JP2669758B2 - 保温シート - Google Patents

保温シート

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JP2669758B2
JP2669758B2 JP5005783A JP578393A JP2669758B2 JP 2669758 B2 JP2669758 B2 JP 2669758B2 JP 5005783 A JP5005783 A JP 5005783A JP 578393 A JP578393 A JP 578393A JP 2669758 B2 JP2669758 B2 JP 2669758B2
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良 顕 夫 奈
水 正 樹 清
崎 元 幸 江
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三井石油化学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は保温シートに関し、特
に、保温性に優れ、かつ、ホットカーペット等の暖房用
発熱体の下に敷設して保温性を発揮して消費電力の節減
に有効な保温シートに関する。
【0002】
【従来の技術】ストーブ、置き炬燵、ホットカーペット
等の家庭用の室内暖房器具は、床または畳の上に置きま
たは敷き広げて、室内の暖房に利用される。特に、ホッ
トカーペットは、床または畳の上に敷き広げて広い範囲
の暖房を行うものとして利用されている。このホットカ
ーペットは、アルミ箔のフィルムヒーターやコードヒー
ター等の発熱体を内蔵するものである。
【0003】このホットカーペートは、床または畳に直
接、あるいは床または畳への伝熱を遮断して保温効率を
向上させるために保温シートの上に敷き広げられる。こ
の保温シートとして、従来は、毛布、各種敷物、樹脂発
泡体、高分子樹脂シート、紙等が使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の毛布、
敷物は、折り難く嵩張るものであった。また、従来のシ
ート類は、内部に空隙を連続に有し、かつ、その空隙の
大部分が外気と接しているため、対流伝熱により保温性
に劣るものであり、保温シートとして不十分なものであ
った。さらに、これらの種々のシートを敷くことによ
り、ホットカーペットが滑り易くなるという欠点があっ
た。
【0005】そこで、本発明の目的は、空隙内の空気が
フィルムを介して外気と触れるため、保温性に優れ、ま
た、折り畳んでも嵩張らず、収納する際に有利であり、
人が上に乗っても滑ることがない保温シートの提供にあ
る。
【0006】
【問題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は、高空隙率を有する不織布からなる基材層
と、該基材層の両面または片面に積層された保温性樹脂
層とを有する保温シートを提供するものである。
【0007】また、本発明の保温シートが、さらに前記
保温性樹脂層の外表面に形成されたずれ防止層を有する
ものであると、好ましい
【0008】前記不織布が、空隙率65〜95%、かつ
厚さ1〜10mmの不織布であると、好ましい。
【0009】以下、本発明の保温シートについて詳細に
説明する。
【0010】本発明の保温シートの基材層を構成する不
織布は、高空隙率の不織布であり、通常、空隙率65〜
95%のものであり、保温性およびクッション性に優
れ、また、重量物を上に載せてもへたらない点で、好ま
しくは空隙率70〜90%のものである。また、この不
織布の目付量は、通常、80〜300g/m2 程度であ
り、保温性および収納性に優れる点で、好ましくは10
0〜200g/m2 程度である。さらに、この不織布
は、通常、繊維径が15〜70μm程度、好ましくは2
0〜45μm程度の繊維から構成されるものである。ま
た、繊維長は、通常、15mm以上である。特に、スパ
ンボンド法不織布等の連続繊維からなる不織布が望まし
い。
【0011】この不織布は、保温性の点からは、前記空
隙率を有するものであればよいが、不織布が有効に空隙
率を有するためには、乾式不織布に見られるような、合
成樹脂で繊維を固定したり、ヒートエンボス等で部分的
にフィルム状を呈しない方がよい。ただし、不織布中に
微多孔発泡体を添加すると、保温性に有利な場合もあ
り、この場合には、繊維の割合が30%以上であるのが
好ましい。特に、不織布は繊維のみからなるのが好まし
い。
【0012】この不織布を構成する繊維の材質は、ポリ
プロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリエ
ステル、ポリアミド、レーヨン、木綿、ポリビニルアル
コール、ポリビニルクロラール、ポリ塩化ビニル等が挙
げられる。これらの中でも、比重が小さい点で、ポリオ
レフィンが好ましい。
【0013】この不織布は、前記材質の繊維からなるス
パンボンド不織布、メルトブローン不織布のいずれでも
よく特に制限されない。特に、有効な空隙率を持たせる
際に、繊維固定用の樹脂等を使用していても、高強度が
得られる点で、スパンボンド不織布が好ましい。
【0014】本発明の保温シートを構成する保温性樹脂
層は、保温シートの上に置くホットカーペット等の暖房
用発熱体からの伝熱に耐えることができるものであれ
ば、特に制限されない。例えば、フィルム、発泡体、シ
ート、あるいはカーペット等の敷物に用いられる、樹脂
エマルジョン等をコーティングしたもの等の形態であっ
てもよい。
【0015】この保温性樹脂層を構成する耐熱性樹脂と
しては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン、ポリエステル、塩化ビニル、ポリ酢酸ビ
ニル等が挙げられる。これらの中でも、比重が小さい点
で、ポリオレフィンが好ましい。
【0016】本発明の保温シートは、基材層の両面また
は片面の少なくとも1面に保温性樹脂層を有するもので
ある。例えば、図1に示すように、高空隙率を有する不
織布からなる基材層1と、該基材層1の両面に積層され
た保温性樹脂層2aおよび2bとを有するものである。
なお、本発明の保温シートは、図1に示す基材層1の両
面に保温性樹脂層2aおよび2bを有するものに限定さ
れず、用途、使用形態、使用場所、外気条件等に応じ
て、基材層の片面のみに保温性樹脂層を有するものであ
ってもよい。また、保温性樹脂層は、基材層の上面また
は下面のいずれに積層されていてもよい。
【0017】本発明の保温シートにおいて、基材層の厚
さは、通常、1〜10mm程度であり、十分な空隙率が
確保でき、かつ収納性が良好である点で、好ましくは3
〜5mmである。この基材層の厚さは、無加圧状態での
厚さである。また、保温性樹脂層の厚さは、通常、10
〜80μm程度であり、好ましくは20〜40μm程度
である。さらに、本発明の基材層が両面に保温性樹脂層
を積層してなるものである場合、2つの保温性樹脂層の
厚さは、同一でも異なっていてもよい。例えば、発熱体
との接触面とは反対側の保温性樹脂層が、カーペット等
の柔らかいものと接する場合、あるいは強度を余り必要
としない場合等には、その保温性樹脂層を薄くしてもよ
い。
【0018】本発明の保温シートは、図1に示すよう
に、保温性樹脂層の外表面にずれ防止層を有するもので
あると、発熱体の有効加熱部分の保温に有効であり、ま
た、上面に重量物等が乗った場合でも、ずれることがな
く、有利である。
【0019】このずれ防止層は、図1に示す保温性樹脂
層2a,2bのそれぞれの外表面にずれ防止層3aおよ
び3bを有するものに限定されない。例えば、保温性樹
脂層を、合成ゴム、独立気泡発泡体等の荷重時に静止摩
擦係数が大きい樹脂、保温性とずれ防止性を併有する樹
脂で構成する場合には、1層のみで構成してもよい。
【0020】このずれ防止層の材質は、天然ゴム、合成
ゴム、各種のエラストマー等の静止摩擦係数の大きな物
質からなるものでよく、また、その形態は、フィルム、
シート状でもよいし、また、点状、あるいは条溝、凹凸
状、吸盤状等の各種の形態をなしていてもよく、さらに
は、その複合体であってもよい。
【0021】また、このずれ防止層の厚さは、通常、5
〜80μm程度であり、上に載せる重量物によって加圧
されても、破れ、裂ける等の破損が生じない点で、10
〜20μm程度好ましい。
【0022】本発明の保温シートの製造は、例えば、押
出しラミネート加工により、不織布の両面または片面に
耐熱性樹脂フィルムを被覆させる方法;不織布の両面ま
たは片面に耐熱性樹脂フィルムを張りつける方法;合成
ゴム系−有機溶剤系の接着剤で貼り合わせる方法;エチ
レン・酢酸ビニル共重合体フィルムを挟み込んで加熱溶
融させ接着させる方法等の方法にしたがって行なうこと
ができる。また、ずれ防止層の形成は、押出成形機を使
用したドライラミネート法による積層や、ずれ防止層に
アンカーコートを施して加熱ロールで熱接着を行なう方
法で形成することができる。
【0023】本発明の保温シートは、例えば、図2に示
すとおり、上部にホットカーペット4を載せた状態で、
床5の上に載置されるものである。
【0024】また、本発明の保温シートは、ホットカー
ペット用の保温シートに限定されず、加熱あるいは冷凍
食品等の包装材、こたつ等の電気機器等の用途にも使用
することができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例を挙げ、
本発明をより具体的に説明する。
【0026】(実施例1) 押出しラミネート法により、ポリプロピレン製のスパン
ボンド法不織布(厚さ:2.0mm、空隙率:75%)
の両面に、ポリエチレン(三井石油化学工業(株)製、
商品名:ウルトゼックス2021L)からなるフィルム
(厚さ:30μm)を積層して保温シートを製造した。
得られた保温シートの保温効率を、JIS L1096
に記載のA法に基づいて測定し、床へ逸散する熱の割合
を表す、下記式(1)で表される熱のカット率を算出し
たところ、53.1%であった。 熱のカット率=(1−(B/A))×100 (1) A:発熱体の放熱量を消費電力量で測定した値 B:発熱体に試料を取り付けたときの放熱量を消費電力量で測定した値
【0027】(実施例2)実施例1の保温シートの両外
面に、酢酸ビニル含有量:30%、MFR:25g/1
0minのエチレン・酢酸ビニル重合体からなるフィル
ムを、ブタジエン樹脂接着材で貼り合わせてずれ防止層
を有する保温シートを製造した。得られた保温シートを
摩擦感テスターにて測定した結果、平均摩擦係数がカー
ペット単体では0.45であったものが1.8まで向上
したことが分かった。
【0028】
【発明の効果】本発明の保温シートは、保温性に優れる
ため、ホットカーペットの下に敷設して、ホットカーペ
ットから床や畳等への伝熱を遮断して、ホットカーペッ
トの保温効率を向上させることができる。そのため、ホ
ットカーペットの消費電力の節減に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の保温シートの一実施態様を説明する
概略図。
【図2】 本発明の保温シートの使用例を説明する模式
断面図。
【符号の説明】
1 基材層 2a,2b 保温性樹脂層 3a,3b ずれ防止層 4 ホットカーペット 5 床
フロントページの続き (72)発明者 江 崎 元 幸 東京都千代田区霞が関三丁目2番5号 三井石油化学工業株式会社内 (56)参考文献 実開 平2−85134(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空隙率65〜95%、かつ厚さ1〜10m
    の不織布からなる基材層と、該基材層の両面または片
    面に積層された保温性樹脂層と、該保温性樹脂層の外表
    面に形成されたずれ防止層とを有する保温シート。
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