JP2672014B2 - 脱水用パネル及びこの脱水用パネルを用いた脱水泥土の採取方法 - Google Patents

脱水用パネル及びこの脱水用パネルを用いた脱水泥土の採取方法

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JP2672014B2 JP1121981A JP12198189A JP2672014B2 JP 2672014 B2 JP2672014 B2 JP 2672014B2 JP 1121981 A JP1121981 A JP 1121981A JP 12198189 A JP12198189 A JP 12198189A JP 2672014 B2 JP2672014 B2 JP 2672014B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は泥土の採取方法及びこの方法に用いる脱水用
パネルに関する。
〔従来の技術〕
一般に、水底の土砂を浚渫する装置にはグラブバケッ
ト式、ポンプ式等が採用されているが、ポンプ式の場合
には浚渫点周囲の水が土砂とともに吸引されるため浚渫
した土砂に多量の水が含まれる。また所謂ヘドロは含水
率が大きいことが知られている。
このような泥水はそのままの状態では埋め立て等に使
用できないことは勿論、比重が高くしかも流動性があっ
て運搬も容易でないことから、何等かの方法で脱水する
必要がある。
従来、浚渫土中の水分を除去するには土木的脱水法に
依存しており、浚渫泥土を貯溜池に投入し比重の重い土
砂と比重の軽い土砂とを重力によって分離し、分離した
余水は排水し、その後は天日により自然蒸発させるよう
にしていた。しかしこのような土木的脱水方法では広大
な面積と300日程度の長期間を有することとなるため、
脱水期間の短縮が切望されていた。
そこで脱水を促進する方法として特開昭58−159815号
公報に記載されているものがある。これは貯溜池の底面
に排水促進材を敷設するとともに、この排水促進材に下
端が接するよう他の排水促進材を垂直に設けたものであ
る。そして、この貯溜池に泥土を投入し、排水促進材を
介して上昇した水分を上方に露出させた排水促進材から
蒸散させるようにしたものである。
また、前記排水促進材の支持を確実ならしめたものと
して第11図に示すものが発表されている。これは鋼管製
支持フレーム20に金網21を張設し、これに排水促進材22
を張設したものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、前記した従来の方法では泥土の脱水を大幅に
促進できるものの、貯溜池内の泥土中に多数の排水促進
材が立設することとなるため、貯溜池からの排土作業が
離航するという問題がある。また、前記公報のような方
法では排水促進材を張設するにあたりこれを棒材に固定
して張設する旨の記載があるが、棒材での固定では必ず
しも支持が十分でなく、浚渫泥土を貯溜池に投入したと
き排水促進材が倒れたり、また、張設も面倒で時間がか
かるという問題があった。
支持が強固であるという点では第11図のものは問題な
いが、支持フレームを組み立てるのに時間がかかるだけ
でなく、乾燥した浚渫泥土を貯溜池から除去する際、こ
の支持フレームが邪魔になり、かといって支持フレーム
を除去することも困難で、結局泥土の採取に時間がかか
るという問題があった。
本発明は前記事項に鑑みてなされたもので、泥土の脱
水を大幅に促進できることは勿論、施工が簡単で貯溜池
からの排土も容易かつ完全に行うことができるようにし
た脱水用パネル及びこの脱水用パネルを用いた脱水泥土
の採取方法を提供することを技術的課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は前記技術的課題を解決するために、以上のよ
うな構成とした。
即ち、基礎台1に着脱自在に固定できる脚2に立設し
たフレーム3に水分を上方にも導く透水性不織布4を張
設して脱水用パネルとした。
また、基礎台1に着脱自在に固定できる脚2に立設し
たフレーム3に透水性不織布4を、好ましくは水分を上
方にも導く透水性不織布を張設した脱水用パネルを用い
て以下のような泥土の採取方法を採った。
まず第1の方法として、基礎台1に着脱自在に固定で
きるフレーム3に透水性不織布を張設してなる脱水用パ
ネルAを用意する。そして、泥水を貯溜すべき貯溜池6
の底に基礎台1を配列し、前記基礎台1にこの脱水用パ
ネルAを立設する。この後、泥水を貯溜池6に貯溜して
脱水し、前記脱水用パネルAを抜脱した後、脱水済み泥
を除去する。
次に第2の方法として、基礎台1に着脱自在に固定で
きるフレーム3を用意する。そして、泥水を貯溜すべき
貯溜池6の底に基礎台1を配列し、前記基礎台1にフレ
ーム3を立設してこのフレーム3に透水性不織布4を張
設する。この後、泥水を貯溜池6に貯溜して脱水し、前
記透水性不織布4を張設したフレーム3を抜脱した後、
脱水済み泥を除去する。
第1及び第2の方法において、泥水を貯溜すべき貯溜
池6の底に、透水性不織布7を敷設し、そして、フレー
ムに張設した透水性不織布4の下縁を池6の底に位置す
る透水性不織布7に接触させると泥土の脱水を促進す
る。
〔作用〕
まず、第6図に示すように脱水用パネルAを設置し、
第7図に示したように貯溜池6に含水泥土を投入する。
含水泥土中の水分は透水性不織布4を伝わって透水性
不織布4の露出部分から空気中に蒸散し、脱水が進行す
る。これにより泥土が運搬や埋め立て用に適する状態と
なったら、第8図のように、脱水用パネルAを泥土から
引き上げる。そして第9図に示すように排土する。
フレーム3に張設した透水性不織布4の下縁を池の底
に位置する透水性不織布7に接触させるようにしたの
で、貯溜池6の底に位置する泥土の水分も効率良く排水
することができるものである。
〔実施例〕
本発明の実施例を第1図ないし第10図に基づいて説明
する。
<第1実施例> 第1実施例を第1図ないし第9図に基づいて説明する
が、まず、脱水用パネルAの構造から説明する これは第1図に示すように、H鋼で形成された脚2の
間に2本の横枠3a、3aを渡し、この横枠3a、3aの中間部
を縦枠3bで連結してフレーム3が構成されている。この
フレーム3には全体に補強体としての金網5が張設され
ており、この金網5に透水性不織布4が張設されてい
る。
同図ではこの脚付きフレーム3上に脚なしフレーム3
を2組連結したものである。
前記透水性不織布4としては、低密度ポリエチレン、
高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテ
ン、ポリ4−メチル−1−ペンテンあるいはエチレン、
プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等
のα−オレフィン同士のランダムあるいはブロック共重
合体等のポリオレフィン、エチレン・アクリル散共重合
体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニル
アルコール共重合体、エチレン・塩化ビニル共重合体等
のエチレン・ビニル化合物共重合体、ポリスチレン、ア
クリロニトリル・スチレン共重合体、ABS、メタクリル
酸メチル・スチレン共重合体、α−メチルスチレン・ス
チレン共重合体等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重
合体、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル
等のポリビニル化合物、ナイロン6、ナイロン6−6、
ナイロン6−10、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミ
ド、ポリエチレンテレフタレート等の熱塑性ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリフエニレンオキサイド等あ
るいはそれらの混合物の繊維化できる結晶性もしくは非
晶性の熱可塑性樹脂を素材とする合成繊維不織布、また
は天然繊維不織布が使用できる。特に、最も疎水性が強
く、静電及びイオン作用によって表面に水層膜が形成さ
れている泥土粒子とは親和性がなく、粒子を吸着するこ
となく目詰まり現象を生じないポリプロピレン製スパン
ボンド法不織布(厚さ4mm、透水係数鉛直10-1cm/sec、
水平10-2cm/sec、三井石油化学工業株式会社製、商品名
タフネルU−80)が好適であり、実施例ではこれを使用
した。
第2図はこのフレーム3を4組接続する場合の構造図
である。このように脚なしフレームを重ねることで貯溜
池6の深さに合わせて自由にパネル高さを設定できる。
前記した構成になる脱水用パネルAを設置する貯溜池
6の底部にはコンクリート製の基礎台1が縦横に配設さ
れている。この基礎台1には「H」形の嵌合溝1aが2つ
設けられており、前記脚2はこの嵌合溝1aの一方に嵌合
するようになっている。
そして、基礎台1の他方の嵌合溝1aに他の脱水用パネ
ルAの脚2を挿入することで、複数の脱水用パネルAを
連結できる。嵌合溝1aは1つでもよいが、3つ設けると
脱水用パネルAを上から見てT字形に接続でき、4つ設
けると上からみて十字形に接続できる。
貯溜池6の底部には古タイヤを2分して互い違いに配
置して構成した底面脱水台9が設けられており、この底
面脱水台9の上面には底面透水性不織布7が敷設されて
いる。
含水泥土を処理するに際しては、まず、貯溜池6内の
所定位置に基礎台1を配列し、第6図のように、基礎台
1の嵌合溝1aにフレーム3の脚2を挿入して脱水用パネ
ルAを設置する。設置が完了したら第7図に示すように
脱水用パネルAを設置した貯溜池6に含水泥土(8)を
投入する。
含水泥土(8)中の水分は透水性不織布4を伝わって
透水性不織布4の上部露出部分から空気中に蒸散し、脱
水が進行する。泥土8が運搬や埋め立て用に適する状態
となったら、第8図に示すようにパワーショベル等で脱
水用パネルAを泥土8から引き上げ、第9図に示すよう
に排土する。
このように排土の際には脱水用パネルAが泥土8中に
存在しないため泥土8を容易かつ完全に排土することが
できる。
以上が完了したら排土が完了した貯溜池6に脱水用パ
ネルAを再度設置する。
<第2実施例> 第10図は第2実施例を示し、貯溜池の底に、透水性不
織布7を敷設するとともに、フレーム3に張設した透水
性不織布4の下縁を池6の底に位置する透水性不織布7
に接触させたものである。
この実施例によれば、フレーム3に張設した透水性不
織布4の下縁4aを池の底に位置する透水性不織布7に接
触させるようにしたので、貯溜池6の底に位置する泥土
8の水分も効率良く揚水することができ、脱水期間のさ
らなる短縮を図ることができる。透水性不織布4と透水
性不織布7との接触幅は20cm以上でかつ熱融着等による
全面接触が望ましい。他の構成及び作用については前記
第1実施例と同様のため省略する。
<その他> 上記方法では透水性不織布4をフレーム3に予め張設
しているが、施工現場で貯溜池6内パネルのフレーム3
をセットしてから不織布4を張設する方法もとりうる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、泥土の脱水期間を大幅に短縮できる
のは勿論、施工にあたり設置が容易であり、また脱水泥
土を除去する場合には脱水用パネルを抜脱することがで
きるため、除去作業が極めて容易となり処理効率を向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第10図は本発明の実施例を示し、第1図及
び第2図は脱水用パネルの斜視図、第3図は正面図、第
4図は貯溜池全体の斜視図、第5図は、その要部の正面
図、第6図ないし第9図は脱水泥土の採取方法の具体例
を示す断面図、第10図は第2実施例における脱水用パネ
ルの側面図、第11図は従来の脱水方法に用いた構造物の
正面図である。 1……基礎台、2……脚、 3……フレーム、4(7)……透水性不織布、 A……脱水用パネル。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基礎台1に着脱自在に固定できる脚2に立
    設したフレーム3に水分を上方にも導く透水性不織布4
    を張設したことを特徴とする脱水用パネル。
  2. 【請求項2】基礎台1に着脱自在に固定できるフレーム
    3に透水性不織布4を張設してなる脱水用パネルAを用
    意し、泥水を貯溜すべき貯溜池6の底に基礎台1を配列
    し、前記基礎台1にこの脱水用パネルAを立設し、この
    後、泥水を貯溜池6に貯溜して脱水し、前記脱水用パネ
    ルAを抜脱した後、脱水済み泥を除去することを特徴と
    する脱水泥土の採取方法。
  3. 【請求項3】基礎台1に着脱自在に固定できるフレーム
    3を用意し、泥水を貯溜すべき貯溜池6の底に基礎台1
    を配列し、前記基礎台1にフレーム3を立設してこのフ
    レーム3に透水性不織布4を張設し、この後、泥水を貯
    溜池6に貯溜して脱水し、前記透水性不織布4を張設し
    たフレーム3を抜脱した後、脱水済み泥を除去すること
    を特徴とする脱水泥土の採取方法。
  4. 【請求項4】泥水を貯溜すべき貯溜池6の底に、透水性
    不織布7を敷設するとともに、フレーム3に張設した透
    水性不織布4の下端を貯溜池6の底に位置する透水性不
    織布7に接触させたことを特徴とする請求項2または3
    に記載の脱水泥土の採取方法。
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