JP2669227B2 - エアバック制御装置 - Google Patents

エアバック制御装置

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JP2669227B2
JP2669227B2 JP3280422A JP28042291A JP2669227B2 JP 2669227 B2 JP2669227 B2 JP 2669227B2 JP 3280422 A JP3280422 A JP 3280422A JP 28042291 A JP28042291 A JP 28042291A JP 2669227 B2 JP2669227 B2 JP 2669227B2
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和雄 平野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の衝突時の衝突状
態を判別して適切にエアバックが作動するようにするエ
アバック制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両の衝突事故に際して、運転者や同乗
者を保護するため、一部の車両には衝突を感知して作動
するエアバックが装備されている。このエアバックの作
動制御は単に車両の受けた衝撃度のみを判別して作動せ
しめると、衝突事故でない場合も作動してしまう不都合
があり、又車両速度が速い時には早く作動させる必要が
ある。このためエアバックの作動制御装置には、車両の
速度や衝突状態によってエアバックを作動せしめるか否
かを判別する手段が備えられている。
【0003】具体的には、車両衝突時の車両の加速度変
化は図5(イ)のグラフの様になり、加速度センサから
の検出信号が所定のしきい値G0 以上の時即ち或る一定
以上の衝撃を感知したとき時から加速度値を積分し、所
定時間T0 が経過するまでの間にその積分値ΔV(グラ
フの斜線部分の面積)が一定値ΔV0 以上となるとエア
バックの点火起動を行うようにしている。即ち図5
(ロ)のグラフのように轍走行や凹凸路走行のように車
両の加速度が変化しても、その値が前記の所定のしきい
値G0 以下であれば積分演算を開始しないので、非衝突
時のエアバック誤作動が防止され、又図4(ハ)のグラ
フの如く車両が道路の縁石を乗り越えた場合のように加
速度変化が急激でも、所定時間T0 の間の積分値ΔV1
が所定値ΔV0 より小さい時はエアバックの作動を不必
要としてその点火起動を行わないようにしている(特開
平3−121951号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで前記の制御装
置において、例えば縁石を越えて壁面に車両が激突した
ような状況の時、その車両の加速度変化は図5(ニ)に
示すように縁石衝突時に瞬間的に加速度がしきい値G0
を越え、そして壁面衝突で再度しきい値G0 を越えるよ
うな状態となる。このとき最初にしきい値G0 を越えた
0 時から所定時間T0 経過するt1 時までの間積分値
ΔV1 が一定値ΔV0 より小さいとエアバックの点火起
動がなされず、制御回路はリセットされる。次に再度t
1 時から積分演算処理が開始し、次回の積分値ΔV2
一定値ΔV0 を超えたt2 時にエアバックの点火起動が
なされる。
【0005】しかしながら、若し最初の加速度変化gx
がないとすると、図5(ホ)に示すように壁面衝突を原
因とする後の加速度変化gyでのしきい値G0 を越えた
3時に積分演算が開始され、積分値ΔV2 が一定値Δ
0 を超えたt4 時にエアバックの点火起動がなされる
はずであるにもかかわらず、現実にはエアバックの起動
が遅くなることになる。
【0006】勿論前記の最初の加速度変化がセンサノイ
ズの場合もあり、エアバックの起動遅れは、エアバック
装置の信頼性の低下となる。そこで本発明は、瞬間的な
加速度変化の状況が生じたとしてもエアバックの起動の
遅が無い制御装置を提案したものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るエアバック
の制御装置は、車両に装備した加速度センサからの検出
信号が所定のしきい値以上の時に演算開始信号を発する
比較部と、前記演算開始信号を受けた時から加速度変化
を積分演算し、所定値以上となるとエアバック点火信号
を発する演算部とを備えた制御装置に於いて、前記比較
部の他に前記比較部からの演算開始信号の出力後所定時
間遅れて加速度センサから所定のしきい値以上の検出信
号が入力すると、第二の演算開始信号を発する第二比較
部と、第二演算開始信号を受けた時から加速度変化を積
分演算し所定値以上となるとエアバック点火信号を発す
る第二演算部とを付加したことを特徴とするものであ
る。
【0008】
【作用】車両の衝撃が或る一定以上となった時加速度セ
ンサからの検出信号が所定のしきい値以上となり、その
時から所定時間加速度値を積分し、積分値が一定値以上
となるとエアバックの点火起動を行う。
【0009】更に所定時間後以降に加速度センサからの
検出信号が所定のしきい値以上となつたとき、第二比較
部から第二の演算開始信号が発せられ、その時から第二
演算部で所定時間加速度値を積分し、積分値が一定値以
上となるとエアバックの点火起動を行う。
【0010】
【実施例】次に本発明の実施例を図1乃至図4に基づい
て説明する。本発明に係るエアバックの制御装置は、セ
ンサ部1、第一比較部2、第一演算部3、第二比較部2
a、第二演算部3aからなり、センサ部1は車両の適宜
個所に設置し、車両の受けた衝撃即ち加速度の変化を出
力(アナログ量)するセンサ11と、センサ11の出力
のサンプルホールドを行い検出信号gを出力するセンサ
出力部12からなる。第一比較部2は前記のセンサ部か
らの検出信号gと予め定めた所定値(しきい値G0 )の
入力とする第一比較器からなり、検出信号gがしきい値
0 以上の時に演算開始信号を発する。
【0011】第一演算部3は第一変換部31、第一タイ
マー部32、第一演算出力部33からなり、第一変換部
31は前記検出信号gをA/D変換するA/D変換部3
11と、変換されたデジタル値と対応する積分加算用の
デジタル数値vを出力する第一ROM部312からな
る。また第一タイマー部32は演算開始信号の入力を受
けると所定時間T0 をカウントするものであり、第一演
算出力部33は第一タイマー部31のカウント開始時か
ら積分加算用のデジタル数値vをラツチするラッチ部3
31と、ラッチ部331からのラッチ数値vを加算して
積分値ΔV1 を算出する積分器332と、予め定めた積
分値ΔV0 をメモリした第二ROM部333と、積分器
332と第二ROM部333との出力値を比較し、積分
値ΔV1 が予め定めた積分値ΔV0 に達するとエアバッ
ク点火信号を発する第二比較器334とで構成される。
【0012】第二比較部2aは第一比較部2と同様のセ
ンサ部からの検出信号gが予め定めた所定値(しきい値
0 )を越えているときに指示信号を出力する第三比較
器21と、第一比較部2の演算開始信号の出力を受けた
時から所定時間T0 より短い時間例えば所定時間T0
二分の一の時間T1 後に指示信号を発する遅タイマー部
22と、第三比較器21と遅タイマー部22の各指示信
号を入力とするアンド回路部23からなり、第二演算部
3aは第一変換部31と同一構成の第二変換部31a
と、前記アンド回路部23からの演算開始信号の入力を
受けると所定時間T0 をカウントする第二タイマー部3
2aと、第一演算部出力部33と同一構成の第二演算出
力部33aからなるものである。尚装置としては第一演
算出力部33と第二演算出力部33aの各点火信号出力
を入力とするオア回路部4を設けておく。
【0013】次に前記制御装置の動作について図4に基
づいて説明する。積分値ΔV0 は予め第一演算出力部3
3の第二ROM部333と、第二演算出力部33aの同
様部品に書き込んでおり、また第一比較部2の第一比較
器並びに第二比較部2aの第三比較器21の基準電圧
(しきい値G0 )も予め調整して所定車両に装備するも
のである。
【0014】車両が受ける衝撃は、センサ部1からの加
速度変化の信号(検出信号g)として出力され、第一比
較器(第一比較部2)で前記検出信号gが予め定めた所
定値(しきい値G0 )以上となるt0 時に演算開始信号
を発する。第一演算部3では演算開始信号を受けると、
第一タイマー部32が所定時間T0 のカウントを開始
し、同時に検出信号gと対応する積分加算用のデジタル
数値v(第一変換部31の出力)の加算(積分)を積分
器332で行い、積分値ΔV1 が予め定めた一定値ΔV
0 (メモリ値)に達するとエアバック点火信号が発せら
れ、オア回路部4の入力となる。若し所定時間T0 の間
の積分値ΔV1 が一定値ΔV0 に達しないときは、エア
バック点火信号は発せられず、t0 時からT0 時間経過
したt1 時に回路がリセットされる。
【0015】更に前記の第一比較部2から演算開始信号
が発せられると、第二タイマー部22の作動が開始し、
所定時間T1 が経過するとアンド回路部23に指示信号
を出力する。これと共に第三比較器21へに入力する検
出信号が所定のしきい値G0以上となったt3 時に、ア
ンド回路部23に指示信号が送られ両指示信号が入力す
るとアンド回路部23(第二比較部2)から第二の演算
開始信号が発せられ、その時から第二演算部33aで第
一演算部33と同様の演算処理が行われ、所定時間加速
度値を積分し、積分値ΔV2 が一定値ΔV0 以上となる
4 時に、点火信号を発し、オア回路部4の入力とな
る。
【0016】而して第一演算出力部33と第二演算出力
部33aの各点火信号出力の何れかがオア回路部4に入
力すると、エアバックの起動点火が行われるものであ
る。
【0017】従って轍走行や凹凸路走行のように車両の
加速度が変化が小さい場合は検出信号gの値が所定のし
きい値G0 以下である時は積分演算を開始せず、また車
両が道路の縁石を乗り越えた場合のように加速度変化が
急激でも一時的で積分値が所定値ΔV0 より小さい時
は、エアバックを起動させないようにしている。而も第
一の処理の開始所定時間(T1 )後を再度制御処理を行
うようしたものであるから、瞬間的な加速度変化が発生
しても、その加速度変化を処理しない第二の制御処理が
行われ、瞬間的な加速度変化が発生を原因とするエアバ
ックの作動遅れを解決したものである。
【0018】尚本発明は、前記実施例に限定されるもの
ではなく、所定の演算処理並びに演算開始条件の任意設
定ができるものであれば、その具体的回路構成は任意に
さだめることができる。
【0019】
【発明の効果】本発明は以上のように加速度センサから
の検出信号が所定のしきい値以上の時に演算開始信号を
発する比較部と、前記演算開始信号を受けた時から加速
度変化を積分演算し、所定値以上となるとエアバック点
火信号を発する演算部とを備えた従来の制御装置に於い
て、特に第一の制御処理を行う前記の比較部並びに演算
部の他に第一の制御処理の開始所定時間(T1 )後を再
度制御処理を行う第二の比較部及び第二の演算部を付加
したもので、事故状況や加速度センサの誤作動を原因と
する瞬間的な加速度変化が発生しても、エアバックの作
動遅れをが生じないようにし、エアバックの作動をより
確実なものとして、事故時の人命の安全をより確実なも
のとしたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の実施例の簡便な回路構成図であ
る。
【図2】同第一比較部及び第一演算部の動作フローチヤ
ート図である。
【図3】同第二比較部及び第二演算部の動作フローチヤ
ート図である。
【図4】本発明の実施例の動作を説明するグラフ図であ
る。
【図5】車両衝突時の状態並びに従来のエアバックの動
作例を説明するグラフ図である。
【符号の説明】
1 センサ部 11 センサ 12 センサ出力部 2 第一比較部(第一比較器) 3 第一演算部 31 第一変換部 311 A/D変換部 312 第一ROM部 32 第一タイマー部 33 第一演算出力部 331 ラッチ部 332 積分器 333 第二ROM部 334 第二比較器 2a 第二比較部 21 第三比較器 22 遅タイマー部 23 アンド回路部 3a 第二演算部 31a 第二変換部 32a 第二タイマー部 33a 第二演算出力部 4 オア回路部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に装備した加速度センサからの検出
    信号が所定のしきい値以上の時に演算開始信号を発する
    比較部と、前記演算開始信号を受けた時から加速度変化
    を積分演算し、所定値以上となるとエアバック点火信号
    を発する演算部とを備えたエアバック制御装置に於い
    て、前記比較部の他に前記比較部からの演算開始信号の
    出力後所定時間遅れて加速度センサから所定のしきい値
    以上の検出信号が入力すると、第二の演算開始信号を発
    する第二比較部と、第二演算開始信号を受けた時から加
    速度変化を積分演算し所定値以上となるとエアバック点
    火信号を発する第二演算部とを付加したことを特徴とす
    るエアバック制御装置。
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JP3778833B2 (ja) * 2001-09-19 2006-05-24 トヨタ自動車株式会社 衝突形態判別装置
KR101092753B1 (ko) * 2009-12-04 2011-12-09 기아자동차주식회사 충돌 시 도어락 해제 알고리즘 장착 시스템

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