローブ針
を支持するプローブ針支持台と、被検体支持台をプロー
ブ針支持台に対して相対的に移動可能にする移動機構と
を備える電気回路測定装置において、前記被検体支持台
に、被検体を直接支持する導電性の支持板と、導電性の
第1のガード板と、導電性のベース台と、支持板と第1
のガード板の間に配置された第1の絶縁部材と、第1の
ガード板とベース台の間に配置された第2の絶縁部材と
を設け、前記プローブ針支持台には導電性の第2のガー
ド板を絶縁材を介して取り付けて、この第2のガード板
前記被検体支持台の上方をすべて覆うようにするとと
もに、第2のガード板にプローブ針を挿入するための貫
通孔を形成して被検体にプローブ針で電気的接続ができ
るようにし、前記第1のガード板と前記第2のガード板
の電位を被測定回路の電位に仮想的に等しくできるよう
にしたものである。この発明は電気回路測定装置に関す
るものであるが、この明細書における電気回路とは、能
動素子を含まない電気回路はもちろんのこと、トランジ
スタなどの能動素子を備えるいわゆる電子回路も含む。
【0007】
【作用】被検体の下方は第1の絶縁部材を介して第1の
ガード板で覆われ、被検体の上方は第2のガード板で覆
われている。そして、測定中は、第1のガード板と第2
のガード板が被測定回路と仮想的に同じ電位に制御され
る。したがって、被検体の周囲の電磁遮蔽は理想的にな
り、微小電流測定時に、漏れ電流がなくなり、また、外
部からのノイズの影響も受けにくくなる。しかも、被検
体の上方の第2のガード板はプローブ針支持台に取り付
けられているので、被検体支持台がプローブ針支持台に
対して移動した場合でも、プローブ針と第2のガード板
との相対位置関係が変化することがない。したがって、
プローブ針挿入用の貫通孔を第2のガード板に形成する
場合に、この貫通孔の寸法を、測定に支障がない程度の
最小寸法にすることができる。
【0008】
【実施例】図1はこの発明の一実施例の一部を断面にし
た正面図である。ベース定盤26には移動機構27が搭
載され、この移動機構27の上に円形のウエハーチャッ
ク28が載っている。ウエハーチャック28は、移動機
構27によって上下、前後、左右に移動できる。プロー
ブ針支持台30はベースプレート32とリングプレート
34とを備え、リングプレート34にはマニピュレータ
36が固定されている。このマニピュレータ36にプロ
ーブ針38が1本または必要に応じて数本取り付けられ
ていて、三つのつまみ40、42、44を回すことによ
ってプローブ針38を任意の位置に移動させることがで
きる。マニピュレータ36とプローブ針38は取付部分
で絶縁されている。ベースプレート32の下側には絶縁
部材48を介して円形の第2のガード板46が固定され
ている。測定の際の第2のガード板46とウエハーチャ
ック28との間隔は1mm程度である。この測定装置全
体は、アース電位のシールドケース50の内部に収納可
能である。
【0009】図2はウエハーチャック28の拡大正面断
面図である。このウエハーチャック28は、上から、導
電性のチャックトップ52と、第1の絶縁部材54と、
導電性の第1のガード板56と、第2の絶縁部材58
と、導電性のチャックベース60とからなる。チャック
トップ52の上にウエハー62を支持できる。第1のガ
ード板56の内部には通路64が形成され、この通路6
4は、第1の絶縁部材54及びチャックトップ52の内
部の通路と連通して、ウエハー62の背面に通じてい
る。通路64を負圧源に接続することによりウエハー6
2をチャックトップ52上に固定することができる。す
なわち真空チャック方式でウエハー62を固定してい
る。チャックトップ52の上方は第2のガード板46で
覆われており、この第2のガード板46の中央に貫通孔
66が形成されている。この貫通孔66を通してプロー
ブ針38がウエハー62上の電気回路に接触できる。プ
ローブ針38は同軸ケーブルでできており、外周部はガ
ードであり、中央部が信号線となっている。このプロー
ブ針の他端は測定ケーブル(図示せず)により測定器に
接続されており、この測定器の働きにより、プローブ針
38の外周部のガードは中央部の信号線と同電位にコン
トロールされる。
【0010】図3はウエハーチャック28の一部をさら
に拡大した正面断面図である。チャックトップ52と第
1のガード板56はネジ68で固定され、ネジ68と第
1のガード板56の間には絶縁リング70が挿入されて
いる。第1のガード板56とチャックベース60はネジ
72で固定され、ネジ72とチャックベース60の間に
は絶縁リング74が挿入されている。端子76は、測定
ケーブル(図示せず)により測定器に接続されている。
この測定器の働きにより、第1のガード板56はチャッ
クトップ52とほぼ同電位にコントロールされる。同様
に、チャックトップ52は、機械的に可動のケーブルに
より、前記第2のガード板46(図2参照)に電気的に
接続されている。
【0011】なお、この実施例の測定装置におけるウエ
ハー62、ウエハーチャック28、チャックトップ5
2、チャックベース60は、それぞれ、この発明におけ
る被検体、被検体支持台、支持板、ベース台に相当す
る。
【0012】次に、この測定装置の動作を説明する。図
1において、移動機構27を用いてウエハーチャック2
8を上下、前後、左右に動かし、ウエハーの所望の領域
をプローブ38に近付ける。顕微鏡(図示せず)を見な
がら、マニピュレータ36を用いて、ウエハー上の電気
回路の所望の測定点にプローブ針38を接触させる。こ
の状態で、ウエハー上の電気回路の測定を行う。図2に
示すように、ウエハー62とチャックトップ52は、そ
の下方を第1のガード板56で覆われ、また、上方を第
2のガード板46で覆われており、しかも、これらのガ
ード板の電位がウエハー62の背面の電位に等しくされ
ているので、微小電流の測定の際にも、漏れ電流が生じ
ることがなく、また、外部からのノイズの影響を受ける
こともない。例えば、図1において、上方の第2のガー
ド板46を設置しない場合には、ウエハーの電気回路
と、アース電位となっているプローブ針支持台30やシ
ールドケース50(図1参照)との間で、微小な漏れ電
流が生じる恐れがある。また、ウエハーの電気回路と、
プローブ針支持台30やシールドケース50との間で、
容量結合が生じ、これが微小電流測定の際のノイズとな
る恐れがある。この実施例では、このような漏れ電流
や、容量結合によるノイズを、効果的に防いでいる。こ
の実施例の装置によれば、10-15アンペア(すなわち
フェムトアンペア:fA)オーダーの微小電流を漏れ電
流やノイズの影響を受けることなく測定することが可能
となった。
【0013】図4はウエハーチャックの変更例である。
この例では、第1のガード板56aの外周部が上方に立
ち上がっていて、その上端78はチャックトップ52a
の表面とほぼ同じ高さになっている。したがって、チャ
ックトップ52aの側面についても第1のガード板56
aで覆われている。チャックトップ52aと端子76a
をつなぐ導線82は、第1のガード板56aに形成した
切欠き80を通っている。
【0014】上述の実施例では移動機構27を用いてウ
エハーチャック28を移動させているが、ウエハーチャ
ック28を静止しておいて、プローブ針支持台30の方
を移動させるようにしてもよい。
【0015】この発明の装置は、例えば、ウエハー上に
形成されたMOS・FETやバイポーラ・トランジスタ
の直流特性を、1fAオーダーの分解能で測定するのに
適している。
【0016】
【発明の効果】この発明の測定装置は、プローブ針支持
台に第2のガード板を取り付けて、この第2のガード板
で被検体の上方を覆うようにしたので、微小電流測定時
に漏れ電流やノイズの影響を受けることがなくなる。ま
た、被検体支持台がプローブ針支持台に対して移動して
も、プローブ針と第2のガード板との相対位置関係は変
化しないので、第2のガード板に形成する貫通孔は、測
定に支障がない程度の最小の寸法とすることができ、電
磁遮蔽効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の一部を断面にした正面図
である。
【図2】ウエハーチャックを拡大した正面断面図であ
る。
【図3】ウエハーチャックの一部をさらに拡大した正面
断面図である。
【図4】ウエハーチャックの変更例の正面断面図であ
る。
【図5】従来の測定装置の正面断面図である。
【符号の説明】 27…移動機構 28…ウエハーチャック 30…プローブ針支持台 38…プローブ針 46…第2のガード板
フロントページの続き (72)発明者 土生 理 東京都八王子市高倉町9番1号 横河・ ヒューレット・パッカード株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−220453(JP,A) 特開 平1−209380(JP,A) 特開 昭48−60663(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定回路を備えた被検体を支持する被
    検体支持台と、プローブ針を支持するプローブ針支持台
    と、被検体支持台をプローブ針支持台に対して相対的に
    移動可能にする移動機構とを備える電気回路測定装置に
    おいて、 前記被検体支持台に、被検体を直接支持する導電性の支
    持板と、導電性の第1のガード板と、導電性のベース台
    と、支持板と第1のガード板の間に配置された第1の絶
    縁部材と、第1のガード板とベース台の間に配置された
    第2の絶縁部材とを設け、 前記プローブ針支持台には導電性の第2のガード板を絶
    縁材を介して取り付けて、この第2のガード板が前記被
    検体支持台の上方をすべて覆うようにするとともに、第
    2のガード板にプローブ針を挿入するための貫通孔を形
    成して被検体にプローブ針で電気的接続ができるように
    し、 前記第1のガード板と前記第2のガード板の電位を被測
    定回路の電位に等しくできることを特徴とする電気回路
    測定装置。
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