JP2668051B2 - 抵抗溶接方法及び抵抗溶接装置 - Google Patents

抵抗溶接方法及び抵抗溶接装置

Info

Publication number
JP2668051B2
JP2668051B2 JP3021643A JP2164391A JP2668051B2 JP 2668051 B2 JP2668051 B2 JP 2668051B2 JP 3021643 A JP3021643 A JP 3021643A JP 2164391 A JP2164391 A JP 2164391A JP 2668051 B2 JP2668051 B2 JP 2668051B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
port
welding
air cylinder
pressing force
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3021643A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04237572A (ja
Inventor
雅彦 白井
Original Assignee
ミヤチテクノス株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ミヤチテクノス株式会社 filed Critical ミヤチテクノス株式会社
Priority to JP3021643A priority Critical patent/JP2668051B2/ja
Publication of JPH04237572A publication Critical patent/JPH04237572A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2668051B2 publication Critical patent/JP2668051B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抵抗溶接に係り、特に
小型精密部品のキャン・シール溶接に好適な抵抗溶接方
法および溶接機に関する。
【0002】
【従来の技術】図6および図7に、キャン・シール(C
an Seal)溶接の一加工例を示す。図6に示すよ
うに、素子200およびリード線202,203を取り
付けた基板204に対してキャップ型の蓋206を上か
ら被せ、蓋206の環状鍔部206aと基板204の周
縁部204aとを溶接することにより、電子部品のキャ
ン・シール・パッケージが形成される。
【0003】図7を用いて、このキャン・シール溶接を
詳細に説明する。蓋206の鍔部206aは蓋本体から
斜下方向に周設されているため、溶接開始前、上部溶接
電極208と蓋鍔部206a、蓋鍔部206aと基板周
縁部204aは互いに部分的に接触している。このよう
に、溶接部の接触面積を小さくすることで、溶接開始時
の溶接電流を高密度にb、効率的にジュール熱を発生さ
せ、電源回路の負担を軽くすることができる。溶接が開
始されると、先ず、加圧機構(図示せず)により上部溶
接電極208、下部溶接電極210間に初期加圧力が与
えられ、一定時間後に初期加圧力から本来(正規)の溶
接加圧力に切り換えられ、所定のタイミングで電源回路
(図示せず)より溶接電圧が出力される。そうすると、
上部溶接電極208→蓋鍔部206a→基板周縁部20
4a→下部溶接電極210の経路に溶接電流が流れ、抵
抗発熱によって蓋鍔部206aと基板周縁部204aと
が互いに溶接される。
【0004】この種の抵抗溶接機は、加圧用スライドシ
ャフトの上端側に板バネまたはコイルバネ等のバネ部材
を介してエアシリンダを設け、エアシリンダで発生した
加圧力をバネ部材、加圧用スライドシャフトを介して直
線的(同軸方向)に溶接電極へ伝えて被溶接材に加える
ようにしている。
【0005】従来は、エアシリンダのロッド側を大気圧
状態にしてエアシリンダのヘッド側に溶接加圧力の設定
値に対応した圧力の圧縮空気を供給することによって、
エアシリンダを駆動し、溶接加圧力を立ち上げていた。
したがって、溶接加圧力の設定値を変えるときは、エア
シリンダのヘッド側に供給すべき圧縮空気の圧力設定値
を変えていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような小型電子
部品のキャン・シール溶接においては、チリが発生する
とパッケージ内の電子部品本体を損傷するおそれがある
ので、チリの発生を極力防止するよう高速・高精度な加
圧制御および通電開始制御が要求される。
【0007】しかるに、上記のような従来の方式によれ
ば、直線的な高速の立ち上がり速度を得るのが難しく、
特に溶接加圧力の設定値が低くなるにつれて、立ち上が
りの速度および直線性が低下するという不具合があっ
た。また、図8に示すように、溶接加圧力の設定値(F
A ,FB )が変わると、溶接加圧力の立ち上がり特性が
異なった曲線(LFA ,LFB )となるため、一定な加
圧制御および通電開始制御が難しかった。すなわち、図
9に拡大して示すように、通電開始すべき時の加圧力の
設定値をFS とすると、溶接加圧力の設定値がFA ( 曲
線LFA )の場合の通電開始指令時間はtSAであり、溶
接加圧力の設定値がFB (曲線LFB )の場合の通電開
始指令時間はtSBであるが、遅延時間(一定値Δt)後
に実際に通電が開始する時の溶接加圧力は異なった値
(FSA,FSB)となる。
【0008】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
もので、高速・高精度な加圧制御が行えるとともに、溶
接加圧力を任意に設定し、かつ溶接終了後に加圧用可動
部をを速やかに復動させられるようにした抵抗溶接方法
および抵抗溶接機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の抵抗溶接方法は、エアシリンダのピスト
ンロッドに加圧力伝達部材を介して溶接電極を結合し、
前記エアシリンダより発生される加圧力を前記加圧力伝
達部材および前記溶接電極を介して被溶接材に加えて抵
抗溶接を行うようにした抵抗溶接方法において、前記ピ
ストンロッド、前記加圧力伝達部材および前記溶接電極
を復動させるのに十分な引込み力を前記エアシリンダに
発生させられるほど高い第1の圧力を有する二次側圧縮
空気を前記エアシリンダのヘッド側とロッド側に同時に
供給し、これによって前記エアシリンダより発生される
加圧力を初期加圧力として前記被溶接材に加える第1の
ステップと、前記第1のステップに続けて、前記エアシ
リンダのヘッド側に前記第1の圧力を有する圧縮空気を
供給したままで前記エアシリンダのロッド側に前記第1
の圧力よりも溶接加圧力設定値に対応した圧力だけ低
く、かつ大気圧よりも高い第2の圧力を有する圧縮空気
を供給し、これによって前記エアシリンダより発生され
る加圧力を正規の溶接加圧力として前記被溶接材に所定
時間だけ加える第2のステップと、前記第2のステップ
の後に、前記エアシリンダのロッド側に前記第1の圧力
を有する圧縮空気を供給するとともに前記エアシリンダ
のヘッド側を大気に連通させ、これによって前記エアシ
リンダより発生される引込み力で前記ピストンロッド、
前記加圧力伝達部材および前記溶接電力を所定位置まで
復動させる第3のステップとを有する方法とした。
【0010】また本発明の抵抗溶接機は、エアシリンダ
のピストンロッドに加圧力伝達部材を介して溶接電極を
結合し、前記エアシリンダより発生される加圧力を前記
加圧力伝達部材および前記溶接電極を介して被溶接材に
加えて抵抗溶接を行うようにした抵抗溶接機において、
前記ピストンロッド、前記加圧力伝達部材および前記溶
接電極を復動させるのに十分な引込み力を前記エアシリ
ンダに発生させられるほど高い第1の圧力を有する二次
側圧縮空気を与える第1のレギュレータと、前記第1の
圧力よりも前記溶接加圧力設定値に対応した圧力だけ低
く、かつ大気圧よりも高い第2の圧力を有する二次側圧
縮空気を与える第2のレギュレータと、前記エアシリン
ダのヘッド側に接続された第1のポートと前記第1のレ
ギュレータの二次側に接続された第2のポートと大気に
通じた第3のポートとを有する第1の方向切換弁と、前
記エアシリンダのロッド側に接続された第4のポートと
前記第1のレギュレータの二次側に接続された第5のポ
ートと前記第2のレギュレータの二次側に接続された第
6のポートとを有する第2の方向切換弁と、前記被溶接
材に初期加圧力を加えるために前記第1の方向切換弁内
で前記第1のポートを前記第2のポートに接続するとと
もに前記第2の方向切換弁内で前記第4のポートを前記
第5のポートに接続し、前記被溶接材に前記溶接加圧力
設定値にほぼ等しい正規の溶接加圧力を加えるために前
記第1の方向切換弁内で前記第1のポートを前記第2の
ポートに接続するとともに前記第2の方向切換弁内で前
記第4のポートを前記第6のポートに接続し、前記被溶
接材に対する加圧を解除するために前記第1の方向切換
弁内で前記第1のポートを前記第3のポートに接続する
とともに前記第2の方向切換弁内で前記第4のポートを
前記第5のポートに接続する弁切換制御手段とを具備す
る構成とした。
【0011】
【作用】正規の溶接加圧力を加えるに先立ち、方向弁切
換制御手段の切換制御により、第1の方向切換弁内では
第1のポートが第2のポートに接続され、第2の方向切
換弁内では第4のポートが第5のポートに接続される。
これにより、第1のレギュレータからの第1の圧力を有
する圧縮空気が第1の方向切換弁を介してエアシリンダ
のヘッド側に供給されると同時に第2の方向切換弁を介
してエアシリンダのロッド側にも供給される。そうする
と、ピストンロッドの断面積分だけロッド側の面積がヘ
ッド側の面積よりも小さいため、その差分面積に基準圧
力を乗じた値の加圧力がエアシリンダで発生し、ピスト
ンロッドが往動する。そして、溶接電極が被溶接材に当
接し、初期加圧力が被溶接材に加えられる。
【0012】次に、被溶接材に正規の溶接加圧力を加え
るために、弁切換制御手段の切換制御によって、第1の
方向切換弁では第1のポートが第2のポートに接続され
たまま第2の方向切換弁で第4のポートが第6のポート
に接続される。これにより、エアシリンダにおいては、
ヘッド側が第1のレギュレータからの第1の圧力を受け
たままロッド側が第2のレギュレータからの第2の圧力
に減圧され、ピストンに作用する圧力は直ちにに第1お
よび第2の圧力の間の差圧(溶接加圧力設定値に対応し
た圧力)に切り変わり、その圧力にピストン面積を乗じ
た値の加圧力つまり正規の溶接加圧力が発生する。そし
て、この正規の溶接加圧力がピストンロッド、圧力伝達
部材および溶接電極を介して被溶接材に加えられる。
のように、エアシリンダのヘッド側とロッド側とが第1
のレギュレータからの比較的高い第1の圧力でほぼ均衡
していた状態から、ロッド側が第2のレギュレータから
の(第1の圧力よりも溶接加圧力設定値だけ低い)第2
の圧力に切り換わることにより、安定な第1の圧力と第
2の圧力との差圧でエアシリンダの加圧力が初期値から
設定値まで高速・直線的に立ち上がる。そして、この正
規溶接加圧力の立ち上がりに合わせて所定のタイミング
で溶接通電が開始される。これによって、溶接電源部か
らの溶接電流が溶接電極を介して被溶接材に供給され、
被溶接材が抵抗溶接される。
【0013】所定時間の経過後に溶接通電が終了し、次
いで加圧も終了する。加圧を解除するため、弁切換制御
手段の切換制御によって、第1の方向切換弁では第1の
ポートが第3のポートに接続されるとともに第2の方向
切換弁では第4のポートが第5のポートに接続される。
これにより、エアシリンダにおいては、ロッド側に第1
のレギュレータからの第1の圧力を有する圧縮空気が供
給されるとともに、ヘッド側が大気に開放されるため、
第1の圧力に応じた大きな引込み力が発生される。この
大きな引込み力でピストンロッド、加圧力伝達部材およ
び溶接電極が被溶接材から離れて所定の原位置または待
機位置まで速やかに復動する。
【0014】
【実施例】以下、図1〜図5を参照して本発明を直上式
キャン・シール溶接機に適用した実施例を説明する。
【0015】先ず、図4および図5につき実施例の直上
式キャン・シール溶接機の構成を説明する。図4はこの
キャン・シール溶接機の全体構造を示す略斜視図であ
り、図5はこのキャン・シール溶接機のヘッド部の詳細
な構成を示す一部断面正面図である。
【0016】図4において、10は固定台、12はヘッ
ド部、14は加圧用エアシリンダ、16は溶接トランス
である。溶接トランス16の出力端子18,20は、二
次導体22,24、二次導体接続ブロック26,28を
介して上部電極取付ブロック30,下部電極取付ブロッ
ク32にそれぞれ接続される。これら上部電極取付ブロ
ック30,下部電極取付ブロック32には、図7に示す
ような上部溶接電極208、下部溶接電極210がそれ
ぞれ取り付けられる。上部電極取付ブロック30は、上
部プラテン受34、シャフト受36を介して加圧用スラ
イドシャフト38に結合している。加圧用スライドシャ
フト38は、ヘッド部12内において、後述するウレタ
ン・スプリングおよびロードセルを介してエアシリンダ
14のピストンロッドに結合している。これにより、エ
アシリンダ14で発生された垂直下方向の加圧力は、加
圧用スライドシャフト38を介して、上部電極取付ブロ
ック30に取り付けられた上部溶接電極ひいては被溶接
材(図示せず)に加えられるようになっている。
【0017】図5において、加圧用スライドシャフト3
8は、中空シャフトで、ベアリングホルダ40に支持さ
れたストロークベアリング42に軸支され、垂直方向に
移動可能となっている。加圧用スライドシャフト38の
上端は、ボールベアリング用フランジ44、ウレタン・
スプリング46、スプリング受48、ロードセル受5
0、ロードセル52、フローティング・ジョイント54
を介してピストン・ロッド56の下端部に接続される。
【0018】ウレタン・スプリング46にはボールスラ
イド用シャフト58が植設され、下方に突出したシャフ
ト58の下端部はリニアブッシュ60を介して加圧用ス
ライドシャフト38内で摺動可能となっている。これに
より、エアシリンダ14からの加圧力でウレタン・スプ
リング46が弾性圧縮する時、シャフト58がウレタン
・スプリング46の支柱として作用し、ウレタン・スプ
リング46はねじれることなく垂直方向に圧縮変形す
る。これによって、エアシリンダ14からの加圧力が正
しく加圧用スライドシャフト38に伝えられるようにな
っている。
【0019】なお、ボールベアリング用フランジ44に
は、垂直フランジ62を介してフローティング・ベース
板64が水平に取り付けられ、このベース板64はフロ
ーティング・ジョイント54に対する上方向のストッパ
として機能する。また、加圧用スライドシャフト38の
下端部に隣接して、プラテン受34にリニアシャフト7
2が垂直に立設され、このリニアシャフト72は固定台
10側の垂直メタルホルダ74に内設されたブッシュ7
6に案内される。これによって、加圧用スライドシャフ
ト38およびそれに結合されたプラテン受34、上部電
極取付ブロック30等は、垂直方向にのみ移動可能であ
り、回転移動しないようになっている。なお、二次導体
接続ブロック26とプラテン受34との間に絶縁体78
が介在している。
【0020】図1は、エアシリンダ14を駆動するため
の本実施例による空気圧回路の構成を示す。この空気圧
回路100において、102は圧縮空気圧源、104は
エアフィルタ、106はミストセパレータ、108はエ
アタンク、110は第1レギュレータ、112は圧力
計、114はチェックバルブ、116,118は第1お
よび第2方向切換弁、120、122,124はスピー
ドコントローラ、126は第2レギュレータ、128は
圧力計、130はコネクタ、132はエキゾーストクリ
ーナである。
【0021】第1レギュレータ110はエアタンク10
8からの一次側圧縮空気を設定圧力まで減圧するもの
で、その設定圧力(第1の圧力または基準圧力)はエア
シリンダ14の溶接加圧力すなわちエアシリンダ14の
発生すべき加圧力の通常の設定値よりも大きな加圧力F
Mに対応した圧力PMに選ばれる。後述するように、溶
接終了後はこの第1レギュータ110からの圧縮空気の
圧力(第1の圧力)に応したエアシリンダ14の引込
み力によってピストンロッド56、加圧用スライドシャ
フト38等の加圧用可動部を原位置まで迅速に後退また
は上昇させる。つまり、第1レギュレータ110の二次
側における圧縮空気の圧力(第1の圧力)は、ピストン
ロッド56、加圧用スライドシャフト38等の加圧用可
動部を復動させるのに十分な引込み力をエアシリンダ1
4に発生させられるほど高い圧力値に設定される。この
第1レギュレータ110の二次側に得られる圧縮空気は
第1方向切換弁116の圧力口P(第2のポート)およ
び第2方向切換弁118の圧力口P(第5のポート)
与えられるとともに第2レギュレータ126の一次側に
与えられる。なお、第1レギュレータ110の二次側に
取り付けられた圧力計112は二次側圧力PMの設定・
調整のために用いられる。
【0022】第2レギュレータ126は、精密形レギュ
レータで、第1レギュレータ110の二次側からの圧縮
空気を溶接加圧力設定値に対応した圧力だけ減圧する。
すなわち、第1レギュレータ110の二次側圧縮空気の
圧力(第1の圧力または基準圧力)をPM、溶接加圧力
設定値FSに対応した圧力をPSとすると、第2レギュ
レータ126の二次側の圧力は(PM−PS)の値に設
定される。この第2レギュレータ126の二次側圧縮空
気は、第1方向切換弁116の排気口R2および第2方
向切換弁118の排気口R2(第6のポート)に与えら
れる。なお、第2レギュレータ126の二次側に取り付
けられた圧力計128は、二次側圧力(PM−PS)の
設定・調整のために用いられる。
【0023】第1方向切換弁116において、負荷口A
(第1のポート)はスピードコントローラ120,12
2を介してエアシリンダ14のヘッド側に接続され、排
気口R1(第3のポート)はエキゾーストクリーナ13
2を介して大気圧に通じている。第2方向切換弁118
においては、負荷口B(第4のポート)がスピードコン
トローラ124を介してエアシリンダ14のロッド側に
接続されるとともにチェックバルブ114を介して第1
レギュレータ110の二次側に接続され、排気口R1が
エキゾーストクリーナ132を介して大気圧に通じてい
る。これら第1および第2方向切換弁116,118の
切換制御は、後述する制御部92によって制御される。
【0024】図2は、本溶接機における制御システムの
構成を示す。設定入力部90は、キーボード等からな
り、加圧力、溶接電流、通電時間等の各種溶接条件につ
いて設定値を入力する。制御部92は、マイクロコンピ
ュータからなり、設定入力部90より入力された設定値
にしたがって上記空気圧回路100および溶接電源回路
94の動作を制御する。本実施例においては、ロードセ
ル52の出力信号が制御部92に与えられ、本溶接加圧
力の立ち上がり時にロードセル出力信号が所定の値に達
した時に、制御部92より通電開始の制御信号が溶接電
源回路94に与えられるようになっている。
【0025】図3は、本実施例のキャン・シール溶接機
による加圧力の時間特性を示す。以下、この特性図につ
き本溶接機の動作を説明する。
【0026】抵抗溶接が行われる前、ピストンロッド5
6、ロードセル52、ウレタン・スプリング46、加圧
用スライドシャフト38、溶接電極等の加圧用可動部は
所定の原位置または待機位置に上昇している。溶接シー
ケンスが開始すると、先ず空気圧回路100において第
1、第2方向切換弁116,118のそれぞれの一次側
が圧力口P、Pに切り換えられる。これにより、エアシ
リンダ14のヘッド側には、第1方向切換弁116,ス
ピードコントローラ120,122を介して第1レギュ
レータ110からの基準圧力PMの圧縮空気が供給され
る。一方、エアシリンダ14のロッド側にも、第2方向
切換弁118,スピードコントローラ124を介して第
1レギュレータ110からの基準圧力PMの圧縮空気が
供給される。したがって、エアシリンダ14のヘッド側
とロッド側に同じ圧力PMの圧縮空気が供給されるが、
ピストンロッド56の断面積ΔSだけロッド側の面積が
ヘッド側の面積Sよりも小さいため、その差分面積ΔS
に圧力PMを乗じた値(ΔSPM)の加圧力FOがエア
シリンダ14で発生し、ピストンロッド56は原位置か
前進(下降)する。そうすると、ピストンロッド56
と一体的にロードセル52、ウレタン・スプリング4
6、加圧用スライドシャフト38等も各原位置から下降
し、やがて上部溶接電極(図示せず)が被溶接材(図示
せず)に当接して、そのまま加圧力FOが初期加圧力と
して被溶接材に一定時間加えられる。この間、ウレタン
・スプリング46は加圧力FOに対応した分だけわずか
に圧縮変形している。
【0027】次に、時刻t0 で、正規の溶接加圧力Fi
を被溶接材に加えるため、第2方向切換弁118の一次
側が排気口R2 に切り換えられる。これにより、エアシ
リンダ14のロッド側は、第2方向切換弁118、スピ
ードコントローラ124を介して第2レギュレータ12
6の二次側圧力(PM −Pi )に変わる。ヘッド側の圧
力は基準圧力PM であるから、その圧力差Pi にピスト
ン面積Sを乗じた値SPi の加圧力(設定加圧力)Fi
がエアシリンダ14で発生する。この場合、ピストンロ
ッド56の断面積ΔS分の加圧力は無視し得る。
【0028】このようなエアシリンダ14からの加圧力
Fi によってウレタン・スプリング46はさらに圧縮変
形し、その圧縮量に応じた加圧力が加圧用スライドシャ
フト38を通して被溶接材に加えられる。ウレタン・ス
プリング46は樹脂スプリングであるため、少し圧縮変
形するだけで大きな圧力を発生する。したがって、被溶
接材に加えられる加圧力は、極めて短い時間で高速に初
期加圧力F0 から正規溶接加圧力Fi へ立ち上がる。な
お、ウレタン・スプリング46の圧縮に応じてボールス
ライド用シャフト48が加圧用スライドシャフト38の
貫通孔内に沈み込む。
【0029】加圧力が初期加圧力F0 から正規溶接加圧
力Fi へ立ち上がる途中で所定の値FS に達すると、こ
の時(時刻tS )のロードセル52の出力信号に応動し
て制御部92は溶接電源回路94に通電を開始させる。
そして、所定時間後の時刻te で溶接電源回路94に通
電を終了させ、しかる後時刻tf で溶接加圧力Fi を解
除する。この加圧力の解除のため、空気圧回路100に
おいては、第1方向切換弁116の一次側が排気口R1
に切り換えられると同時に、第2方向切換弁118の一
次側が圧力口Pに切り換えられる。これにより、エアシ
リンダ14のヘッド側が大気圧になる一方、ロッド側が
基準圧力PM となり、ピストンロッド56は迅速に後退
(上昇)し、それと一体的に加圧用スライドシャフト3
8等も上昇し、上部溶接電極が被溶接材から離れる。
【0030】このように、本実施例のキャン・シール溶
接機においては、エアシリンダ14のヘッド側を一定の
基準圧力PM に維持したまま、ロッド側を基準圧力PM
から溶接加圧力設定値Fi に対応した圧力Pi だけ低い
圧力(PM −Pi )に下げることによって、エアシリン
ダ14に所期の加圧力を発生させる。このような方式に
よれば、第2方向切換弁118が切り換えられるや否や
エアシリンダ14において直ちに所期(設定)圧力Pi
が効果的にピストンに作用するので、ピストンが迅速に
始動し、図3の曲線LFi に示すように、加圧力が高速
・直線的に立ち上がる。また、ピストンの始動性がよい
ために、加圧力の設定値に関係なく一定な立ち上がり特
性が得られ、図3において一点鎖線の曲線LFj で示す
ように、加圧力設定値がFj (<Fi )の場合でも、設
定値Fi の場合と同様の立ち上がり特性が得られる。こ
のように、高速・一定な加圧力の立ち上がりが得られる
ので、高速・高精度な加圧制御および通電開始制御が可
能となり、バリの発生しない良好なキャン・シール溶接
を行うことができる。なお、図3において点線の曲線L
FM は、溶接加圧力の設定値をFM とした場合の仮想の
特性曲線である。
【0031】また、第1レギュレータ112の二次側に
得られる基準圧力PMとピストンロッド56の断面積Δ
Sとで所期加圧力ΔSPM が決まるので、加圧力設定値
に関係なく一定な初期加圧力が得られる。
【0032】さらに、エアシリンダ14からの加圧力に
ウレタン・スプリング46が高速応答してこれを迅速に
加圧用スライドシャフト38に伝えるため、極めて高速
の加圧力立ち上がり速度を得ることができる。さらに、
このように高速に立ち上がる加圧力の値をロードセル5
2がリアルタイムに検出し、そのロードセル出力信号に
基づいて制御部92が通電を開始させるので、加圧力が
所定値に達した時点で直ちに溶接電流を溶接部に供給す
ることができる。
【0033】なお、初期加圧力を調整するには、エアシ
リンダ14のピストンロッド56の断面積を変えるか、
あるいは第1レギュレータ118の二次側圧力(基準圧
力)を変えればよい。
【0034】以上、本発明を直上式キャン・シール溶接
機に適用した実施例について説明したが、本発明はこれ
に限るものではなく、高速・高精度な加圧力制御、通電
開始制御を必要とする種々の形式の抵抗溶接機に適用可
能である。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の抵抗溶接
方法によれば、エアシリンダのヘッド側とロッド側とを
第1のレギュレータからの十分に高い第1の圧力でほぼ
均衡させた状態からロッド側の圧力を溶接加圧力設定値
だけ低く、かつ大気圧よりも高い第2のレギュレータか
らの第2の圧力まで減圧することにより、安定な第1の
圧力と第2の圧力との差圧でエアシリンダの加圧力を正
規の溶接加圧力まで高速・直線的に立ち上げて高速・高
精度な加圧制御を可能にするとともに、溶接終了後には
エアシリンダのヘッド側およびロッド側をそれぞれ大気
圧および第1のレギュレータからの第1の圧力に切り換
えることにより、第1の圧力に対応した大きな引込み力
をシリンダに発生させ、ピストンロッド、加圧力伝達部
材および溶接電極を所定位置まで迅速に復動させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるキャン・シール溶接機
においてエアシリンダを駆動するための空気圧回路の構
成を示す回路図である。
【図2】実施例の溶接機における制御システムの構成を
示すブロック図である。
【図3】実施例の溶接機における加圧力の時間特性を示
す図である。
【図4】実施例の溶接機の全体構造を示す略斜視図であ
る。
【図5】実施例の溶接機のヘッド部の詳細な構成を示す
一部断面正面図である。
【図6】キャン・シール溶接の一加工例を示すための電
子部品の斜視図である。
【図7】キャン・シール溶接の溶接部の構成を示す断面
図である。
【図8】従来の抵抗溶接機による加圧力の時間特性を示
す図である。
【図9】図8の特性図の一部を拡大して示す図である。
【符号の説明】
12 ヘッド部 14 エアシリンダ 30 上部電極取付ブロック 32 下部電極取付ブロック 38 加圧用スライドシャフト 56 ピストンロッド 90 設定入力部 92 制御部 94 溶接電源回路 100 空気圧回路 110 第1レギュレータ 116 第1方向切換弁 118 第2方向切換弁 126 第2レギュレータ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エアシリンダのピストンロッドに加圧力
    伝達部材を介して溶接電極を結合し、前記エアシリンダ
    より発生される加圧力を前記加圧力伝達手段および前記
    溶接電極を介して被溶接材に加えて抵抗溶接を行うよう
    にした抵抗溶接方法において、 前記ピストンロッド、前記加圧力伝達部材および前記溶
    接電極を復動させるのに十分な引込み力を前記エアシリ
    ンダに発生させられるほど高い第1の圧力を有する二次
    側圧縮空気を前記エアシリンダのヘッド側とロッド側に
    同時に供給し、これによって前記エアシリンダより発生
    される加圧力を初期加圧力として前記被溶接材に加える
    第1のステップと、 前記第1のステップに続けて、前記エアシリンダのヘッ
    ド側に前記第1の圧力を有する圧縮空気を供給したまま
    で前記エアシリンダのロッド側に前記第1の圧力よりも
    溶接加圧力設定値に対応した圧力だけ低く、かつ大気圧
    よりも高い第2の圧力を有する圧縮空気を供給し、これ
    によって前記エアシリンダより発生される加圧力を正規
    の溶接加圧力として前記被溶接材に所定時間だけ加える
    第2のステップと、 前記第2のステップの後に、前記エアシリンダのロッド
    側に前記第1の圧力を有する圧縮空気を供給するととも
    に前記エアシリンダのヘッド側を大気に連通させ、これ
    によって前記エアシリンダより発生される引込み力で前
    記ピストンロッド、前記加圧力伝達部材および前記溶接
    電極を所定位置まで復動させる第3のステップとを有す
    ることを特徴とする抵抗溶接方法。
  2. 【請求項2】 エアシリンダのピストンロッドに加圧力
    伝達部材を介して溶接電極を結合し、前記エアシリンダ
    より発生される加圧力を前記加圧力伝達部材および前記
    溶接電極を介して被溶接材に加えて抵抗溶接を行うよう
    にした抵抗溶接機において、 前記ピストンロッド、前記加圧力伝達部材および前記溶
    接電極を復動させるのに十分な引込み力を前記エアシリ
    ンダに発生させられるほど高い第1の圧力を有する二次
    側圧縮空気を与える第1のレギュレータと、 前記第1の圧力よりも前記溶接加圧力設定値に対応した
    圧力だけ低く、かつ大気圧よりも高い第2の圧力を有す
    る二次側圧縮空気を与える第2のレギュレータと、 前記エアシリンダのヘッド側に接続された第1のポート
    と前記第1のレギュレータの二次側に接続された第2の
    ポートと大気に通じた第3のポートとを有する第1の方
    向切換弁と、 前記エアシリンダのロッド側に接続された第4のポート
    と前記第1のレギュレータの二次側に接続された第5の
    ポートと前記第2のレギュレータの二次側に接続された
    第6のポートとを有する第2の方向切換弁と、 前記被溶接材に初期加圧力を加えるために前記第1の方
    向切換弁内で前記第1のポートを前記第2のポートに接
    続するとともに前記第2の方向切換弁内で前記第4のポ
    ートを前記第5のポートに接続し、前記被溶接材に前記
    溶接加圧力設定値にほぼ等しい正規の溶接加圧力を加え
    るために前記第1の方向切換弁内で前記第1のポートを
    前記第2のポートに接続するとともに前記第2の方向切
    換弁内で前記第4のポートを前記第6のポートに接続
    し、前記被溶接材に対する加圧を解除するために前記第
    1の方向切換弁内で前記第1のポートを前記第3のポー
    トに接続するとともに前記第2の方向切換弁内で前記第
    4のポートを前記第5のポートに接続する弁切換制御手
    段とを具備することを特徴とする抵抗溶接機。
JP3021643A 1991-01-22 1991-01-22 抵抗溶接方法及び抵抗溶接装置 Expired - Lifetime JP2668051B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3021643A JP2668051B2 (ja) 1991-01-22 1991-01-22 抵抗溶接方法及び抵抗溶接装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3021643A JP2668051B2 (ja) 1991-01-22 1991-01-22 抵抗溶接方法及び抵抗溶接装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04237572A JPH04237572A (ja) 1992-08-26
JP2668051B2 true JP2668051B2 (ja) 1997-10-27

Family

ID=12060742

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3021643A Expired - Lifetime JP2668051B2 (ja) 1991-01-22 1991-01-22 抵抗溶接方法及び抵抗溶接装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2668051B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62109883U (ja) * 1985-12-26 1987-07-13
JPH01128978U (ja) * 1988-02-24 1989-09-01

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04237572A (ja) 1992-08-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5060362A (en) Slug riveting method and apparatus with C-frame deflection compensation
KR100352523B1 (ko) 초음파진동 접합장치
US4864713A (en) Method and apparatus for positioning tooling and riveting
JP2003205371A (ja) 接合装置
JPH0253154B2 (ja)
JP2668051B2 (ja) 抵抗溶接方法及び抵抗溶接装置
JP3760898B2 (ja) 電子部品圧着装置および電子部品圧着方法
US5418347A (en) Method and apparatus for fusing terminal or commutator wire connections using a trigger current
EP1009578B1 (en) Apparatus andfor and methof of welding or reflow soldering with automatically adjusted pressure
JPH04237580A (ja) 抵抗溶接機
JP2741152B2 (ja) ロボットガンの電極位置決め装置
JP3669348B2 (ja) 電子部品圧着装置および電子部品圧着方法
US2996603A (en) Welding machine
JP2648291B2 (ja) スポット溶接機の電極駆動装置
CN211295659U (zh) 电池盒导电片翻铆装置
US5525774A (en) Method and apparatus for fusing lead wires of coils to terminals
JPH0574834A (ja) ワイヤボンダ
JP2002192385A (ja) 電動式押圧装置
JP2003133706A (ja) 圧着装置および圧着方法
JP2000218377A (ja) C型溶接ガンの制御方法
JPS634781B2 (ja)
JPH10249543A (ja) スポット溶接ガンの加圧制御装置
JP3606214B2 (ja) チップの圧着方法
CN215545725U (zh) 一种新型点焊机
JPH11265912A (ja) 電子部品の熱圧着装置および熱圧着方法