JP2667082B2 - グラス被膜を有さない超低鉄損方向性電磁鋼板及びその製造方法 - Google Patents
グラス被膜を有さない超低鉄損方向性電磁鋼板及びその製造方法Info
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Description
ライト系被膜)を有しない方向性電磁鋼板の製造方法に
関わり、切断性、打抜性が優れると共に高磁束密度で且
つ超低鉄損の方向性電磁鋼板とその安価な製造方法に関
する。
て、主としてトランスその他の電気機器の鉄心として使
用されるもので、磁気特性として励磁特性と鉄損特性の
良好なものが要求される。良好な磁気特性を得るために
は、磁化容易軸である〈001〉軸を圧延方向に高度に
揃えることが重要である。また、板厚、結晶粒度、固有
抵抗、被膜等も磁気特性に大きい影響を与えるため重要
である。
ビターとして利用した高圧下最終冷延を特徴とする方法
により大幅に向上し、現在では磁束密度が理論値に近い
ものまで製造できるようになってきた。一方、方向性電
磁鋼板の需要家における使用時に磁気特性と共に重要な
のは被膜特性と共に加工性である。通常、方向性電磁鋼
板は最終仕上げ焼鈍時に形成するグラス被膜と絶縁被膜
によって表面処理がなされている。
に形成する酸化膜のSiO2 との反応物であるフォルス
テライト(Mg2 SiO4 )が主成分の被膜である。こ
のグラス被膜は硬質で摩耗性が強く、電磁鋼板加工時の
スリット切断、打抜等の際の工具類の耐久性に著しい影
響を及ぼす。例えばグラス被膜を有する方向性電磁鋼板
の打抜き加工を行う場合には、金型の摩耗が生じ、数千
回程度の打抜きによって打抜いたシートの返りが大きく
なって使用時に問題を生じる程になる。このため金型の
再研磨、新品との取替等が必要になる。
率を低下させ、また、コスト上昇を招く結果になる。同
様にしてスリット性、切断性等についてもグラス被膜に
よる悪影響が問題である。このグラス被膜は方向性電磁
鋼板の磁気特性については、その被膜張力効果によって
鉄損の改善効果が得られ、磁束密度が高い素材の場合、
この効果が著しく、20%近い鉄損の改善効果が得られ
る。しかし、その形成状態によっては、被膜厚みの増加
や内部被膜層の存在によって磁束密度の低下や磁区細分
化処理に際して鉄損改善効果に悪影響を及ぼす。
光学的、機械的、化学的手段による技術が発達し、更に
絶縁被膜の高張力化技術が発達したため、グラス被膜の
張力なしでも鉄損の改善が得られるようになった。この
ため、むしろグラス被膜を有さない方向性電磁鋼板の方
が、高磁束密度化と磁化の際の磁壁移動ピンニング現象
がない利点があり、高磁束密度かつグラス被膜のない製
品の開発ニーズが高まっている。
造法としては、例えば特開昭53−22113号公報に
開示のものがある。これは脱炭焼鈍において酸化膜の厚
みを3μm以下として、焼鈍分離剤として、含水珪酸塩
鉱物粉末を5〜40%含有する微粒子のアルミナを用い
る。これを鋼板に塗布し、仕上げ焼鈍を行う。これによ
ると酸化膜を薄くし、さらに含水塩鉱物の配合によって
剥離しやすいグラス被膜が形成され、金属光沢を有する
ものが得られるとされている。
抑制する方法としては特開昭56−65983号公報で
は、水酸化アルミニウムに不純物除去用添加物20重量
部、抑制物質10重量部配合した焼鈍分離剤を鋼板に塗
布し、0.5μm以下の薄いグラス被膜を形成する方法
がある。また、特開昭59−96278号公報には脱炭
焼鈍で形成した酸化層のSiO2 と反応性が弱いAl2
O3 と1300℃以上の高温で焼成し活性を低下させた
MgOとからなる焼鈍分離剤がある。これによるとフォ
ルステライトの形成が抑制されるというものである。
ントコアと呼ばれる方向性電磁鋼板で、磁束密度1.8
8Tesla 以下と低い低級な方向性電磁鋼板をベースとす
るものであり、グラス被膜を有さない点では本発明と類
似の効果は得られるかもしれないが、本発明のように高
磁束密度、超低鉄損の高級な方向性電磁鋼板の開発技術
を得るまでに至っていない。
来、インヒビターコントロールの面で実現が困難とされ
ていた高磁束密度でグラス被膜を有さない方向性電磁鋼
板を工業的に安価に製造する方法を提供する。更にこれ
に磁区制御技術と高張力の絶縁被膜を適用することによ
り、超低鉄損の方向性電磁鋼板を得るものである。又、
グラス被膜形成抑制により、同時に打抜き、切断、スリ
ット性等の加工性の優れた製品を得ることを目的として
なされる。
しては、鋼成分として重量比でC:0.021〜0.0
75%、Si:2.5〜4.5%、酸可溶Al:0.0
1〜0.04%、N:0.0030〜0.0130%、
S<0.014%、Mn:0.050〜0.45%を含
有するスラブを1280℃以下の温度に加熱後、熱延
し、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷延を行い、
最終板厚とした後、次いで脱炭焼鈍し、窒化処理をし、
焼鈍分離剤を塗布した後高温仕上げ焼鈍し、ヒットフラ
ットニングの前又は後で磁区細分化処理をし、絶縁被膜
剤の塗布焼付を行う工程からなる。即ち、本発明ではス
ラブ加熱段階ではインヒビター元素、例えばAl,N,
Mn,S等の鋼中への溶解を行わず、脱炭焼鈍後、材料
を強還元雰囲気中で窒化処理を行うことにより、(A
l,Si)Nを主成分とするインヒビターを形成させ、
仕上げ焼鈍過程で良好な二次再結晶を発達させた後、磁
区細分化することを基本工程とする。
ラス被膜を有さない超低鉄損の方向性電磁鋼板の製造方
法においては焼鈍分離剤塗布〜仕上げ焼鈍〜絶縁被膜剤
塗布の過程での表面処理方法に特徴がある。
脱炭焼鈍される。この脱炭焼鈍により、鋼中のCの除去
と一次再結晶が行われ、同時に鋼板表面にSiO2 を主
成分とする酸化膜の形成が行われる。脱炭焼鈍は800
〜875℃、雰囲気はN2 +H2 中で露点をコントロー
ルして行われる。
一ライン内又は別ラインで窒化処理が行われる。この際
の窒化量は150ppm 以上、好ましくは150〜300
ppmとして処理される。
り、仕上げ焼鈍される。この際の焼鈍分離剤としてはM
gO100重量部に対してLi,K,Na,Ba,C
a,Mg,Zn,Fe,Zr,Sn,Sr,Alの塩化
物、炭酸塩、硝酸塩、硫化物、硫酸塩の1種又は2種以
上を2〜30重量部添加したものを用いる。
要なのは第2の要素技術である仕上げ焼鈍条件である。
本発明者等は本発明のように脱炭焼鈍後に窒化処理を行
いインヒビターとして(Al,Si)Nを主成分とする
インヒビターを形成し、焼鈍分離剤と最終仕上げ焼鈍に
よってグラス被膜の形成制御、分解反応を起させる工程
を採る場合においては、焼鈍雰囲気条件が二次再結晶の
安定化と高磁束密度化に必須の技術であることを膨大な
実験と研究の結果つきとめた。
MnSを殆ど使用せず(Al,Si)N系インヒビター
を利用する工程においては、二次再結晶開始温度が11
00℃前後で、従来のAlN,MnS等をインヒビター
として利用する高磁束密度方向性電磁鋼板によるものよ
り高い。
ラス被膜の形成抑制、分解反応を行いながらインヒビタ
ーの強度を一定レベルに保つ必要がある。これは、焼鈍
分離剤により、一旦グラス被膜の形成が始まり、次いで
分解反応が進行する工程では、グラス被膜の分解開始の
時期からのインヒビターの分解が急速に進行するからで
ある。
鈍を行わないと良好な磁束密度が得られないばかりか、
二次再結晶不良を生じる。仕上げ焼鈍としては、グラス
被膜の形成、分解が進行する昇温時をN2 30%以上と
して行われる。これにより、(Al,Si)Nの安定化
が保たれ、良好な二次再結晶粒が得られる。
磁束密度材は形成矯正と歪取り焼鈍をかねて連続ライン
で800〜900℃で絶縁被膜剤塗布とヒートフラット
ニングが行われる。
の処理剤として、固形分換算でSiO2 ,SnO2 ,A
l2 O3 等のコロイド状溶液を100重量部に対し、A
l,Mg,Ca等の第1リン酸塩130〜200重量
部、クロム酸、クロム酸塩をCrO3 として12〜40
重量部の割合で配合したものが用いられる。
で2.5〜15g/m2 の範囲で板厚比に応じて焼付処
理される。この際、ヒートフラットニングの前又は後に
レーザー、歯形ロール、プレス、ケガキ、局部エッチン
グ等により深さ1〜30μm、間隔1〜15mm、圧延方
向に対し45〜90°の方向に線状、点状の疵及び/又
は歪が付与される。これらの磁区細分化の後には必要に
応じて絶縁被膜剤処理や熱処理を施して製品とされる。
について述べる。まず出発材として使用する素材スラブ
の成分組成の限定理由は次の通りである。Cはその含有
量が0.021%未満では二次再結晶が不安定となり、
二次再結晶した場合にも製品の磁束密度がB8 で1.8
0Tesla 程度と低いものになる。一方、0.075%超
になると、脱炭焼鈍工程で長時間を要するため、生産性
を阻害する。
する。2.5%未満では良好な鉄損値が得られない。一
方、4.5%超と多くなりすぎると冷延時に材料の割
れ、破断が多発し、安定した冷延作業を不可能にする。
つはSを0.014%以下とすることにある。従来の公
知技術は、例えば特公昭47−25220号公報に開示
されている技術においてはSはMnSとして二次再結晶
を生起させるに必要な析出物を形成する元素で、前記公
知技術においてSが最も効果を発現する含有範囲があ
り、それは熱延に先立って行われるスラブ加熱段階でM
nSを固溶できる量として規定されていた。
に必要な析出物として(Al,Si)Nを用いる一方向
性電磁鋼板の製造プロセスにおいて、素材中のSi量の
多いスラブを低温でスラブ加熱して熱延する場合、Sは
二次再結晶不良を助長することが見出された。素材中の
Si量が4.5%以下の場合、Sは0.014%以下、
好ましくは0.0070%以下であれば二次再結晶不良
の発生は全く生じない。
て(Al,Sn)Nを用いる。従って必要最低限のAl
Nを確保するためには酸可溶Alは0.010%以上、
Nは0.0030%以上必要である。しかしながら、酸
可溶Alが0.040%を超えると熱延中のAlNが不
適切となり、二次再結晶が不安定となるため、0.01
0〜0.040%に制限される。
るとブリスターと呼ばれる鋼板表面の割れが発生し、ま
た、一次再結晶の粒径が調整できないため、0.003
0〜0.0130%に限定する。
安定になる。しかし多くなるとB8値は高くなるが、一
定量以上の添加はコスト面で不利となる。このため、
0.5〜4.5%に制限される。
に対し、Li,K,Na,Ba,Ca,Mg,Zn,F
e,Zr,Sr,Sn,Alの塩化物、炭酸塩、硝酸
塩、硫化物、硫酸塩の中から選ばれる1種又は2種以上
2〜30重量部を添加したものが用いられる。2重量部
以下では、コイル全面で均一にグラス被膜をもたない製
品が得られ難い。一方30重量部超では添加物の成分元
素が鋼中に拡散侵入してインヒビターに影響を与えた
り、粒界エッチングを生じたり又、後の純化に影響を与
えるため好ましくない。
温時前段でMgOと酸化膜が低融点化して適度の薄いフ
ォルステライト被膜が形成される。
が防止され、昇温時後段では被膜中のFeのエッチング
反応により被膜層が分解され、グラス被膜のない表面が
得られる。最終焼鈍の条件は、本発明のように最終焼鈍
過程で前述のようなグラス被膜の適度な形成と分解を行
う工程においては特に重要である。
おいては、雰囲気ガスはN2 ,H2、或いはこれらの混
合ガスが用いられるが、昇温過程においては、本発明の
場合グラス被膜分解過程の中でインヒビターの安定化を
図ることが重要である。このため、昇温中の雰囲気N2
30%以上のN2 ,H2 及び他の不活性ガスが用いられ
る。N2 30%未満ではグラス被膜分解過程で生じる
(Al,Si)Nの弱体化の抑制作用が弱く、高磁束密
度材が安定して得られない。特にN2 20%以下のよう
な雰囲気条件では著しい磁性劣化をもたらす。
Oの物性値によっては、鋼板間が極度に酸化性となって
鋼板表面を酸化し、むらが生じやすい。好ましくはN2
30〜90%である。又、N2 ガス30%以上に増加す
る領域は、昇温時全般でもよいが、最も好ましい条件は
700℃以後均熱温度到達時点までである。
ては1180℃〜1250℃にするのが有利である。本
発明においては最終仕上げ焼鈍の均熱温度に到達した時
点でグラス被膜の分解が終了しており、この時期の温度
によっては更にサーマルエッチングが生じて更に鋼板の
鏡面化が得られる。これにより更に鉄損向上効果が増大
する。
弱く、また純化に対して不利となる。一方1250℃超
では鏡面化効果に限界があることと、コイル形状が悪く
なったり、エッジ部の焼付が発生する場合があり、問題
である。
し、ヒートフラットニングする際にヒートフラットニン
グの前又は後にレーザー、歯形ロール、プレス、ケガ
キ、局部エッチング等の局部加工により鋼板表面に点
状、或いは線状キズを付与する。点状及び線状キズの条
件は電磁鋼板の需要家での用途によって異なる。需要家
で鉄心を加工する際に歪取焼鈍を行わずに使用する場合
は(積鉄心)キズの深さは5μm以下の浅い条件で良
い。
5〜50μmのような深い点状或いは線状キズが付与さ
れる。又、間隔は2〜15mmで圧延方向に対して45〜
90°の方向である。歪取焼鈍なしで使用するケースで
は、鋼板表面に適度な歪を付与することが重要であり、
特に深さで規定できるものではないがレーザー等で処理
する場合、1〜5μmの深さであれば適度な歪が得られ
る。
5〜50μmの範囲であれば磁束密度の低下が少なく鉄
損改善効果が大きい。キズ幅は好ましくは200μm以
下である。
である。通常のグラス被膜を有する方向性電磁鋼板で
は、張力付与型の絶縁被膜剤を塗布焼付する場合、付着
量は3〜5g/m2 程度で処理される。これは、これ以
上の付着量で処理してもグラス被膜の厚い内部酸化の影
響と、被膜重量増の問題で鉄損改善に限界があり、又、
占積率の低下により磁性が劣化するからである。
張力付与型絶縁被膜剤は2.5〜15g/m2 で、板厚
0.30mmの場合6〜15g/m2 で処理される。これ
より板厚の薄い素材に適用するときは、板厚に応じて付
着量を減少してよい。
問題がなく、鋼板の地鉄表面が極めてスムーズなため、
付着量を厚くしても鉄損の改善が得られる。特に前述の
ような磁区細分化処理を行った場合、この張力付与の適
用によって超低鉄損化される。板厚0.3mmの場合付着
量5g以下では、張力0.5kg/mm2 が得られない。一
方、15g/m2 以上では被膜重量と厚みの悪影響が生
じるため好ましくない。
O2 ,SnO2 ,Al2 O3 等のコロイド状溶液100
重量部(固形分換算)、Al,Mg,Ca等の第1リン
酸塩130〜200重量部、クロム酸、あるいはクロム
酸塩をCrO3 として12〜40重量部である。
外では張力効果が生じないため、本発明には不適であ
る。また、特に被膜特性の優れるものはSiO2 ,Sn
O2 のゾルを主成分として使用した場合である。クロム
酸、クロム酸塩は張力効果にはほとんど影響しないが被
膜の吸湿性を抑えるため効果があり添加される。12重
量部以下では吸湿性防止効果が弱くなり、40重量部以
上では余剰クロムにより吸湿性が発生したり、外観を損
ねるため制限される。
00℃以上の温度域ではPH2 O/PH2 ≦0.1、H
2 ≧5%が望ましい。これは本発明のようにグラス被膜
をもたない鋼板を高温でヒートフラットニングする場
合、炉内で酸化が起きやすいため、磁性と表面の被膜の
密着性を良好に保つために制限される。
損材が得られるメカニズムは以下のように考えられる。
本発明においては、新規な焼鈍分離剤と脱炭酸化膜との
反応により、まず仕上げ焼鈍の昇温前段で適正量のグラ
ス被膜が形成する。これにより鋼板表面に適度なシール
効果が生じ(Al,Si)Nの安定化と鋼板の追加酸化
が防止される。次いで仕上げ焼鈍昇温時後段で添加剤成
分によりグラス被膜層をケミカルエッチングして分解し
酸化物中のSiO2 を表面のMgO側に反応させる。こ
の後さらに仕上げ焼鈍の高温均熱段階でサーマルエッチ
ング効果がもたらされる。
炭焼鈍時の酸化膜の不均一等によって生じた鋼板地鉄表
面の凹凸が平滑化されて鏡面的な表面となる。グラス被
膜が高温で消失することにより、表面の原子移動が容易
になり、表面張力を下げる結果、平滑化がもたらされる
からである。
(Al,Si)Nの分解を昇温時二次再結晶終了まで安
定化するのに雰囲気のN2 比率が重量でN2 30%以上
の雰囲気にすることにより極めて安定に保たれ、良好な
二次再結晶が得られる。
高磁束密度方向性電磁鋼板は、磁区細分化処理と絶縁被
膜による張力付与により超低鉄損化される。これは鋼板
の表面がスムーズで従来のグラス被膜材のような内部被
膜層による悪影響がないためである。
材を適用する場合、かなり厚塗りの領域まで鉄損の改善
効果が得られる。
0.12%、酸可溶Al:0.028%、S:0.00
68%、N:0.0070%、残部Feと不可避の不純
物からなる素材を2.0mmに熱延し、1120℃で2分
間焼鈍し、酸洗、冷延し、最終板厚0.225mmとし
た。
℃の雰囲気中で850℃×120″間脱炭焼鈍後、75
0℃,N2 25%+H2 75%+NH3 のDry雰囲気
中で鋼板〔N〕量230ppm になるように窒化処理を行
い、供試材とした。
を塗布し、図1(a),(b)に示す雰囲気条件を変え
て最終仕上げ焼鈍を行った。この鋼板に歯幅25μmの
歯形ロールで深さ15μm、間隔5mmで圧延方向と直交
方向に線状キズを付与し、絶縁被膜剤として20%コロ
イド状シリカ50ml+20%コロイド状SnO2 50ml
+CrO3 6gからなるコーティング剤を乾燥後重量で
7.5g/m2 になるように処理し、880℃×60″
間のヒートフラットニングと焼付処理を行った。この実
験における鋼板の表面状況と磁気特性の結果を表2に示
す。
ぼ全面的にグラス被膜を形成せず、均一な金属光沢を呈
しており、被膜形成量も0.5g/m2 以下であった。
又、磁気特性も本発明の条件では、何れも高磁束密度で
良好な鉄損値が得られた。しかし焼鈍分離剤は本発明の
ものを用いても仕上げ焼鈍が比較例によるものは、いず
れも磁束密度が低く、良好な磁性は得られなかった。
又、比較例の焼鈍分離剤によるものは、いずれもグラス
被膜を形成し、磁区細分化による鉄損値がやや悪い結果
となった。
板厚0.17mmの冷延板を得た。次いで脱炭焼鈍として
N2 25%+H2 75%中で825℃×120″間露点
50℃で焼鈍し、750℃×30″間、N2 25%+H
2 75%+NH3 Dry雰囲気中で鋼板〔N〕量200
ppm になるよう窒化処理を行って出発材とした。
離剤を塗布し、図1(a),(b)に示す条件で仕上げ
焼鈍した。この鋼板に絶縁被膜剤として20%コロイド
状シリカ100ml+50%リン酸アルミニウム55ml+
CrO3 5gからなるコーティング剤を乾燥後の重量で
0〜10g/m2 の範囲で850℃×30″の焼付とヒ
ートフラットニング処理を行った。
μm、間隔5mmで圧延方向と直角方向に線状歪を付与し
た。この工程における鋼板の表面状態と磁気特性の結果
を表4に示す。
るものは何れもグラス被膜を形成せず、金属光沢の表面
状態となった。又、被膜量としてのフォルステライト量
も何れも0.5g/m2 以下であった。絶縁被膜とレー
ザー処理後の磁性は、本発明によるものは、磁束密度、
鉄損値とも何れも著しく良好で、特に絶縁被膜塗布量8
g/m2 のものは著しく良好な鉄損値となった。一方、
絶縁被膜処理なしでは、鉄損値がやや悪く、比較例の焼
鈍分離剤によるものより若干悪い鉄損値となった。
電磁鋼板を得ることができる。
す図表である。
Claims (4)
- 【請求項1】 重量比でSi2.5〜4.5%を含み、
鋼板表面のグラス被膜が、フォルステライト(Mg2 S
iO4 )として0.5g/m2 以下であり、鋼板表面に
線状又は点状の歪及び/又はきずによる磁区細分化層を
有し、かつ絶縁被膜剤による鋼板表面への張力が0.5
kg/mm2 以上であり、B8 ≧1.88テスラのグラス被
膜を有しない超低鉄損方向性電磁鋼板。 - 【請求項2】 重量比で C :0.021〜0.075%、 Si:2.5〜4.5%、 酸可溶Al:0.010〜0.040%、 N :0.0030〜0.0130%、 S≦0.0140%、 Mn:0.05〜0.45%、 残部がFeと不可避の不純物からなるスラブを1280
℃未満の温度で加熱した後、熱延し、引続き必要に応じ
て熱延板焼鈍し、1回又は焼鈍を挟む2回以上の冷延に
より最終板厚とし、次いで脱炭焼鈍し、窒化処理をし、
焼鈍分離剤を塗布し、仕上げ焼鈍をし、絶縁被膜剤を塗
布する低温スラブ加熱の方向性電磁鋼板の製造方法にお
いて、焼鈍分離剤としてMgO100重量部に対し、L
i,K,Na,Ba,Ca,Mg,Zn,Fe,Zr,
Sr,Sn,Alの塩化物、硝酸塩、硫化物、硫酸塩の
中から選ばれる1種又は2種以上を2〜30重量部添加
した焼鈍分離剤を塗布し、仕上げ焼鈍条件として、昇温
加熱時の雰囲気ガスを少なくともN2 30%以上の
N2 ,H2 、他の不活性ガス中で焼鈍し、仕上げ焼鈍
後、ヒートフラットニングの前又は後にレーザー、歯形
ロール、プレス、ケガキ、局部エッチング等の局部加工
により線状、又は点状に歪み及び/又は溝を付与し、且
つ、絶縁被膜剤を2.5〜15g/m2 焼き付け処理す
ることを特徴とするグラス被膜を有さない超低鉄損方向
性電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 絶縁被膜剤として、固形分換算でSiO
2 ,SnO2 ,Al2 O3 からなるコロイド状溶液の1
種又は2種以上100重量部に対し、Al,Mg,Ca
の第一リン酸塩の1種又は2種以上130〜200重量
部とクロム酸又はクロム酸塩の1種又は2種以上をCr
O3 として12〜40重量部添加した処理剤を鋼板1m
2 当たり焼き付け処理後の重量で2.5〜15g/m2
の範囲で板厚に応じ、次式の範囲で塗布焼き付け処理す
ることを特徴とする請求項2記載のグラス被膜を有しな
い超低鉄損方向性電磁鋼板の製造方法。16.7t〜5
0t(t:板厚(mm)) - 【請求項4】 絶縁被膜処理焼き付けに際し、ヒートフ
ラットニングの炉内雰囲気が600℃以上で、PH2 O
/PH2 を0.20以下とすることを特徴とする請求項
2又は3記載のグラス被膜を有しない超低鉄損方向性電
磁鋼板の製造方法。
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