JP2671620B2 - 選択呼出受信器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、選択呼出受信器に関
し、特に、受信周波数を変更可能な選択呼出受信器に関
する。

【０００２】

【従来の技術】複数の周波数を使用して呼出信号を送信
する場合、選択呼出受信器は対応する呼出信号の周波数
に応じて受信周波数を変更しなければならない。

【０００３】かかる場合、従来は、局部発振回路におけ
る水晶振動子を交換するとともにアンテナ同調回路を含
む複数の同調回路の調整を行なって受信周波数を変更す
るか、シンセサイザ方式の局部発振回路を備えて受信周
波数を任意に変更可能な構成としていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来の選択呼
出受信器においては、次のような課題があった。水晶
振動子とともにアンテナ同調回路を含む複数の同調回路
の調整を行なう場合、同調整には熟練した技術と調整を
行なうための治具を要するため、製造会社以外の運用サ
ービス会社が自ら実施するのは困難である。シンセサ
イザ方式により受信周波数を変更可能としている場合、
局部発振回路における消費電流が水晶振動子によって構
成された局部発振回路における消費電流と比較して極め
て多いため、電池の寿命が極めて短くなる。

【０００５】本発明は、上記課題にかんがみてなされた
もので、消費電流を大きくすることなく、容易に受信周
波数を変更することが可能な選択呼出受信器の提供を目
的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１にかかる発明は、個別の識別符号を変調し
た所定の周波数の呼出信号を受信する受信部と、同受信
部が受信した呼出信号を復調して識別符号を再現する復
調部と、自己の識別符号を記憶する記憶部と、上記復調
部にて復調された識別符号と上記記憶部にて記憶された
識別符号を比較する比較部と、当該比較部によって両識
別符号が一致すると判断された場合に呼出報知を行なう
報知部とを具備する選択呼出受信器において、上記受信
部が交換可能な水晶振動子を源振とする局部発振回路
と、受信周波数に応じて同調周波数を選択的に変更可能
な、トリマコンデンサ並びに複数のスイッチング素子及
びこれに対応する複数のコンデンサとからなるアンテナ
同調回路と、上記局部発振回路における水晶振動子に応
じて上記アンテナ同調回路における任意のスイッチング
素子を作動させ、これに対応したコンデンサを前記トリ
コマコンデンサと並列に接続して同調周波数を変更させ
る同調周波数制御回路とを有する受信周波数選択手段を
備えた構成としてある。

【０００７】また、請求項２にかかる発明は、請求項１
に記載のスイッチング素子をトランジスタとした構成と
してある。

【０００８】

【作用】上記のように構成した請求項１および２にかか
る発明においては、受信部における受信周波数選択手段
が、あらかじめ定められた複数の周波数の呼出信号のう
ちいずれかを選択して呼出信号を受信するため、受信周
波数の変更に面倒な調整を要しない。

【０００９】また、上記のように構成した請求項２にか
かる発明においては、局部発振回路における水晶振動子
を交換すると、同調周波数制御回路が受信周波数に対応
してアンテナ同調回路の同調周波数を選択せしめる。

【００１０】

【実施例】以下、図面にもとづいて本発明の実施例を説
明する。図１は、本発明の一実施例にかかる選択呼出受
信器のブロック図である。

【００１１】同図において、アンテナ１とＲＦアンプ２
との間にはアンテナ同調回路３が介挿されており、同ア
ンテナ同調回路３はトリマコンデンサ４とコンデンサ５
〜８とトランジスタ９〜１１及び抵抗１２〜１７を備え
て希望する受信周波数で最小の伝達ロスとなるように構
成されている。なお、抵抗１２〜１７はトランジスタ９
〜１１にスイッチング動作のための電圧を与えるバイア
ス抵抗である。

【００１２】ＲＦアンプ２の出力信号は帯域通過フィル
タ１８に入力され、同帯域通過フィルタ１８はＳＡＷが
用いられて受信周波数±３−５ＭＨｚ程度の帯域制限を
行なう。

【００１３】帯域通過フィルタ１８の出力信号は第一混
合回路１９の一の入力端に入力されているととともに、
同第一混合回路１９の他の入力端には第一局部発振回路
２０の出力する局発信号が入力され、当該第一混合回路
は両信号を混合して所望の第一中間周波数信号を出力し
ている。ここで、第一局部発振回路２０にはソケット２
１を介して第一局部発振回路用水晶振動子２２が接続さ
れており、所望の受信周波数に応じて水晶振動子２２を
交換することができる。

【００１４】第一混合回路１９の出力する第一中間周波
数信号は帯域通過フィルタ２３に入力され、同帯域通過
フィルタ２３にて帯域制限された信号は第二混合回路２
４における一の入力端に入力されている。同第二混合回
路２４における他の入力端には第二局部発振回路２５の
出力する局発信号が入力され、当該第二混合回路は所望
の第二中間周波数信号を出力する。なお、第二局部発振
回路２５には交換不能な第二局部発振回路用水晶振動子
２６が接続されている。

【００１５】第二混合回路２４の出力する第二中間周波
数信号はＩＦアンプ２７に入力され、同ＩＦアンプ２７
が増幅した出力信号は帯域通過フィルタ２８を介して復
調部２９に入力されている。同復調部２９は変調されて
いるデータ信号を復調し、同データ信号を復号制御部３
０に出力する。

【００１６】同復号制御部３０には自己の呼出番号を記
憶する記憶部３１が接続され、復号制御部３０は復調部
から入力されるデータ信号が記憶部３１に記憶されてい
る呼出番号と一致すると呼出報知部３２に報知制御信号
を出力し、同呼出報知部３２は呼出制御信号を入力する
とスピーカ３３または発光ダイオード３４を駆動して報
知を行なう。なお、記憶部３１には自己の呼出番号とと
もに報知をスピーカ３３と発光ダイオード３４のいずれ
によって行なうかの情報と、受信周波数の情報とが記憶
されている。

【００１７】復号制御部３０からアンテナ同調回路３に
おけるトランジスタ９〜１１のベースに対してそれぞれ
制御信号線３５〜３７が接続されており、復号制御部３
０は記憶部３１に記憶された受信周波数の情報に応じて
いずれか一の制御信号線の出力レベルをハイレベルにす
る。

【００１８】次に、上記構成からなる本実施例の動作を
説明する。本実施例では帯域通過フィルタ１８によって
帯域制限された結果の信号通過帯域を３つの周波数帯域
に分割し、第一局部発振回路用水晶振動子２２によって
決まる所望の受信周波数が同３つの周波数帯域のうちい
ずれの帯域に属するかに従って記憶部３１に書き込む情
報を変更するという手段を用いる。

【００１９】すなわち、受信周波数に応じて記憶部３１
に書き込まれた情報に基づいて復号制御部３０は制御信
号線３５〜３７のいずれかをハイレベルにする。する
と、ハイレベルとなった制御信号線が接続されたトラン
ジスタ９〜１１のいずれかがオン状態となる。

【００２０】コンデンサ５〜７のうち、オン状態となっ
たトランジスタ９〜１１に接続されたものだけがトリマ
コンデンサ４に並列に接続されることになるので、コン
デンサ５〜７を受信周波数帯に応じて伝達ロスが最小と
なる容量値に設定しておけば微調整を要することなく受
信周波数を容易に変更することが可能となる。

【００２１】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、受信周波
数を選択的に変更可能としているため、消費電流を大き
くすることなく、容易に受信周波数を変更することが可
能な選択呼出受信器を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例にかかる選択呼出受信器のブ
ロック図である。

【符号の説明】

３…アンテナ同調回路 ２０…第一局部発振回路 ２１…水晶振動子 ２２…ソケット ３０…復号制御部 ３１…記憶部 ３５〜３７…制御信号線

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】個別の識別符号を変調した所定の周波数の
   呼出信号を受信する受信部と、同受信部が受信した呼出
   信号を復調して識別符号を再現する復調部と、 自己の
   識別符号を記憶する記憶部と、上記復調部にて復調され
   た識別符号と上記記憶部にて記憶された識別符号を比較
   する比較部と、当該比較部によって両識別符号が一致す
   ると判断された場合に呼出報知を行なう報知部とを具備
   する選択呼出受信器において、上記受信部が 、交換可能な水晶振動子を源振とする局部発振回路と、受
   信周波数に応じて同調周波数を選択的に変更可能な、ト
   リマコンデンサ並びに複数のスイッチング素子及びこれ
   に対応する複数のコンデンサとからなるアンテナ同調回
   路と、上記局部発振回路における水晶振動子に応じて上
   記アンテナ同調回路における任意のスイッチング素子を
   作動させ、これに対応したコンデンサを前記トリマコン
   デンサと並列に接続して同調周波数を変更させる同調周
   波数制御回路とを有する 受信周波数選択手段を具備する
   ことを特徴とする選択呼出受信器。
2. 【請求項２】上記請求項１のスイッチング素子がトラン
   ジスタであることを特徴とする選択呼出受信器。