JP2672366B2 - 炭素繊維の製造方法 - Google Patents

炭素繊維の製造方法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、樹脂やセメント等の補強部材、導電性付与
材料等として好適な炭素繊維の製造方法に関する。
[従来の技術と発明が解決しようとする課題] 炭素繊維は機械的強度及び導電性等の特性に優れるた
め、プラスチック、セメント構造物や金属等の強化材
料、静電防止や接地抵抗低減用材料として用いられてい
る。特に機械的強度や電気導電性が焼成温度の上昇と共
に大きくなるため、高温処理した炭素繊維の用途が拡大
している。
このように優れた特性を有する炭素繊維は、炭素繊維
化可能な繊維を焼成することにより製造されている。ま
た焼成は、装置上及び得られる炭素繊維の物性上、450
〜1000℃程度で焼成する低温処理と、それ以上の温度で
焼成する高温処理に大別され、必要に応じて約2000℃以
上の温度でも行なわれる。
上記低温処理は、生産性を高めるため、通常、ベルト
コンベアやネットコンベアを用いて繊維集合体を連続焼
成することにより行なわれる。しかしながら、この方法
では、嵩密度の小さな繊維集合体に含まれる空気中の酸
素を完全に除去できないため、酸化反応を伴い、炭素繊
維の性能が低下するという問題がある。また高温処理
は、コンベア等の材質の耐熱性が十分でないため、通
常、回分式で行なわれている。しかしながら、この方法
では、繊維集合体の嵩密度が小さいため、炭素繊維の生
産性が低下する。また高温熱処理では、前記酸化反応が
激しくなるので、収率が低下し、繊維が粉化し易くな
る。
本発明の目的は、繊維の酸化を抑制しつつ収率を高
め、回分式で製造しても、製造コストを削減でき、炭素
繊維を簡便かつ生産性よく製造できる炭素繊維の製造方
法を提供することにある。
[発明の構成] 本発明は、炭素繊維又は炭素繊維化可能な繊維からな
る繊維集合体を、袋体内で減圧密封した後、焼成する炭
素繊維の製造方法により、上記課題を解決するものであ
る。
なお、本明細書における用語の定義は次の通りであ
る。
炭素繊維とは炭化又は黒鉛化処理された繊維を言う。
不融化処理とは、ピッチ系繊維を、酸素存在下、例え
ば200〜450℃程度の温度で加熱して表面に耐熱層を形成
し、焼成時の溶融を防止する処理を言う。耐炎化処理と
は、ピッチ系繊維以外の炭素繊維化可能な繊維を、酸素
存在下、例えば200〜450℃程度の温度で加熱して表面に
耐熱層を形成し、焼成時の溶融を防止する処理を言う。
炭化処理とは、炭素繊維化可能な繊維を、例えば、45
0〜1500℃程度の温度で焼成処理することを言う。黒鉛
化処理とは、例えば1500〜3000℃程度の温度で焼成処理
することを言い、黒鉛の結晶構造を有していないときで
も、上記温度で処理した場合は黒鉛化処理されたものと
言う。
本発明は、炭素繊維又は炭素繊維化可能な繊維からな
る繊維集合体を袋体内で減圧密封する減圧密封工程と、
減圧密封工程で得られた密封体を焼成する焼成工程とを
含んでいる。
上記炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル、レー
ヨン、フェノール樹脂等の高分子繊維、石油系ピッチ、
石炭系ピッチ、液晶ピッチ等のピッチ系繊維を出発原料
とする炭素繊維が例示される。これらの炭素繊維は高強
度タイプ、高伸度タイプ、高弾性タイプ、汎用タイプ等
のいずれであってもよく、一種又は二種以上使用され
る。
また炭素繊維化可能な繊維としては、上記炭素繊維の
出発原料で形成された繊維が例示され、少なくとも一種
使用される。この炭素繊維化可能な繊維は、材料の種類
に応じて少なくとも不融化処理又は耐炎化処理されてい
るのが好ましい。また焼成工程で黒鉛化処理する場合に
は、炭素繊維化可能な繊維として炭化処理した繊維も使
用できる。
なお、炭素繊維と炭素繊維化可能な繊維とは混合して
用いてもよい。
上記炭素繊維及び炭素繊維化可能な繊維は、例えば繊
維径5〜30μm等適宜のものが使用できる。
また袋体は、焼成工程で熱分解しても残渣が少ない材
料で形成されていればよい。このような材料としては、
例えば、紙;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−アクリル酸共重合体等のオレフィン系樹
脂;ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル、スチ
レン−ブタジエン共重合体等のスチレン系樹脂;アクリ
ル樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタ
ン、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエー
テルスルホン、ポリフェニレンオキサイド等が例示され
る。袋体は、これらの材料からなる単一又は複合化され
たフィルムやシートで形成できる。また焼成工程で炭素
繊維等が酸化するのを防止するため、袋体は、ガスバリ
ア性を有し、減圧密封状態を維持できるものが好まし
い。また袋体の形状は特に限定されない。
減圧密封工程では、袋体内に繊維集合体を充填又は収
容し、減圧密封する。減圧方法は特に限定されず、例え
ば、慣用の真空包装方法が採用できる。減圧度は、所望
する生産性等に応じて適宜設定できるが、繊維集合体の
嵩密度を大きくするため、大きな減圧度で密封するのが
好ましい。その際、繊維集合体が破断しない範囲で外部
から押圧すると、繊維集合体の嵩密度を更に大きくでき
る。
なお、減圧密封工程では、減圧密封前の繊維集合体の
容積をVr、減圧密封後の繊維集合体の容積をVpとすると
き、(Vr−Vp)/Vrで表される繊維集合体の圧縮率が、1
0〜90%、好ましくは20〜60%。更に好ましくは30〜60
%程度となるように減圧密封するのが好ましい。圧縮率
が10%未満であると、炭素繊維の生産性が低下し、90%
を越えると繊維が破断し易くなる。また減圧密封後の繊
維集合体の嵩密度は生産性を損わない範囲で適宜選択で
きるが、通常、嵩密度0.05〜0.20g/cm3程度で十分であ
る。
また袋体内の繊維集合体の残存酸素濃度を低減するた
め、袋体内の繊維集合体に含まれる空気等を、窒素、ヘ
リウム等の不活性ガスで置換した後、減圧密封してもよ
い。また一旦減圧した後、不活性ガスを封入し、再度減
圧密封してもよく、必要に応じて、上記操作を繰返して
もよい。
次いで、減圧密閉工程で得られた密閉体を焼成工程で
焼成する。この焼成工程は、密封体中の繊維の処理状態
に応じて適宜の温度で行なうことができる。すなわち、
焼成条件は、所望する炭素繊維の特性、電気電導度等に
応じて決定できるが、一般に、密封体中の繊維の処理温
度よりも高い温度で行なわれる。なお、不融化処理又は
耐炎化処理した繊維を減圧密封工程に供した後、焼成工
程で炭化処理又は黒鉛化処理したり、炭化処理した炭素
繊維を減圧密封工程に供した後、焼成工程で黒鉛化処理
するのが好ましい。
減圧密封された密封体を焼成すると、密封体内の繊維
集合体の嵩密度が大きいので、多量の繊維集合体を同時
に焼成でき、生産性が大きくなる。例えば、嵩密度0.01
g/cm3程度の繊維集合体を減圧密封工程に供し、嵩密度
0.08g/cm3程度にまで減圧密封すると、容積が約88%減
少するので、焼成炉で1回当り処理できる炭素繊維量が
約8倍となり、生産性を著しく高めることができる。特
に、炭化処理時に収縮するフェノール樹脂等の繊維と炭
素繊維とを混紡して使用したときは、収縮作用による高
密度化と、減圧密封時の圧縮作用とが相まって、より高
密度の繊維が得られる。また密閉体内の残存酸素量が著
しく小さいので、焼成工程での繊維集合体の酸化を防止
でき、収率を高めることができると共に、炭素繊維の性
能の低下を防止できる。さらには、密封状態で焼成する
ので、焼成工程での繊維の粉化の程度を小さくできる。
なお、上記焼成工程は、回分式に限らず、連続式で行な
うこともできる。
また上記焼成工程の後、炭素繊維チョップを製造する
場合、焼成物は、切断工程に供される。この切断工程
は、慣用の切断機、例えば、カッター、シュレッダー、
ハニカム状の刃を有する切断機等を用いて行なわれる。
炭素繊維チョップは、焼成物を、用途に応じた適宜の長
さ、例えば0.1〜50mm程度に切断することにより得られ
る。
[発明の効果] 以上のように、本発明の炭素繊維の製造方法によれ
ば、炭素繊維又は炭素繊維化可能な繊維からなる繊維集
合体を、袋体内で減圧密封するので、焼成時の残存酸素
濃度を小さくでき、繊維の酸化を抑制でき、収率を高め
ることができる。また減圧密閉により、焼成時の繊維集
合体の嵩密度を大きくすることができるので、回分式で
製造しても、製造コストを削減でき、炭素繊維を簡便か
つ生産性よく製造できる。
[実施例] 以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明す
る。
実施例 炭化処理されているピッチ系炭素繊維チョップ
((株)ドナック製、商品名S232)100gを、幅40cm×長
さ50cmのポリプロピレン製袋に収容し、減圧密封した。
なお、ピッチ系炭素繊維チョップからなる繊維集合体の
嵩密度は0.01g/cm3であり、得られた密封体の嵩密度は
0.08g/cm3であった。このようにして作製した多数の密
封体を、内径550φmm、高さ600mmの黒鉛質ケースに装入
したところ、100個の密封体を装入できた。次いで、窒
素ガス雰囲気下、温度2000℃で焼成し、取出したとこ
ろ、8.95kgの黒鉛化処理した炭素繊維が得られた。
比較例 実施例1で用いたピッチ系炭素繊維チョップを袋体内
で減圧密封することなく、実施例1の黒鉛質ケースに装
入したところ、2.80kgしか装入できなかった。次いで、
実施例1と同様の条件で焼成し、取出したところ、2.44
kgの黒鉛化処理した炭素繊維しか得られなかった。
上記実施例及び比較例における単位容積当りの処理
量、収率及び粉化の程度を表に示す。
表より明らかなように、比較例よりも、実施例の方法
が処理量及び収率が大きく、焼成工程での粉化の程度が
小さいことが判明した。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素繊維又は炭素繊維化可能な繊維からな
    る繊維集合体を、袋体内で減圧密封した後、焼成するこ
    とを特徴とする炭素繊維の製造方法。
JP11780689A 1989-05-11 1989-05-11 炭素繊維の製造方法 Expired - Lifetime JP2672366B2 (ja)

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