JP2669576B2 - 超伝導チャネル電界効果デバイス - Google Patents

超伝導チャネル電界効果デバイス

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JP2669576B2
JP2669576B2 JP4153503A JP15350392A JP2669576B2 JP 2669576 B2 JP2669576 B2 JP 2669576B2 JP 4153503 A JP4153503 A JP 4153503A JP 15350392 A JP15350392 A JP 15350392A JP 2669576 B2 JP2669576 B2 JP 2669576B2
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    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N60/00Superconducting devices
    • H10N60/20Permanent superconducting devices
    • H10N60/205Permanent superconducting devices having three or more electrodes, e.g. transistor-like structures 
    • H10N60/207Field effect devices

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  • Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超伝導物質から成る電
流チャネルを有し、そのデバイスの作動超伝導体物質
の臨界電流の変動によって制御される電界効果デバイス
に関する。
【0002】
【従来の技術】電界効果トランジスタ(FET)等の半
導体電流チャネル(ドレイン及びソース電極の間にあ
る)を備えた電界効果デバイスは、よく知られ、多くの
アプリケーションに広く用いられている。高TC 超伝導
体物質の発見直後に、欧州特許出願公報第EP-A-0 324 0
44号にてベドノーツ(Bednorz) 他は、高TC 超伝導体物
質が低TC 超伝導体物質の電界効果よりはるかに大きい
電界効果を有することがあると理論的な立場で予測し
た。静電界が伝導物質にてふるい分けられる(スクリー
ンされる)長さスケールは、デバイ長LD =(εo εr
kT/q2 n)1/2 と、結果となるデプレッションゾー
ン幅LDZ=N/nの合計LD +LDZによって与えられ
る。ここで、εo 及びεr はそれぞれ真空及び伝導物質
の誘電率、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、qは元
素電荷、nは可動キャリヤの密度、Nは誘導面積キャリ
ヤ密度である。キャリヤ密度が高いために、低TC 超伝
導体は通常、電界が物質の性質に殆ど影響がないよう上
手に電界をふるい分ける。ふるい分けを減衰するため、
低TC 超伝導体の電界効果の最近の実験は、例えば、ド
ープされたSrTiO3等の、ニオブをドープ剤とした非常に
キャリヤ密度の低い化合物に集中した(欧州特許出願公
報第EP-A-91 810 006.6 号参照) 。
【0003】欧州特許出願公報第EP-A-0 324 044号に記
述されるように、超伝導ドレイン−ソースチャネルを備
えた電界効果デバイスは半導体の電界効果デバイスより
有利である。高TC 超伝導体化合物において、本質的に
キャリヤ密度が低いのと、コヒーレンス長が短いため
に、より大きな電界効果の発生が可能である。約3〜5x1
021/cm3の低いキャリヤ濃度によってナノメートルの10
分の1の範囲で長さをふり分け、短いコヒーレンス長に
よってかなりの臨界温度を備えた極薄層の製造を可能に
する。1〜2nm と薄い超伝導膜が既に成長されており、
電界はかなりの程度までそのような膜に浸透する。超伝
導チャネルを備えた種々の型のFETが既に示唆されて
いる。例えば、欧州特許出願公報第EP-A-0 324 044号、
欧州特許出願公報第EP-A- (91 810 006.6)号、モーア
(D.F. Moore)著、「デバイスアプリケーションのための
超伝導薄膜(Superconducting Thin Films for Device A
pplications)」(高温超伝導電子デバイスの第2回ワー
クショップ、1989年6月7-9 日、281-284 頁) 、マンハ
ート(J. Mannhart) 他著、「超伝導YBa2Cu37-δ
膜の電界効果(Electric field effect on superconduc
ting YBa2Cu37-δ films)」(H. Phys. B - Con
densed Matter 83, 1991年、307-311 頁) がある。
【0004】しかしながら、従来技術のデバイスの全て
が、臨界温度TC に近い作動温度か非常に薄いチャネル
層のいずれかに依存する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、作動
が臨界電流及び電界によるフラックスフローの制御によ
って影響される超伝導電界効果デバイスを提案すること
である。
【0006】本発明の追加の目的は、T=0からT≒T
C の任意の温度における超伝導電界効果デバイスの作動
を教示することである。(電界がTC を増加するよう作
動するならば、その効果はTC より僅かに上の温度でさ
えも存在することが観察された(E=0))。
【0007】本発明の更に追加の目的は、伝導チャネル
(例えば、FETの場合はドレイン及びソースの間にあ
る)が従来技術のデバイスに許容されるよりも厚く成長
される超伝導電界効果デバイスを提案することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の1つの態様に従
えば、本発明の超伝導チャネル電界効果デバイスは、導
電性基板(11)と、前記基板上に形成された絶縁層
(13)と、前記絶縁層上に形成され、第1のピニング
力を有する第1の超伝導体層(14)と、前記第1の超
伝導体層(14)上に形成され、前記第1のピニング力
よりも弱い第2のピニング力を有する第2の超伝導体層
(16)と、前記第2の超伝導体層(16)と電気的に
接触して且つ間隔をあけて形成されたソース電極及びド
レイン電極(17、18)と、前記基板と電気的に接触
して形成されたゲート電極(12)とを有する。
【0009】もう1つの態様によれば、超伝導チャネル
電界効果デバイスは、導電性基板(19)と、前記基板
上に形成され、プラチナ、ロジウム、パラジウム、銀、
金及びそれらの合金からなる群から選択された金属より
なるパッシベーション層(21)と、前記パッシベーシ
ョン層(21)上に形成された絶縁層(22)と、前記
絶縁層上に形成された超伝導体層(23)と、前記超伝
導体層(23)と電気的に接触して且つ間隔をあけて形
成されたソース電極及びドレイン電極(24、25)
と、前記基板と電気的に接触して形成されたゲート電極
(20)とを有する。
【0010】本発明のさらにもう1つの態様によれば、
超伝導チャネル電界効果デバイスは、非導電性基板(2
6)と、前記基板(26)上に形成され、第1のピニン
グ力を有する第1の超伝導体層(27)と、前記第1の
超伝導体層(27)上に絶縁層(28)を介して形成さ
れたゲート電極(29)と、前記第1の超伝導体層(2
7)と電気的に接触して且つ間隔をあけて形成されたソ
ース電極およびドレイン電極(30、31)とよりな
り、前記第1の超伝導体層(27)と前記基板(26)
との間に、前記第1のピニング力よりも弱い第2のピニ
ング力を有する第2の超伝導体層(32)を含むことを
特徴とする。
【0011】本発明の超伝導チャネル電界効果デバイス
は、ソース電極及びドレイン電極が接続される超伝導電
流チャネルを有する。超伝導電流チャネルは絶縁層によ
ってゲート電極から分離され、その臨界温度TC に近い
かそれ以下の温度まで冷却される。本発明では、電流チ
ャネルの抵抗は超伝導電流チャネルを横切って電界を印
加して超伝導チャネルの臨界電流を変えることによって
制御され、それによって超伝導物質における可動性電荷
キャリヤの密度が変えられることを特徴としている。
【0012】
【実施例】図1はTC より下の温度まで冷却された標準
超伝導体の電圧対電流特性を示す。臨界電流IC まで
は、電流は超伝導体を無視しうる抵抗で流れる。IC
越えると、バイアス電流Iのローレンツ力FL によって
駆動される磁束渦(フラックス渦)が超伝導体を介して
動き、電圧Vを生成するので超伝導体は抵抗を帯びる。
臨界電流IC より下では、いわゆるピニングサイト(ピ
ン止め点)によって決まった位置に保持されるためこれ
らフラックス渦が動かない(ブッケル(W. Buchkel)著、
「超電気伝導(Supraleitung)」(Verlag Chemie, Weinhe
im) 参照)。これらピニングサイトは、ピニング力(ピ
ン止め力)FP でフラックスラインを保持する。臨界電
流IC は、ピニング力とローレンツ力とのバランス、即
ち、FP=FL 、によって与えられる。IC を越える
と、動くフラックスラインによって生成された電圧V
は、動くフラックスラインの数とそれらの速度vの両方
に比例する。速度はv≒ηFP によって与えられる。η
はフラックスフローの粘性係数である。
【0013】重要な点は、FP 及びηが超伝導体の可動
性電荷キャリヤの密度nに依存することである。一般に
より大きいnは、より大きいFP とηに対応する。従っ
て、超伝導体のI(V)特性はnに依存し、nが電界E
によって変えられるならば、図2に図解されるように、
I(V)特性は電界Eによって制御される。明らかだ
が、超伝導デバイスが電流Iでバイアスされ、IC2<I
<IC1であるとき、超伝導体の抵抗はオンとオフに切り
替えられる。図2において、IC1及びIC2はそれぞれ可
動性電荷キャリヤの大と小の数nに関連する臨界電流で
ある。電界効果デバイスにおいて、デバイスの超伝導チ
ャネルにおける電荷キャリヤの数nを増加する(nの
「エンハンスメント」)又は減少する(nの「デプレッ
ション」)ためにゲート電圧を変えることによってnは
調節される。
【0014】nはピニングサイトの近くのみで変えられ
なければならないのであって、超伝導体の全体で変えら
れるのではないことが指摘されるべきである。これは、
ピニングサイト2がゲート電極4が配列されるゲート絶
縁体3の近くに位置決めされるならば、比較的小さい電
界で図3の金属−絶縁体−超伝導体電界効果トランジス
タ(MISFET)デバイスの従来の構造において超伝
導体膜1等の、厚い超伝導膜の臨界電流IC を変えるの
に潜在的な利点を提供する。電界は、ゲート接点5とソ
ース電極7の間に電圧を印加することによって適用され
る。この構造体は基板6に配列されてもよい。
【0015】上記の欧州特許出願公報第EP-A-0 324 044
号に記述されるように、電界は比較的短い距離で超伝導
体にてふるい分けられる。しかしながら、ピニングサイ
トが電界によって浸透される体内に配置される限り、残
りの超伝導体が良好にシールドされてもIC は変えられ
る。このため、比較的厚い超伝導膜がドレイン−ソース
チャネルとして用いられる。YBa2Cu37-δ(0<
δ<1) の場合、膜は厚さ約10nmである。このオーダの
厚さの膜は、製造の容易さ、高い臨界温度TC、及び/
又は良好な化学的安定度等の重要な利点がある。
【0016】本発明の原理は全ての超伝導体に適用さ
れ、多くの構成に実現される。以下において、周知の高
C 超伝導体YBa2Cu37-δを用いる異型構造体の
好ましい実施例が記述される。上記の欧州特許出願公報
第EP-A-91 810 006.6 号と同時に出願された、欧州特許
出願公報第EP-A-91 112 106.9 号(同一の出願人による
反転型MISFET構造体を備える向上された超伝導
電界効果トランジスタ及び同一のトランジスタを作成す
るための方法(Enhanced Superconducting Field-Effect
Transistor with Inverted MISFET Structureand Meth
od for Making the Same) が参照される。
【0017】このタイプの構造体は、YBa2Cu3
7-δno膜がエピタキシャルに成長されるチタン酸スト
ロンチウムSrTiO3の層(又は基板)から製造される。
【0018】例えば、YBa2Cu37-δ膜のためのピ
ニングサイトとして転移又は点欠陥を用いる。これらピ
ニングサイトの密度は、(ドープされないSrTiO3の場合
の)基板表面の形態、成長率、成長温度(欧州特許出願
公報第EP-A-91 810 470.4 号参照) 、又は化学量等の、
YBa2Cu37-δ膜の成長条件の関数である。これら
パラメータの適切な調整によって、ピニングサイトの好
ましい分配が達成される。
【0019】また、例えば図4に示されるような、異な
る超伝導物質及び/又は異なるピニング力の膜が用いら
れる多層異型構造体の利点が得られる。ニオブドープさ
れた(従って導電性の)SrTiO3基板11が下面にゲート
電極12を備えると共に、ドープされないSrTiO3から成
る絶縁層13が上面に付着される。絶縁体層13の上
に、強いピニング能力を有するYBa2Cu37-δから
な薄膜14が配置される。例えば、PrBa2Cu3
7-δからなる任意選択のバッファ層15が、超伝導体膜
14の上に提供されることができる。図4の異型構造体
の最上位層16は超伝導Bi2Sr2Ca2Cu310±δ
の層であり、その物質は、YBa2Cu37-δ超伝導体
層14のピニング能力と比べて、弱いピニング能力を有
する。超伝導体層14と電気的に接触するため、最上位
層16の上にそれぞれドレイン及びソース電極17、1
8が提供される。
【0020】前記Bi2Sr2Ca2Cu310±δ層16
が任意選択のPrBa2Cu37-δ層15と同様に伝導
性を有するという事実のため、電流チャネルが呈する
抗と比較すると、前記ドレイン及びソース電極17、1
8と超伝導体層14との間の抵抗は低い。
【0021】勿論、図4の構造体は一例にすぎない。構
造体は使用される物質や、その物質に生成されるピニン
グサイトの数、更に個々の層の厚さによっても変えられ
る。同様の多層異型構造体は、層1の下に弱いピニング
超伝導層又は他の伝導層を付加することによって、図3
に示されるような「通常の」形状のMISFETに製造
される。そのような構造体は図10に示される。
【0022】「通常の」形状のMISFETデバイス
は、非導電性基板26、第1ピニング力を有する超伝導
物質から成り前記基板26の上にある第1層27、前記
第1超伝導体層27の上に配置された絶縁層28から成
る。絶縁層28はまたゲート電極29を載せ、ソース及
びドレイン電極30、31が前記第1超伝導体層27に
電気的に接続される。前記第1超伝導体層27と前記基
板26の間に、第1超伝導体層27のピニング力より弱
い第2ピニング力を有する第2超伝導体層32が配され
る。任意として、第1及び第2超伝導体層27、32の
間に、伝導性バッファ層33が提供されることができ
る。
【0023】本発明の好ましい実施例において、前記第
2の比較的弱いピニング力の超伝導体層32は、Bi2
Sr2Ca2Cu310±δからなり、伝導バッファ33
はPrBa2Cu37-δ(0<δ<1)からなる。
【0024】ピニングに対する電界の効果、従って、超
伝導チャネルの臨界電流の制御を示すための実験におい
て、上記の欧州特許出願公報第EP-A-91 112 106.9 号
(同一の出願人により、同時に出願された「反転型MI
SFET構造体を備える向上された超伝導電界効果トラ
ンジスタ及び同一のトランジスタを作成するための方法
(Enhanced Superconducting Field-Effect Transistor
with Inverted MISFET Structure and Method for Mak
ing the Same) 」の教示に従って、異型構造体(金属−
絶縁体−超伝導体電界効果トランジスタ(i-MISFET)) が
成長された。図5はこの反転型MISFETの構造体を
示す。
【0025】反転型MISFETのゲート19はフロー
ティングゾーン技術によって成長される導電n型(0.05
%Nbドープされた)SrTiO3(100)の配向の単結晶基板から
成り、Ag接点20がAgをNb:SrTiO3 基板に拡散してゲー
トに固定された。基板19は≒600 ℃まで加熱され、プ
ラチナの薄い(即ち、2-5nm)エピタキシャル処理(パッ
シベーション)層21が電子ビーム蒸着によって上面に
付着された。≒680 ℃の基板温度TSUB において、ドー
プされない SrTiO3 で、厚さ≒500nm の(100)の配向層
22が、6.7Pa アルゴン酸素雰囲気(Ar:O2=2:1) 中で無
線周波(RF)マグネトロンスパッタリングによって付着さ
れた。
【0026】次に、真空環境を残さずに、厚さ4から10
nmの間のYBa2Cu37-δからなる層が、TSUB ≒75
0 ℃、約90Paの圧力(Ar:O2=2:1) でDCマグネトロンスパ
ッタリングによって付着される。次に、構造体が≒50kP
a O2に冷却される。従来のフォトリソグラフィーと湿式
エッチング(希H3PO4 における) を用いて、構造体がパ
ターン化されて、金接点パッド24、25がそれぞれソ
ース及びドレイン電極を形成するために造られる。上述
の本方法に従って準備された構造体は、減少するゲート
電圧と共に迅速に増加しながら、両方の極性において10
V で1012〜1013Ωcmのゲート抵抗を有した。
【0027】プラチナ層21がなければ、正常に伝導す
るNb:SrTiO3 基板19の表面領域が劣化されて絶縁し、
MISFET構造体のゲート20及びソース24の間の
キャパシタンスCGSの激しい低下をもたらすことがわか
った。これはデバイスの性能を劣化して、数パーセント
の抵抗率変調だけしか見られなかった。しかしながら、
プラチナ層21によって、CGSは大幅に改良され(ほぼ
3倍)、抵抗率変調において1オーダ以上の大きさの改
良が見られた。
【0028】Nbドープされたゲート基板19の死(デッ
ド)表層に拡散するPt層21の有益な効果に加えて、ド
ープされないSrTiO3層22を介するYBa2Cu37-δ
超伝導チャネル層23へのPt拡散が、使用される処理状
態において発生したということは注目に値する。これは
超伝導遷移の拡大をもたらした。このため、最良の結果
は比較的薄いPt層21と比較的厚いSrTiO3層22によっ
て達成された。Pt層21の付着後の処理温度を下げるこ
とによって、デバイス性能の一層の改良が期待される。
【0029】プラチナは、Nb:SrTiO3 基板の表面の死層
の性質を改良するのに有益だとわかったのはいくつかの
理由による。即ち、伝導性が高く、酸化に抵抗力があり
(即ち、ドープされないSrTiO3及びYBa2Cu37-δ
膜の付着の間の酸化状態)、その格子定数と熱膨張係数
がSrTiO3及びYBa2Cu37-δの格子定数と熱膨張係
数に近いことである。構造の適合性のこれらの問題を満
足させる他に、プラチナはかなり化学的に適合性があ
る。即ち、絶縁層及び超伝導層それぞれの性質に大きく
反応したり性質を損なったりしない。
【0030】プラチナの他にも、これら制約の多くを満
足し、この適用に有用な他の物質がある。例として、ロ
ジウム、パラジウム、銀、金、及びそれらの合金があ
る。特に、付着の間合金の組成を制御することによっ
て、Pt-Rh 合金の格子定数は0.3804nm(純Rh) と0.3924
(純Pt) の間で変えられる。この能力は、得られるべき
周囲の層に更によく整合することを可能にする。ほぼ所
望の格子定数を生じる適切な合金組成は、以下のベガー
ドの法則によって計算される。
【0031】同一の結晶構造を有し、置換形固溶体が存
在する合金の2つの成分AとBにおいて、x原子%のA
と(1−x)原子%のBを含む混合物の格子定数amix
はほぼ以下によって与えられる。 amix ≒xaA +(1−x)aB ここで、aA 及びaB はそれぞれ純Aと純Bの格子定数
である。
【0032】上述のように製造された構造体において、
図6に示されるように、YBa2Cu37-δ膜15は約
14K で超伝導になる。図7、図8及び図9は、ゲート電
圧をパラメータとして、4.1K、8.2K、及び14.6K にて測
定された3つのドレイン−ソース電圧対電流特性を示
す。ゲート接点とソース接点の間に正のバイアス電圧
(VGS>0)を印加することによってp型超伝導体のチ
ャネルにおけるキャリヤ濃度を減少し(デプレッショ
ン)、負のバイアス電圧(VGS<0)を印加することに
よってチャネルにおけるキャリヤ濃度を増加する(エン
ハンスメント)。図7、図8及び図9は、±10V のゲー
ト電圧の変化が約±200 μA のVDS(IDS)特性の変化
を導く臨界電流に変動をもたらすことを示している。
【0033】YBa2Cu37-δ膜において、TC より
下のI(V)曲線は通常滑らかであり、臨界電流密度を
決定するのに適したいかなるよく定義された特徴をも示
さないと指摘されている。(サッチェル(J.S. Sachell)
他著、「YBa2Cu3O7 薄膜の電気的性質(Electrical Prop
erties of YBa2Cu3O7 Thin Films) 」(Physica C, 162-
164, 1989 年、625 頁) の図1及び図3参照。)この問
題は臨界電流の電界誘導変化に正確な数を提供するのを
困難にするが、±100 から±200 μAの範囲内にあると
信じられている。図7、図8及び図9を導く測定が±10
Vのゲート電圧で行われる一方、当業者によって教示さ
れた構造体の作動が概して1から100Vの範囲内のゲート
電圧で可能になることは明白である。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、臨界温度Tc に近い作
動温度や非常に薄いチャネル層に依存しない超伝導電界
効果デバイスを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】標準超伝導体の電圧対電流特性を示す。
【図2】超伝導体のI−V特性における電界の効果を図
解する。
【図3】「正常な」MISFETデバイスにおける絶縁
体/超伝導体界面に近いピニングサイトの配置を示す。
【図4】強弱のピニング力の超伝導層及びバッファ層を
有する「反転型」MISFETデバイスの断面図であ
る。
【図5】パッシベーション層を有する反転型MISFE
Tデバイスの断面図である。
【図6】ゲート電圧の変動が電界効果デバイスの抵抗に
与える影響を示すR(T)図である。
【図7】温度4.1Kにおいて超伝導チャネルの臨界電流に
おけるゲート電圧の変動の影響を示す、教示されたi−
MISFETデバイスのI−V特性の測定である。
【図8】温度8.2Kにおける図7のI−V特性の測定であ
る。
【図9】温度14.6K における図7のI−V特性の測定で
ある。
【図10】強弱のピニング力の超伝導層及びバッファ層
を備えた「通常の」形状のMISFETの断面図であ
る。
【符号の説明】
11、19、26 基板 12、20、29 ゲート電極 13、22 絶縁層 14、27 強いピニング力の超伝導体層 15、33 バッファ層 16、32 弱いピニング力の超伝導体層 21 プラチナ層 17、18、24、25、30、31 ソース/ドレイ
ン電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マンハルト ヨッヘン ディー. スイス、シーエイチ−8804アウ、アルテ ランドストラーセ 131 (72)発明者 ムエレル カール アレクサンダー スイス、シーエイチ−8908ヘディンゲ ン、ハルデンストラーセ 54 (72)発明者 シュロン ダレル スイス、シーエイチ−8800タルヴィル、 マイセンストラーセ 8 (56)参考文献 特開 平1−207982(JP,A) 特開 昭61−75575(JP,A) 特開 平5−160455(JP,A) 特開 平2−77179(JP,A) 欧州特許出願公開371462(EP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基板(11)と、 前記基板上に形成された絶縁層(13)と、 前記絶縁層上に形成され、第1のピニング力を有する第
    1の超伝導体層(14)と、 前記第1の超伝導体層(14)上に形成され、前記第1
    のピニング力よりも弱い第2のピニング力を有する第2
    の超伝導体層(16)と、 前記第2の超伝導体層(16)と電気的に接触して且つ
    間隔をあけて形成されたソース電極及びドレイン電極
    (17、18)と、 前記基板と電気的に接触して形成されたゲート電極(1
    2)とを有する超伝導チャネル電界効果デバイス。
  2. 【請求項2】 導電性基板(19)と、 前記基板上に形成され、プラチナ、ロジウム、パラジウ
    ム、銀、金及びそれらの合金からなる群から選択された
    金属よりなるパッシベーション層(21)と、 前記パッシベーション層(21)上に形成された絶縁層
    (22)と、 前記絶縁層上に形成された超伝導体層(23)と、 前記超伝導体層(23)と電気的に接触して且つ間隔を
    あけて形成されたソース電極及びドレイン電極(24、
    25)と、 前記基板と電気的に接触して形成されたゲート電極(2
    0)とを有する超伝導チャネル電界効果デバイス。
  3. 【請求項3】 非導電性基板(26)と、前記基板(2
    6)上に形成され、第1のピニング力を有する第1の超
    伝導体層(27)と、前記第1の超伝導体層(27)上
    に絶縁層(28)を介して形成されたゲート電極(2
    9)と、前記第1の超伝導体層(27)と電気的に接触
    して且つ間隔をあけて形成されたソース電極およびドレ
    イン電極(30、31)とよりなり、 前記第1の超伝導体層(27)と前記基板(26)との
    間に、前記第1のピニング力よりも弱い第2のピニング
    力を有する第2の超伝導体層(32)を含むことを特徴
    とする超伝導チャネル電界効果デバイス。
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