JP2663281B2 - ガラス基板加熱方法および装置 - Google Patents

ガラス基板加熱方法および装置

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JP2663281B2 JP23483388A JP23483388A JP2663281B2 JP 2663281 B2 JP2663281 B2 JP 2663281B2 JP 23483388 A JP23483388 A JP 23483388A JP 23483388 A JP23483388 A JP 23483388A JP 2663281 B2 JP2663281 B2 JP 2663281B2
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正彦 長谷川
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、液晶表示板(以下LCD)などに用いるガラ
ス基板を均一に一定の温度に加熱するために用いる加熱
方法および装置に関するものである。
(発明の背景) LCDに用いるガラス基板はその表面の洗浄後に洗浄液
を除くために加熱したり、樹脂(例えばポリビニルアル
コール、ポリイミドなど)でできた配向膜を焼成(ベイ
キング)するために加熱することがある。また、LCDの
ガラス基板に薄膜トランジスタなどの素子を一体に形成
する場合には、このトランジスタ形成過程においてガラ
ス基板を種種の温度に加熱する必要が生じる。さらに感
熱紙に印字を行うためのサーマルヘッドでは、ガラス基
板に発熱素子を形成する工程でガラス基板を一定温度に
加熱する必要が生じる。
このようにガラス基板を一定温度に加熱する場合に、
従来はガラス基板を加熱板の表面に真空吸着させた状態
で加熱するようにしていた。しかし真空吸着すると、空
気がガラス基板表面に接触して流動するためにガラス基
板が静電気により帯電し、このため埃がガラス基板に付
着して製品の品質を低下させたり歩留まりを低下させる
という問題があった。
またガラス基板の加熱が均一に行われないと、ガラス
基板が加熱中に歪んだり反ったりしたり、均一な焼成が
できず、やはり製品の品質を低下させるという問題が生
じる。
(発明の目的) 本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、
ガラス基板の加熱時にガラス基板に静電気による帯電が
生じるおそれがなく、埃の付着による製品の品質低下を
招く恐れがなく、加熱によってガラス基板の歪や反りが
発生せず、均一な焼成が可能になるガラス基板加熱方法
を提供することを第1の目的とする。
またこの方法の実施に直接使用するガラス基板加熱装
置を提供することを第2の目的とする。
(発明の構成) 本発明によればこの第1の目的は、ガラス基板を、そ
の搬送方向にそって配設した複数の加熱板に順次送って
加熱するガラス基板加熱装置において、加熱途中におけ
る各加熱板に間隙をもってガラス板を載せ、ガラス基板
の搬送順にこの間隙を小さくしつつ順に送ることを特徴
とするガラス基板加熱方法により達成される。
また第2の目的は、ガラス基板を、その搬送方向にそ
って配設した複数の加熱板に順次送って加熱するガラス
基板加熱装置において、少なくとも加熱途中における加
熱板に、その加熱板表面とガラス基板との間に所定の間
隙を形成するスペーサを設けたことを特徴とするガラス
基板加熱装置により達成される。
ここにスペーサの厚さはガラス基板の搬送方向に連続
的または不連続的に薄くすることができ、所定の温度に
加熱した後は一定温度の加熱板に密着させて一定温度に
保持するようにすることができる。
(実施例) 第1図は本発明の一実施例の説明図である。この図で
ガラス基板10は左から右へコンベア(図示せず)により
搬送される。12、14、16は加熱板であり、ガラス基板10
の搬送方向に沿って配設されている。加熱板12、14、16
は電気ヒータの表面にアルミあついたなどからなる均熱
板を置いたものや、IR(遠赤外線)板などで構成され、
これらはその上面の加熱面が一定温度になるようにそれ
ぞれ温度管理されている。加熱板12、14の上面には所定
厚さのスペーサ18、20が置かれている。スペーサ18はス
ペーサ20より厚く、ガラス基板10の搬送方向に向って順
に薄くなっている。また加熱板16にはスペーサはなく、
ガラス板10はこの加熱板16表面に密着するようになって
いる。
ここで、例えばLCEに用いられるガラス基板10のPIの
配向膜を焼成する場合であれば、各加熱板12、14、16の
表面を例えば150〜200℃に管理しておく。この時スペー
サ18は例えば1.0〜2.0mm、スペーサ20は例えば0.2〜0.5
mmに設定しておく。ガラス基板10は最初加熱板12のスペ
ーサ18に一定時間載せられた所定温度に加熱され、その
後直ちに加熱板14のスペーサ20上に移され、さらにここ
で一定時間が経つと最後の加熱板16に密着するように載
せられ、以後一定温度に保たれる。
このような条件でガラス基板10を加熱する場合の温度
特性は第2、3図に示すようになる。第2図はスペーサ
厚さに対するガラス基板10の温度分布の変動幅を示すも
のであり、急激な加熱によりガラス基板10が不均一に加
熱されるほど、この変動幅は増大する。従って例えば30
℃→200℃に加熱するのに加熱板に密着させれば温度変
動が±26℃位に大きくなり、温度不均一性によるガラス
基板の歪も大きくなる。しかし2.0mm厚さのスペーサを
用いればこの変動幅は±5℃程度に激減する。また加熱
温度幅が小さければその間の変動幅も小さい。例えば30
℃→100℃→200℃の段階的に加熱すれば、スペーサが0.
4mmあるいは0mmとなっても変動幅は10、12℃程度に減少
する。また第3図はスペーサ厚さに対する昇温に要する
時間を示すものである。この図から明らかなようにスペ
ーサが厚くなるほど昇温に要する時間が長くなる。
本発明はこのような特性に鑑み、基板10と加熱板との
温度差が大きい間は厚いスペーサ18を介して加熱し、温
度上昇に伴って薄いスペーサの加熱板に移し、最後にス
ペーサなしとすることにより、ガラス基板10上の温度の
不均一を少なくすると共に、加熱時間の短縮とを図る。
この実施例では加熱板はガラス基板10を3つの加熱板
12、14、16で3段階に加熱するが、本発明はさらに各段
階に加熱するものであってもよい。また加熱板はガラス
基板の下側だけでなく上側にも配置し、上下両面から同
時に加熱するものであってもよい。
(発明の効果) 第1の発明は以上のように、ガラス基板を複数の加熱
板に順次送って加熱するにあたり、加熱板とガラス基板
のと間隙を搬送順に次第に小さくなるようにしたもので
ある。この結果ガラス基板の各部分での加熱時における
温度の変動幅が小さくなり、加熱中における温度分布が
均一化することになる。このためガラス基板の歪が減少
し、反りも少なくなり、製品の品質が均一化する。また
ガラス板は真空吸着することなく加熱できるので、静電
気が発生せず、ほこりの付着による品質低下や歩止まり
低下も防止できる。
また第2の発明によれば、この方法の実施に直接使用
するガラス基板加熱装置が得られる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の一実施例の説明図、第2、3図は加熱
時の温度特性図である。 10……ガラス基板、 12、14、16……加熱板、 18、20……スペーサ。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス基板を、その搬送方向にそって配設
    した複数の加熱板に順次送って加熱するガラス基板加熱
    装置において、 加熱途中における各加熱板に間隙をもってガラス板を載
    せ、ガラス基板の搬送順にこの間隙を小さくしつつ順に
    送ることを特徴とするガラス基板加熱方法。
  2. 【請求項2】ガラス基板を、その搬送方向にそって配設
    した複数の加熱板に順次送って加熱するガラス基板加熱
    装置において、 少なくとも加熱途中における加熱板に、その加熱板表面
    とガラス基板との間に所定の間隙を形成するスペーサを
    設けたことを特徴とするガラス基板加熱装置。
  3. 【請求項3】スペーサの厚さはガラス基板の搬送順に次
    第に薄く作られていることを特徴とする請求項(2)記
    載のガラス基板加熱装置。
  4. 【請求項4】ガラス基板は所定の温度に加熱された後は
    一定温度の加熱板に密着されて一定温度に保持されるこ
    とを特徴とする請求項(2)記載のガラス基板加熱装
    置。
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