JP2667718B2 - 酵素定量ウィッキングアッセイ - Google Patents

酵素定量ウィッキングアッセイ

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は特異的結合ペアアッセイに関し、そしてβ−
ガラクトシダーゼ断片の補完および複合体の分離を使
う。
〔従来技術およびその課題〕
非常に様々なイムノアッセイは、試料中の分析物(an
alyte)が固定量の抗−分析物抗体を目当てに既知量の
ラベル化された分析物と競争する競合阻害に基づいてい
る。競合阻害アッセイにおいては酵素ラベルがしばしば
使われており、ここで抗−分析物抗体と酵素−分析物接
合体との結合が、複合体形成した接合体と複合体形成し
なかった接合体の分離のために用意される。
β−ガラクトシダーゼ断片の補完および活性酵素形成
の能力に基づくアッセイが報告されている。特に、β−
ガラクトシダーゼ酵素供与体(ED)はβ−ガラクトシダ
ーゼ酵素受容体(EA)と結合して活性なβ−ガラクトシ
ダーゼ酵素を形成する。EDの或る部位へ小さい分析物ま
たは分析物類似体を接合させても、β−ガラクトシダー
ゼで触媒される活性の量には影響を及ぼさない。しかし
ながら、ED−分析物接合体が抗−分析物抗体と結合する
と、反応の初期段階の間の酵素触媒反応速度が減少す
る。酵素触媒反応速度におけるこの減少が複数の分析物
の定量に利用されており、この場合アッセイ媒質中に存
在するED−分析物接合体と試料中に存在する分析物とが
EAの添加の前に抗一分析物抗体を目当てに競争する。β
−ガラクトシダーゼ−触媒反応速度は、試料中に存在す
る分析物の量が増加するにつれて増加する。
該アッセイは病院または他の据え付けの臨床実験室に
おいて実施可能であるが、比較的熟練されていない人々
により実施でき、そして精巧な装置を使用することなく
分析できる簡便化されたアッセイプロトコールが必要と
されている。
〔関連文献〕
改変されたβ−ガラクトシダーゼ酵素供与体および酵
素受容体は、化学合成および組換え操作により調整され
ている。改変された該断片は、補完の隣のβ−ガラクト
シダーゼ活性を保持しており、そして該断片の生産およ
び該断片への分析物の結合を容易にする。例えば米国特
許第4,708,929号およびその中に引用された文献を参照
のこと。
〔課題を解決するための手段〕
ラベルとしてβ−ガラクトシダーゼの相補的断片を使
うウイッキング(wicking)アッセイが提供される。β
−ガラクトシダーゼ相補的断片のうちの一方は吸水性表
面に結合しており、もう一方は、リガンド分析物と免疫
的に交差反応性であるかまたはレセプター分析物と相補
的であるエピトープに接合されている。レセプターと複
合体形成した相補的メンバーを複合体形成していない相
補的メンバーから遠位に運ぶために吸水性メンバーへの
移行が用意される。複合体形成していない相補的メンバ
ーが他方の酵素断片と結合すると、そのような結合部位
のところで基質により発色することができる。複合体形
成していない酵素断片接合体の存在の測定は、複合体形
成していない酵素接合体からの複合体形成した酵素接合
体の前分離または吸水性メンバー上での複合体形成した
酵素接合体と複合体形成していない酵素接合体との識別
の結果としてであることができる。
〔特定の実施態様〕
相補的なβ−ガラクトシダーゼ断片を使用するウイッ
キングアッセイが提供され、ここで一方の断片は、分析
物のエピトープと交差反応性であるかまたはレセプター
分析物と特異的に結合するエピトープに接合されてい
る。他方の断片は、水性媒質の輸送のために用意された
吸水性メンバーに非拡散的に結合されている。これら2
つの断片はそれぞれ、通常小さい方の断片でありそして
β−ガラクトシダーゼ酵素のN−末端部分の少なくとも
一部分を含んで成る酵素供与体、および通常大きい方の
断片でありそしてβ−ガラクトシダーゼ酵素のC−末端
部分である酵素受容体と呼称される。酵素供与体および
酵素受容体はそれぞれ“ED"および“EA"と省略される。
酵素系の完全な記載については、米国特許第4,708,929
号を参照のこと。
当該アッセイの成分は、酵素断片接合体、支持体に結
合した酵素断片、酵素基質、およびアッセイ媒質であ
る。多数の異なるプロトコールを使用することができ、
それの選択は分析物の性質に応じるであろう。
該アッセイを実施する際に、試料、接合体およびレセ
プター(分析物であってもよい)を適当なアッセイ媒質
中で混合する。分析物がリガンドである場合、レセプタ
ーと結合して複合体を形成する接合体の物理的分離に備
えるために、レセプターは固体支持体に結合されている
か、または該複合体が吸収性メンバーに適用される場合
は溶液中に遊離していてもよい。ある場合には、該複合
体が溶液中に遊離している場合、試料との混合前に分離
が行われ得る。
試料とレセプターとの間に起こる反応にとって十分な
時間の後、アッセイ媒質を吸水性メンバーと接触させ
る。接触は、アッセイ媒質がストリップの長さの実質的
部分を移動するであろう場合には、細長いストリップの
一端に近い部位であることができ、または適用部位から
実質的に均一に放射状に広がるように、アッセイ媒質が
適用部位から外側に放射状に広がることのできる部位に
適用することができる。吸水性メンバーに更なるアッセ
イ媒質を添加せずそして移動が止まった時点で、吸水性
メンバーを基質溶液と接触せしめる。通常、適用部位か
ら溶媒先端までを含む領域が基質と接触されるだろう。
次いで更なる反応が起こらないように、基質溶液との接
触を止めるが、溶媒が実質上蒸発するまでは反応が続く
だろう。
指摘した様に、アッセイの形式は分析物の性質に依存
して異なることができる。親水性分析物の場合は、吸収
性メンバーが複合体形成した酵素複合体と遭遇しないよ
うに、複合体形成した酵素断片接合体を複合体形成して
いない酵素断片接合体から前分離することが好ましいだ
ろう。分離は、容器の壁、例えばミクロタイタープレー
ト、粒子、例えばセファデックス粒子、セル等のような
固体支持体に結合されたレセプターを用意することによ
り達成され得、または吸水性メンバーとの接触部位から
移動することができないであろう非常に高分子量の複合
体凝集物を形成することができそして不活性ならば活性
酵素を形成する際に実質的に減少してしまうであろう、
多価の抗−レセプターを有することによっても達成され
得る。
あるいは、細長いストリップを使用する場合には、レ
セプターを捕捉するために、抗−レセプターと接合され
たアッセイ媒質と最初に接触する部位を有することがで
きる。試料により置換される相補的酵素断片の存在は、
抗−レセプターの領域から置換されるだろう。
分析物が疎水性であるか、または酵素断片への疎水性
基の結合により、即ち分析物以外の疎水性分子により、
接合体が疎水性にされる場合は、結合された酵素断片と
の接触前の複合体形成した接合体と複合体形成していな
い接合体との分離は必要ない。アッセイ媒質を吸水性支
持体と接触させると、疎水性の複合体形成していない接
合体は接触部位近くの比較的小さい領域中に保持され、
一方複合体形成したメンバーは接触部位から遠くに移動
する。吸収性メンバーと基質を接触させる時、相補的酵
素断片が結合して活性酵素を形成する部位で発色がずっ
と強くなる。レセプターが結合された接合体の存在は、
溶媒と一緒の移動および適用部位から離れたEAとの結合
をもたらし、より広い検出可能領域のために用意され
る。この形式は、主な関心が限界濃度より上または下の
分析物の存在である限界アッセイについて特定の適用を
有する。
EDおよびEA断片並びにそれらの接合体は米国特許第4,
708,929号中に詳細に記載されており、これは本明細書
中に引例として組み込まれる。従って、EDおよびEAの簡
単な説明だけで充分であろう。EDは通常約60〜100アミ
ノ酸であり、通常着目のエピトープを提供するアミノ酸
配列との融合により、または接合のためのメルカプトま
たはアミノ官能基に備えて、システインまたはリジンを
提供する突然変異により改善されるだろう。EAの調製方
法は、天然に存在する変異体源からの単離であることが
でき、または組換え技術によりEAを合成することもで
き、そこでは接合のために利用可能な官能基を使用して
もよい、または接合に有用な部位に備えて該配列中にシ
ステインを導入してもよい。米国特許第4,708,929号に
記載されている多数のEDおよびEAのいずれかを使用して
もよい。
吸水性支持体の選択は、多数の考慮に依存するだろ
う。吸水性支持体は、共有結合または非共有結合のどち
らかにより該支持体への酵素断片の非拡散性結合を可能
にするべきである。該支持体はアッセイ成分の所望の移
動を妨害すべきではなく、または必要な性質に備えて改
変されてもよい。即ち、該支持体は有意な非特異的結合
を生じてはならず、または該支持体を処理してそのよう
な非特異的結合を回避すべきである。
イムノアッセイウイッキング法において使われる多数
の吸水性固体支持体が文献中に報告されており、その中
には、改質されたセルロース系支持体、例えば紙、ニト
ロセルロースおよび好ましくは非−セルロース系支持
体、例えばナイロン膜、ポリエステルベースの膜および
ポリアミドベースの膜が含まれる。便利には、固体支持
体は化学的に反応性の膜、例えば処理されたナイロン膜
であり、膜と共にインキュベートされたタンパク質を共
有結合的、または非共有結合的に結合する。明らかにタ
ンパク質のアミノ基との結合の形成を通してタンパク質
を共有結合的に結合するナイロン膜は、ミリポア・コー
ポレーション(“Immobilon")およびポール・コーポレ
ーション(“Immunodyne")を含む業者から商業的に入
手可能である。Immobilon膜よりもImmunodyne膜の方が
膜に固定されたEAが保存の際に長期間安定であることが
わかっているので、Immunodyne膜がより好ましい。
酵素断片は、支持体材料へタンパク質を共有結合また
は非共有結合的に結合させるための便利な手段により固
体支持体に結合されるだろう。EAをImmobilon膜に付着
せしめるための好ましい手段は、実験の部において記載
される。便利には、酵素断片は固体支持体の全表面を被
覆することができるが、少なくとも色の形成を測定する
領域を被覆するであろう。望ましくは、酵素断片は実質
的に一定の濃度で紙の表面上に存在するだろう。これ
は、浸漬、噴霧、ナイフの刃での適用等により達成され
得る。酵素断片の付着の後、支持体へのタンパク様物質
の非特異的結合を最小にするために、支持体はブロック
剤、通常はウシ血清アルブミン(BSA)またはカゼイン
のようなタンパク質でコートされるだろう。通常、タン
パク質含有溶液は約0.05〜5重量%、より普通には0.1
〜1重量%の範囲内の濃度であろう。支持体は、望まし
くは界面活製剤を含有する水性緩衝液で注意深く洗浄さ
れ、支持体にしっかりと結合していない酵素断片が除去
されるだろう。
調製の後、支持体は好ましくは真空デシケーター中で
ブロット乾燥されそして保存される。乾燥条件下で支持
体を保存するとEAの安定性を高めることが知られてい
る。支持体は室温で延長された期間保存でき、またはよ
り長い安定性のために冷蔵することもできる。糖などの
安定剤を適用してもよい。
支持体は大きなシートとして用意することもできる。
これは更に加工してストリップ、円状パッド、円筒状パ
ッド等にすることができる。ストリップは支持体の正確
なメンバーを含むことができそして操作の容易さを有す
るであろう。多数のストリップおよびパッドが診断的ア
ッセイに関する文献中に記載されており、これらの品を
本発明に使用することができる。パッドは普通、ストリ
ップに比べると実質的に左右対称であり、約3mmより大
きく約2cmより小さい最小表面寸法を有するだろう。
ストリップの場合は、分離領域に備えて更なる処理に
かけられ得る。既に示したように、アッセイ媒質との接
触部位に近い領域が、レセプターと複合体形成した接合
体の分離のために用意され得る。従って、その領域中に
抗−レセプターを有することにより、どんな複合体形成
された酵素断片接合体でもその領域内に保持され、そし
て次の領域への移動を妨げられ、そこで相補的酵素接合
体が結合するであろう。
支持体上の酵素断片の量は色々異なることができる
が、通常はアッセイ媒質中の相補的酵素断片接合体の量
に対して全量で実質的に過剰である。支持体表面上の特
定の濃度は、特定のアッセイ、酵素断片接合体の結合親
和力、およびアッセイの方式に依存するだろう。支持体
を酵素断片で含浸するのに使う溶液の濃度は、通常約1
〜100μMの範囲、より普通には約5〜75μMの範囲内
であろう。便利には、酵素接合体は、通常約6.5〜8の
範囲内のpHに緩衝化された約50〜250μMの範囲内の緩
衝液濃度を有する水性緩衝化溶媒中で支持体に適用され
るだろう。トリス、リン酸塩、酢酸塩、MOPS、HEPES
等、どんな便利な緩衝液でも使うことができる。
アッセイ媒質は、酵素断片接合体、試料、および分析
物がレセプター以外の時には分析物のためのレセプター
を含んで成るだろう。既に示したように、レセプターは
支持体に結合されてもよく、または溶液中に分散されて
もよい。酵素断片接合体の量は、着目の分析物の濃度範
囲と共に変化するだろう。普通は、酵素断片接合体、着
目の範囲内の分析物の最も高い濃度あたりの範囲内であ
ろう。特定の濃度は、着目の濃度範囲内の所望のシグナ
ルレベルを考慮して、そしてその範囲が定量される場
合、バックグラウンドレベルおよび他の妨害レベルを最
小にしながら、濃度における有意な差を識別できるよう
な十分な感度を考慮して選択されるだろう。
この濃度は、好ましくは、反応の速度論を研究するこ
とにより溶液中で決定される。例えば、1988年2月2日
に出願した同時係属出願第151,412号を参照のこと。こ
の中に、予想される濃度範囲の分析物量に応答するよう
に接合体および抗体の濃度を最適化することが詳細に記
載されている。普通、相補的な特異的結合ペアメンバー
および接合体の濃度は、最適条件に必要な濃度の少なく
とも85%、より普通には少なくとも95%以内であろう。
所望の分析物濃度範囲内での相補的な特異的結合ペア
メンバーおよび接合体の最適濃度を溶液アッセイにおい
て決定した後、これらの濃度を当該ウイッキングアッセ
イに使用することができる。
緩衝液組成は重要ではない。一般に、リン酸塩緩衝化
塩溶液、トリス緩衝液などの生理的緩衝液が有用であ
る。好ましい緩衝液は、約100mM〜約300mMの、NaPO4
約5mM〜約10mMのEGTAおよび約10mM〜20mMのNaN3を含ん
で成り、6〜8のpHを有するものである。アッセイの温
度は普通少なくとも約20℃で、好ましくは高められる
が、60℃以下であろう。大抵のアッセイは約20℃〜約30
℃にて、または約37℃の高められた温度にて行われる。
アッセイは大気圧にて行われる。
試料は、生理的流体、例えば血液、血清、血しょう、
脊髄液、硝子体液等、化学的操作流出液または反応混合
物、水源、エアー源等を含むいずれかの着目の源から得
ることができる。試料の特定の源は本発明にとって重要
ではない。試料は前処理にかけてもよいし全く前処理し
なくてもよい。試料は希釈してもよいしまたはそのまま
使用することもできる。大抵は、試料は普通アッセイ媒
質の容量の約50%よりも少ないであろう。普通、試料は
アッセイ媒質の約0.1〜20容量%の範囲であろう。希釈
の場合、試料は通常、試料と混合した後に約6〜8の範
囲のpHを提供するように緩衝化されている、緩衝化され
た媒質と混合される。普通、該酵素断片接合体は、乾燥
粉末としてよりもむしろ溶液として試料と混合されるだ
ろう。レセプターは、酵素接合体と共に予め形成された
複合体として存在してもよく、この場合には存在するレ
セプターは通常、酵素接合体の実質上全部を結合するの
に十分な量で存在するであろう。レセプター対酵素接合
体の比は、試料中の分析物との競合を考慮したものであ
り、そのため存在する複合体形成していない酵素断片接
合体の量がアッセイ媒質中の分析物の量に関連するであ
ろう。アッセイ媒質中で使われるレセプターの量は、ア
ッセイの感度に従って少なくとも実質的に最適化される
だろう。
アッセイ媒質の様々な成分を混合した後、アッセイ媒
質は通常少なくとも0.5分間および多くても120分間、普
通約3〜60分間インキュベートされるだろう。インキュ
ベーション温度は、支持体の反応に使用される温度範囲
内であろう。
インキュベーション時間の後、支持体とアッセイ媒質
との接触が行われるであろう。いずれかの長いストリッ
プまたはディップステックを使用する場合、アッセイ媒
質はストリップの一方の縁もしくは先端でまたはその近
くでストリップと接触されるだろう。ストリップの一方
の端を媒質中に浸すかまたは媒質の表面上に維持し、ウ
イッキングを行うことができる。これは、アッセイ反応
容器として働くチューブまたはミクロタイタープレート
ウェル中にストリップを置くことにより行うこともでき
る。
あるいは、アッセイ媒質のアリコートをスライドガス
または他の表面上に置き、そしてアッセイ媒質の小滴の
上に該ディップスティックをつる下げてもよい。アッセ
イ媒質は、乾燥支持体との接触により該ディップスティ
ックの上方に垂直に吸引されるかまたはウイックされる
だろう。便利には、多くても約100μ、普通は約20〜
約25μが使われるだろう。便利にはアッセイ媒質の容
量は、支持体まで予め決められた長さを移動するのに必
要とされるものよりも幾らか多い容量であり、前記長さ
は望ましくは該ストリップの少なくとも50%で且つ100
%未満であり、望ましくは約75%〜約90%であろう。必
要なアッセイ媒質の量が少なければ非常に小さい試料容
量の使用が可能になり、そしてアッセイ試薬の浪費が避
けられる。しかしながら、測定の簡便さ等にとって望ま
しい時は実質的により大きいアッセイ媒質容量を使用す
ることができる。
アッセイ溶媒の先端が該ストリップ上を予め決められ
た高さまで移動した後、該ストリップは温度に依存し
て、約5〜約30分間、より普通には約10〜30分間インキ
ュベートされるだろう。普通インキュベーションは、EA
がEDと反応し、固体支持体に固定されたβ−ガラクトシ
ダーゼを形成するのに十分な時間の間であろう。
アッセイ媒質が中央の位置に置かれ、その位置から外
側に放射状に広がる場合、アッセイ媒質はキャピラリ
ー、ドロッパーまたは他の便利な手段によりその位置に
適用され得る。次いで液体は、その位置から中心の位置
に適用された容量に依存した距離まで放射状に広がるで
あろう。この添加は連続であっても間隔をあけてもよ
い。
その後、支持体は酵素基質溶液とインキュベートされ
る。酵素基質は、酵素により開裂された時に支持体の吸
光(光学濃度)または発光の量において視覚的に検出可
能な変化をもたらすものが使用される。即ち、基質の開
裂が着色または蛍光生成物の出現または消失をもたら
し、普通はその生成部位に生成物が保持される。酵素基
質は沈澱生成物を生じるものであってもよい。好ましい
酵素基質はクロロフェノールレッドガラクトシド(CPR
G)である。CPRGおよび他の匹敵する酵素基質、例えば
オルト−ニトロフェニル−β−D−ガラクトシド(ONP
G)は商業的に入手可能である。酵素基質とのインキュ
ベーションは、便利には支持体を酵素基質溶液中に浸漬
することにより行われる。CPRGを使用する時、支持体
は、便利には約0.5〜2mMのCPRGの溶液中で室温にて1〜
10分間インキュベートされるだろう。所望であれば、発
色を増強するためにEAが基質溶液に添加されてもよい。
ストリップを使用する場合、通常溶媒先端の距離に比
例する。発色が起こる距離、または色の強度の変化は、
アッセイ媒質中の分析物の量に関係するであろう。しか
しながら、支持体が単一部位での適用および外側への放
射のために用意される場合、疎水性分析物では、通常ア
ッセイ媒質の適用部位に近い部位のところで、そのよう
な部位から離れたもしくは遠位の領域に比べて、より濃
い色が観察されるだろう。遠位領域では、色の生成は媒
体中の分析物の量に関連がある。この場面で、近位領域
における発色が予め決められた濃度を超える分析物の存
在を指摘するように、限界値が取り扱われるであろう。
酵素断片接合体が親水性である時は、着色領域の直径ま
たは色の強度が媒質中の分析物の濃度に比例するよう
に、複合体形成した酵素接合体は予めアッセイ媒質から
除去されているかまたは不活性化されるであろう。
様々なプロトコールを使用することができ、この中の
幾つかは既に指摘されている。例えば、ミクロタイター
プレートウェルの壁に共有結合的に結合された抗体に結
合されているED−接合体に、緩衝化された試料を添加す
る。インキュベーションのための十分な時間の後、アッ
セイ媒質のアリコートを、指定された部位にEAが接合さ
れている支持体に移し、そしてもはや移動が起こらなく
なるまで該媒質を移動させ、そして支持体を乾燥させ
る。次に実質的に乾燥された支持体を、着色生成物をも
たらす酵素基質溶液中に浸し、そして酵素基質溶液から
取り出し、そして乾燥させる。媒質中の分析物の量の尺
度として高さまたは色の強度を測定する。
次の態様では、分析物が疎水性分析物、例えばチロキ
シンである。ED−チロキシン接合体と抗−チロキシンま
たはチロキシン結合グロブリンとの可溶性複合体を試料
と混合し、そしてチロキシンが該複合体から該接合体を
置換するのに十分な時間の間インキュベートする。次に
アッセイ媒質のアリコートを、EAが接合された支持体上
の部位にスポットし、そして溶媒を移動させ、支持体を
乾燥させる。次いで支持体を酵素基質溶液中に浸漬し、
そこから取り出し、乾燥させる。周辺の領域に比べてア
ッセイ媒質の適用部位の暗いスポットの存在は、アッセ
イ媒質中の限界濃度を上回るチロキシンの濃度を示して
いる。接合体−抗体複合体は、適用部位から遠位に移動
することができ、そして活性酵素に備えるが、一方疎水
性接合体は実質的に適用部位にとどまる。
更なる態様においては、抗体複合体として親水性のEA
−分析物接合体を試料と混合し、そして該混合物が平衡
に達するのに十分な時間の間インキュベートする。一方
の末端に抗−抗体がアッセイ媒質中の抗体の全部を結合
するのに十分な量で存在している領域を有するストリッ
プが使われる。該ストリップの残部はEDと接合されてい
る。該ストリップの、抗−抗体が結合している方の末端
をアッセイ媒質に浸し、そして溶媒の先端が予め決めら
れた距離に達するようにアッセイ媒質を移動させる。次
いでストリップをアッセイ媒質から取り出し、乾燥さ
せ、そして酵素基質溶液中に浸す。酵素基質溶液からス
トリップを取り出し、発色させ、そして色の先端の距離
を測定する。この距離または色の強度はアッセイ媒質中
の分析物の量に比例する。
当該アッセイを実施するのを容易にするために、キッ
トが用意され得る。このキットの成分は、酵素断片が非
分散的に結合されている吸収性支持体、分析物と交差反
応性であるエピトープまたは分析物がレセプターである
場合には相補的なエピトープを含んで成る酵素断片接合
体、および所望によりリガンド分析物に対するレセプタ
ーを包含するであろう。該接合体およびレセプターは別
々に用意されてもよくまたは単一試薬として用意されて
もよい。ある場合には、レセプターが容器(receptacl
e)の壁に結合されているような容器を考慮に入れるこ
とが望ましいかもしれない。加えて、予想される試料濃
度範囲内で既知濃度の分析物を有する1つまたは複数の
分析物対照が用意され得る。支持体を除き、その他の試
薬は液体または乾燥形で用意され得る。
次の実施例は例示のために提出され限定のためではな
い。
〔実施例〕
例1:EAペーパーの調製 EAを膜に結合させるために、膜を50mMのPO4 3-緩衝液
(pH7.4)中5−10μMのEA溶液中で室温(RT)にて30
分間振とうしてカバーした。次いでその膜をPBS中の1
%カゼイン溶液でブロックし(RTで60分間振とう)、続
いて0.05%のTween20を含むPBS中で2回洗浄した(RTで
15分間振とう)。次にその膜を吸取乾燥し、そして真空
デシケーター中に保存した。
タンパク質の完全な結合が起こるためには、膜上のタ
ンパク質結合部位を目当てに競争するチオールが存在し
ないのが好ましい。従って、以下の例で使用するEAは、
セファデックスカラムへの通過により貯蔵チオールが除
去された“交換済"EA22であった。
交換済EAは、チオールの保護のためEGTAの添加を伴っ
てまたは伴わないで7日間まで冷蔵保存されるか、また
は10%グリセロールと共に7日もしくはそれ以上冷凍保
存され、免疫処置後匹敵する酵素活性に備えた。
例2:Pall−EA膜を用いて放射状対垂直ウイッキング法を
使ったED4の動向 5μMまたは20μM EAを使って調製されたPall膜にED
4(0.06〜1.0μM)をスポットし、そして放射状にウイ
ックせしめた。EDまたは免疫処置されたEAの濃度が増加
するにつれて、ED4T4を使った実験(例8参照)に見ら
れるように、クロックフェノールレッド(CPR)スポッ
トの色素濃度が増加した。しかしながら、全ての試料に
おいて、OPRのスポットの形成は溶媒の先端と同じ直径
であった。このことは、ED4T4と異なり、Pall−EA膜はE
D4を優先的に引き止めなかったことを示す。
垂直のウイッキング形式で同じ実験を実施した。ED4
濃度が1.0μM以上に増加しなければ、EDの濃度が増加
するにつれてCPR反応性先端の高さがわずかに増加し
た。放射状形式と異なり、非常に高濃度のED4を使用す
るまでは反応性先端が溶媒先端と同じ高さには達しなか
った。また、ED4濃度または固定されたEAの濃度のどち
らかが増加した時、色の濃度が増加した。
例3:種々の薬剤によりブロックされたPall−EAを用いた
ED4の動向 CPRGは非特異的にPall−EA膜に結合するため、ED4が
ブロックされたPall−EA膜のEAに特異的に結合している
かどうか、または該膜のブロックが乏しいために非特異
的に結合しているかどうかを決定する実験を行った。10
μMのEAを使って調製されたPall−EA膜を1%BSAまた
は0.1%もしくは1%カゼインでブロックした。5μM
のED4溶液をそれらの膜に垂直にウイックせしめ、そし
ていつも通りに反応をモニターした。BSAでブロックさ
れた膜を使った時は、CPR反応性先端は溶媒先端の高さ
のわずか1/2であった;一方、カゼインでブロックされ
た膜のいずれかを用いると、反応性先端は溶媒先端と等
しかった。これらの結果は、BSAでブロックされた膜が
カゼインでブロックされた膜ほど効果的に過剰のED4を
ウイックできなかったことを示す。
EAを固定することなく、単にブロックしそして洗浄し
たPall膜についてもED4の動向を研究した。10mMのED4溶
液を、ブロックされた膜を用いて垂直にウイッキングせ
しめた。次いでEAを含有するCPRGと共に該膜をインキュ
ベートし、ウイックしているED4の高さを検出した。カ
ゼインでブロックされた膜は、溶媒先端と一緒にED4を
ウイックせしめ;一方、BSAでブロックされた膜を使っ
た時にはED4は溶媒先端の高さの1/2よりも小さい高さま
でしかウイックしなかった。この点で、ブロック剤とし
てカゼインの使用を更に研究した。
例4:カゼイン濃度の最適化 ブロック用カゼインの最適濃度を決定するために次の
実験を行った。10μM ED4の溶液は、0.1%カゼインでブ
ロックされたPall−EA膜に対して1%カゼインを用いる
とより高くウイックすることがわかった。EA無しのPall
膜上でED4をウイックさせ、そしてアッセイ前に洗浄す
ると、どちらのカゼイン−ブロックの濃度でもCPR形成
は認められなかった。このことは、どちらのカゼイン濃
度でもEA無しの膜へのED4の非特異的結合をしっかり防
ぐことを示した。
ブロックにとって最適のカゼイン濃度を決定する次の
試みは、固定化された1μMまたは10μMのEAを用いそ
してブロッキング段階において0.1%または1%のカゼ
インを用いてPall膜を調製することを含む。ED4が膜上
に固定されたEAにより特異的に引き止められている場
合、ED4により到達される高さはEA濃度が減少するにつ
れて高くなるであろう。即ち、固定化されたEAが少なけ
れば、溶媒先端に接近してED4をウイックさせるであろ
う。1%カゼインでブロックされたEA膜を用いた場合、
1μM対10μMのEA膜を比較しても、到達したED4の高
さに差はなかった;一方、わずか0.1%のカゼインでブ
ロックされた10μM EA膜に対して1μM EA膜については
ウイックしているED4の高さがわずかに高かった。最適
な膜は、ED4の濃度が増加するにつれてED4をより高くウ
イックせしめる;しかしながら、調製された全ての膜は
まだ、ED4濃度に対するED4の高さの関係が乏しかった。
加えて、ED4が昇った高さは、輪郭のはっきりした線で
はなかった。これは、ED4の高さについてアッセイ条件
を変えることにより決定された、色々な濃度のEAを種々
のEA−膜上で垂直にウイックせしめた後、その膜を例の
ごとくCPRG中に浸すかまたは追加のEAを含むCPRG中に浸
した。CPR反応性先端は後者の場合により高くなり、こ
のことはEAがCPRGと共に存在しない時に見られるよりも
高い高さにED4が実際に達していたことを示す。即ち、
明らかにED4は主バンドの前方に少量を有する勾配とし
て進行した。CPRG中の追加のEAの存在は、主たるED4先
端の前方にウイックするこの少量のED4を検出するため
の感度を提供した。
例5:1%カゼインでブロックされたPall−EAを用いたED4
の性質 1%のカゼインでブロックされたPall−EA(10μM E
A)を選択し、移動性アッセイがED4に関して達成され得
るかどうか、即ち、試料中のED4濃度の増加をED4がウイ
ックする高さの増加と互いに関係づけることができるか
どうかを調べた。このプロトコールは、Pall−EA膜を使
って3〜30nMのED4をウイックさせ、37℃にて10分間イ
ンキュベートし、CPRG中に浸し、次いで該膜を湿密の容
器中にシールするかまたはシールせずに室温(RT)にて
発色させることを含んで成る。シールされた膜はシール
されない容器中の膜よりも遅く乾燥し、より速く反応を
完了させ、そしてED4濃度に対してより濃色の高さの識
別を生じた。
3nMのEDが溶媒先端の高さの半分以上まで上昇したの
で、より低いED4濃度範囲(0.6〜2.4nM)において実験
を繰り返した。様々なED濃度間の高さの識別は不十分で
あったが、色の強度とは良い相関性があった。
例6:Pall−EA膜の結合能力 膜に結合しているEAの濃度を増加させると膜ED4をよ
り効果的に結合しそして垂直のウイッキング距離とED4
との良い相関関係を提供するかどうかを調べるために実
験を企図した。膜に結合させるために6,23または42μM
のEA溶液を使って1シリーズのPall−EA膜を調製した。
これらの膜を、垂直と放射状の両方のウイッキング形式
においてED4の濃度を変えながらアッセイした。ED4濃度
を一定に保った時、23μM EA膜を使って達せられた高さ
は6μM EA膜のものと同じかまたはより低かった。この
両者は42μMのEA試料を使った時よりもより高い高さに
到達した。しかしながら、高濃度のEA−Pall膜の感度に
より余分なED4高さが検出された。膜に固定された追加
のEAはEDをより効果的に結合するので、42μMのEA試料
を使って得られた高さが実際に最も低かった。
例7:EAと結合しているEDの安定性 次の実験は、ED4と固定されたEAとの間の結合の強さ
をテストするために計画した。Pall−EAの幅広のストリ
ップを使ってED4(2nM)を垂直にウイックせしめた。こ
のストリップをすぐに縦に半分に切った。半分はいつも
通り37℃で10分間インキュベートし、次いでCPRGの中に
浸した。もう半分は、洗浄を使ってED4結合に挑戦する
のに用いた。最初の溶媒先端を幾らか追加の距離移動さ
せるTween−PBSの溶液(50mM NaPO4,pH7.0〜7.5,0.05%
Tween)中に膜を入れる(最初のED4ウイッキング後)こ
とができるように、最初の溶媒先端は膜の最上部までウ
イックさせなかった。このストリップをインキュベート
し、そして発色せしめた時、ED4の高さはもう半分のス
トリップと同じ高さに達した。従って、固定されたEAに
結合しているもとのED4は、その後の洗浄により除去さ
れなかった。
例8:接合体の親水性 EAと共にインキュベートされていないが1%カゼイン
でブロックされているPall膜を使って、種々の濃度のED
4T3(1〜100mM)をスポットしそして放射状にウイック
せしめた。この膜をEAとCPRGで発色させた。どの場合で
も、色は中央のドットに限定され、溶媒先端に達してい
なかった。従って、前の実験ではED4は溶媒先端までウ
イックしたが、ブロックされたPall膜はED4T3を溶媒先
端までウイックせしめなかった。この接合体の非特異的
結合は、ED−T3接合体の疎水性によるものであり、そし
て他の接合体のシリーズを実験して、EAにより結合され
なければ接合体がアッセイ媒質と共にウイックするのに
必要とする親水性の程度を調べた。
5μMのEAとPall膜とを反応させることにより調製し
たEA紙に、種々の接合体の10nM溶液を3〜5μスポッ
トした。初期実験においては、ED4スポットは溶媒先端
と共に拡張し、一方ED4T3は小スポットとして残った。E
D4−ジゴキシンは中心に残ったけれども半径はT3および
T4接合体のスポットよりも大きかった。ED4−B12は溶媒
先端まで広がった。ED4−KLHおよびED4−BSAの溶液は、
反応性は乏しいけれども、溶媒先端まで広がった。
これらの結果は、抗体の非存在下での接合体の移動の
量が接合体の親水性と直接相関関係があることを証明し
ている。即ち、T3およびT4接合体が最も疎水性で、次に
ジゴキシン接合体であり、そして溶媒先端と共にウイッ
クしなかった接合体はこれらだけである。
例9:ED4−B12のアッセイ 例8に記載のED4T3を使った実験を、ED4T3よりも親水
性である接合体を使って繰り返した。ED4−B12をある範
囲の濃度の抗−B12抗体(1:5000〜1:100希釈)と共にイ
ンキュベートして免疫複合体を形成せしめた。これら複
合体を溶液中でアッセイして補完の阻害を測定し、そし
てPall−EA紙上にスポットした。最も低い抗−B12抗体
濃度では、溶液アッセイはわずか22%を阻害されそして
膜スポットの発色が全く減少しなかった。高い抗−B12
抗体濃度を使って形成された免疫複合体を用いると膜上
の発色に減少が見られ、これは溶液アッセイにおける補
完の阻害率の増加(1:1000〜1:100抗−B12では55〜64%
の阻害)と相関関係があった。このアッセイを“開発す
る”ために、免疫複合体(1:2000抗−B12)をアッセイ
およびスポット前に5〜100nMのB12と共にインキュベー
トした。この複合体は分析物量なしでは44%阻害されそ
して最も高いB12濃度では34%阻害された。このことはE
D−B12と抗−B12の比が最適化を必要とすることを示
す。しかしながら、発色の面積は分析物量の存否により
ごくわずかしか影響を受けなかった。溶媒先端の外側の
色の濃度は分析物無しの試料と同じである一方、その中
央の濃度においてわずかに増加が認められた。このデー
タから、一度種々の成分の濃度が最適化されれば、B12
のための高感度のアッセイを開発できることが明らかで
ある。
上記の実施例および説明により証明されるように、本
発明は、広範囲の様々なリガンドを測定するための便利
で正確な且つ迅速な方法を提供する。このプロトコール
は単純であり、そして種々の段階を行うのに技術的能力
を必要としない。加えて、高価な装置を必要とすること
なく、または結果を得るための装置を使う必要性もな
く、結果の可視的測定を可能にするフォーマットが提供
される。
今まで本発明を理解の明確化のために説明および実施
例により幾分詳しく記載してきたが、本発明の教示を考
慮すれば、特許請求の範囲および精神を逸脱することな
く幾つかの変更および改良を行い得ることは当業者にと
って容易に明らかであろう。

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サンプル中のリガンド分析物又はレセプタ
    ー分析物の存在の検出方法であって、(1)ベーターガ
    ラクトシダーゼの相補性断片であって、酵素受容体(E
    A)及び酵素供与体(ED)として定義され、そして互い
    に結合するとき活性酵素の複合体を形成するもの、
    (2)上記断片の中の第一の断片が、検出領域内でそれ
    に実質的に均一に結合されているところの吸収性支持
    体、及び(3)リガンド分析物と交差反応性であるか又
    はレセプター分析物に相補性である部分に結合された上
    記断片の中の第二の断片を含む接合体、を使用し: 検定媒質中で、(1)上記サンプル、(2)上記接合
    体、及び、(3)上記リガンド分析物の存在を検定する
    場合には、そのリガンドに結合することができるレセプ
    ター試薬、又は、上記レセプター分析物の存在を検定す
    る場合には、そのレセプターに結合することができるリ
    ガンド試薬、を併合し、そして、リガンドが、その検定
    媒質中に存在するレセプター試薬又はセレプター分析物
    に結合するために十分な時間にわたりその検定媒質をイ
    ンキュベートし、ここで、上記接合体は、親水性であ
    り、かつ、上記レセプター試薬又は上記レセプター分析
    物と上記接合体との複合体は、(1)他の支持体に結合
    されたレセプターを使用することにより上記吸収性支持
    体に接触する前に、複合体を形成しない酵素接合体から
    複合体を形成した酵素断片接合体を分離することによ
    り、又は(2)上記吸収性支持体上に抗−レセプターを
    配置して、複合体を形成した酵素断片接合体が、その抗
    −レセプターに結合して、上記検出領域に移動すること
    ができずそしてそれ故活性酵素を形成することができな
    い高分子量凝集体を形成させることにより、上記検出領
    域内の上記断片の中の第一断片に結合することを妨害さ
    れ; 上記検定媒質を上記吸収性支持体の受容部位に添加し
    て、これにより、その検定媒質が、その受容部位から遠
    くに離れて上記検出領域に毛細管作用により運ばれ; 上記検出領域とベーターガラクトシダーゼのための基質
    とを接触させて、検出可能なシグナルにおける変化を提
    供する生成物を作り出し;そして 上記変化を、上記サンプル中の分析物の存在と関係付け
    る、 ことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の方法であって、そのEA
    が、その吸収性支持体に結合されている方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の方法であって、その吸収
    性支持体が、細長く、その受容部位が、その吸収性支持
    体の1端の近くにあり、そして、その関係付けが、その
    検出シグナルにおける変化が観察されるところの受容部
    位からの距離を測定することを含む方法。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の方法であって、その吸収
    性支持体が、比較的対称の2次元形状を有し、その受容
    部位が、その吸収性支持体上の比較的中心に置かれ、そ
    して、その関係付けが、その検出シグナルにおける変化
    が観察されるところの受容部位からの距離を測定するこ
    とを含む方法。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の方法であって、その吸収
    性支持体が、ナイロン膜である方法。
  6. 【請求項6】請求項1に記載の方法であって、その吸収
    性支持体が、接触後に、実質的に乾燥に供される方法。
  7. 【請求項7】サンプル中のリガンド分析物又はレセプタ
    ー分析物の存在の検出方法であって、(1)ベーターガ
    ラクトシダーゼの相補性断片であって、酵素受容体(E
    A)及び酵素供与体(ED)として定義され、そして互い
    に結合するとき活性酵素の複合体を形成するもの、
    (2)EAが、検出領域内でそれに実質的に均一に結合さ
    れているところの細長い吸収性支持体、及び(3)リガ
    ンド分析物と交差反応性であるか又はレセプター分析物
    に相補性である部分に結合されたEDを含む接合体、を使
    用し: 検定媒質中で、(1)上記サンプル、(2)上記接合
    体、及び、(3)上記リガンド分析物の存在を検定する
    場合には、そのリガンドに結合することができるレセプ
    ター試薬、又は、上記レセプター分析物の存在を検定す
    る場合には、そのレセプターに結合することができるリ
    ガンド試薬、を併合し、そして、リガンドが、その検定
    媒質中に存在するレセプター試薬又はレセプター分析物
    に結合するために十分な時間にわたりその検定媒質をイ
    ンキュベートし、ここで、上記接合体は、親水性であ
    り、かつ、上記レセプター試薬又は上記レセプター分析
    物と上記接合体との複合体は、(1)他の支持体に結合
    されたレセプターを使用することにより上記吸収性支持
    体に接触する前に、複合体を形成しない酵素接合体から
    複合体を形成した酵素断片接合体を分離することによ
    り、又は(2)上記吸収性支持体上に抗−レセプターを
    配置して、複合体を形成した酵素断片接合体が、その抗
    −レセプターに結合して、上記検出領域に移動すること
    ができずそしてそれ故活性酵素を形成することができな
    い高分子量凝集体を形成させることにより、上記検出領
    域内のEAに結合することを妨害され; 上記検定媒質を上記吸収性支持体の受容部位に添加し
    て、これにより、その検定媒質が、その受容部位から遠
    くに離れて上記検出領域に毛細管作用により運ばれ; 上記検出領域とベーターガラクトシダーゼのための基質
    とを接触させて、検出可能なシグナルにおける変化を提
    供する生成物を作り出し;そして 上記検出シグナルにおける変化が観察されるところの上
    記受容部位からの距離又は色の強度を測定する、 ことを特徴とする方法。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の方法であって、その吸収
    性支持体が、ナイロン膜である方法。
  9. 【請求項9】請求項7に記載の方法であって、そのレセ
    プター試薬又はレセプターの複合体が、支持体へのその
    レセプター試薬又はレセプターの結合によりその検出領
    域内でEAに結合することを妨害されるような方法。
  10. 【請求項10】請求項7に記載の方法であって、そのレ
    セプター試薬又はそのレセプターに特異的な第二抗体
    に、そのレセプター試薬又はレセプターを結合させるこ
    とにより、そのレセプター試薬又はレセプターの複合体
    が、その検出領域内でEAに結合することを妨害されるよ
    うな方法。
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