JP2668035B2 - 内燃機関用中空弁及びその製造方法 - Google Patents

内燃機関用中空弁及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、内部に中空部を設けた内燃機関用吸排気
弁、及びその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
内部に中空部を設けることにより軽量化を図るととも
に、その中空部内に金属ナトリウム等の冷却媒体を封入
することにより、冷却効率を高めるようにした内燃機関
用吸排気弁(以下中空弁という)は公知である(例えば
特開昭60−247433号公報、実開昭62−102806号公報、特
開昭63−109211号公報、特公昭37−5451号公報等参
照)。
このような中空弁の製造に際し、中空部の軸端側の端
部を閉塞するには、第6図から第9図に示す4つの方法
がある。
第6図に示す第1従来例においては、一端に有底孔
(1)(2)がそれぞれ穿設された丸棒状の傘部形成用
の素材(3)と軸端部形成用の素材(4)との各有底孔
(1)(2)が開口する方の端部同士を、互いに摩擦圧
接及びアプセット突合せ溶接等により溶接した後、接合
部の周囲に突出した溶接ばり(5)を機械加工により削
除し、その後、素材(3)の遊端部を、熱間プレス等に
より塑性変形させて傘部(6)を形成する(特開昭60−
247433号公報参照)。
第7図に示す第2従来例においては、傘部(11)に連
設された中空軸部(12)における中空部(13)が開口す
る端部を絞り加工することにより、中空部(13)の開口
端部を閉塞した後、その端部に、充実軸部(14)を同心
として、摩擦圧接、突合せ溶接、もしくはプロジェクシ
ョン溶接等により接合し、その後、接合部の周囲より突
出した溶接ばり(15)を、機械加工により削除する(特
開昭63−109208号公報参照)。
第8図に示す第3従来例においては、傘部(11)に連
設された中空軸部(12)における中空部(13)の開口端
部にプラグ(16)を圧嵌することにより、中空部(13)
を閉塞した後、その端部に、充実軸部(14)を同心とし
て、第2従来例と同様の溶接により接合して、その後、
接合部の周囲に突出した溶接ばり(15)を機械加工によ
り削除する(特公昭37−5451号公報参照)。
第9図に示す第4従来例においては、傘部(11)に連
設された中空軸部(12)における中空部(13)が開口す
る端部に、充実軸部(14)を、同心として、摩擦圧接等
の溶接により接合することにより、中空部(13)を閉塞
し、その後、接合部の周囲に突出した溶接ばり(15)
を、機械加工により削除する(特開昭63−195308号公
報、特開昭62−179836号公報参照)。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来例のうち、第1及び第4従来例においては、
中空部(1)(2)(13)内に溶接ばり(7)(17)が
形成されるが、この溶接ばり(7)(17)を外部から除
去することはできない。
そのため、この溶接ばり(7)(17)が、中空部
(1)(2)(13)内に封入した冷却媒体の流動を妨げ
ることとなり、また、溶接ばり(7)(17)と素材
(3)(4)、又は中空軸部(12)もしくは充実軸部
(14)との間に形成される鋭角部(a)により、ここか
ら亀裂が生じ易く、中空弁の強度、特に疲労強度が低下
する。さらに、溶接欠陥が生じやすい接合面(b)が、
中心軸線(L)とほぼ直交する方向を向くので、わずか
の溶接欠陥によっても、中心軸線(L)と直交する方向
に亀裂が生じ易く、軸部の強度が低下する。
第2及び第3従来例によると、中空部(13)内に溶接
ばりが生じることはないが、中空軸部(12)の端部を絞
り加工したり、又はプラグ(16)を圧嵌したりするのに
加工工数が増加し、結果的にコスト高となる。また、上
記のものと同様に、接合面(b)が中心軸線(L)とほ
ぼ直交する方向に向くことにより、その方向に亀裂が生
じ易く、軸部の強度が低下する。
本発明は、従来の技術が有する上記のような問題点に
鑑み、上記第4従来例に改良を施すことにより、軸部の
強度を向上させるとともに、簡単かつ安価に製造できる
内燃機関用中空弁、及びその製造方法を提供することを
目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明の内燃機関用中空
弁では、請求項(1)に記載のように、傘部に連設され
た中空軸部における中空部が開口する端部に、充実軸部
を同心として接合することにより、前記中空部を閉塞し
てなる内燃機関用中空弁において、前記中空軸部の端部
と充実軸部の端部との接合面の少なくとも一部を、前記
傘部から離れる方向に向かって拡開するテーパ状として
ある。
中空軸部と充実軸部の材質は、請求項(2)乃至
(6)に記載のようなものとするのがよい。
また、本発明の内燃機関用中空弁の製造方法は、請求
項(7)に記載のように、一方の端部に傘部を形成され
た又は形成しようとする中空軸部における中空部が開口
する他方の端部と、これに接合しようとする充実軸部の
端部との少なくともいずれか一方に、前記傘部から離れ
る方向に向かって拡開するテーパ部を形成しておき、前
記中空軸部と充実軸部とを互いに同心として、対向する
端部同士を溶接することにより、前記中空軸部と充実軸
部との接合面の少なくとも一部に、傘部から離れる方向
に向かって拡開するテーパ部を形成することを特徴とし
ている。
さらに、本発明の方法によると、請求項(8)に記載
のように、一方の端部に傘部を形成された又は形成しよ
うとする中空軸部における中空部が開口する端部と、前
記中空軸部より溶接時の変形抵抗が小さい材料よりなる
充実軸部の端部とを、前記中空軸部と充実軸部とを同心
として、かつそのいずれか一方を高速回転させつつ、互
いに圧接することにより、前記中空軸部と充実軸部との
接合面の少なくとも一部に、前記傘部から離れる方向に
向かって拡開するテーパ部を形成するようにしてもよ
い。
〔作 用〕
請求項(1)記載の内燃機関用中空弁は、中空軸部と
充実軸部との接合面の少なくとも一部が、テーパ状とな
って中心軸線に対して傾斜するので、接合面が従来のも
のより広くなっている。
そのため、溶接強度は増すとともに、万一この接合面
に溶接欠陥が生じたとしても、亀裂は、中心軸線と直交
する方向に向くことはなく、それに対して傾斜する方向
に向くので、軸部の強度は大となる。
請求項(7)記載の内燃機関用中空弁の製造方法によ
ると、中空軸部と充実軸部との溶接時に、その一方に設
けられたテーパ部に沿って他方の端部が案内されるの
で、中空部内に溶接ばりが生じるおそれは少なくなり、
また溶接後の接合面に、テーパ部を簡単に形成すること
ができる。
請求項(8)記載の内燃機関用中空弁の製造方法によ
ると、充実軸部と中空軸部との材質を、充実軸部の方
が、中空軸部より溶接時の変形抵抗が小となるように選
択するだけで、第4従来例とほぼ同様の簡単な方法で、
接合面に所要のテーパ部が形成されるとともに、中空部
内に溶接ばりが生じるおそれも少ない。
〔実施例〕
第1図は、請求項(1)記載の発明の一実施例を示
す。
(21)は、環状のバルブシート(図示略)と当接する
ことにより、内燃機関の排気孔又は吸気孔(いずれも図
示略)を閉塞するテーパ状の弁フェース部(21a)を上
面に有する傘部で、その上面中央には、内部に中空部
(23)を有する上向きの中空軸部(22)が連設されてい
る。
中空軸部(22)の上端には充実軸部(24)が、同心的
に、かつ中空部(23)の上端開口部を閉塞するようにし
て溶接されている。
中空軸部(22)と充実軸部(24)との接合面(25)の
形状は、中心寄りの部分、すなわち、中空部(23)内に
突入する端面(24a)寄りの部分が、中心軸線(L)に
対して小さい角度(θ)をもって上向きに拡開するテ
ーパ部(25a)をなし、かつ外周寄りの部分が、中心軸
線(L)に対して上記角度(θ)より大きい角度(θ
)(ただしθ<90゜)をもって上向きに拡開するテ
ーパ部(25b)をなし、両テーパ部(25a)(25b)の中
間部が、上向凸状に湾曲する湾曲面(25c)をなすよう
にしてある。
(24b)は、充実軸部(24)の上端部寄りの外周面に
形成された環状溝で、スプリングリテーナ(図示略)を
軸端部に係止するコッタ(図示略)を嵌合させるための
ものである。
中空軸部(22)と充実軸部(24)とは、ともに、例え
ばオーステナイト系耐熱鋼(SUH36)、チタン合金、ア
ルミ合金等のような同一材料よりなるものとしてもよい
が、充実軸部(24)を、例えはマルテンサイト系耐熱鋼
(SUH3、SUH11)又は高速度鋼(SKH51)等のような焼入
れ硬化可能な鋼材よりなるものとし、かつ中空軸部(2
2)を、オーステナイト系鋼材又はニッケル基合金とし
てもよい。
また、中空軸部(22)と充実軸部(24)とを、例えば
オーステナイト系耐熱鋼(SUH36)、チタン合金、アル
ミ合金、ニッケル基合金(インコネル750)等のような
焼入れ硬化不可能な材料よりなるものとした場合には、
充実軸部(24)の軸側端に、例えばマルテンサイト系耐
熱鋼(SUH3、SUH11)、高速度鋼(SKH51)等のような焼
入れ硬化可能な鋼材を溶接し、溶接後に、これを焼入れ
してもよい。また充実軸部(24)の軸端側に硬質のキャ
ップ状部材を取り付けても良い。
さらに、第1図示の中空弁を、後述する請求項(8)
記載の発明の方法により製造する場合には、例えば中空
軸部(22)をオーステナイト系耐熱鋼(SUH36)よりな
るものとし、かつ充実軸部(24)を、オーステナイト系
耐熱鋼(SUH36)より溶接時の変形抵抗が小さい例えば
マルテンサイト系耐熱鋼(SUH3)よりなるものとしても
よい。
この実施例のような構成とすると、接合面(25)を、
傘部から離れる方向に向かって拡開するテーパ状とした
ことにより、接合面(25)の全体の面積が、従来の中心
軸線(L)と直交する方向を向くものより大となり、溶
接強度が増すとともに、万一この接合面(25)に溶接欠
陥が生じたとしても、亀裂は、中心軸線と直交する方向
に向くことなく、それに対して傾斜する方向を向くの
で、端部の強度は大となる。
なお、上記実施例においては、接合面(25)の全体が
テーパ状をなすようにしてあるが、接合面(25)の少な
くとも一部をこのようなテーパ部とするだけでも、十分
な効果が得られる。
第2図及び第3図は、第1図示の中空弁を、請求項
(7)記載の発明の方法により製造する要領を示す。
この製造方法においては、中空軸部(22)の中間体で
ある中空軸部(26)と、充実軸部(24)の中間体である
充実軸部(27)とを、例えばオーステナイト系耐熱鋼
(SUH36)のような同一材料製のものとし、かつ第2図
示のように前もって成形しておく。すなわち、中空軸部
(26)の下端部には、熱間プレス等により、傘部(21)
を前もって形成しておくとともに、中空軸部(26)の上
端から傘部(21)に近接する部分までにかけて中空部
(23)を形成しておき、また中空部(23)が開口する中
空軸部(26)の上端面(26a)は、中心軸線(L)と直
交する平面としておく。
短寸の丸棒状とした充実軸部(27)の下端には、上方
に向かって拡開するテーパ部(27a)を、前もって形成
しておく。
中空軸部(26)を適宜の治具(図示略)により固定し
た状態で、充実軸部(27)を、中空軸部(26)と同心と
して、かつ高速回転させつつ、テーパ部(27a)が中空
部(23)内に嵌入するように押し付ける。
すると、テーパ部(27a)の外周面と、それに接触す
る中空軸部(26)の上端部とが、摩擦熱により局部的に
溶融し、かつ中空軸部(26)の上端部がテーパ部(27
a)の外周面に案内されて漸次拡径されて互いに押圧さ
れる。
充実軸部(27)を中空軸部(26)に対して予め定めて
おいた距離だけ押し進めた後、充実軸部(27)の回転を
急激に停止させ、かつ充実軸部(27)を中空軸部(26)
に対して、それまでと同様の、又はそれよりさらに大き
い加圧力をもって加圧すると、第3図に示すように、中
空軸部(26)と充実軸部(27)とは、第1図に示すのと
同様の形状の接合面(25)をもって互いに溶着され、接
合部分の外周面には、溶接ばり(28)が形成される。
その後、溶接ばり(28)を、研削盤その他の機械加工
手段により削除し、かつ充実軸部(27)に、環状溝(27
b)及び面取り(27c)切削加工すると、第1図示のもの
と同一の中空弁が形成される。
この製造方法によると、溶接時に、中空軸部(26)の
上端部は、充実軸部(27)のテーパ部(27a)の外周面
に沿って案内されるので、中空部(23)内に溶接ばりが
生じるおそれは少なく、また溶接後の接合面(25)に、
テーパ部を簡単に形成することができる。
なお、充実軸部(27)の下端面を中心軸線(L)と直
交する平面とし、かつ中空軸部(26)の上端部に、中空
部(23)と連続するとともに、傘部(21)から離れる方
向、すなわち上方に向かって拡開するテーパ(孔)部を
設けたり、又は充実軸部(27)と中空軸部(26)との両
方にこのようなテーパ部を設けて、上記と同様の要領で
摩擦圧接させても、上記と同様の作用及び効果が得られ
る。
また、この製造方法においては、摩擦圧接によらず、
突合せ溶接、プロジェクション溶接、又はその他の溶接
方法により、中空軸部(26)と充実軸部(27)とを溶接
してもよい。
中空軸部(26)と充実軸部(27)とを互いに溶接した
後に、中空軸部(26)の下端部に、熱間プレス等により
傘部を形成してもよい。
第4図及び第5図は、請求項(8)記載の発明の方法
により、第1図示の中空弁を製造する際の実施要領を示
す。
この製造方法においては、中空軸部(22)の中間体で
ある中空軸部(29)を、オーステナイト系耐熱鋼(SUH3
6)製とし、かつ充実軸部(24)の中間体である充実軸
部(30)を、オーステナイト系耐熱鋼(SUH36)より溶
接時の変形抵抗が小さい材料製のものとする。
中空軸部(29)の溶接前の形状は、第2図に示す中空
軸部(26)と同一とし、特に上端面(29)は中心軸線
(L)と直交する平面とし、充実軸部(30)の形状は、
下端面(30)が中心軸線(L)と直交する平面をなす短
寸の丸棒状としておく。
中空軸部(29)を適宜の治具(図示略)により固定し
た状態で、充実軸部(30)を、中空軸部(29)と同心状
として、かつ高速回転させつつ押し付ける。
すると、充実軸部(30)の下端部が中空軸部(29)の
上端と接触し、そのときの摩擦熱により、それらの接触
面が局部的に溶融する。
このとき、充実軸部(30)側の材料は、中空軸部(2
9)側の材料より溶接時の変形抵抗が小さいので、充実
軸部(30)側の変形量が大となり、充実軸部(30)を予
め定めておいた距離だけ押し進めて、充実軸部(30)の
回転を急停止したときには、中空軸部(29)と充実軸部
(30)とは、第1図示のものと同様のテーパ状の接合面
(25)をもって溶着される。
この接合面(25)の中心軸線(L)に対する角度(θ
)(θ)は、上記変形抵抗の差と、その他の溶接条
件に基づいて定まる。
また、溶接時に、両軸部(29)(30)の外周に溶接ば
り(31)が形成されるので、溶接後、この溶接ばり(3
1)を機械加工により削除し、かつ充実軸部(30)に、
環状溝(30b)及び、面取り(30c)切削加工すると、第
1図示のものと同一の中空弁が形成される。
この製造方法によると、中空軸部(29)と充実軸部
(30)との材質を、充実軸部(30)の方が中空軸部(2
9)より溶接時の変形抵抗が小となるように選択するだ
けで、接合面(25)にテーパ部を簡単に形成することが
でき、かつ溶接時に、変形抵抗が大きい中空軸部(29)
がそれより変形抵抗が小さい充実軸部(29)に押し進め
られるので、中空部(23)内に溶接ばりが生じるおそれ
は少ない。
その他の実施要領は、第2図及び第3図に示すものと
同一でよいので、それらについての詳細な説明は省略す
る。
〔発明の効果〕
本発明の内燃機関用中空弁によると、中空軸部と充実
軸部との接合面の少なくとも一部を、傘部から離れる方
向に向かって拡開するテーパ状としたことにより、接合
面の面積を大として、溶接強度を増大させることがで
き、また、万一この接合面に溶接欠陥が生じたとして
も、亀裂は軸部の中心軸線と直交する方向には向くこと
はなく、それに対して傾斜する方向を向くので、軸部の
強度を大とすることができる。
本発明の内燃機関用中空弁の製造方法によると、上記
構造の中空弁を、特殊な加工を施すことなく簡単に製造
できるとともに、中空部内に溶接ばりが生じるおそれは
少なくなり、製造された中空弁の軸部の強度を向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、請求項(1)記載の内燃機関用中空弁の一実
施例の中央縦断正面図、 第2図は、請求項(7)記載の中空弁の製造方法の一実
施要領を示すもので、中空軸部と充実軸部とを溶接する
前の状態を示す中央縦断正面図、 第3図は、同じく溶接時の状態を示す要部の中央縦断正
面図、 第4図は、請求項(8)記載の中空弁の製造方法の一実
施要領を示すもので、中空軸部と充実軸部とを溶接する
前の状態を示す要部の中央縦断正面図、 第5図は、同じく溶接時の状態を示す要部の中央縦断正
面図、 第6図は、第1従来例の溶接時の状態を示す中央縦断正
面図、 第7図は、第2従来例の溶接時の状態を示す中央縦断正
面図、 第8図は、第3従来例の溶接時の状態を示す中央縦断正
面図、 第9図は、第4従来例の溶接時の状態を示す中央縦断正
面図である。 (21)傘部、(21a)弁フェース部 (22)(26)(29)中空軸部、(23)中空部 (24)(27)(30)充実軸部、(24a)端面 (24b)(27b)(30b)環状溝、(24c)(27c)(30c)
面取り (25)接合面、(25a)(25b)テーパ部 (25c)湾曲面、(27a)テーパ部 (28)(31)溶接ばり、(29a)上端面 (30a)下端面 (L)中心軸線、(θ)(θ)角度

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】傘部に連設された中空軸部における中空部
    が開口する端部に、充実軸部を同心として接合すること
    により、前記中空部を閉塞してなる内燃機関用中空弁に
    おいて、前記中空軸部の端部と充実軸部の端部との接合
    面の少なくとも一部を、前記傘部から離れる方向に向か
    って拡開するテーパ状としたことを特徴とする内燃機関
    用中空弁。
  2. 【請求項2】中空軸部と充実軸部とが、互いに同一材料
    よりなる請求項(1)記載の内燃機関用中空弁。
  3. 【請求項3】充実軸部が焼入れ硬化可能な鋼材よりな
    り、かつ中空軸部がオーステナイト系鋼材よりなる請求
    項(1)記載の内燃機関用中空弁。
  4. 【請求項4】充実軸部が焼入れ硬化可能な鋼材よりな
    り、かつ中空軸部がニッケル基合金よりなる請求項
    (1)記載の内燃機関用中空弁。
  5. 【請求項5】充実軸部と中空軸部とが、焼入れ硬化不可
    能な材料よりなり、かつ充実軸部の軸端側に、焼入れ硬
    化可能な鋼材を溶接してなる請求項(1)又は(2)記
    載の内燃機関用中空弁。
  6. 【請求項6】充実軸部が、中空軸部より溶接時の変形抵
    抗が小さい材料よりなる請求項(1)記載の内燃機関用
    中空弁。
  7. 【請求項7】一方の端部に傘部を形成された又は形成し
    ようとする中空軸部における中空部が開口する他方の端
    部と、これに接合しようとする充実軸部の端部との少な
    くともいずれか一方に、前記傘部から離れる方向に向か
    って拡開するテーパ部を形成しておき、前記中空軸部と
    充実軸部とを互いに同心として、対向する端部同士を溶
    接することにより、前記中空軸部と充実軸部との接合面
    の少なくとも一部に、傘部から離れる方向に向かって拡
    開するテーパ部を形成することを特徴とする内燃機関用
    中空弁の製造方法。
  8. 【請求項8】一方の端部に傘部を形成された又は形成し
    ようとする中空軸部における中空部が開口する端部と、
    前記中空軸部より溶接時の変形抵抗が小さい材料よりな
    る充実軸部の端部とを、前記中空軸部と充実軸部とを同
    心として、かつそのいずれか一方を高速回転させつつ、
    互いに摩擦圧接することにより、前記中空軸部と充実軸
    部との接合面の少なくとも一部に、前記傘部から離れる
    方向に向かって拡開するテーパ部を形成することを特徴
    とする内燃機関用中空弁の製造方法。
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