JP2665192B2 - 難燃性プラスチックスの分解ガスの処理方法 - Google Patents

難燃性プラスチックスの分解ガスの処理方法

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JP2665192B2 JP10646195A JP10646195A JP2665192B2 JP 2665192 B2 JP2665192 B2 JP 2665192B2 JP 10646195 A JP10646195 A JP 10646195A JP 10646195 A JP10646195 A JP 10646195A JP 2665192 B2 JP2665192 B2 JP 2665192B2
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  • Incineration Of Waste (AREA)
  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難燃剤としてアンチモ
ン化合物とハロゲン化合物とを含有するプラスチックス
を燃焼、または熱分解した際に発生する分解ガスの処理
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】建材用,構造材用,電子機器用などで使
用されているプラスチックスには難燃性を向上させるた
め、臭素や塩素等のハロゲンを含む有機物などのハロゲ
ン化合物とともに、酸化アンチモンなどのアンチモン化
合物が使用されている場合が多い。そしてこれらのプラ
スチックスによってできた製品の廃棄物や、製品の製造
工程で副生する廃棄物は膨大な量になっており、これら
の再資源化は大きな課題となっている。
【0003】この再資源化方法としては、このまま粉砕
して他の用途に利用する方法もあるが、使用できる用途
が限られているため、汎用的な再資源化方法とは成りに
くい。これに対して燃焼させて熱エネルギーを回収、あ
るいは燃焼または熱分解して、無機充填材,オイル成
分,プラスチックス原料などの有価物を回収する方法が
あり、実用的な再資源化方法として有望とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、難燃剤
としてアンチモン化合物と有機ハロゲン化物等のハロゲ
ン化合物を含有したプラスチックスを燃焼または熱分解
すると、アンチモン化合物とハロゲン化合物が反応して
環境負荷の大きいアンチモンやハロゲンを含有した成
分、例えばアンチモンのハロゲン化物やアンチモンの有
機ハロゲン化物などが発生するため、これらの効率的な
処理方法や、さらにこれらからの付加価値の高い有価物
である酸化アンチモンの回収方法が課題となっていた。
【0005】これに対して、特開平6−144801号
公報に開示されたように、このようなプラスチックスの
分解ガスをそのままアルカリ水溶液で吸収させ、臭素な
どのハロゲンとアンチモンを回収する方法がある。しか
しこの場合、分解ガス中のハロゲンやアンチモンを含ん
だ成分は、水溶液中で溶解や解離しにくい有機化合物と
なっている場合が多いために、効率的な湿式処理や回収
がしにくく、さらに吸収液に溶解したアンチモンを酸化
アンチモンなどの固体有価物として効率的に回収するこ
とは技術的およびコスト的に難しい。
【0006】以上のように、難燃剤としてアンチモン化
合物とハロゲン化合物を添加したプラスチックスを燃焼
または熱分解した際の、分解ガスの効率的な処理方法、
および分解ガスからの酸化アンチモンの効率的な回収方
法は大きな課題となっている。
【0007】本発明の目的は、難燃剤としてアンチモン
化合物とハロゲン化合物を含むプラスチックスの熱分解
ガスを無害化処理するとともに、分解ガスから酸化アン
チモンを効率的に乾式回収する難燃性プラスチックスの
分解ガスの処理方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る難燃性プラ
スチックスの分解ガスの処理方法は、難燃剤としてアン
チモン化合物とハロゲン化合物を含有するプラスチック
スを燃焼または熱分解した際に発生する分解ガスを2次
的に燃焼または熱分解させ、その後、酸化アンチモンを
主体とする成分を乾式回収し、さらにハロゲンを主体と
する成分を湿式回収するものである。
【0009】本発明に係る廃ガスの2次的な燃焼または
熱分解の方式としては、分解ガスが効率的に炎と接触、
または効率的に加熱できるものである限り特に制限はな
いが、温度が800℃以上にすることが必要である。こ
の温度未満にすると、アンチモンを含む成分の酸化分解
や、同時に発生する有機ハロゲン化物の分解が不十分で
あるためである。この2次的な燃焼方式の例としては、
上記の難燃材を含有したプラスチックを燃焼または熱分
解した際に発生する分解ガスを、縦型または横型の円筒
形の炉内の下部から導入し、これとバーナーからの炎を
接触させる方法が挙げられる。燃焼させる場合の燃料の
規制は、特にないが、プロパン,都市ガスなどの気体燃
料と、灯油などの液体燃料が効率的である。また2次的
な熱分解方式としては、上記の分解ガスを、外部から加
熱した炉内に導入して加熱する方法が挙げられる。加熱
する場合の熱源としては、ジュール熱を利用した電気の
他、上記の気体や液体燃料を燃焼させ、発生する熱で間
接的に加熱する方法などが挙げられるが、効率的に加熱
できるものであるかぎり特に限定はない。上記の各加熱
方法では、炉の外側だけでなく加熱媒体を炉内に入れ、
これから発生する熱によって加熱することも可能であ
る。
【0010】この2次的な燃焼または熱分解の際の分解
ガスの加熱時間は、1秒以上が好ましく、これ未満にす
ると、アンチモンを含む成分の酸化分解や、同時に発生
する有機ハロゲン化物の分解が不十分である可能性があ
る。
【0011】燃焼または熱分解する雰囲気としては空気
中が好ましいが、酸素を含有する雰囲気である限り特に
限定はなく、また酸素単独でも差し支えない。さらに窒
素などの不活性ガス雰囲気や、減圧や加圧雰囲気に一時
的に置き換えてもよい。
【0012】このような2次的な燃焼または熱分解処理
した後では、上記の分解ガス中のアンチモンを含んだ成
分、例えばハロゲン化アンチモン,ハロゲン化酸化アン
チモン,ハロゲン化有機アンチモンなど(以後アンチモ
ンのハロゲン化物という)は、3酸化アンチモン,4酸
化アンチモン、または5酸化アンチモンなどの酸化アン
チモンの固体と、ハロゲン単体やハロゲン化水素(高温
では気体)などに変化させられ、このため2次燃焼炉の
後にバグフィルター、電気集塵機、またはサイクロンな
どの乾式回収装置を設置することで、生成した酸化アン
チモンを選択的に効率よく捕集し回収することができ
る。このように回収した酸化アンチモンは乾式回収装置
から分離後、離燃剤等に広く用いられている付加価値の
高い酸化アンチモンの原料として有効に再利用すること
ができる。
【0013】さらに分解ガス中のハロゲンを含んだ成分
のうち、有機ハロゲン化物は、2次的な燃焼や熱分解に
よって、ハロゲン単体やハロゲン化水素などの水溶液に
溶解しやすい構造に分解させることができる。このた
め、上記の酸化アンチモンの乾式回収の後で、アンチモ
ンのハロゲン化物の分解で生じたハロゲン単体やハロゲ
ン化水素等と一緒に、これらを水、アルカリ水溶液、ま
たはアルカリ+還元剤の水溶液などの吸収液で効率的に
捕集することができる。
【0014】ここでアルカリとしては水酸化ナトリウム
などが挙げられ、還元剤としては過酸化水素やチオ硫酸
ナトリウムなどが挙げられる。またこのような吸収液と
上記のハロゲン類のガスを接触させる装置としては、通
常の吸収瓶やスクラッパーなどが挙げられるが、できる
かぎり効率的に吸収液とガスが接触できるものであるこ
とが好ましい。さらにこのようなガス処理後の吸収液
は、乾式回収装置から若干漏れて混入したアンチモンを
濾過やキレート樹脂吸着などで分離した後、溶解してい
るハロゲンをアルカリで中和して臭化ナトリウムや塩化
ナトリウムなどの形に無害化することで安全に処分する
ことができる。
【0015】本発明で対象とするプラスチックスとは、
難燃剤として、アンチモン化合物とハロゲン化合物を含
有するものであるかぎり特に限定はなく、電子機器用、
建材用、構造材用などとして、これらの製品に使用され
るもの、またはこれらの製造工程での副生物として発生
するものを含み、熱硬化性や熱可塑性のものに分類でき
る。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂,フ
ェノール樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,メラミン樹
脂,ポリウレタン樹脂などが挙げられ、熱可塑性のもの
としては、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリカーボ
ネート,ABS樹脂などが挙げられる。
【0016】難燃剤のアンチモン化合物としては、三酸
化アンチモンや五酸化アンチモンなどの酸化物や、ハロ
ゲン化アンチモンなどが挙げられる。またハロゲン化合
物としては、特に臭素または塩素を含んだ有機物が挙げ
られ、例えば臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹
脂,臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂,デカブロ
モジフェニルエーテル,パークロロシクロデカン,塩素
化ビフェニルなどが例示される。
【0017】この他必要に応じて加えられる添加剤とし
ては、硬化剤,硬化促進剤,低応力化剤,離型剤,可塑
剤,着色剤,無機充填剤,可塑剤,酸化防止剤などが挙
げられる。
【0018】
【作用】本発明では、難燃剤としてアンチモン化合物と
ハロゲン化合物を含有するプラスチックスを燃焼または
熱分解した際に発生する分解ガスを、2次的に燃焼また
は熱分解することによって、分解ガス中のアンチモンを
含んだ成分を酸化分解させ、その結果、固体の酸化アン
チモンを主体とした成分として効率よく乾式回収するこ
とができる。同時に分解ガス中のハロゲンを含んだ成分
を分解して、水溶液に溶解しやすいハロゲン単体やハロ
ゲン化水素等にすることによって効率よく湿式回収する
ことが可能である。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0020】(実施例1)表1に記載した構成成分から
なる組成物を100℃の加熱ロール上で3分間混練し、
これを冷却し粉砕後タブレット化して、トランスファー
成形機で175℃で5分間成形して硬化体を得た。これ
を樹脂組成物Aとする。
【0021】
【表1】
【0022】図1のステップS1において、前記樹脂組
成物Aのうち10mm以下の粉砕物20gを管状炉で空
気を180リットル/時間で送入しながら、900℃で
30分間加熱した。その際に発生した分解ガスを図1の
ステップS2において2次燃焼させて捕集した。
【0023】2次燃焼を行う炉は、内径30cm高さ6
0cmのシリカアルミナ製耐火レンガでできた円筒形の
炉であり、炉内の底部に分解ガスを導入し、これをガス
バーナー(1本)で燃焼させた。ガスバーナーでは、プ
ロパン(40〜60リットル/時間)と空気(800〜
900リットル/時間)とを混合して燃焼させ、炉内温
度を1000〜1100℃の範囲になるように調整し
た。
【0024】図1のステップS3において2次燃焼炉内
の分解ガスは、炉上部から炉外に吸引ポンプで吸引し
(吸収液後の煙道に設置、ポンプでの最終廃ガス流量1
700〜1800リットル/時間)、水冷によって配管
を通して150℃以下に冷却された後、テフロン繊維製
バグフィルター(6cm径,1ミクロン以上粒子を捕集
可能)を通して、ガス中の固形物を回収した。
【0025】図1のステップS4,ステップS5において
バグフィルターを通過したガスは、苛性ソーダ(6m
M)の水溶液を充填した吸収瓶2本に通した。それぞれ
の吸収瓶の液量は1リットルで、直列に接続してあり、
直列前段の吸収瓶で捕集した吸収液を吸収液NO1、後
段の吸収瓶で捕集した吸収液を吸収液NO2とした。
【0026】図1に示すステップS6において吸収液を
通過した後のガス(以後廃ガスという)は煙道から大気
に放散する際に、600リットル/時間でポンプによっ
て煙道から吸引して吸着樹脂((株)オルガノ製アンバ
ーライトXAD−2、30gを通した。
【0027】捕集されたものの分析の前に、加熱したサ
ンプルの残留物中に残存しているアンチモンと臭素を分
析して、サンプルから発生したアンチモンと臭素の量を
求めた。つまり、アンチモンについては、フッ酸でサン
プルを溶解後、ICP(誘導結合プラズマ発光分光光度
計)で定量した。臭素については、酸素フラスコ燃焼法
でハロゲンを発生させ、アルカリ吸収液で吸収させ、イ
オンクロマト分析で定量した。
【0028】バグフィルターに捕集されたアンチモン化
合物のうち、アンチモンの臭化物は水に溶解し、酸化ア
ンチモンは水に不溶性であり、また両者ともフッ酸に溶
解する。そこでテスト後のバッグフィルターを半分に切
断し、一方を純水で洗浄し、この洗浄液に対して遠心分
離と濾過を行った後、炉液中のアンチモン(水溶性アン
チモン)をICPで分析した。また残ったバグフィルタ
ーをフッ酸に浸漬し付着したアンチモン化合物を全て溶
解させて、このアンチモン(酸分解性アンチモン)を同
様にICPで分析した。そしてそれぞれの実験値を2倍
にして、水溶性アンチモン(アンチモン臭化物)の量と
酸分解性アンチモンの量(捕集されたアンチモン総量)
をそれぞれ求めた。
【0029】さらに酸分解性アンチモンの値から水溶性
アンチモンの値を引いた値を酸化アンチモンの値とし、
この酸化アンチモンの値と捕集されたアンチモン総量
(酸分解性アンチモン量)の割合から、酸化アンチモン
の生成率を計算した。またこの捕集されたアンチモンの
総量の、サンプルから発生したアンチモン量に対する割
合から、アンチモンのバグフィルターでの捕集率を計算
した。また純水で洗浄した洗浄液中の臭素に過酸化水素
と苛性ソーダを加えた後、イオンクロマト分析によって
臭素量を定量した。そしてサンプルからの発生量に対す
る割合から臭素の捕集率を求めた。
【0030】さらに、吸収液中のアンチモンは液に塩酸
を加えて分解後ICPで、また臭素は過酸化水素を加え
て臭素を完全に臭素イオンにした後、イオンクロマト分
析で定量した。そしてサンプルからの発生量に対する割
合から吸収液NO1、NO2でのアンチモンと臭素の捕
集率を求めた。
【0031】吸着樹脂に吸着したアンチモンについて
は、吸着樹脂に硫酸と硝酸とを加えて分解し、この水溶
液中のアンチモンをICPで分析し定量した。また臭素
については酸素フラスコ燃焼法で吸着樹脂を熱分解し、
発生した臭素を苛性ソーダ水溶液で吸収させイオンクロ
マト分析で定量した。これらの値と吸着樹脂を通過した
廃ガス量(600リットル/時間)から、廃ガス中のア
ンチモンと臭素の濃度を求めた。これらの結果を表7に
示す。
【0032】(実施例2)表2に記載した構成成分から
なる組成物を100℃の加熱ロール上で3分間混練し、
これを冷却し粉砕後タブレット化して、トランスファー
成形機で175℃で5分間成形して硬化体を得た。これ
を樹脂組成物Bとする。
【0033】
【表2】
【0034】図2のステップS7において、前記樹脂組
成物Bのうち30mm以下の成形物をローラーハウス型
の燃焼炉に1kg投入し、空気を自然対流させながら、
室温から1000℃まで1時間かけて加熱上昇させた。
その際に発生した分解ガスを図2のステップS8におい
て2次燃焼し、捕集した。
【0035】2次燃焼を行う炉は内径40cm高さ10
0cmのシリカアルミナ製耐火レンガでできた円筒形の
炉で、この中に分解ガスを導入し、これをプロパンを燃
焼としたガスバーナー(1本)で燃焼させた。ガスバー
ナーでは、プロパン(800〜1200リットル/時
間)と空気(13000〜17000リットル/時間)
とを混合して燃焼させ、炉内温度を1100℃〜115
0℃の範囲になるように調整した。
【0036】図2のステップS9,S10において2次燃
焼炉内のガスは、炉上部から炉外に、誘引ファンで吸引
した(90〜100Nm3/時間で吸引)。炉外に出さ
れた分解ガスは、水を噴霧して200℃以下に冷却した
後、バグフィルター(テフロン繊維製,1ミクロン以上
の粒子を捕集可能,長さ70cm,内径12cm径の円
筒形のもの6本を並列)を通し、さらに図2のステップ
11,S12において苛性ソーダ(6mM)の水溶液を噴
霧(10リットル/分で循環)させたスクラッバー2基
に通した。これらのスクラッバーは直列に接続したもの
で(前段を吸引液NO1、後段を吸引液NO2とす
る)、容量が30リットルで、さらにラシヒリングを3
0リットルを充填している。そしてスクラッバーからで
た廃ガスを煙道から600リットル/時間でポンプで吸
引し、実施例1と同じ吸着樹脂30gを通した。そして
バッグフィルター、スクラッバーで使用した吸収液、お
よび吸着樹脂に捕集されたアンチモンと臭素を実施例1
と同様な方法で分析した。これらの結果を表7に示す。
【0037】(実施例3)表3に記載した構成成分から
なる組成物を回分式混合機で脱気しながら混合した後、
FEP製の型に注入し、室温で24時間放置後、60℃
で3時間加熱し硬化させ硬化体を得た。これを樹脂組成
物Cとする。
【0038】
【表3】
【0039】前記樹脂組成物Cの15mm以下の粉砕物
30gを実施例1の装置で室温から1000℃まで5℃
/分で昇温熱分解し、発生したガスを実施例1と同様な
装置で加熱温度が1000〜1100℃の間になるよう
に調節しながら2次燃焼させた後、同様に捕集し、アン
チモンと塩素を同様に分析した。結果を表7に示す。
【0040】(実施例4)表4に示す構成成分からなる
組成物をニーダー式混練り機で120℃で1分間混合し
た後、160℃の加熱プレスで5分間成形して硬化体を
得た。これを樹脂組成物Dとする。
【0042】
【表4】
【0043】前記樹脂組成物Dのうち40mm以下の粉
砕物1kgを実施例2と同様な装置で加熱し、発生した
ガスを加熱温度が900〜950℃になるように調節し
ながら2次燃焼させ、捕集した。さらに同様にアンチモ
ンと臭素を分析した。結果を表7に示す。
【0044】(実施例5)表5に示す構成成分を押し出
し機で240℃で混練しながら径2mmで押し出し、冷
却した。これを樹脂組成物Eとする。
【0045】
【表5】
【0046】前記樹脂組成物Eのうち長さ5mmにペレ
ット化した後、試験管型(内径30mm、長さ200m
m)の反応管に10g入れ、これを縦型の管状炉で窒素
(600リットル/時間)流しながら700℃で30分
間さらにその後、続けて空気(600リットル/時間)
を流しながら1000℃で30分間加熱した。この際、
窒素雰囲気で発生する分解ガスを、ドライアイス入りの
メタノールで冷却した冷却管(内径30mm、長さ20
0mm)で冷やして、樹脂のオイル状の分解物をトラッ
プし、そしてこの冷却管を通過したガスを2次加熱し
た。またその後、空気中でサンプルを加熱した時は、こ
のトラップをせずに分解ガスをそのまま2次加熱した。
2次加熱は、石英管(内径20mm)に2mm径のアル
ミナ球を15cmの長さに(両端をシリカウールで固
定)充填し、管状炉で900℃に加熱した反応器で行っ
た。そして2次加熱後のガスを実施例1と同様なバッグ
フィルター,吸引瓶および吸着樹脂で捕集し、同様にア
ンチモンと臭素を分析した。結果を表7に示す。
【0047】(実施例6)表6に示す構成成分を押し出
し機で230℃で混練しながら径3mmで押し出し、冷
却した。これを樹脂組成物Fとする。
【0048】
【表6】
【0049】前記樹脂組成物Fのうち長さ5mmにペレ
ット化した後、実施例5と同様な試験管型の反応管に1
0g入れ、空気を600リットル/時間通しながら10
00℃で1時間加熱した。そして発生した分解ガスを実
施例1と同様な装置で、加熱温度が800〜900℃に
調節して2次燃焼させた後、捕集した。さらにその後空
気中で加熱した時はトラップを外して、発生するガスを
直接上記装置で2次燃焼させ、上記の捕集系に分解ガス
を続けて流し、捕集されたアンチモンと臭素を同様に分
析した。結果を表7に示す。
【0050】(比較例1)実施例1と同様な樹脂組成生
物Aの粉砕物を同様な条件で加熱し、発生した分解ガス
を700〜750℃の加熱温度で同様に2次燃焼させ、
その後同様なバッグフィルター,吸収液、および吸着樹
脂で捕集した。そして同様にアンチモンと臭素を分析し
た。結果を表8に示す。
【0051】(比較例2)実施例2と同様な樹脂組成物
Bの粉砕物を同様な条件で加熱し、発生した分解ガスを
650〜700℃の間の加熱温度で同様に2次燃焼さ
せ、その後同様なバッグフィルター,スクラッバー、お
よび吸着樹脂で捕集した。そして同様にアンチモンと臭
素を分析した。結果を表8に示す。
【0052】(比較例3)実施例3と同様な樹脂組成物
Cの粉砕物を同様な条件で加熱し、発生した分解ガスを
2次燃焼させずに、そのまま同様なバッグフィルター、
吸収液、および吸着樹脂で捕集した。そして同様にアン
チモンと塩素を分析した。結果を表8に示す。
【0053】(比較例4)実施例4と同様な樹脂組成物
Dの粉砕物を同様な条件で加熱し、発生した分解ガスを
2次燃焼させずに、そのまま同様なバッグフィルター、
スクラッバーおよび吸着樹脂で捕集した。そして同様に
アンチモンと臭素を分析した。結果を表8に示す。
【0054】(比較例5)実施例5と同様な樹脂組成物
Eの粉砕物を同様な条件で加熱し、発生した分解ガスを
2次加熱させずに、そのまま同様なバッグフィルター、
吸収瓶、および吸着樹脂で捕集した。そして同様にアン
チモンと臭素を分析した。結果を表8に示す。
【0055】(比較例6)実施例6と同様な樹脂組成物
Fの粉砕物を同様な条件で加熱し、発生した分解ガスを
同様に600〜700℃の間の加熱温度で2次燃焼し
て、その後同様なバッグフィルター,吸収瓶、および吸
着樹脂で捕集した。そして同様にアンチモンと臭素を分
析した。結果を表8に示す。
【0056】
【表7】
【0057】
【表8】
【0058】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、難
燃剤としてアンチモン化合物とハロゲン化合物を含有す
るプラスチックスを加熱または燃焼した際に発生する分
解ガスを、800℃以上の温度で2次的に燃焼または加
熱することによって、分解ガス中のアンチモンを含んだ
成分を、酸化アンチモンを主体とする成分にして効率的
に乾式回収でき、同時にハロゲンを主体とする成分を分
解して吸収液で効率的に捕集することができる。これに
よって、回収した酸化アンチモンは原料として再資源化
することができ、さらに最終的に大気に放散させガス中
のアンチモンやハロゲンの濃度を大幅に減少化すること
ができ、環境負荷を著しく低減化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の手順を示すフローチャート
図である。
【図2】本発明の別の実施例の手順を示すフローチャー
ト図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F23G 7/06 ZAB B01D 53/34 134C B09B 3/00 303E (72)発明者 鮎川 大祐 大阪府大阪市北区堂島浜1丁目3番23号 株式会社タクマ内 (72)発明者 芝野 伸二 大阪府大阪市北区堂島浜1丁目3番23号 株式会社タクマ内

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 難燃剤としてアンチモン化合物とハロゲ
    ン化合物を含有するプラスチックスを燃焼または熱分解
    した際に発生する分解ガスを2次的に燃焼または熱分解
    させ、その後、酸化アンチモンを主体とする成分を乾式
    回収し、さらにハロゲンを主体とする成分を湿式回収す
    ることを特徴とする難燃性プラスチックスの分解ガスの
    処理方法。
  2. 【請求項2】 前記2次的な燃焼または熱分解の際の加
    熱温度は、800℃以上であることを特徴とする請求項
    1に記載の難燃性プラスチックスの分解ガスの処理方
    法。
  3. 【請求項3】 前記2次的な燃焼または熱分解は、分解
    ガスを炎と接触させ、或いは分解ガスを加熱することに
    行う処理であることを特徴とする請求項1に記載の難燃
    性プラスチックスの分解ガスの処理方法。
  4. 【請求項4】 前記2次的な燃焼または熱分解を行う雰
    囲気は、酸素を含有する雰囲気であることを特徴とする
    請求項1に記載の難燃性プラスチックスの分解ガスの処
    理方法。
  5. 【請求項5】 前記2次的な燃焼または熱分解は、酸素
    雰囲気を不活性ガスの雰囲気に一時的に置き換えて行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の難燃性プラスチック
    スの分解ガスの処理方法。
  6. 【請求項6】 前記2次的な燃焼または熱分解は、減圧
    または加圧雰囲気に一時的に置き換えて行うことを特徴
    とする請求項4又は5に記載の難燃性プラスチックスの
    分解ガスの処理方法。
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