JP2669126B2 - 内燃機関用ピストン - Google Patents

内燃機関用ピストン

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JP2669126B2
JP2669126B2 JP2225996A JP22599690A JP2669126B2 JP 2669126 B2 JP2669126 B2 JP 2669126B2 JP 2225996 A JP2225996 A JP 2225996A JP 22599690 A JP22599690 A JP 22599690A JP 2669126 B2 JP2669126 B2 JP 2669126B2
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01MLUBRICATING OF MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; LUBRICATING INTERNAL COMBUSTION ENGINES; CRANKCASE VENTILATING
    • F01M1/00Pressure lubrication
    • F01M1/06Lubricating systems characterised by the provision therein of crankshafts or connecting rods with lubricant passageways, e.g. bores
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01MLUBRICATING OF MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; LUBRICATING INTERNAL COMBUSTION ENGINES; CRANKCASE VENTILATING
    • F01M1/00Pressure lubrication
    • F01M1/08Lubricating systems characterised by the provision therein of lubricant jetting means

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、外周部にピストンリング溝を有する有蓋
円筒状の上部体下側の形状を骨格構造として、軽量化及
びスカート摺動面積減少を図った、いわゆるスケルトン
型ピストンからなる内燃機関用ピストンに関するもので
ある。
[従来の技術] 従来、この種の内燃機関用ピストンとして、例えば特
開昭58−65952号公報に開示された技術が知られてい
る。即ち、第14図に示すように、このピストン31は有蓋
円筒状の上部体32を備え、その上部体32の外周部には複
数のピストンリング溝33が設けられている。上部体32の
外周部にてピストンリング溝33の下側には、上部スカー
ト34が設けられている。又、上部体32の内部からはピス
トンピンボス35が延設されており、そのピストンピンボ
ス35より横方向へ延設された支持体36には、上部スカー
ト34から分離した下部スカート37が支持されている。こ
れら上部スカート34及び下部スカート37は、ピストン31
のスラスト側及び反スラスト側にそれぞれ一組ずつ設け
られている。
そして、このピストン31を一般的な組付け構造に従っ
て内燃機関のシリンダボアに組付けた場合、ピストン31
はそのピストンピンボス35にて、図示しないピストンピ
ンを介してコンロッドの先端に連結される。又、ピスト
ン31が上下運動される機関運転時には、コンロッド基端
部に設けられたオイル穴又は別途に設けられたオイルジ
ェットからピストン31のスラスト側へ向けてエンジンオ
イルが供給される。
[発明が解決しようとする課題] 一般に、内燃機関の低・中速回転域では、ピストンの
運動スピードが相対的に遅いために、オイル穴又はオイ
ルジェットから供給されるエンジンオイルはピストンの
スラスト側内部空間に達して充分に供給されると共に、
その一部は反スラスト側内部空間にも達して適度に供給
される。しかしながら、高速回転域ではピストンの運動
スピードが相対的に速いために、スラスト側内部空間へ
のエンジンオイルの供給がピストンの動きに追従しきれ
なくなり、これに連れて、反スラスト側内部空間へのオ
イル供給量が少なくなる。しかも、オイル温度の上昇に
伴いエンジンオイルの粘性がちいさくなってエンジンオ
イルが霧化するため、反スラスト側にはエンジンオイル
が届き難くなる。
従って、前記従来例のピストン31では、その反スラス
ト側の上部スカート34及び下部スカート37でオイル不足
による潤滑不良や冷却不良が生じ易くなり、シリンダボ
アとの摺接で反スラスト側の上部スカート34及び下部ス
カート37の摩耗量が増大したり、焼付きやスカッフィン
グ等が発生したりする虞があった。
この発明は前述した事情に鑑みてなされたものであっ
て、その目的は、反スラスト側の上部スカート及び下部
スカートに対するエンジンオイルの供給量を増大させる
ことが可能で、摩耗量増大や焼付き及びスカッフィング
等の発生を抑えることが可能な内燃機関用ピストンを提
供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するために、この発明においては、
天肉内壁を有する有蓋円筒状の上部体と、前記上部体の
外周部下側に設けられた上部スカートと、前記上部体よ
り延設されたピストンピンボスと、前記ピストンピンボ
スより延設された支持体に支持された下部スカートとを
備えたスケルトン型ピストンであって、該ピストンの少
なくともスラスト側及び反スラスト側に位置する上部ス
カート及び下部スカート並びに前記上部体の天肉内壁に
よって内部空間が区画されると共に、前記ピストンピン
ボスに装着されるピストンピンを介して連結されるコン
ロッドのオイル穴又はオイルジェットから前記内部空間
のスラスト側領域へ向けてエンジンオイルが供給される
内燃機関用ピストンにおいて、 前記コンロッドのオイル穴又は前記オイルジェットか
ら前記ピストン内部空間のスラスト側領域に供給された
エンジンオイルを反スラスト側に位置する前記上部スカ
ート及び前記下部スカートへ案内すべく、前記ピストン
内部空間の反スラスト側領域において前記天肉内壁から
所定間隔を隔てた位置にオイル案内片を設けている。
[作用] 上記の構成によれば、オイル案内片はピストン内部空
間の反スラスト側領域において上部体の天肉内壁から所
定間隔を隔てて設けられており、それ故、当該オイル案
内片と天肉内壁との間は一種の案内空間とみることがで
きる。そして、ピストンの上下運動時にコンロッドのオ
イル穴又はオイルジェットからピストン内部空間のスラ
スト側領域にエンジンオイルが供給されると、そのエン
ジンオイルの一部が、スラスト側に位置する上部スカー
ト及び天肉内壁に沿ってピストン内部空間の反スラスト
側領域に導かれ、オイル案内片と天肉内壁との間の前記
案内空間へ達する。更に、その案内空間に達したエンジ
ンオイルは、そのオイル案内片によって、反スラスト側
にある上部スカート及び下部スカートに向けて案内され
る。このようにして、反スラスト側の上部スカート及び
下部スカートへのオイル供給量が増大し、反スラスト側
におけるオイル不足が解消される。
[第1実施例] 以下、この発明を具体化した第1実施例を第1図〜第
7図に基づいて詳細に説明する。
第1図はこの実施例の内燃機関用ピストン1を示す正
断面図であり、第2図は第1図のX−X線断面図であ
る。
このピストン1は、3つのピストンリングを組付ける
ための3つのピストンリング溝を備えたタイプのもので
あり、有蓋円筒状をなす上部体2と骨格構造をなす下部
体3とから構成されている。
上部体2の外周部には、上からトップリング溝4、セ
カンドリング溝5及びオイルリング溝6が互いに平行に
形成されている。そして、トップリング溝4及びセカン
ドリング溝5には図示しないコンプレッションリングが
それぞれ組み付けられ、オイルリング溝6には図示しな
いオイルリングが組み付けられるようになっている。オ
イルリング溝6の内壁には、上部体2の内側、即ちピス
トン1の内部空間Sに連通する複数(この実施例では合
計6個)のオイル戻し穴7a,7b,7c,7d,7e,7fが形成され
ている。これらのオイル戻し穴7a〜7fは、オイルリング
によって掻き落とされるエンジンオイルの一部を上部体
2の内側へ戻すためのものである。
又、そのオイルリング溝6の下側外周部において、ピ
ストン1のスラスト側及び反スラスト側には、円弧状の
外周面を有して下方へ突出する一対の上部スカート8A
(スラスト側)、上部スカート8B(反スラスト側)がそ
れぞれ形成されている。これら上部スカート8A,8Bの外
周面下端には内側下方へ傾斜する面取り8aが形成されて
いる。
一方、下部体3はそのフロント側及びリア側の中央に
ピストンピン装着用の一対のピストンピンボス9を備え
ている。各ピストンピンボス9の両側には横方向へ延び
る支持体10A(スラスト側)、支持体10B(反スラスト
側)がそれぞれ形成されている。又、それら支持体10A,
10Bの先端側には円弧状の外周面を有する一対の下部ス
カート11A、下部スカート11Bがそれぞれ形成されいて
る。これら下部スカート11A,11Bは上部スカート8A,8Bと
同じくピストン1のスラスト側及び反スラスト側に形成
されたものであり、上部スカート8A,8Bから分離してそ
の上部スカート8A,8Bに対して並列に形成されている。
これら下部スカート11A,11Bの外周面上端には内側上方
へ傾斜する面取り11aが形成されている。
第1,2図からも明らかなように、内部空間Sはピスト
ン1のフロント側とリア側を分かつ中心線L1に沿って、
スラスト側から反スラスト側に渡って形成されている。
又、各上部スカート8A,8Bの内壁は、上部体2の天肉内
壁2aによって互いに連続している。
このピストン1は一般的な組付け構造に従って内燃機
関に組付けられるものである。即ち、第5図に示すよう
に、ピストン1はそのピストンピンボス9にてピストン
ピン12を介してコンロッド13の先端に連結され、その状
態で内燃機関のシリンダボア14に装着される。又、この
実施例において、コンロッド13の基端部にはエンジンオ
イル供給用のオイル穴15が設けられている。そして、ピ
ストン1が上下運動される機関運転時には、そのオイル
穴15からピストン1のスラスト側へ向けてエンジンオイ
ルが間欠的に供給されるようになっている。このオイル
穴15からエンジンオイルを供給するための構造は周知で
あるので、詳しい説明は省略する。
又、一般に、ピストン上下運動の際には、コンロッド
及びクランクシャフトとの連結関係からピストン外周面
のスラスト側がシリンダボアに強く押圧されることにな
る。そこで、第1,2図からも明らかなように、この実施
例のピストン1では、周知のようにピストンピンボス9
の中心位置Pがピストン1の中心軸線Lよりもスラスト
側へ僅かな間fだけオフセットされ、スラスト側外周面
における衝撃、摩耗等を小さくするようにしている。
そして、この実施例のピストン1では、その内部空間
Sの反スラスト側において、コンロッド13のオイル穴15
からスラスト側へ向けて供給されるエンジンオイルを反
スラスト側の上部スカート8B及び下部スカート11Bへ案
内するためのオイル案内片16が設けられている。
即ち、第3図に示すように、この実施例のオイル案内
片16は細長状の板片16aと、その板片16aの両端で板片16
aの上面よりも若干上寄りにて横方向へ延びる一対の支
持ピン16bとから構成されている。このオイル案内片16
は、ピストン1における慣性荷重低減のために、例えば
アルミニウム、銅、マグネチタン及びプラスチック等の
軽量な材質で形成されることが望ましい。そこで、この
実施例では、可撓性と耐熱性とを兼ね備えたプラスチッ
クによってオイル案内片16が形成されている。オイル案
内片16の可撓性はピストン1への組付けを容易にし、耐
熱性は機関熱に対する耐久性を高めている。
一方、オイル案内片16をピストン1の内部空間Sに組
付けるために、ピストン1の反スラスト側に位置するオ
イル戻し穴7c,7d,7eのうち、一対のオイル戻し穴7c,7e
はフロント・リア方向へ延びるように中心線L1を中心に
対称に配置され、互いに対向して形成されている。そし
て、両オイル戻し穴7c,7eに対応してオイル案内片16の
両支持ピン16bが挿入され、オイル案内片16がピストン
1の反スラスト側の内部空間Sにて中心線L1に直交して
いる。
又、この実施例では、第4図に示すように、両オイル
戻し穴7c,7eが楕円状に形成されている。そして、各支
持ピン16bが挿入された状態で、その支持ピン16bとオイ
ル戻し穴7c,7eとの間に適度な隙間gが形成されてい
る。従って、両オイル戻し穴7c,7eでその隙間gをエン
ジンオイルが流通するようになっている。両支持ピン16
bの長さ及び外径は、両オイル戻し穴7c,7eの長さ及び最
大内径とほぼ同じに設定されている。又、オイル案内片
16の組付けの際には、その可撓性を利用して両支持ピン
16bが両オイル戻し穴7c,7eに圧入される。従って、オイ
ル案内片16が支持された状態では、そのガタツキや脱落
が防止される。
次に、上記のように構成したピストン1の作用につい
て説明する。
内燃機関が運転されると、ピストン1がシリンダボア
14内にて上下運動し、第5図に矢印で示すように、コン
ロッド13のオイル穴15からは一般的にピストン1のスラ
スト側へ向けてエンジンオイルが間欠的に供給される。
この時、内部空間Sのスラスト側に達したエンジンオイ
ルの一部は、第5〜7図に矢印で示すように、上部体2
の天肉内壁2aに沿って内部空間Sの反スラスト側へと導
かれる。又、反スラスト側へと導かれたエンジンオイル
の一部はオイル案内片16に達し、その板片16aの上面に
沿って案内されながら反スラスト側の上部スカート8B及
び下部スカート11Bの内壁へと、或いは上部スカート8B
と下部スカート11Bとの間からシリンダボア14へと積極
的に供給される。
このため、反スラスト側の上部スカート8B及び下部ス
カート11Bへのオイル供給量が増大し、反スラスト側で
のオイル不足が解消される。この反スラスト側の上部ス
カート8B及び下部スカート11Bへのオイル供給量は、エ
ンジンオイルが反スラスト側に届き難くなる内燃機関の
高速回転時においても効果的に増大されることになる。
従って、反スラスト側の上部スカート8B及び下部スカ
ート11Bの内壁に沿って流れるオイル量が増大すると共
にシリンダボア14へのオイル供給量が増大することか
ら、両スカート8B,11Bの冷却性及び潤滑性を向上させる
ことができる。この結果、両スカート8B,11Bの熱膨張を
抑えて、シリンダボア14との摺接における両スカート8
B,11Bの摩耗量を低減させることができ、更にはシリン
ダボア14との間の焼付き発生やスカッフィング発生を抑
えることができる。
又、反スラスト側の両スカート8B,11Bの冷却性改善に
伴い、両スカート8B,11Bのプロフィール適正化が可能と
なり、内燃機関の低・中・高速の各回転域に対するマッ
チングの自由度を増すこともできる。
更に、反スラスト側における両スカート8B,11Bの外周
面とシリンダボア14との間の潤滑性改善に伴い、摩擦を
低減させることができ、スラップ音の低下や燃費向上を
図ることもできる。
又、この実施例のピストン1では、オイル案内片16を
組付けるための穴としてオイル戻し穴7c,7eを利用して
いるので、特別な組付け穴を設ける必要がなく、製造コ
スト低減に有利である。しかも、オイル戻し穴7c,7eは
楕円状に形成され、支持ピン16bとの間に隙間gができ
ることから、オイル戻し穴7c,7eとしての本来の機能を
損なうことがない。
[第2実施例] 次に、この発明を具体化した第2実施例を第8,9図に
従って説明する。尚、以下の各実施例におけるピストン
の基本的構成は前記第1実施例におけるピストン1のそ
れと同じであるとして、以下の各説明では、同一の構成
要素については同一の符号を付して説明を省略し、異な
った点についてのみ説明する。
第8図はこの実施例のピストン21を示す図面であり、
前記第1実施例の第2図に相当する平断面図である。こ
の実施例において、複数のオイル戻し穴7a〜7fのうち、
ピストン21の反スラスト側寄りのオイル戻し穴7c,7eは
フロント・リア方向へ延びるように対称に配置され、互
いに対向して形成されている。そして、これらオイル戻
し穴7c,7eに対し、プラスチックよりなる棒状のオイル
案内片22が組付けられている。このオイル案内片22は全
長が若干長めに形成されており、その両端22aが両オイ
ル戻し穴7c,7eを貫通してオイルリング溝6内へ若干突
出している。
従って、この実施例のピストン21においても、内燃機
関の運転時には、ピストン21のスラスト側へ向けて供給
されるエンジンオイルの一部が、上部体2の天肉内壁に
沿って内部空間Sの反スラスト側へと導かれる。又、反
スラスト側の内部空間Sへと導かれたエンジンオイルの
一部はオイル案内片22に達し、同案内片22に沿って案内
されながら反スラスト側の上部スカート及び下部スカー
トの内壁へと、或いは上部スカートと下部スカートとの
間からシリンダボア14へと積極的に供給される。
よって、反スラスト側の上部スカート及び下部スカー
トへのオイル供給量が増大し、反スラスト側でのオイル
不足が解消される。この結果、反スラスト側の上部スカ
ート及び下部スカートの冷却性及び潤滑性を向上させる
ことができ、両スカートの熱膨張を抑えて両スカートの
摩耗量を低減させることができ、更にはシリンダボアと
の間の焼付き発生やスカッフィング発生を抑えることが
できる。延いては、反スラスト側の上部スカート及び下
部スカートのプロフィール適正化、摩擦低減によるスラ
ップ音の低下や燃費向上等を図ることができる。
加えて、特にこの実施例では、オイル案内片22の両端
22aがフロント・リア方向へ向けてオイルリング溝6内
へ突出しているので、オイルリング溝6のフロント側及
びリア側におけるオイル保持量を増大させることができ
る。即ち、第9図に示すように、オイルリング溝6内に
てオイル案内片22の両端22aをフロント・リア方向へ突
出させることにより、オイルリング溝6に装着されるオ
イルリング23は、その突出分だけシリンダボア14へ向け
てフロント・リア方向へ押し出されることになる。よっ
て、オイルリング溝6のフロント側及びリア側では、オ
イルリング23が押し出された空間分だけエンジンオイル
の保持量が増大される。
この結果、エンジンオイルによる冷却性が増して、フ
ロント側及びリア側におけるオイルリング溝6の周辺温
度が下げられ、オイルリング23のスティックスリップを
防止することができる。
[第3実施例] 次に、この発明を具体化した第3実施例を第10図に従
って説明する。
第10図はこの実施例のピストン25を示す図面であり、
前記第1実施例の第2図に相当する平断面図である。こ
の実施例においては、複数のオイル戻し穴7a〜7fのう
ち、ピストン25の反スラスト側における二つのオイル戻
し穴7c,7eが反スラスト側中心寄りに対称に配置される
と共に、ピストン25の中心へ向かって延びている。そし
て、これらオイル戻し穴7c,7eに対し、プラスチックよ
りなる円弧棒状のオイル案内片26の両端26aが組付けら
れている。この組付け状態では、オイル案内片26が水平
に支持されており、その中央部分が内部空間Sのスラス
ト側へ向かっ湾曲している。
従って、この実施例のピストン25においても、内燃機
関の運転時にはピストン25のスラスト側へ向けて供給さ
れるエンジンオイルの一部が、上部体2の天肉内壁に沿
って内部空間Sの反スラスト側へと導かれる。又、反ス
ラスト側の内部空間Sへと導かれたエンジンオイルの一
部はオイル案内片26に達し、同案内片26に沿って案内さ
れながら反スラスト側の上部スカート及び下部スカート
の内壁へと、或いは上部スカートと下部スカートとの間
からシリンダボアへと積極的に供給される。
よって、反スラスト側の上部スカート及び下部スカー
トへのオイル供給量が増大し、反スラスト側でのオイル
不足が解消される。この結果、反スラスト側の上部スカ
ート及び下部スカートの冷却性及び潤滑性を向上させる
ことができ、両スカートの熱膨張を抑えて両スカートの
摩耗量を低減させることができ、更にはシリンダボアと
の間の焼付き発生やスカッフィング発生を抑えることが
できる。延いては、反スラスト側の上部スカート及び下
部スカートのプロフィール適正化、摩擦低減によるスラ
ップ音の低下や燃費向上等を図ることができる。
加えて、特にこの実施例では、オイル案内片26の中央
部がスラスト側へ向かって湾曲しているので、スラスト
側から導かれるエンジンオイルをより多量に取り込んで
反スラスト側の上部スカート及び下部スカートへ案内す
ることができる。
尚、この発明は前記各実施例に限定されるものではな
く、発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成の一部を
適宜に変更して次のように実施することもできる。
(1)前記第3実施例では、単に円弧棒状のオイル案内
片26を両オイル戻し穴7c,7eに組付けたが、第11図に示
すように、オイル案内片27を両端27aを開口させた中空
の円弧状に形成して、その中央部に円弧外方へ向かって
連通する孔27bを形成し、両端27aを両オイル戻し穴7c,7
eに組付けるようにしてもよい。
この組付け状態では、内部空間Sのスラスト側から導
かれるエンジンオイルをオイル案内片27によって反スラ
スト側へ効果的に安定することができる。加えて、オイ
ル案内片27の両端27aがオイルリング溝6内へ開口し、
各孔27bがコンロッド13へ向かって連通している。この
ため、オイルリング溝6内のエンジンオイルをオイル案
内片27の両端27aから内部へ導入し、各孔27bからコンロ
ッド13へ向かって効果的に供給することができ、コンロ
ッドやピストンピン等の潤滑性及び冷却性を高めること
もできる。
(2)前記第3実施例では、円弧棒状のオイル案内片26
を両オイル戻し穴7c,7eに組付けて水平に支持したが、
第12図に示すように、オイル案内片26を下方向へ湾曲さ
せた状態で支持してもよい。この場合、オイル案内片26
と上部体2の天肉内壁との隙間を大きくすることがで
き、エンジオイルの取り込み量をより増大させることが
できる。
(3)前記第1実施例では、オイル案内片16を細長状の
板片16aと、その板片16aの両端で板片16aの上面よりも
若干上寄りにて横方向へ延びる一対の支持ピン16bとに
より構成したが、第13図に示すように、オイル案内片28
を同一軸線上に配列した板片28a及び一対の支持ピン28b
により構成してもよい。
(4)前記第3実施例では、オイル案内片16をプラスチ
ックより形成したが、オイル案内片をアルミニウム、銅
及びマグネチタン等の軽量金属によって形成してもよ
い。
この場合、そのオイル案内片をピストンに組付けるこ
とにより、オイル案内片によってピストンスラスト方向
の剛性を高めることができ、スラスト力によるピストン
変形を抑制したり、シリンダボアとのクリアランスを適
正化したりすることができる。又、ピストンの重心位置
を適度に変更させることができ、ピストン姿勢の安定化
を図ることもできる。
(5)前記第3実施例では、オイル案内片26を単に円弧
棒状に形成したが、オイル案内片を中空状に形成し、そ
の内部にナトリウム等の冷媒を封入してもよい。この場
合、オイル案内片にて案内されるエンジンオイルの熱を
奪って、オイル冷却効果を高めることができる。
(6)前記各実施例では、オイルリング溝6に形成され
たオイル戻し穴7c,7eを利用して各オイル案内片16,22,2
6を組付けたが、オイル案内片を組付けるための特別な
穴をピストンに設けてもよい。
(7)前記各実施例では、コンロッド13の基端部に設け
られたオイル穴15からエンジンオイルを間欠的に供給す
るタイプに具体化したが、コンロンドの基端部近傍にオ
イルジェットを設けてエンジンオイルを連続的に供給す
るタイプに具体化してもよい。
(8)前記各実施例では、3つのピストンリングを組付
けるための3つのピストンリング溝を備えたタイプのピ
ストン1,21,25に具体化したが、2つのピストンリング
を組付けるための2つのピストンリング溝を備えたタイ
プのピストンに具体化してもよい。
[発明の効果] 以上詳述したように、この発明によれば、ピストン内
部空間の反スラスト側領域において、コンロッドのオイ
ル穴又はオイルジェットからピストン内部空間のスラス
ト側領域に供給されるエンジンオイルを反スラスト側に
位置する上部スカート及び下部スカートへ案内するオイ
ル案内片を設けたので、反スラスト側の上部スカート及
び下部スカートに対するエンジンオイルの供給量を増大
させることができ、反スラスト側の上部スカート及び下
部スカートにおける摩耗量増大や焼付き及びスカッフィ
ング等の発生を抑えることができるという優れた効果を
発揮する。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第7図はこの発明を具体化した第1実施例に係
る図面であって、第1図は内燃機関用ピストンを示す正
断面図、第2図は第1図のX−X線断面図、第3図はオ
イル案内片を示す斜視図、第4図はオイル案内片の支持
ピンとオイル戻し穴との組付け状態を説明する図、第5
図はピストンの組付け状態とコンロッドのオイル穴から
ピストンへ供給されるエンジンオイルの流れを説明する
図、第6図はピストンの内部空間におけるエンジンオイ
ルの流れを説明するピストンの正断面図、第7図は同じ
くピストンの内部空間におけるエンジンオイルの流れを
説明するピストンの平断面図である。第8図はこの発明
を具体化した第2実施例を示すピストンの平断面図、第
9図はそのピストンにおけるオイル案内片とオイルリン
グとの関係を説明する図である。第10図はこの発明を具
体化した第3実施例を示すピストンの平断面図である。
第11図はこの発明を具体化した別の実施例を示すピスト
ンの平断面図、第12図は同じく別の実施例を示すピスト
ンの側面図、第13図は同じく別の実施例を示すオイル案
内片の斜視図である。第14図は従来例を示すピストンの
断面図である。 図中、1,21,25はピストン、2は上部体、2aは天肉内
壁、8A,8Bは上部スカート、9はピストンピンボス、10
A,10Bは支持体、11A,11Bは下部スカート、12はピストン
ピン、13はコンロッド、15はオイル穴、16,22,26〜28は
オイル案内片、Sは内部空間である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天肉内壁を有する有蓋円筒状の上部体と、 前記上部体の外周部下側に設けられた上部スカートと、 前記上部体より延設されたピストンピンボスと、 前記ピストンピンボスより延設された支持体に支持され
    た下部スカートとを備えたスケルトン型ピストンであっ
    て、該ピストンの少なくともスラスト側及び反スラスト
    側に位置する上部スカート及び下部スカート並びに前記
    上部体の天肉内壁によって内部空間が区画されると共
    に、前記ピストンピンボスに装着されるピストンピンを
    介して連結されるコンロッドのオイル穴又はオイルジェ
    ットから前記内部空間のスラスト側領域へ向けてエンジ
    ンオイルが供給される内燃機関用ピストンにおいて、 前記コンロッドのオイル穴又は前記オイルジェットから
    前記ピストン内部空間のスラスト側領域に供給されたエ
    ンジンオイルを反スラスト側に位置する前記上部スカー
    ト及び前記下部スカートへ案内すべく、前記ピストン内
    部空間の反スラスト側領域において前記天肉内壁から所
    定間隔を隔てた位置にオイル案内片を設けたことを特徴
    とする内燃機関用ピストン。
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