JP2666147B2 - イオンサイクロトロン共鳴質量スペクトルを記録する方法、及び該方法を実施するためのイオンサイクロトロン共鳴質量スペクトロメータ - Google Patents

イオンサイクロトロン共鳴質量スペクトルを記録する方法、及び該方法を実施するためのイオンサイクロトロン共鳴質量スペクトロメータ

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JP2666147B2
JP2666147B2 JP63139207A JP13920788A JP2666147B2 JP 2666147 B2 JP2666147 B2 JP 2666147B2 JP 63139207 A JP63139207 A JP 63139207A JP 13920788 A JP13920788 A JP 13920788A JP 2666147 B2 JP2666147 B2 JP 2666147B2
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    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/26Mass spectrometers or separator tubes
    • H01J49/34Dynamic spectrometers
    • H01J49/36Radio frequency spectrometers, e.g. Bennett-type spectrometers, Redhead-type spectrometers
    • H01J49/38Omegatrons ; using ion cyclotron resonance

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  • Analytical Chemistry (AREA)
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  • Electron Tubes For Measurement (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、イオンサイクロトロン共鳴(以下ICRと記
す)質量スペクトロメータの測定セル内に捕縛された検
査すべき物質のイオンに該測定セルに印加した無線周波
数(rf)パルスにより励起した干渉性の振動を行わせ、
しかる後、励起されたイオンの信号により誘導された無
線周波数(rf)信号を所定の測定期間受信してこれを記
録し周波数依存信号に変換する、ICR質量スペクトルの
記録方法に関する。
(従来の技術) 例えば、Acc.Chem.Res.18(1985)316においてA.Gマ
ーシャルによって記述されたイオンサイクロトロン共鳴
はその適応性、感度の良さ、及び高い分解能により質量
スペクトル分光学に特に適した方法である。該方法はガ
スサンプル中に含まれる異なった種類のイオンをこれに
対応する幅の広いパルスにより同時に励起させ、該パル
スの消失後に励起イオンにより誘導された無線周波数
(rf)信号には周波数混合成分が存在する。該誘導信号
に含まれる成分は続いてフーリエ変換により周波数及び
強度に応じて分解される。
しかしながら、ICR質量分光学では、物質又は物質混
合物の分析を行いうるばかりでなく、例えばAcc.Chem.R
es.63(1963)81においてJ.D.バルトシュヴィーラーに
より記述された二重共鳴法により例えばイオン/分子衝
突や単一分子分裂による生成物などのダイナミックな過
程を観察することができる。この二重共鳴法はMS/MS実
験としても説明されているが、該方法においては、まず
最初にICR質量スペクトロメータの測定セル内に捕縛さ
れた検査すべき物質のイオンのうちこれから検査する一
種を除く全てを、これらイオンに対応するサイクロトロ
ン共鳴周波数を放射することにより除去する。必要に応
じて、次に測定セル内に衝突ガスを導入させる。しかる
後、前記選択された一種のイオンをイオン同士間及びイ
オンと衝突ガスの分子間での衝突が生じる程度に、且つ
衝撃分離により二次的断片を生成し得る程度に励起す
る。最後に、上記のようにして得られた二次的イオンを
通常のICR測定サイクルにより分析する。最初の質量ス
ペクトルがN本の線を含んでいれば、完全な分析を行う
ためにはN回の上記実験が必要である。最初のスペクト
ルの各線は何本かの新しいスペクトル線を生じるため、
最初のスペクトル線を第1の座標方向にとり、該第1の
スペクトル線と関連した二次的なスペクトル線を第2の
座標方向にとると、スペクトル線の二次元領域が得られ
る。
(発明が解決しようとする課題) このようなMS/MS実験はたとえ自動的に行われるとし
てもそのためには多大な時間と装置への多くの情報入力
が必要である。さらに、スペクトルが非常に複雑であっ
たり検出線の近くにオーバーラップする線や弱い線が存
在しているような場合には自動操作は失敗するだろう。
本発明の目的は、二重共鳴実験と同じ検査法を可能に
しながらも、測定時間がかなり短かくて済み且つ装置へ
の情報入力も少なくて済むと共に、さらに複雑な条件下
にも概ね適用できるICR質量スペクトル記録方法を提供
することである。
(課題を解決するための手段) 本発明に依れば、上記の目的は下記のステップにより
達成される。第1の無線周波数(rf)パルスP1を用いて
イオンを励起し、第1の所定の期間t1経過後、前記第1
のrfパルスP1と同じ周波数を有する第2のrfパルスP2
前記励起イオンに放射し、該第2のrfパルスP2放射に続
く所定の混合期間Tm経過後、測定セルに含まれるイオン
を再び干渉励起する第3のrfパルスP3に加え、所定の測
定期間t2中に前記3rfパルスP3により励起された振動に
よって誘導されたrf信号を受信且つ記録し、上述した測
定シーケンスを数回繰り返すステップを含むと共に前記
所定期間t1を変化させながら時間的に互いに続く前記三
つのrfパルスP1,P2,P3によってイオンを励起するステッ
プを含み、誘導された時間依存rf信号を記録し、前記所
定期間t1の変化に依存する、測定期間t2依存のrf信号の
組を前記期間t1及びt2への依存を解消させながら最終的
に二次元周波数依存信号に変換化する。
従って、本発明の方法はいくつかの点において、核磁
気共鳴の分野から知られ、化学反応や異性化等の動的な
過程を研究するために用いられる二次元交換分光学(NO
ESY)の方法と比較され得る(例えば、J.Am.Chem.Soc.1
01(1979)6441におけるB.H.マイヤー及びR.R.エルンス
ト、とJ.Chem.Phys.71(1979)4546におけるJ.ジーナー
他とを比較せよ)。しかしこの事実にもかかわらず、核
磁気共鳴(NMR)で観測されるスピンの横断的な磁化
と、ICR分光学における励起イオンの干渉性共鳴との間
には根本的な相違が存在するため、ICR分光学において
類似の方法を使用することは全く思いつき得ることでは
なかった。更に、NMR分光学において用いられる共鳴周
波数は互いに非常に近似しており、概ね数パーセント程
度の相違しかないのに対し、サイクロトロンクイオン共
鳴での共鳴周波数は電荷対質量比に大きな差異があるた
め最大で約1:50程度まで互いに相違している。ICR質量
スペクトロメータにおいては、その測定セルが3Tの静磁
場にさらされているので、試験される物質の共鳴周波数
は例えば50KHzと2.6MHzの間で変化し得るが、本発明に
係る方法のさらなる改良に依れば、この事実により生じ
る困難を、第1及び第2rfパルスP1及びP2と異なる搬送
周波数を第3rfパルスP3に与えることにより、又は使用
されるrfパルスが搬送周波数が所定範囲内で変化する広
帯域パルスであると云う事実により克服することができ
る。このような広帯域パルスは“チャープパルス”とし
ても記載されている(Chem.Phys.Lett.26(1974)489に
おけるM.B.コミザロー及びA.G.マーシャル参照)。
従って、本発明の方法は下記の測定順序により表示し
得る: P1−t1−P2−Tm−P3−t2, ここで P1=第1のrf励起用パルス P2=第2のrf励起用パルス P3=第3のrf励起用パルス t1=可変予備時間(第1次元の時間パラメータ) t2=干渉写真のための観察時間(第2次元の時間パラメ
ータ) Tm=反応時間 前述したように、第2rfパルスP2は第1rfパルスP1と同
じ周波数を有する。可変予備時間の末期において、イオ
ンが第2frパルスP2の位相と反対の位相を呈した場合、
第2rfパルスP2は第1rfパルスP1の効果を一部無効にして
しまうであろう。従って、第2rfパルスP2の効果は個々
のイオンの第1の時間t1の末期における瞬時的な位相に
依存しており、それ故に該時間t1は予備時間と記載され
るのである。よって、第2rfパルスP2の末期に得られる
非干渉イオンの数、従って反応時間Tmの初期に得られる
それは予備時間t1の関数である。従って、反応時間内で
生ずる事象は励起イオンの数に依存するので、予備時間
t1の影響を受けるのである。従って、第2の初期t2中に
第3のrfパルスP3によるイオンの繰り返し励起後に記録
された誘導信号と予備時間t1の長さとの間には依存関係
が存在する。
今、該予備時間t1を規則的に変化させる一方、すでに
時間軸t2に関連した周波数領域に変換されている信号を
更に時間軸t1に関連した周波数存在信号に変換すると、
最初のイオンとして想定可能な二次的な結果が二次元的
に表示される。各パラメータが適切に選択されれば、こ
のようにして、衝突ガス中において例えばMS/MS実験に
より得られるスペクトルに比較し得る種類のスペクトル
を発生させることができる。尚、観察パルスP3を使用し
なくても有効な実験を行い得る。
時間依存rf信号の周波数依存信号への変換は本発明に
係る方法の場合、二次元フーリエ変換により従来の方法
によっても行い得る。しかしながら、予備時間t1に応じ
た第2rfパルスP2による干渉の破壊が必ずしも正弦法に
従うものではないことを考慮すると、フーリエ変換は、
実際のスペクトル線の高周波もを含み得る、前記予備時
間に関連したスペクトルを提供するだろう。このような
側波帯は二次元ICRスペクトルの解釈を複雑にする可能
性を有する。従って、本発明に係るさらなる改良に依れ
ば、時間依存rf信号の周波数依存信号への変換は、例え
ば、J.Magn.Reson.62(1985)561においてP.J.Horeによ
って記述された最大エントロピー法を用いて行われる。
本発明は更に本発明に係る方法を実施するのに適した
ICR質量スペクトロメータに関する。かかるICR質量スペ
クトロメータは従来の測定セルと、該セルに接続されrf
信号を発生させる送信手段と、同様に前記セルに接続さ
れ誘導rf信号を受信する受信手段と、該受信手段に接続
され受信させた時間存在rf信号を対応する周波数依存信
号に変換するコンピュータとからなる。本発明の方法を
実施可能にするために、前記送信手段は同一周波数の二
つのrfパルス及び該パルスと同一周波数又は別の適切な
周波数を有する第3のrfパルスを発生するようにされて
いる。さらに、該送信手段は第1と第2のrfパルス間の
発生間隔を連続的に変化させ得る少なくとも1つの時間
要素を有する。この他に、別の時間要素、即ち一実験中
に不変である第2と第3のrfパルス間の発生間隔を、実
行すべき特定の実験に適合させた特定の値に調整するよ
うな別の時間要素を設けてもよい。スペクトルを記録す
る間に変化する予備時間t1の各値用の誘導信号を記憶す
る必要があるので、前記受信手段は複数の時間依存rf信
号を記憶するために設けられている。最後に、前記時間
依存rf信号を変換化するためのコンピュータは記憶され
た時間依存rf信号の組から二次元の周波数信号を発生さ
せるように、特に迅速な二次元フーリエ変換を行うよう
にされている。本発明に係るICR質量スペクトロメータ
の構築に必要とされる構成要素はそれ自体公知のもので
あり、特定の要件に適合するように当業者が組み合せる
ことができる。しかし、これらの構成要素は、ICR質量
スペクトロメータとしての本発明の構成では従前使用さ
れたことはない。この点に関し、rfパルスを発生させる
前記送信手段は、rfパルス発生期間中に変化する搬送周
波数を有すること、即ち、チャープパルスを発生し得る
ようにされていることが特に望ましい。
(実施例) 以下、本発明を本発明に係る方法にいくつかの実施例
に基づいて及び添付図面に示される該方法により得られ
たスペクトル参照して詳細に説明する。
下記の実験はスペクトロスピンICR質量スペクトロメ
ータモデルCMS−47(該装置の超伝導磁石は3Tの磁場を
発生する)とコンピュータAspect3000とを使用して行っ
た。
まず、81Br−ピリジンと79Br−ピリジンとの混合物を
検査した。該二物質は以下に物質A及びBと記載する、
即ち: A=81Br−ピリジン;mA=159amu fA=289.7KHz;fAH=287.8KHz B=79Br−ピリジン;mB=157amu fB=293.4KHz;fBH=291.5KHz これらの物質は本実験の目的にとり重要とされる程度
に、反応にあずかり得る、即ち中性粒子からイオンへの
水素移動: A+・+A又はB→AH++中性生成物、 及びイオンから中性粒子へのプロトン移動: A+・又はB+・+A→AH++中性生成物。
Br−ピリジンは6.10-8m barの気圧下にて70eV電子の2
0msパルスによりイオン化した。rfパルスの接続時間は2
0μs、振幅は35Vppであった。rfパルスの周波数f081
Br−ピリジンの周波数fAとΩA12π=760Hzだけ相違して
いた。このようにして形成されたスペクトル窓はA+・及
びAH+の信号を記録するのに十分な大きさであったが、B
H+の信号はたたみこみが発生した。
第1図は前述した下記測定順序により得られるA+・の
信号のt1への依存度を表している: P1−t1−P2−Tm−P3−t2 t1領域の鋭いピークは ΩAt1=(2K+1)π、K=0,1,2,… が成立するときに、即ち、予備時間t1の経過中に生ず
る、パルスP1のrf振動に対する位相シフトΩAt1が180゜
になる毎にあらわれる。従って、該ピークは1.32ms間隔
であらわれる。第1図のカーブをプロットするために使
用したディジタル化間隔はΔt1=166μsである。この
ような条件下で、前述の測定順序における第2のrfパル
スP2は第1のrfパルスP1により始めに励起されたイオン
を“消勢”する効果を有し、その結果イオン反応時間Tm
においてほとんど無視し得るほどの運動エネルギーしか
示さず、第3のrfパルスP3によって再びサイクロトロン
軌道に戻され観測し得るようになる。第1b図第1a図に示
すICR信号のフーリエ変換を示し、ここで偶数番号の又
は奇数番号の側波帯は夫々正方向又は負方向に振幅によ
り表示されている。
第2図は完全な二次元スペクトルを示している。ω
周波数軸は観測期間t2に関連したフーリエ変換に対応し
ている。予備時間t1に関連してリアルな余弦変換により
得られた垂直域ωはより明瞭にするために曲線により
互いに連結された側波帯群を示している。断面、即ち縦
列ω=Ωは第1b図で表されたフーリエ変換に対応し
ている。前側波帯群の第1の側波帯は、たたみこみが発
生しているΩBHにおける共振を除いて、第2図中点線で
示される斜線に一方の上に位置している。点線の斜線の
交点における周波数源はrf搬送周波数f0に対応してい
る。縦列ω=ΩAHは連続する側波帯を乗せた斜線のみ
ならず、矩形によりかこまれた関連する側波帯を乗せ
た、ω=Ω及びω=ΩAH点における交差線をも含
む。これらの信号は前述した反応、即ち、A+・→AH+
を直線証明している。これらの線は交互に代わる符号に
より明瞭に確認し得る。領域におけるスペクトル幅は30
00Hzであった。両時間域t1とt2における観測されたポイ
ントの数は240×2048であったが、該区間t1とt2はフー
リエ変換される前には0から256×2048のポイントによ
り満たされていた。線の広がりはω域で20Hz、ω
で40Hzであった。線が不明瞭でないにもかかわらず、こ
のような二次元スペクトルを解釈することは関連する側
波帯を乗せた両斜線及び交差線が存在するために困難か
もしれない。しかしながら前述したように、時間依存rf
信号を周波数依存信号に変換するのにフーリエ変換に代
えて最大エントロピー法を使用することにより、側波帯
の出現を回避することが可能である。この置換はしかし
実際の測定過程に影響を与えることではなので、最大エ
ントロピー法により得られるスペクトルの例を記載する
ことは本発明の目的にとって必要ないと考えられる。
第3のrfパルスP3に用いられる搬送周波数が最初の2
つのrfパルスP1,P2に用いられるそれと異なる変形例を
具体的に説明するために下記の反応が選択された: CH3CO++CH3COCH3→CH3C+(OH)CH3 CH3CO+は質量比mc=43amu、共鳴振動数fc=1071KHzで
ある。反応生成物CH3C+(OH)CH3は質量比mD=59amu、
共鳴振動数fD=779.9KHzである。
最初の2つのrfパルスP1,P2用に選択された搬送周波
数は前記共鳴周波数fcと79Hzだけ相違し、第3rfパルスP
3用に選択された搬送周波数は前記fDと100Hzだけ相違し
ていた。前述した方法により記録された二次元ICRスペ
クトルは第3図に示してある。該第3図中垂直方向に表
示されているω領域のω2/2π=100Hz、及びω領域
のω1/2π=79Hzにおける交差線の形状は明らかに前述
した反応が実際に発生したことを示している。該交差線
も水平軸上にω領域において側波帯群を付帯してお
り、該側波帯の諸波は79Hzの倍数で現われている。交差
線の完全なマトリックスのスペクトル幅は500×500Hzで
あったが、第3図ではその40%のみが示されている。処
理されたデータポイントの数は56×4048であったが、0
乃至128×4048のデータポイントにより満たされる。ま
た、該線の広がりはω領域において30Hz、ω領域に
おいて20Hzであった。
出発の物質と最終生成物の共鳴周波数に適合された最
初の2つのrfパルスP1,P2及び第3のrfパルスP3のかわ
りに、出発物質と予期された反応生成物の共鳴周波数を
含む、領域にわたって変化される搬送周波数を有するい
わゆるチャープパルスとしての広帯域パルスを用いるこ
とも可能である。このような広帯域パルスの使用によっ
ても本発明に係る方法の基本的な測定順序は何ら変化す
るものではない。
(発明の効果) 上述したように、本発明に係る方法は、MS/MS実験に
より得られる結果と略同一の結果を提供する。さらに、
MS/MS実験では発生し得るすべての変換過程を一つ一つ
順を追って個別的に測定することにより記録しなげれば
ならないのに対し、本発明の方法は、複数の変換過程が
同時に発生しそれらの全てを本発明の方法により同時に
記録するような複合したネットワークを調査すべきとき
特に感じられる多くの利点を提供する。本発明の方法で
はさらに、反応期間Tmの持続時間の関数として、又は該
反応期間Tm中における調査中の装置内で行われる次のよ
うな様々な処理、即ちレーザパルス、電子光線パルス、
又はパルスの形で導入されその分子が衝突反応の誘引と
なるような中性ガス等による処理、に応じて得られる信
号の振幅を観測することにより反応の動力学を調査研究
することもできる。
前述したことから明らかなように、本発明の新しい方
法は、これまでは公知の方法により実現するのにかなり
の困難を伴ったかあるいは全く実現し得なかった質量ス
ペクトルの調査を実現するための広い可能性を当業者に
提供するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は予備時間t1の関数として変調された81Br−ピリ
ジンのICR信号S(t1)を示す図、第1b図は第1a
図のICR信号のフーリエ変換を示す図、第2図は81Br−
ピリジンの二次元フーリエICRスペクトルを示す図、
第3図はCH3CO++CH3COCH3→CH3C+(OH)CH3で表される
反応生成物の二次元ICRスペクトルを示す図である。 P1……第1のrf励起用パルス、P2……第2のrf励起用パ
ルス、P3……第3のrf励起用パルス、t1……可変予備時
間(第1次元の時間パラメータ)、t2……干渉写真のた
めの観察時間(第2次元の時間パラメータ)、Tm……反
応時間。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ティノ・ゴイマン スイス国・ル・モン・シユル・ローザン ヌ ツェー・ハー‐1052 シユマン・ デ・ラ・クロワ (72)発明者 レイモン・ウーリエ スイス国・ローザンヌ ツェー・ハー- 1006 アベニュー モン・ロワジール 13

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオンサイクロトロン共鳴(ICR)質量ス
    ペクトロメータの測定セル内に捕縛された検査すべき物
    質のイオンを前記測定セルに加えた無線周波数(rf)パ
    ルスにより励起して干渉性振動を行わせ、しかる後該励
    起イオンの振動により誘導された前記rf信号を所定の測
    定期間にわたり受信し、記録し、周波数依存信号に変換
    する、ICR質量スペクトルの記録方法において、 イオンを振動させる第1のrfパルスP1を加え、 所定の第1の期間t1経過後前記励起イオンに前記第1rf
    パルスP1と同一周波数の第2のパルスP2を放射し、 前記第2のrfパルスに続く所定の混合期間Tm経過後前記
    測定セル内イオンに再び干渉性振動を生じさせる第3の
    rfパルスP3を加え、 前記所定の測定期間t2中に前記第3のrfパルスP3により
    励起された振動によって誘導されたrf信号を受信且つ記
    録し、 上述の測定シーケンスを数回繰り返すと共に、前記所定
    期間t1を変化させながら時間的に互いに続く前記三つの
    rfパルスP1,P2,P3によってイオンを励起するステップを
    含み、 誘導された時間依存rf信号を記録し、前記所定期間t1
    変化に依存する、測定期間t2依存のrf信号の組を、前記
    期間t1及びt2への依存を解消させながら最終的に二次元
    周波数依存信号に変換するステップを含むことを特徴と
    するICR質量スペクトルの記録方法。
  2. 【請求項2】前記第3rfパルスP3は前記最初の2つのrf
    パルスP1,P2と異なる搬送周波数を有することを特徴と
    する請求項1記載のイオンサイクロトロン共鳴質量スペ
    クトルの記録方法。
  3. 【請求項3】前記rf信号は所定の範囲内で変化する搬送
    周波数を有する広帯域パルス(チャープパルス)である
    ことを特徴とする請求項1記載のイオンサイクロトロン
    共鳴質量スペクトルの記録方法。
  4. 【請求項4】前記時間依存rf信号の周波数依存信号への
    変換は二次元フーリエ変換により行われることを特徴と
    する請求項1記載のイオンサイクロトロン共鳴質量スペ
    クトルの記録。
  5. 【請求項5】前記時間依存rf信号の周波数依存信号への
    変換は最大エントロピー法に従い行われることを特徴と
    する請求項1記載のイオンサイクロトロン共鳴質量スペ
    クトルの記録方法。
  6. 【請求項6】従来の測定セルと、該測定セルに接続され
    rfパルスを発生させる送信手段と、同様に前記測定セル
    に接続され誘導されたrf信号を受信する受信手段と、該
    受信手段に接続され前記受信した時間依存rf信号を対応
    する周波数依存信号に変換するコンピュータとを備える
    ICR質量スペクトロメータにおいて、前記送信手段は同
    一周波数の二つのrfパルスと該パルスと同一周波数又は
    これとは別の調節可能な周波数を有する第3のパルスと
    を発生するようにされ且つ前記第1及び第2のrfパルス
    間の発生間隔を連続的に変化させうる少なくとも1つの
    時間要素を含み、前記受信手段は複数の時間依存rf信号
    を記憶するようにされ、前記時間依存信号を変換する前
    記コンピュータは前記記憶された時間依存rf信号の組か
    ら二次元周波数依存信号を発生するようにされているこ
    とを特徴とするイオンサイクロトロン共鳴質量スペクト
    ロメータ。
  7. 【請求項7】前記送信手段はrfパルスの持続期間中に変
    化する搬送周波数を有するrfパルスを発生するようにさ
    れた請求項6記載のイオンサイクロトロン共鳴質量スペ
    クトロメータ。
JP63139207A 1987-06-06 1988-06-06 イオンサイクロトロン共鳴質量スペクトルを記録する方法、及び該方法を実施するためのイオンサイクロトロン共鳴質量スペクトロメータ Expired - Fee Related JP2666147B2 (ja)

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